• 「”虎と蠅”に思う」

    by  • January 27, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣@HeQinglian氏のブログ

    日本語全訳  By @Minya_J

    http://twiffo.com/1E4z

    ①人々が中国の政治改革や反腐敗運動に絶望感を持った時、中共総書記の習近平が1月22日に行った講話はまたしても多くの人々の希望を掻き立てるものとなった。(原文は ow.ly/hafWe )

    ②この講話の要点は「権力の執行の制御と監督を強化し、「権力を制度の”籠”に入れ」、「大物(虎)も小物(蠅)も共に打つべし」と指導幹部の紀律違反事件の調査に固い決意で臨み、大衆の身近な不正腐敗問題を的確に解決すべし、という事だった。

    ③ 【制度の籠は誰が編む?籠のカギは誰が持つのか?】

    まずこの「権力を籠に」という出典を言う。何年か前に、(中国の)ネットに米国の小ブッシュ大統領の演説が流布した。その一番有名な言葉が「権力を籠に」ということだった。

    ④ しかし私はネットで英語の原文を探したが、この言葉の出所を見つけられなかった。どうも中国人は「古に托して今の制度を批判する」やり方で、米国大統領の口を通じて中国人に権力の制限と民主政治に向かわせたかったようだ。

    ⑤ 共産主義文化は指導者に対して”超人的な要求”をしている。すなわち指導者は政治家であり、同時に理論家であり、さらに思想家でなければならない、ということだ。

    ⑥ このため指導者になると、とにかく”理論”らしきものを少なくとも何らかの形で”発明”しないといけないのだ。もしそうでないと新指導者は欠陥があるとか、完全じゃない、とおもわれてしまうのだ。

    ⑦ だから習近平もリーダーになるや、まだ体系的な理論は出すに至っていないが、様々な言い方でいろいろ言ってるわけ。でも最近言い出したばかりの「3つ の自信」論はその”創始者”の衣俊卿(* 中央编译局局长)が女性問題でミソをつけたのでパッとしないものになってしまった。

    ⑧ そこで、”小ブッシュ語録”に数文字つけくわえて「権力を制度の籠の中に」と言い出したわけだ。この言葉が発せられるとすぐさま内外の反応がおこり、喜んだり、疑問が提出されたり、中には「ダメでも、まあ言わないよりマシじゃん」と言い出す人もいる。

    ⑨ しかし、昔から「君主に戯れ言無し」(*君主の発言は重大で冗談では済まない)である。「18大会大勝利開催」以後、習近平総書記の講話はすべて一点に集中している。即ち「中共の権力一元は微動だにしてはならない」「権力の制限は西側の”邪道”である」

    ⑩ さらには「マルクスレーニンと毛沢東思想の2本の刀は絶対失ってはならない」「改革開放をもって毛沢東と文革を否定してはならない」「路線、制度、理論の3つの道に満腔の自信を持つ」、即ち、中共だけが権力を掌握することを続ける、ということだ。

    ⑪ ということは、つまり習総書記の「権力を籠に」の言葉の意味は、中共が自分で作った制度を自分が掌握し、自分が自分で作った籠に自分で閉じ込める、ということなのだ。

    ⑫ 【籠は紙縒り製?】

    『籠』も疑問だ。まさかこれまで中共は全く法律も制度もなしに国を治めて来たとでもいうのか?そうじゃないでしょ。紀律委、監察部、検察庁、反贪局、预防腐败局とか山ほどあるしどんどんふやしてきた。

    ⑬ 軍隊、警察にもいろいろあって、世界のどんな国より多いほど。
    国務院の2010年12月の発表の『中国反腐敗清潔政治建設』によれば、中国の反腐敗はすっかり万端揃っている。指導層の決心から法律体系、権力の制限から監督、腐敗防止制度新設まである。

    ⑭ ないものはない、というぐらい完璧。一例あげれば指導者の妻や家族が商売をすること、権力を私的に濫用することについてだけだって、中央紀律委員会は少なくとも20件以上文書を出している。

    ⑮ それだけじゃない、2006年に「国際反汚職局連合会』をつくって、国際汚職防止会議に出席して、世界各国に「中国の反腐敗政策の成功例」を紹介している。

    ⑯ そんなに成功してるならなんで中国の腐敗汚職はますます酷くなってるの?
    世界腐敗番付ではますます上位進出してる。2012年の国際政治透明度の指数では176の国や地域の中で、中国大陸は39ポイントで80位。前年の75位からずり落ちた。

    ⑱ ハッキリ言えば理由は簡単。中国の「制度の籠」って紙縒(こより)でできてると一緒。カギは中共自身が持ってる。籠の網はいつでも枉げて広げられて、どんな腐敗行為でも籠の編み目から自由に出入りできる。

    ⑲ 役人と家族は自由に、世界のどの国にも逃げて行けるし、中国は”裸官”(家族を海外に逃がして、自分だけ中国に残っている役人)が何百万にものぼる。

    ⑳ というわけで、自分で自分を監督するというのは旧態依然であり、紙の籠の上にさらにいくつかの紙縒を付け加え、ちょっと籠の密度が濃くなるようにみえるだけのことだ。虎どころかキツネだってスカンクだって閉じ込めておけるようなもんではない。

    (21) もう何百回も言ったことだが「どんな鋭い刀だって峰で叩いたって何も切れないし、どんな高名な外科医だって自分で自分を手術することはできない」のだ。

    (22) もし誰かに監督させるなら、籠のカギを私なさい、ということ。つまり選挙権、報道の自由、出版の自由、結社の自由等の政治権利を人民に返し、政権はかならず税金を納めている人たちの選挙によって選ぶということ。

    (23) そして権力の行使は選挙でえらばれた機構(例えば議会の様な)ものによって監督する。このような市民の権利と政治制度の根本問題を解決しなければ何をいっても無駄なのだ。

    (24) 習近平総書記が「権力を籠の中に」と言ったとき、この言葉がその直前に言ったばかりの「自分達の制度に自信を持つ」という言葉と本質的に相容れないものだ、ということに気がついただろうか?
    (25)【環球時報がまたしても”自らの籠を編もう”ということ】
    指導者の意図を汲んで報道つづける環球時報は、たちまち翌日ネット上に『中国の実際的な制度の籠をしっかり編もう』なる社説を掲載した。

    (26) 一方で「権力を制度の籠にいれることは中国社会が権力の制限に高度な共通認識を持っていることだ」と絶賛しながら、一方で「中国は西側と同様の制度の籠をつくるのは不可能で有る」とも述べている。

    (27) もしそうなら、中国は南アジアや東南アジアの国々のコピーのように、政治腐敗を止めることなく国家を巨大な不確定な方向に持って行くことになるだろう。

    (28) 籠を編む、というのは大きな仕事だが、もし現在の制度下でやるならば、実際にはただ“治乱邦用重典”(*厳刑主義で無理矢理国を治める、かな?違ってたらご教示請う。)といったやり方で、一部の汚職役人を罰するだけだろう。

    (29) 王歧山が最初、『反腐敗は静かに着実に前進すべきだ」と言った(*12月上旬)後、習近平の総書記(*10月)として反腐敗の呼びかけは、既に「お手並み拝見」の様子見状態になっていた。

    (30) 今回、習近平は自ら中央紀律委に乗り込み、全現職常任委員が出席し、講話では「しっかりと、石に足跡が残る様に、鉄にも跡が残る位の力で」といった。これは王歧山の言った『教育と薫陶によって反腐敗を静かに着実に前進させる』という考え方を否定したに等しい。

    (31) 中共の香港での代弁者たる「文汇报」は専門家に「党中央は二大大虎である金融腐敗と汚職役人を退治しようとしている」と言わせた。もしそうなら国務院で金融工作をしている王歧山はお得意の分野だし 、さっさと「大きな虎」達を捕まえてもよさそうなもんだ。

    (32) 我々中国ウォッチャーはまず「反腐敗の成果」をながめ、ホンモノの”大虎”が何匹か捕まったあとで、中共が自ら編んだ”籠”の大戦果を誇るのをボケーッと待ってみてればいいのかしらね?
    (《中国人权双周刊》第96期 2013年1月11日—1月24日、原文は ow.ly/hafWe )拙訳御免。御教示歓迎。

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