• 中国の”体制磁力”は何処から生じたか?

    by  • February 4, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏;

    日訳全文:Takeuchi Jun@Minya_J 東京

    ”体制の中へ行こう”は毎年メディアのホットな話題である。この1月4日、ハルビンの大学院生・王洋がゴミ清掃作業員の仕事に応募して落選したとき「死 んでも(公的な体制内の)仕事につきたい」と語ったことは「青年が就職して体制内”に入ること」ついてのホットな論議を呼んだ。(爺注;;去年、ハルビン 市の衛生局では457人の職に1万人以上が応募。そのうち29人が修士学歴を持ち、7人が仕事を獲た。http://news.xinhuanet.com/environment/2013-01/14/c_124229547.htm )

    実際、中国では「体制」は磁石のように人を引きつける効果がある。が、大学生よりさらに少なからぬ成功した人士、例えば国有企業の社長や、金持ちの二代 目息子や、民営企業家等であっても「万難を排してでも体制に潜り込む」ことを望むとあれば、これはひとつ大いに研究するに値する問題だろう。

    まず青年達が「体制内に行きたがる」深層の原因を分析しよう。近年、公務員になりたいという風潮はますます盛んで、これについては色々な論評が既に出て おり、「体制崇拝」だと批判もされている。これは現代の青年が競争から逃避し安楽に暮らしたいという一種の困った性癖だとか、大学教育の失敗で、折角ご大 層な学問しても使う所が無いからだ、という説もある。

    比較的まともな論評は、農村と都市の2重戸籍問題を核心とする都市部と農村部の二元化が「権利をめぐる波紋の様な格差構造」を産み、これによる所得と福利の差が大学生の職業選択に深刻な影響を与えた、というものだ。

    中国の若い人たち、とりわけ都市底辺と農村出身の大学生にとって言うならば、確かに”体制内”のサラリーと福利の分け前は大変な魅力があるだろう。しか し、国営企業の経営者や、金持ちの二代目息子、民営企業家らの目に映っているのは中国政府が社会資源リソースの面で絶対的な優位にある事実だ。

    現段階で中国政府の社会資源リソースに対するコントロール能力は最強であり、中国歴史上の如何なる歴代専政王朝より広い範囲を抑えている。まず、物質資 源では完全に国家独占である。土地も水資源も地下資源も、歴史的文化遺産も、国有の名ですべて国家のポケットにおさまっているのだ。次に、対社会コント ロールもアリも這い出る隙がないほど完璧だ。全社会のいかなる組織、国有企業だろうと民営企業だろうと、国内NGOだろうと外国のNGOだろうと、全て政 府の与えて下さる資源や活動空間がないと一歩たりとも動けない。中国の体制磁力の”吸引パワー”はこうしてできたものだ。

    【キングメーカー】

    というわけで、中国では一切のリソースを国が掌握しているため、社会がまるごと全部、政府に「資源依存』している。誰でも彼でも組織でも、生きていたければ絶対にこの全てを握る存在である政府に頼って生きるしかないのだ。

    中国という この政府があらゆる資源を握るお国柄では、全社会が政府にその必要資源を頼らざるを得ず、如何なる人でも組織でも生き抜く為には、絶対、そ の全てを握る存在である唯一の組織、即ち政府に頼らざるを得ないのだ。政府はその資源コントロール役として支配する資源はますます重要になり、品薄にな り、ますます代替え品がなくなり、その自由採決(discretion )の度合いは高まり、逆に社会は政府にますます資源を頼る(Resource Dependent)ようになり、リソースの分配の巨大な権力を握る政府の官僚達は”キングメーカー”の地位につくことになった。

    経済エリートの民営企業家の地位と言えば、自分のネコの額の領土内では”王様”ではあるが、企業としては外部の何処かから必要な資源を調達しなければなら ない。中国では唯一の供給元は政府であから、民営企業家達は土地獲得、借金、営業権、そして企業活動の順調な運営も、すべて政府、それも企業の立地する地 元の政府に頼らなければやっていけないのだ。これが中国の民営企業家が皆、清時代の商人・胡雪岩(1823—1885)に習って”官商結託路線”の道を 辿って行く理由である。

    1997年に田舎企業家の朱相桂が15回党代表に選ばれたのは極めて稀なケースだったが、2002年には中共は16大会で党規約を改正し、党員の受け入 れを「その他の革命分子」から「その他の社会階層の先進分子」に改め、民営企業家が体制にべったりくっつく道を開き、長沈文・沙鋼企業集団会長ら7人の企 業家が党代表になった。湖南三一重工集団の会長兼社長の梁稳根は入党したくてジタバタした為、世間の物笑いになったが、しかし彼が18年の間、寝ても覚め ても”太陽を求める向日葵の様に”入党を望み、体制に従属したがった深い理由はそう馬鹿にしたものではないのである。

    長い間、強権政府と弱い社会の構造下で、企業家はやむを得ず権力有る政府高官におべっかを使って資源を分けてもらい危険から自らの身を守ってもらってい た。2008年以後、西側の金融危機が起きた時、中国政府はピンチを躱そうとさらに自分達の権力を拡大し、政府の経済介入力に拍車をかけ、行政の介入によ り不正収入を得やすくして、権力腐敗を更に新しいレベルまで一層高め、独占企業がどんどん膨張し、もともと不完全な市場経済の秩序がまずます酷いものに なってしまった。

    さらにそれに銜えて産業構造の「政府による調整」と全体の「政府による拡大の圧力」で中国の民間企業の死ぬか生きるかの局面に直面している。だからこの 種の「政府にくっついて生きたい」という願いは更に強烈なものがある。この状況は民間企業の第二世代の職業選択にも影響を与え上海交通大学のアンケート調 査では、回答した第二代目の金持ち青年たちの中で82%が親の企業を継ぐのを望まなかった。その一部の答えた”理想”は「役人になること」だった。

    【体制回帰】

    中国政府の官僚と大型国営企業の間にはもともとチャンネルがあった。一般的にいえば、役人はある年齢がきて出世の望みがなくなると国営企業に天下りし て、前途の代わりに”銭途”をはかった。しかし近年では、国営企業のCEOがまたしても体制に回帰することも珍しく無いのだ。

    その例で注目を集めているのが前総理の李鹏の息子、李小鵬である。李小鵬はもともと父の七光りで電力関係の仕事をしていた。41歳のとき既に中国華能集 団の総経理(副大臣級)だった。彼が最高権力者の肝心な職階に狙えるようになった頃、それには経歴に下積みの経験不足があることがわかり2008年に政界 に移って山西省の副省長におさまった。そして自分がやってきた国営企業のCEOの強みを活かして町や村での修行の代わりにして商務や市場管理、外事、旅行 などの仕事を担当した。
    目下、49歳の李小鵬は既に18対会で中央委員候補の資格を得て、山西省の代理省長の任につき、中共中央政治局の階段へ至る道は良好である。(一月末、省長に昇格)

    普通の人からみたら李小鵬らの成功ははるか雲の上のようなものだが、なぜ彼らはさらに人生の軌道を変えたいのだろうか?当然それは政府が資源を支配する能 力が強ければ強い程、”体制”に戻ることが人生の上で更に一層、上に行く最良の選択だからだ。中国のネット民はとっくにこの体制の悪弊を十分知っており、 以下に紹介した学生の作文「私の理想」を借りて、中国では役人になることがもっとも素晴らしいことを皮肉っている。

     作文題;「私の理想」

     『サウジの給料を稼ぎ、米国の家に住み、スイスの時計をして、韓国の妻と日本の妾をもち、タイ式マッサージにドイツ車で通い、フランスワインに豪州の魚 介を食べ、キューバの葉巻を吸ってスペインの女と遊び、フィリピンの女中を雇い、イスラエルの護衛を連れ、トルコサウナにいって、中国の幹部になること だ』

    教師の批評;「くど過ぎる!中国の幹部になるだけで十分。それで他は全部実現できるわい!」。

    政府は社会資源をコントロールする方法で社会の一切の地位上昇のルートを独占し、更に、社会が政府に高度に依存する状況を作り上げた。その上、自分達がほ しいままに権力行使するための強大なリソース持った。このような社会は民間の自主性という可能性と力を圧殺し少しも民間に機会をあたえない畸形社会だ。そ して同時に、極めて危険な社会でもある。

    もしこの国家によるリソース独占方式を変えないなら、「権力を檻の中に」(習近平の2013年1月22日北京・中共中央紀律委での言葉)など徒な望みにすぎないというべきだろう。(終)

    原文は http://www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/focus_on_china/2013/02/130204_cr_chinese_system.shtml
    拙訳御免。ご教示歓迎。

    Takeuchi Jun @Minya_J 東京

    還暦越えたセロー乗り爺だったんだが震災以来ツーリング行ってないなあ。昔、挫折した中国語の勉強も少しやっとります。不出来な猫2匹飼っちょるよ。犬も欲しいが猫とうまくいかないだろうなあ。爱骑摩托车的老头儿。

    http://www.digi-hound.com/takeuchi/

     

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