• 北京が対外に流す情報から見る権力闘争の終盤の形

    by  • May 14, 2012 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣氏:http://twishort.com/afpp1

    Translated by  @Minya_J

    2012年5月14日

    5月11日、日本の夕刊フジが「失脚した中国の大物薄熙来独占インタビュー」 を発表。4月26日、日本のやまと新聞宇田川啓介氏が中国国家安全部の監視下に権力を失ったとみられる薄熙来と晩餐をした、と。

    これは薄熙来軟禁後、初めて外に姿を現した爆弾的なニュースで、聞いた人の最初の反応は仰天か不信だった。皆、?なぜフツーならあり得ない面会が宇田川氏に許されたのか?なぜ日本の新聞から政治報道にたけてない娯楽性の高い新聞を選んだのか?

    なぜ4月中旬以前のように英米の大メディアや香港のそれを選ばなかったのか??なぜ4月26日の会見を5月の11にようやく発表したのか、という疑問だ。

    第一の疑問には、宇田川がその記事の中で1997年に大型スーパーのマイカルの法務担当として大連に投資し、市長だった薄熙来と関係があった、と説明。後に弁護士をしていた谷開(薄熙来夫人)と顧問契約を結び、薄一家と関係があった、と。

    さらに晩餐は国家安全部が整えたもので写真撮影と録音は許されなかった、と述べている。で、読者は今回の会見がホンモノであったかどうかの証拠や証明を得るのは不可能になった。

    だから人々は日本のメディアの彼に対する職業的信用と夕刊フジのメディアとしての信頼性からこのニュースの真実性を判断するしかなかった。

    というわけで、目下、彼が属するやまと新聞や、夕刊フジの発行部数や報道の質を考えても、依然、真実か否かを判断する術はなかった。で、筆者“宇田川敬介@udaxyz”氏に英文メールを送って2つ質問した。

    今回の会見は中国側から申し出があったのか、あなたが求めたのか?彼はツィッター上で知らない人と議論するのを拒否し、取材は受けるが日本語でないとダメだ、と言った。

    王立軍事件以来、信じ難い仰天ニュースが色々出ており真偽不明の突飛なものもある。中には薄熙来が大連航空事故を起こしたとか、王立軍の殺人の証拠は毛髪やツメでなく(保存困難な)肉片だとか。

    かくて私は真偽判別しかねる情報よりも、この報道の生み出した情報効果に注目して分析したほうがよい、とおもった。このさして長く無い記事の伝えたい重要な情報は3点ある。

    その伝えたい重要な点?は薄熙来は自分に関係する醜聞の大部分を否定。谷開の犯罪行為は否定せず。そして妻とは不仲であって、早く離婚しておればよかった、と。?は「これは権力闘争ではなく、重慶のマフィアの復讐で有る」と。?は「俺は復活する」と。

    この3点は薄熙来を読み解くのにぴったりな具体性を持っている。まず薄熙来支持者の重要な願いを代表するもので、かつまた党中央A(公開化派。胡?温に代表される中共)に”下りる梯子”を提供したといえる。

    それは、妻(*英国人殺害容疑者)と切り離すことによって、薄の罪の負担を軽くして、「マフィア退治」の報復で権力闘争を否定して「中共A」の面子を立て、薄熙来復活の伏線まで残す、ということだ。

    高官は家族の巻き添えで出世の道が影響を受けることはない。先例も中共には多い。贾庆林の妻の林幼芳は事件を起こしたが贾は離婚によって全国政協会議の主席に留まれたといわれる。最後の「復活」宣言は「王者の帰還」のように支持者を元気づけるわけだ。

    以上述べた事は宇田川という日本人記者がねつ造したものではない。ある日本ツイ友によると、宇田川は自分のブログを「C級政治評論」と題し、主な内容は日本民主党の政治評論で、中国評論もてがけている。その文章は日本人にしてはユーモアがある、と。

    だとしてもこれは彼が描きうる絵図ではない。一番重要なことは宇田川氏本人が積極的にこのような情報を流したり、偽ニュースで自身の信用を無くす危険を冒す必要がない、ということだ。

    というわけで、大胆な推論をすれば、彼が薄熙来にあったかどうかはまだ証明されていないとしても、その取材の肝要な点は中国側が彼に流したもので、薄熙来に有利な点から見て、それをやったのは「中共B」の側だろう、ということだ。

    ここで注目したいことがある。4月24日、陳光誠が逃げた、という情報が出てくる前に、中央A側は何人かの匿名情報源(実名は王康1人)を通じて外国メデイアにリーク情報で薄熙来一家仰天ニュースを流した。

    が、陳光誠事件が国際メディアの焦点になると彼らは一斉に行動を停止した。(上からもう言うな、と言われたと)。陳事件の結果からみると中共Bが優勢になり、これは米国の対中外交史上最大の失敗だった。

    5月8日に河南省襄城县村民の聂木妮夫婦が領事館に逃げ込んで、次の日Jeffrey Bader前国家安全保障会議アジア局長が「米中両国は陳光誠事件みたいなこんなことがこれからもはやっちゃ困っちゃうのよ」と公開の席で述べたものだ。

    メディアの陳光誠熱が冷めたとき、宇田川敬介が5月11日、突然、半月前の”独占インタビュー”が発表された。実に周到なタイミングである。

    というのは5月10日に広州の「時代周報」が「谷望江(谷開の姉?)が裏から支配する喜多来(企業名?)資本系列の秘密」が発表されたのだ。これは他のサイトに数多く転載された。削除されたのもあるが、金羊ネットにある。http://news.ycwb.com/2012-05/11/content_3799831.htm

    夕刊フジの記事はまさに薄熙来と谷開夫婦が政治上、切り離されたタイミングにぴったりで発表されたのである。

    前にも述べたが、中共のこの度の権力闘争では中共内部だけでなく、国際メディアの力を借りておこなわれた。日本の夕刊フジの11日の宇田川報道の 後、英国のファイナンシャルタイムズも13日には『薄一派が安全部内での役割(=権力)を諦めた」という記事がでている。

    この記事の要点は「3人の政府高官筋によると、周永康(中央政治局常務委員/薄熙来派?)は国家安全部の権力を公安部長の孟建柱に譲渡したが、本人の職務停止は公開されず、今年の退職まで任に留まる、というものだった。

    周永康は政法委書記として他の高官の長年来の秘密を握っておりいるからもしおおっぴらに周の権力を剥奪するのは大変危険だからこのような措置に成った、と。

    この報道によると高官は『周は政治局常務委で地位を守るため薄を調べるように言われている。がメディア上では健在ということになっている」と。

    (原文;周永康被迫在政治局常委为自己保薄做检查」;この訳でいいのかな)

    このニュースはもし「周が権力を手放したが、メディア上では活動を保持する」などといわなければもっと信用されただろう。中国人はメディア上のリーダーの名前によって健在か失脚かを判断する習慣がついているからだ。

    だからこの話は、周永康の公開活動は、党中央が大局の安定を考慮したからでで、実際は既に周はゼッタイ”アウト”なんだと宣言したに等しい。

    しかし、事実上18回大会が終わって、周が胡や温と同時に正常に引退するなら、今、権力を孟に手渡すのは当たり前のことで、これが果たして「完全に負け組の姿だ」と言えるだろうか?

    4月20日以前には薄熙来の家族に対して言いふらされたのは、罪を着せる話ばかりだった。薄熙来に有利で中共に不利な噂はすべて”嘘っぱち”とされたものだった。

    今回の一連の「情報流し」の特徴は、「デマを打ち消すのではなく、故意に水を掻き混ぜる」やり方だ。かくて様々ななニュースをみて、私はこう結論せざるをえない。

    すなわち、党?政?軍の制度上のリソースを占める中共Aと、多くの指導者の二代目世代や古い太子党員が支持する「非制度的リソース」の中共Bがこの政治闘争の中で「手打ち」をしたのだ、と。

    真相は、やはり18回大会の人事配置をみないとわからない。(終)宇田川記事 http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20120511/frn1205111124000-n1.htm

    (拙訳御免、ご指摘歓迎)

    (爺注)何清漣さんの記事で出てくる中共Aと中共Bの抗争については、金鰤さんの頁にしっかりした読みやすい日本語での記事があります。 爺の翻訳より数倍よみやすいので御薦め(^^;)。

    http://kinbricksnow.com/archives/51784281.html 08:42 AM May 15th via web

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