• 硝煙無き戦いー61398部隊物語⑴

    by  • February 27, 2013 • 日文文章 • 1 Comment

    程暁農@chengXiaonong氏

    2013/2/27

    全文日本語概訳/@Minya_J Takeuchi Jun

    2013/3/29 http://twishort.com/39edc

    この一週間、上海市浦東の解放軍61398部隊が世界のメディアの注意を引きつけている。NYタイムズがまずこの部隊を取り上げ、諸外国のメディアが次々に記者を派遣。問題の建物の外観を撮影し、「61398部隊」が突然世界的に有名になった。様々な角度高度から撮影されたこの12階建てのビルとその部隊管区の写真は大いに人々の好奇心をかき立てている。一体この軍事部門は何をしているのか?

    《61398部隊;総参三部二局の”高橋陣地”》

    NYタイムズの報道では、この部隊の正式名称は「総参第三部第二局。同紙の引用したMandiant社(*ネットセキュリティ関係事業)の「中国のネットスパイAPT1報告」(APT1: Exposing One of China’s Cyber Espionage Units)によると、軍内部では「高橋陣地」と呼ばれている。NYタイムズの報道の前にこの軍事施設関連のオフィスビルは多くの写真がネット上に出回っており、上海「イエロー頁」でもこの部隊の登記住所が大同道50号とわかる。写真でみると、高橋鎮の同港路と大同公路の入り口にあり三角形で3つの建物からなる。面積は広く無く大同路沿いの長さは200mちょい。面積は0.04平方キロ。普通の事務棟と変わらず、陣地とはいうが武装もない、まさに「硝煙なき陣地」だ。

    Mandiant社の報告には「総参三部二局が我が社の通信ラインを必要とする件」という中国電信集団の2009年3月の内部資料を引用している。短いものだがこれで二つのことが判明する。第一は61398部隊が総参三部二局に属しており、「高橋陣地」と呼称されており、第二に総参三部二局は「重要情報管制部門」だということだ。

    ただM社もNYタイムズや各国メディアが見落としている問題は総参三部(対外的には、技術偵察部)はどんな情報を『管理監督』しているかということが一度も説明されたことがない、ということ。ネット戦争の専門部局なのかだ。実は総参三部は1950年から電子情報収集分析を担当している。61398部隊は総参三部のに属する聴報専門部門だろう。「陣地」というのはそのとおりで、後方の企画や計画部門ではなく直接電子情報をキャッチする前線基地である。

    基地といっても硝煙の香のする伝統的な兵器は一切使用しない。そこで働く人間はコンピューターとネットのプロで英語をマスターしエアコンの効いた部屋でパソコンとキーボードを戦闘の武器としている。

    2010年7月1日の「エコノミスト」誌は「マウスとキーボードが新兵器に成りうるか?」という一文を掲載したが61398部隊は改めてこの問題を突きつけたといえる。

    《総参三部の由来と任務》

    インターネット上で解放軍総参謀部の機構設置と変遷に関する情報によると1949年、総参部ができた時、中央軍委の無線通信・傍受などの3局は技術部(無線盗聴)と「通信部」(無線通信)に分かれた。技術部と通信部は後に総参三部と総参四部の通称で前者は外交に関わる無線傍聴、後者は軍隊の有線、無線通信を担当した。総参三部は辺境や海岸地帯に無数の「傍受ステーション」を持ち、傍受や国内外の各種ラジオ放送信号などの処理、電子情報収集を行い、十数万人の人員を擁する。

    この他、全ての国際電話・ファックスの盗聴、テレビ普及後は24時間外国のテレビを監視。軍事衛星時代になると衛星による偵察任務も。インターネット出現後は電子メールの監視、ネットの監視も任務に加わった。海外にも若干の監視所をもち、たとえば1992年にはビルマ政府とアンダマン海の島にインド洋を監視する拠点を設けることに合意し、ラオス政府と同国南のChampasakに3か所、1999年にはキューバのLourdesにも傍受拠点をつくった。

    ネットの諸情報によると、総参三部は全国各軍区にすべて監視傍受拠点をもち、人員、編成、予算は完全に自前で行える。所属する軍人は技術的訓練だけでなく各種の複雑な電子装備の操作、外電翻訳の為の外国語の訓練を受ける。総参三部の下にある各局には専門に特定の国家に向けた部署があり、例えば第二局は米国を主なターゲットとし、メンバーは英語に熟達し、上海の61398部隊の募集要項にも英語が条件となっている。同部はこのほか特定の偵察任務、衛星やファクス、移動電話など通信システムの任務も負う。

    上海は米国と空間的には遠い距離にあるが、アジア太平洋地区の国際通信の重要な通信接続センターで、かつ中国のインターネットの国際的な”出口”であり、政府の”関所”でもある。中国は1993年に第一号の国際光ケーブルシステムの設置以来、いまでは7つの大型国際海底光ケーブルシステムをもち、そのうち3か所が揚子江河口の崇明島から陸につながっている。先の中国電信集団の中米間の光回線はこの島の東から陸に繋がる。61398部隊の位置はこの崇明島に近い高橋地区を選んでおり、光ケーブルの上陸地点と島と中国電信が設置した浦東康橋の通信ターミナルの間にある。この部隊の傍受対象が米国で有る可能性は大いにある。

    《無線盗聴からネットワーク侵入まで》

    無線電信は19世紀の発明で、その盗聴は20世紀初期から始まった。第二次世界大戦中はこれは重要な役割を演じ、米国はミッドウェー海戦で日本軍の無電傍受に成功し日本の聯合艦隊を破り、太平洋の空中で山本五十六元帥の乗機撃墜できたのは日本軍の暗号電報を解読したからだった。国共内戦中、中共軍も電波傍受を十分活用して勝利に結びつけた。

    2009年群は総参本部通信部顧問の周维晞を記念する文章「党の特殊戦線の無名英雄、我が軍の頼れる通信兵」の中で「1947年国民党の胡宗南将軍が延安に進攻した時、暗号は解読できなかったが電波の活動状況から軍の行動を察知し、待ち伏せして殲滅した」とある。

    1950年以後、解放軍の戦略的仮想敵は次第に台湾国民党軍からソ連軍や米国軍に代わり、電波傍受も次第に国際化し、傍受内容も単純な軍事通信から広汎な非軍事領域にまで拡大した。傍受の責任部署は総参三部だが、政治、経済、科学技術等非軍事情報も電子情報収集の範囲内になった。

    インターネットの普及は通信モデルのありかたを大きく変え、無線通信の重要性が減り、インターネットが電子情報を集める重要な手段となった。Mandiant社の報告では61398部隊の12階ビルができたのは2007年。この兵営地は総参三部二局の対米電子情報収集の高橋基地だが、ビルにはアンテナもパラボラもない。これから察するに無線や衛星通信ではなく、対象は国際光通信とインターネットだとおもわれる。

    インターネット時代前は総参三部の主要な能力は各国の電子信号情報の傍受だった。技術的に言えばまだこれは「受動的」で発信国に踏み込むようなことはなかった。しかしインターネット時代になって全く新しい電子情報収集モデルが産まれた。一国の軍事情報部門が国際光ファイバー回線を通じて他国政府や軍事組織、企業のサイトに入り公開資料をダウンロードするだけなら干渉される可能性はまずない。しかし、他国のサイトの内部データに各種様々な手段でアクセスし秘密情報をまるごとダウンロードして本国に持ち帰るとなればこれはもはや伝統的な意味での「受動的」な情報収集ではなく主動的、積極的な侵入であり、データをの窃盗行為になる。

    もし情報部員が自分で現地に赴き(*爺注;007の様にですな)外国の諸組織や機構の金庫を破り、中味を盗むとか、パソコンからデータを盗もうとして捕まったりしたらこれは犯行の否認のしようがない。しかし、侵入者がネット経由で太平洋の反対側の事務室でパソコンを操作し、外国の機密電子情報を集めているのがわかっても、それをどうやって証明し、交渉し、懲罰を与えられるかについては、目下のところ、国際社会は有効な防犯対策をまだ見つけ出せてはいないのである。(終)

    【21世紀ネット戦争ー61398部隊物語⑵】 2013/3/24 に続く。

    拙訳御免。

    原文はhttp://www.chinainperspective.com/ArtShow.aspx?AID=19960

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    One Response to 硝煙無き戦いー61398部隊物語⑴

    1. August 29, 2013 at 14:23

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