• ”3枚の網”の下、薄熙来は暫時無事のよう

    by  • August 13, 2012 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログの概訳:

    Translated By Takeuchi Jun ‏@Minya_J

    http://twishort.com/agyjh

    ①谷開来(薄熙来夫人)と王立軍(薄の元部下)の裁判が始まり、外国メディアは薄熙来の関わりぶりや、夫人が如何に60億㌦もの巨額資産をヘイウッド(薄夫人に殺害されたと言われる英国人)らの手で海外へ移したか。

    ②更に、今年3月、中共党中央が(薄熙来に対して)適用を留保した「3つの網」の一つでもある、当局がこの60億㌦の由来の不正を追求するか、失脚した薄熙来を貪腐罪で追求するか、を知りたくて駆けつけたものだ。

    ③ しかし、海外メディアはガッカリさせられただけに終わった。名声赫々たるワシントンポストやタイムなど米国メディアの記者はせっかく安徽省の省都合肥に駆けつけても、法廷には入れず、暗闇の裁判。

    ④ 裁判はただこの事件をますます訳の分からないものにするばかりで、ヘイウッドが谷開来の手で殺されたのか、他に第三者の殺人者がいるのかや、毒殺に使われた薬はテトラミンか青酸カリかも謎のまま。

    ⑤ どころか、ネット上では「裁判を受けているのは実は谷開来の替え玉で山東省・廊坊の趙天韶という女性だ」、なんていう流言さえある。また王立軍の裁判は「国家機密」として対外には嫌疑内容さえ全く公開されていないのだ。

    ⑥ 流石に中国の弁護士は外国の法律専門家よりは現実を理解しており、護憲派弁護士の劉暁原氏は8月9日のツィッターで「谷開来事件は”3指事件”、即ち管轄、弁護士、傍聴を指定する事件と延べた、つまり、内容も明らかにされない「4指定事件」だ、というわけだ。

    ⑦谷開来事件の最大のポイントは、一貫して背後の主役、薄熙来が事件から除かれている点で、9日の裁判開始や10日の重慶4警官事件でも、被告人の誰もが薄熙来の「薄」の字にも言及しなかった。

    ⑧13日に始まった王立軍事件は、外からは窺い知れないが、元々の脚本の論理から言えば、別人が脚本を書いたのでない限り、既に二つの事件が薄熙来から切り離されている以上、これも薄に結びつけるのは無理だろう。

    ⑨ つまり、今年3月の薄・王事件発生後、胡・温等の中共トップ層は薄熙来に”3つの網”ー(路線闘争、政治腐敗、刑事犯罪)を保留して来たが、結局どの『網』も薄熙来に対して使えなかった事を意味する。

    ⑩ これは何も薄熙来本人がスゴイ力を持っていたから、ではなく、 胡・温の政敵(中共B)の勢力が大きく、各方面からあの手この手で邪魔をして、ついに胡・温が代表する中共Aに対して、谷開来事件から薄熙来を切り離すのに成功したのだ。

    ⑪ 結果的に見れば、これは中央Aと中央Bの妥協の結果であり、中国国内政治のダイナミックな動きの傍証である、と言えよう。

    ⑫ 谷開来事件裁判の開始前日、すでに退職した老幹部の马宾、李成瑞らが1644人の連署で中共中央に公開要求状をつきつけ、修正主義路線を推進し、資本主義を復活させ、帝国主義に投降したとして温家宝の罷免を要求した。

    ⑬ 犯した罪として「温家宝は西欧化派の党中央の代表であり、裏切り者であり、憲法に違反し、私利を謀り、社会主義経済の基礎に重大な一連の過ちと犯罪を与えた」と。

    ⑭ 興味深いのは共同通信や読売新聞が8日伝えた所によると「この公開手紙の中にはさらに薄熙来に対する寛大な処置を求めている」と。ただ、同日、私が博讯を調べた限りでは(左派の)「‘乌有之乡」の1644署名にはこの話は載っていない。

    ⑮ 温家宝の罷免要求の真の狙いは、「敵は本能寺」(薄熙来を救うこと)だ、がこの事は経済・資源を公有し、権力は党に(実際は集団私有)せよ、という左派的主張が中共党内に大いに受ける基盤があることを示している。

    ⑯ 左派・新左派の不満は自分達が批判している腐敗の根源と政府の無責任な現体制そのものにあるのではなく、 自分達がそこでオイシイ思いにあずかれないところにある。

    ⑰ 中国の私的所有制の責任を鄧小平ではなく、温家宝におっかぶせたのは、温が3月14日に会見で「文革の誤りと封建的な影響は尚、完全には無くなっていない」とのべ、薄熙来と北京の闘争を「改革開放」vs「文革」に類するものとしたからである。

    ⑱ 第二に、多くのリークが谷開来がヘイウッドらによって60億㌦が消えたというが、ヘイウッドの取り分や、どの位取ったのかが問題だが、法廷ではすべてヘイ ウッドが悪いせいだから、みたいになっている。例えば同氏が息子の薄瓜瓜の命を脅迫した、だから谷開来は我が子を愛するあまり凶行に及んだのだなどという わけだ。

    ⑲ 既に、ファイナンシャルタイムズ紙が谷の姉の谷望江がロンドンの200万ポンドもする2豪邸を購入した事実が報じた。この容疑は姉が妹の谷の代役を務めた容疑にはなっても、薄熙来の直接かかわりを証明することにはならない。

    ⑳ この意味は、薄熙来に対する”腐敗”という指弾が成立し難いということである。少なくとも中国の腐敗した政治環境では、この二つの親戚・親族による”贈り物”は薄熙来が政治的腐敗などの”厳重な過ち”を犯した証明にはならないのだ。

    (21)第三に、胡錦濤の軍制御能力は比較的弱い。二つの証拠がある。一つは「81建軍節」の日に『解放軍報』に発表された”永遠の軍の魂、永久の忠誠”と題する文章の中に読者をびっくり仰天させるこんな一節があったのだ。

    (22)「我が軍史上、形成がいかに険悪でも、敵に味方したりした部隊はひとつも無く、野心家が如何に狡智を巡らそうとも、軍を個人の陰謀に荷担させえた事はない」というのだ。

    (23)中国人の「行間の意味を読む習慣」によればこの話の意味は「軍隊内部で誰かが確かに軍制度を利用して個人的陰謀を達成しようとしたが、それは成功しなかった」ということなのだ。

    (24)もうひとつはニューヨークタイムズが8月8日に、解放軍の副参謀長章・沁生上級中将が今年前半、酒の勢いを借りて大っぴらに中央軍事委委員会に昇進できないのは時勢を分かってない、と公言し、胡錦濤が奮然として座を立った、という話を紹介している。

    (25)これは6月19日に発表された「軍隊の指導者は忠誠に欠けてはならず、政治上の自覚を」なる文を思い起こさせる。この意味は聞き分けのない将官連を叩いているが、つまり胡錦濤の軍中の地位が名実を伴なっていないことが察せられる。

    (26)今回の二つの裁判でわかることは薄熙来はしばし中共Aが留保していた3つの罪名を既に逃れ、残るはただ「党の規律」「政治規律」などの処分の裁量である。

    (27)谷開来裁判の結果からみると、胡錦濤とその政敵が手打ちをしたということ。で、胡が「国家主席・中共総書記・軍委主席」の「三位一体の身分」を持っていることを考慮すれば、「手打ち」というのは胡錦濤の敗北にほかならない。

    (28)その上、中央Aが指定した弁護団が法廷弁論で、今回の殺人事件は“謎の第三者”が介入、とか”谷開来は功績がある”などの表現をみても、中央Aが嫌々、渋々、薄熙来に対する手を緩め、この事件に”傷”を残して”切り札”にしたい意向が見える。
    *(况且,中央A为谷开来指定的辩护团队在庭辩时称,此次杀人案有“神秘的第三方”介入,法庭说“谷开来有重大立功表现”等,又可以看到中央A对放薄一马有点心不甘、情不愿,为此案留了一个口子,当作手中留用的“王牌”。)(<…ここの訳、いささか自信無し)。

    (29)次の駆け引きは18大会の政治局常任委員と軍事常任委員、副主席の座を巡ってのタタカイだ。誰が勝ち、負けるかは、舞台の影での殴り合いで、予想 は困難だ。薄熙来が果たして”王者の帰還”を果たせるかは、18大会以後の中国政治経済の状況の変化を見るしかない。(終)

    (原载何清涟VOA博客,2012年8月13日,http://voachineseblog.com/heqinglian/2012/08/gu-kailai/

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