• パンダはなぜ北極熊と熱烈に抱き合ったか

    by  • March 25, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣@HeQinglian

    日本語概訳全文/@Minya_J Takeuchi Jun

    2013・3・25  http://twishort.com/fAddc

    習近平のロシア訪問は「ファーストレディ」の方がお株を奪う勢いで習近平国家主席の訪問は「地域大国・中国の新指導者、モスクワで両国関係の強化へ」とい う見出しで、政府系ネットRussia Todayでは当日6番目のニュース扱い。が、中国側はパワー全開でこれを大宣伝しロシア側の冷めた報道と対照的だった。

    《中露関係の”新モデル”》

    中国側の大宣伝では「ファーストレディ」の扱いばかり目立ったが、それでも明らかな両国関係の新しい方向性がみられる。それは中国側が意図的に中露関係の 本当の一面、中国の資源・軍事技術のロシア依存はぼやかしておいて、ロシアの中国重視、両国の『戦略的強力』を歌い上げ、双方が戦略的に信頼し合う存在 だ、と印象づけようと一生懸命だったことからわかる。中国側が「中露の友誼」をことさら誇張し宣伝したのは、まさに「パンダ」が実は「北極熊の友誼」にあ まり安心していないことを却って表している。

    周知の事だが中露関係の致命的弱点は双方が互いに相手を信用せず、利用することばかり考えている点だ。ソ連解体後、両国はずっと「敵でもないがかといって友人でもない」戦略的協力といった間柄で、これには歴史的な深い淵源と、完全に現実的な利益上の必要がある。

    歴史的な民族”勘定”では両者は全く違う。中国人ーといっても官民でちがうがー民間からみれば近代以来中国の土地を一番多く掠め取ったのは旧帝政ロシア とその後身のソ連で、150万平方㌔の領土とモンゴルの一部、おまけに共産党政権まで「支援育成してくれやがった」わけだ。一方、ロシア人は毛沢東が「ソ 連の恩義を忘れたヤツ」だったことを覚えているだろう。

    今回の「パンダと北極熊の抱擁」は実は中共が各種の社会矛盾が激化し、周辺諸国から孤立の圧力を受けて、「味方」を求めての動きだ。これに対し、ロシアで は多くの論者が「権力移行直後の中国は西側の民主化要求を躱すため外交上ロシアの支持を必要としているからだ」とみている。が、ロシアは中国に引き摺りま わされるのは御免だとおもっている。中国がロシアにお願いしている形をみれば一目瞭然だ。ましてや中露関係というのは中露両国の望むところで決まるのでは なく、米国というファクターが関係する。

    《米国という要素》

    1996年、中露両国は「戦略的協同パートナーシップ」を宣言し、92年からの「建設的パートナーシップ」から一歩踏み出した。2001年7月には中露は 隣邦友好協力条約を結んだ。双方の外務省は表向きは立派な言葉を並べ、とりわけ中国側は「ロシアを持ち上げ米国けなす」式の極端な大宣伝をおこなった。つ まり、北京はモスクワと組んで対米統一戦線を希望したのだ。が、ロシア側は北京の呼びかけにはあまり熱がはいらぬ反応だった。

    対中関係でロシアは必要とみれば手出しには遠慮しない。2006年以後、世界のエネルギーの変化で、資源面で有利になったロシアは高飛車になり、中露関 係での主導権を握った。例えば07年以来の中国移民追放。2011年には三千人以上追放し、ロシア国内の各都市に”中華街”が産まれることを断固として許 さなかった。2012年7月16日には、巡視艇が違法操業の中国漁船に発砲し36人の中国船員と漁船を拿捕したが、中国政府は「じっと我慢」で、日本や韓 国による漁船拿捕時の対応とは天地の違いを見せた。

    ロシアは中国の興隆を嫌っていることを別に隠そうともしていない。これがロシアの中国政策の太い柱だ。中国が強くなりそうなら米国との関係強化に乗り出 す。米国の「アジア復帰」以後、中国はこれを対中締め付けとみてモスクワと手を握り対米対抗の統一戦線を作ろうとしたのだが、しかしロシアはベキンの呼び かけにも終始、熱の無い反応をみせた。

    米国は現在世界唯一の超大国であり、国際秩序を維持している。中国は現状を打破しアジアで重要な支配的地位を狙っている。これは地政学上のロシアの利益と 衝突する。ただ中露両国は「ソフトパワー」という点でパッとしないという共通した弱みを持っており、どちらもアジアでの「ルール」を作る力はない。 実際 のところ、米国の「アジア復帰」はアジア各国の為のみならず、同時に中露両国にも平和的発展に必要な国際秩序を提供するものであった。だがこの情勢を受 け、中露どちらも米国が相手側の勢力拡張を制限し、自分の側により有利な展開になることを皮算用していた。

    ロシアは中国が資源と軍事技術ではロシアに頼るしかないということを十分承知しており、国際関係の方面ではさらに強力な協力関係になることを期待してい る。しかし、「中国の戦車」の上に縛られることは望んでおらず、必要とあらば何時でも自己の利益次第で米中両国と”調整”したいのだ。つまり中露の関係は 協力と競争という両面性を常に持っている。ではこのような関係の上で、なぜパンダは急速に北極熊と熱烈に抱擁したい、と望む様になったのか?

    《「靴が足に合うかどうか」論》

    習近平はモスクワ国際関係学院で3月23日講演し、「靴が足にあうかどうかは自分が履いてみてわかることで、ひとつの国家の発展が適切かどうかは、その 国民だけが発言権を持っている」と述べた。習は自分が始めから人民の代言人の立場に立って発言しているが、実はこの靴は、自分を総書記にした中共が人民に 暴力で迫って履かせた「靴」だということを忘れ、自分が「脱いだら酷い目に遭わせてやる」と言ってることに気がついてはいないのだ。

    かって共産主義を中国に輸出したロシアは当然、共産党独裁下の用語で「人民」がどんな意味かは百も承知だ。だからロシアのメディアは「その国の人民が靴が 合ってるか合ってないかどうおもってるかどうしてわかる?」とか「もし靴が合わないとおもったらどうしたらいいんだ?」という声が上がった。中国ではこの 「靴論」をきいて、怒った人達は習近平に「靴の兄貴」のあだ名をつけ憂さ晴らししている。

    習近平はなぜモスクワでわざわざこの「靴論」を述べたのか?3月23日の中央テレビ国際の番組「習近平ー中国の夢は世界人民の幸せを作る」に明らかだ。 「中国の国防政策は終始防衛的であり、軍拡競争はやらず、中国人民と世界人民の幸せのためだ」というのだ。なら米中は互いに距離が遠い国であり、周辺国家 ときたら早くから中国に対して怖れを抱いている現状で中国の「防衛的国防」は一体誰を相手にしてるのだ?

    この答えは外務省の贾秀东が「靴と足論の”通俗と深刻”」という文中で明らかにした。曰く「ある国家が自分の靴が全ての国家にいいから、と押し付けてい る。無理矢理履かせたなら足が痛くなり、道を歩けない。そして自分にあった靴をはいて中国の夢を追う」と。文中の「ある国家」は勿論、米国のことである。 つまり習近平の「防御的国防政策」は辺境国境の防備の話ではなく、政治制度の防衛の話なのだ。防ぎたいのは中共がプロパガンダでいうところの「西側が背後 で煽動する虹色革命」にほかならない。

    中露間の「戦略的協力関係」をまとめて言えば「中国のロシアに対する資源・軍事技術依存を除いて、地政学的に中露は協同して米国に対抗する必要があり、一 方ではひそかに米国には自分達のパートナーを抑えてほしいと期待しつつ、「虹色革命」には兄弟のように呼吸をあわせて対応する」というものだ。違いといえ ばロシアは共産主義政権という「靴」を既に脱ぎ、現在専政と民主の間をフラフラして、重要な防衛ラインはもともとの共和国で「虹色革命」がおきないように すること。これに対し、中共は絶対にこの”古靴”を脱ぐ事を潔しとせず、その防衛ラインは政治体制改革をながらく望んでいる中国人民に向けられている、と いう違いだ。(終)

    拙訳御免。
    原文はhttp://heqinglian.net/2013/03/25/china-russia/ ;www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/focus_on_china/2013/03/130325_cr_xinjinping_visit_russia.shtml

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