• 「9匹の龍による共同統治」ー北京権力闘争、高値で始まり安値に終わるー

    by  • May 28, 2012 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログ;

    (2012/5/28)

    全文日訳:Takeuchi Jun @Minya_J

    http://twishort.com/afuvc

    今年2月から北京は世界最大のデマ・センターになった。
    5月に入って、北京の意を受けた内部囁き人の声は日に日に減少してきたが、それでもじっくり見ていると次第に薄熙来擁護派に有利になってきているのがわかる。

    限られた情報の中で最も重要なのは5月25日のロイターが報じた内部からの情報。それは5月初め、中共中央が北京の京西ホテルで二百人の会議を開き、席上、胡錦濤が、薄熙来事件を”刑事犯罪”に限定し個別の特殊な事件で有る、とした。

    そして、胡総書記は重慶共産党書記の薄熙来の解職後に発生した緊張状態の進行を防止するために中共高級幹部は団結せよ、と述べた。ロイターによると取材源 は「会議に密接に関係する3人の消息筋」だという。これが本当なら、温家宝が薄熙来事件後に”保留”した「路線闘争」の罪を課すという案はすでに放棄され た、という事だ。

    もし胡・温が代表する「中共中央A」の勢力がこの事件を「薄熙来夫人の谷開来女史が英国人商人を殺害した容疑の刑事事件」として裁くことを最終的に決めたのであれば、薄熙来の将来は以下の3つの可能性がある。

    ❶最も重い罪名は薄熙来を妻の殺人共犯者。だがこの罪にするためには手段を選ばず谷夫人にそう言わせて、その直接証拠を挙げなければならず相当難しいだろ う。❷比較的重い処分は、薄が事情を知って妻を庇った。それと本人の汚職容疑。❸は、薄熙来は、全く妻の殺人事件に無関係という判断。この3つだ。

    ❷か❸の可能性が高い。その基準は「中共A」が、周永康らが代表する「中共B」との間での駆け引きで決まるだろう。処理が重すぎたり、罪名が不適切だったり、軽過ぎたりしたら、薄の巻き返しが起きる可能性が高い。だからここが「中共A」側の最後の防衛線なのだ。

    これらの事実が証明するのはつまりこの一点である。即ち、制度上、劣勢の薄熙来派(その背後には「中共中央B」がいる)と、「中共中央A」が手打ちをした、ということだ。

    これをみて中国ウォッチャーの中には「薄熙来を許す事は、胡錦濤や温家宝が自分達のクビを絞めることになる、きをつけろ」といささか焦っていう人もいる。だが、私はこの結果は胡や温(特に温)の望む所ではなく、周囲の情勢に阻まれてやむを得ずこうなっただけだとおもう。

    公開されている情報を分析し、胡錦濤は最後になぜ最小の打撃しか与えないやり方を選択したか、どのような要素が彼をそうさせたのか?。

    まず第一に胡錦濤は軍事委員会主席ではあるが、軍隊への掌握力が弱いことがあげられる。

    ワシントンポスト5月17日の「薄熙来事件は以後の軍の力」ではこの事件で”リーク”し続けた政府筋や外交、軍事筋によるとこの事件で尋問された軍事高官は解放軍総後方支援部政治委員・劉源上将と第二砲兵政治委員張海陽上将(軍の元老張震の子)だという。

    劉源の力はたいしたことはなくても、張一派は軍で長年勢力を振るい、複雑な人脈を持っている。ここで薄熙来が「路線闘争」でなく「刑事事件」となれば、つまり劉や張たちはすでに難関をやりすごし安全な立場になったのだ、といえる。

    つまり、胡錦濤軍事主席は飾り物にすぎないのであり、この点、前任の江沢民の比ではないのだ。江も胡も軍に足場はなかったにはちがいないが、直面する局面 がまるで違っている。江時代は軍隊内の”太子党”や”2代目”は大部分がまだ”校级”の軍官だったが、いまやその多くが将官になっている。

    特に軍の総参謀部、総政治部、総後方支援部、総装備部の重要な地位は基本的には太子党と紅2代目によって握られている。彼らの政治を左右しようという欲望はすでに色々なチャンネルを通じても明らかにあらわれている。

    もっとも世界をぎょっとさせたのが朱成虎の「中国を半滅させる犠牲を払っても米国を核戦争で打ち負かせ」という言葉であり、もっとも系統だったものでは劉 源がいろんな形で表明している「新民主主義論」である。(これは父親の劉少奇と自分の政治的正当性を訴えるものだ)。彼らは胡錦濤へ無能をバカにし、不満 は隠そうともしない。

    5月23日、米国の中国大使だった洪博培(ハンツマン)はNYでの米中関係全国委員会で演説し、自分が経験した事で、「胡錦濤」が軍隊を掌握できてないことを説明した。

    それは2011年1月、米国国防省のゲーツが中国訪問時に、中国軍は突然、殲20型戦闘機(ステルス機)の試験飛行をおこなったのだ。(この技術は米国から盗んだといわれている)。

    ゲーツ長官は激怒し米国と自分への侮辱だとし訪問打ち切りを考えた。洪博培大使はゲーツに直接、胡錦濤に聞く事を薦め、翌日尋ねた所、胡錦濤は全く知らなかった。それで、中国では軍隊と指導者の間に明らかに亀裂があり、軍は重要な事は国家首脳にも隠蔽することがわかった。

    第二には胡錦濤には全政治局常任委員に言う事を聞かせるだけの権威がない、ということだ。所謂”集団指導制”は毛沢東のような独裁を防ぐため、政治局常任委員が共同で中国の最高指導権を行使する、というものだ。今節の中共は9人で、「9龍共同政治」と言われる。

    胡錦濤が薄熙来の支持者である周永康の権力と地位を弱めようとしたとき、胡は全員の支持を集める事ができなかった。5月17日の英ファイナンシャルタイムズによると、本来、河北省から18回党大会に選出されるべき康は、新疆で全票当選を果たした。

    この異例の政治措置から見えるのは、「中共中央A」は18大会から周を追い出すことが叶わず、かえってその指導層での支持の厚さを見せられることになってしまったのだ。

    また、現在の常任委員で薄熙来事件に対しての態度を表明しているのは温家宝と習近平だけである。人民代表大会を主管する呉邦国や、文化宣伝教育を主管する李長春らの態度はまったく明らかでない。

    最も興味深いのは李長春の下にある作家出版社が5月に堂々と『毛沢東同志延安講話ー文学者100人による手書き筆記記念本』を売り出したこと。また人民日報が5月24日に「普遍的な民主主義はブルジョアジーの欺瞞である」という署名記事だ。

    これは明らかに口で民主主義を唱えている温家宝総理に狙いを定めたものであった。5月21日には、左派的な言論の大本営である「乌有之乡」が電子メールで大メディアに送りつけた強硬な「薄熙来事件への声明」である。

    この声明は、薄熙来・王立軍事件は人を罠にかけて罪に陥れるものであり、改革開放以来最大の冤罪事件だ、として中共当局に迅速に二人の名誉回復を求め、冤罪をねつ造した者をやっつけろ、とし、「我らはビクともせず重慶路線(薄熙来)を支持する」というものだった。

    以上の全てのニュースから総合するに、この世界を揺るがした中南海の権力闘争は結局、生煮えの飯が炊けたような状態といえよう。路線闘争、腐敗汚職、刑事事件の3つの罪名のうち結局、政治的には一番打撃の少ない最後ので収拾をはかるわけだ。

    総書記の椅子に座る胡錦濤が18回大会の人事配置で各派政治勢力による掣肘を受け、今後の中国の政局情勢は更に暗く、先行きの見えないものになった。

    (終)(拙訳御免) 07:49 AM May 29th via web

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