• 天を支える男でも破局を救えないー習近平の「1人の男もいなかった」発言に思う

    by  • January 29, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログ2013/1/29

    日本語全文概訳 By @Minya_J

    http://www.twitlonger.com/show/kso5a8

    ①習近平中共総書記の去年12月の『南方巡行』は鄧小平のひそみに習うのか、と中国ウォッチャーたちに思わせたものだった。

    ②しかし、最近になってようやく、中国政府が公表した『南巡』の談話は一部だけで不完全なものだったとわかり、ネットで全文が流布、それを読んだ人々はガッカリした。

    ③その中で一番知られた一節はソ連崩壊時の話だった。「ゴルバチョフが最後に一言ソ連共産党解散、といっただけで我々より巨大だった共産党が雲散霧消してしまった。結局誰もこれに異を唱え戦おうとしなかったのだ。1人の”男”もいなかった」という発言のくだりである。

    ④この「1人の男も…」は五代時代の蜀の王、孟昶の妃の花蕊夫人による《口占答宋太祖述亡国诗》に典拠がある。全文は「君主が白旗を掲げても、後宮深くに住む私は知るべくもなし、14万兵士が武装解除しても、1人の男も居なかったんだもの」と。

    ⑤つまり、ソ連共産党の亡党の教訓と、国を失った国王の妃の嘆きの名句を引用したわけで、これは習近平へのプレッシャーが大変重いものであることを表している。

    ⑥ この所謂「南巡講話全篇」で私は全然失望しなかった。なぜなら『習近平ー紅色政権の擁護者』 http://us.dongtaiwang.com/dt/z_aZ/XLCGiFz0iyPbjLx0h/Y0MN/482681
    で既に分析したとおり、彼は前から曖昧な立場の人ではなく、実際できるかどうかは別としても、言った事はほんとうにやりたい人なのである。

    ⑦ 彼はこれまでずっと自分の役割と位置については明確に認識していたし、”共産党の天下”を守る、という一点において、中共の何代もの元老達は後継者選びに絶対間違いは犯さない。

    ⑧ だが問題は、中国はとっくに全面的崩壊に瀕しており、中共政治局のトップ7人がすべて”天を支える程の男たち”であったとしても、中共の命運を荒れ狂う大波から押し返すのは難しいという事だ。

    ⑨ソ連共産党だろうが中共だろうが、 既に「名目も尽き、信用も尽き、愛想も尽かされた」状態であることをいくら中共が否定したところで その命運はリー ダーの意志によって決まるのではなく、人心の向背によって決まるからだ。(これは私は2007年の“‘五尽’之下的政治衰变”
    http://www.secretchina.com/news/07/11/10/218131.html?何清涟:“五尽”之下的政治衰变
    で書いた。)

    ⑩ 中共のソ連共産党崩壊に対する認識は、新華社が2011年12月25日に発表した「ソ連解体の原因と啓示」が代表的だ。筆者の万成は8つの問題を挙げている。

    ⑪ このうち「主要な原因は何か」が比較的中立的だが、他の7つは中共の利益という観点からだけ考えられていて例えば「ソ共亡党は誰が喜び誰の災難か?」「世界の力の構造にどんな影響がありら?」「中国は如何なる教訓を学ぶべきか」「ゴルバチョフの評価は」とかである。

    ⑫ こうした問題についてはプーチンがとっくに回答している。彼の有名な談話には二重の意味が有る。「ソ連解体を惜しまないものは良心が無い」というのはソ連が超大国から二流国家になりさがるのを残念がっているのだ。

    ⑬ そして、「かってのソ連を復活させようという試みは愚かである」とも言っている。これはソ連の独裁終焉は時代の流れにあった賢明なことであった、という意味だ。だが中国のメディアはこの部分の解釈を曖昧にして、前半だけを強調して報道した。

    ⑭ 実際のところ世界はとっくにソ連共産党滅亡の教訓を総括している。そのうち最重要の3点は第一にソ連の特権階級の腐敗が社会各部分の対立に拍車をかけ、インテリと民衆の心が政権から離れ、崩壊の直前には労働者が全国ストをやろうとしていたほどだ。

    ⑮ 第二にはソ連の超大国を維持する為の軍拡競争が財政困難を招いた事。第三はソ連共産党ゴルバチョフが時勢に応じて、「ペレストロイカ」など改革を打ち出しソ連東欧等の社会主義国家の共産党専政を終わらせたことだ。

    ⑯ では中共の目下直面する状況と20年前のソ連とを比べてみよう。まず国際環境では中共は間違いなくソ連より幸運である。

    ⑰ 20世紀の80年代はソ連東欧の共産政権は「神人共に許さざる」状態でローマ法王とレーガン大統領が歩調を合わせて邪悪な共産主義と戦い、人類と信仰 を救え、とよびかけ、「Tear Down This Wall」 というベルリンの壁前のレーガン演説はあまねく世界に伝わり、私はその放送を聞いていて涙あふれ止まらなかった。

    ⑱ 時のゴルバチョフ大統領はこうした世界の民主化への流れを歓迎する民心に応じる賢明な措置をとり、東欧型の”ビロード革命方式”でソ連の民主化の門を あけ冷戦を終わらせた。ゴルバチョフは賢明なる20世紀の偉大な英雄であるばかりか、青史に名を残し、世界の平和と自由を愛する人々に永遠に慕われること になった。

    ⑲ が、時は移り、世は変わった。今世紀の10年、中国が力強く興った時はまさに欧州が凋落に向かっていた。

    ⑳ 欧州連合(EU)の成立は落日の残光にすぎず、ドイツやフランスの大国へのしばしの夢でしかない。そしてもうひとつの超大国・米国はテロ戦争、イラク戦争で消耗、さらに08年の金融危機で借金で首が回らず、国民は戦争にうんざりしている。

    (21) 中東・北アフリカのジャスミン革命時に欧米は手を出したくても力がなく、現在シリアの内戦にも無力だ。このような状態で「中国の人権に関心」とか言った所でそれは一応義務として口にしてるだけで、かっての「第三の浪」を影で後押しした力は無いのだ。

    (22) しかし、国際環境が中共に有利だといっても、習近平に対する国内の圧力が軽減されるわけではない。「自分はゴルバチョフにはならない」という決心は固くても、直面する情勢は非常に困難なものがある。

    (23) まず、中共の特権階級と完了集団の腐敗はかってのソ連やモブツ、カダフィを遥かに上回っている。ブルームバーグ・ニュースやNYタイムズが去年暴露した”紅色家族”をあげるまでもなく、中国メディア報道だけでも明々白々である。

    (24) うまい汁を吸えるお役所の高官はうまくやれば何億、何十億元の財産を税金で巻き上げることが可能で、ほんのちっぽけな村の役人でも億の収入を獲られる。これはソ連の腐敗などというなまやさしいものではない。

    (25) 国内の腾讯歴史チャンネルは前は以前は禁止されていた『ソ連70年腐敗史』を発表したが、その中味はこの10年の中国に比べれば全く可愛いものだ。その腐敗とは、せいぜい特権階級が欧米の酒とか衣類、写真機、香水なんかを買っていた程度の話なのだ。

    (26) これに対し、中共は20世紀の90年代初期にすでにタバコ酒、奢侈品は基本的に贈り物でゲット、お金は使わないでオッケー、だった。ソ連官僚が足元にも及ばないのは中国の役人の国際的生存術、即ち数百万の”家族欧米移民”の逆単身赴任”(裸官)である。

    (27) 今や中共官僚の必要とする唯一の「特別提供品」は、中国中の環境汚染で崩壊に瀕している食品、飲料水、空気の安全の「特別提供」だけなのである。

    (28) 次に当時のソ連の国内経済システムは整っており、国内資源は充足しており、失業も少なかった。中国はといえばいまや資源は消費され欠乏、人民は生活困難で苦しんでおり土地を失った農民は1億人にのぼる。

    (29) そして都市失業者は少なくとも数千万人。経済改革の配当金は胡温体制の10年でほとんどすっからかん。私が2004年に「中国権威統治の現状と将来」http://blog.boxun.com/hero/heql/24_1.shtml
    で分析した様に

    (30) 一つの社会は4つの基本要素、社会生存の基礎の生態環境、社会構成員間の道徳・倫理の調整、最低生存ライン。この具体的指標は就職を尺度とする生存権、社会の正常な進行を維持する政治的総合能力が無くてはならない。

    (31) 現在中国社会の長期生存要素としての生態環境、倫理道徳(文化親和力)、生存最低ラインの3者は全部すでに崩壊しているか半分崩壊した状態で、残された政治暴力を中心とした政治統制力だけが働き続けている。

    (32) 最も暴力革命を怖れる知識階級すら暴力革命の危険を避ける為に一党独裁の放棄と中共の改革を熱望している。
    しかし、それでも中共政治集団は頑固に政治体制改革を拒絶している。

    (33) このような時にあっては中国のゴルバチョフになるのがまさに世界の尊敬を集める『快男児』ではあるのだが…。(終)

    原文は『纵是擎天柱,难挽溃败局-闻习总“竟无一人是男儿”有感」 http://voachineseblog.com/heqinglian/2013/01/xijinping-china/

    (拙訳御免、ご教示歓迎)

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