• 中国民意調査のホントと噓ー人民論壇の調査の挫折に思う

    by  • April 15, 2013 • 日文文章, 程晓农文集 • 0 Comments

    程暁農氏  4/16/2013

    日本語全文概訳/@Minya_J Takeuchi Jun

    2013/4/18  http://twishort.com/2Hjdc

    2013年4月15日、中共中央宣伝部にはまことにイタい一日となった。この日、共産党の一番の宣伝手段である『人民日報』に属する『人民論壇』が共産党の指導する”中国的特色のある社会主義制度”に「広汎な人民が極めて強い信頼と希望を持っている」ことを証明しようと行った民意アンケート調査が全く正反対の結果になったからだ。

    調査結果は約8割のネット投票者が中共指導者とその制度にはっきりと否定し、政府の立場に賛意を表したのは”ほんの一握り”(約10%)だったのだ。
    (結果は→heqinglian.net/2013/04/17/liestruth/ 参照)

    この民意調査結果をどう読み解くか? 中国社会を比較的深く理解している人は「民衆の真意はかくの如し」というだろう。確かにネット利用者の中では中共に批判的な人は結構大きな比率になる。しかし、新聞しか読まないとかテレビしかみない中高年ならこの比率は随分低くなるだろう。これらの人々はネットの非政府系ニュースをしらないから、政府の洗脳に対する防御力が劣るからだ。

    だが、さらに一歩進めてみると、さらにふたつの検討に値する問題がある。一つには、なぜテレビのインタビュー取材では政府を褒める人が大多数を占めるのか?新聞のアンケート調査結果はいつも政府に都合のいい数字なのか?第二に、なぜ国内に十数万人もいる「ネット評議員」(五毛=爺注;金をもらって政府に都合の良いツィートする連中)が頑張って投票しなかったのだろうか?もし彼らがそうしたらこのアンケート調査の”反共産党”の結果も逆転できたろうに、という疑問。

    第一の問題は中国の民意調査では本当の話と噓の話があるというテーマだ。共産党国家の強度のプレッシャーの元では、人々は「公開の場では噓をつき、私的な場合だけ本当のことを言う」(public lies, private truth)という状態にある。一昨年、Wikiリークスが発表した米国駐中国大使館が国務省に送ったレポートに、李克强が自国の地方経済報告の数字を水増しで、自分で現地をみるまで信用していない、と米国外交官に話した、というのがあった。 これが非公式なら本当の話をする、の典型だ。一人一人のホントと噓の比率は色々だが、私的な話で噓を言ったり、公開の場で本当の気持ちを離すひとはあまりいない。司馬南(爺注;学者から売り出したメディアの寵児、共産党員。2011年、艾未未に携帯と住所を暴露された。2012年渡米後帰国。)みたいな連中だって例外ではない。公開の場で口では米国を非難し、まさか米国に潜り込む方法を考えているとは誰も思わなかった。クリントンが北京大学を訪問した時、理路整然と米国大統領を非難し西側制度に反発する強烈な愛国心を発揮した北大の女子学生は、そのあとすぐ米国ビザを申請して結婚して米国人国籍になってしまった。西側の人々はこの種の人格分裂的行為を理解できないかもしれないが、中国人なら十分わかるのだ。中国人がなぜ公開では噓をつくのかというと公開の場合は同僚や大衆が聴く。そして彼らは政府やボスに告げ口しかねないからである。

    かって私は「誰がソ連を解体したか」(「書屋2000年12月号)で指摘したが、人間は本来真実や誠を尊ぶ。しかし共産党体制では毎日顔に仮面をつけて仕事をし、帰宅後やっとホントの事が話せるのだ。同時に子供を教育するときも、一面では誠実で道徳的であれ、といいつつそれとは別に、政治的な話では上手に噓をつくように教え当局と上手に対応し、かといって当局の政治宣伝を本気にしないように、と教育するのは家長にとって実にアタマの痛い家庭教育だったのだ。

    ソ連の専政は「台所政治文化」を産んだ。人々は仕事場では噓をつきながら、夜、台所で(ソ連の一般家庭には客間がないので)友人と集まって、政治を批判したり、普段口にできない内心の話をした。ただ子供に聞かせない様にしないといけなかった。盗み聞いた子供が影響を受けるからだ。全く疑問の余地なく中国で民意アンケート調査が公開で、例えば職場でとか、テレビ映像で撮影されてたりしたら、対象者は噓をつくだろう。せいぜい一番良い結果でも真偽ごちゃまぜだろう。無論、非政治的な話ならあるいは本当の答えをするかもしれないが。

    今回の人民論壇ネット上の4つの問題は中国では政治上の高度に”敏感な”問題であり、もしテレビ局が、或は直接面接法でやったなら、得られた回答はおそらく役所が満足するような、しかし半分は噓だったであろう。

    だが、ネット上の民意アンケートは匿名だ。投票者は自分の本当の姿を暴露することはない。つまりついに人々は”私的空間”に似たものをゲットしたからこそこの種の調査において、胸の内のつかえを吐き出し本当の話をしても懲罰を受ける心配が無かったのだ。これは滅多に無い機会だといえるし、「当局者」に自分達庶民の本当の声を聞かせてやれる。その結果、この人民論壇アンケートは中共の社会的信任とその制度選択のネット民意調査が中央宣伝部にとって甚だ手痛い結果になった。最後には人民論壇は短い時間で大慌ててこのサイト上の頁を削除するはめになったが、当然「人民日報」はこれについての如何なる報道も不可能であった。

    今回の中共の統治にノーと答えた民意調査の結果は歴史に残す価値がある。中共の統治史上このような記録は極めて珍しい。ネット出現以前は民意調査は公開で行われたから、そお結果はやはり噓ばかりで、分析しようにもどうにもならなかった。ネットができてから、国内のネット民意調査が高度な政治的”敏感な”問題について行われることはほとんど無く、中国ネット民の中共に対する態度での真実を知る機会はいくらもなかったのである。

    勿論人民日報や中央テレビが普段、いくら万民が我が与の春を謳い揚げ、共産党を推戴している、などと言っても、今回の人民論壇の民意調査が明らかにした真実の民意が表した政治動向を否定する術もない。最後に、なぜウンカの如く数多い五毛諸氏がこの民意アンケート調査で大活躍しなかったのか?私は2つの可能性があるとおもう。一つは五毛達は本来”利益の為に魂を売った”わけで、ネット上で匿名の調査に党の要求通り答えても何の報酬にもありつけないから、やる気をなくしたという可能性。

    第二の可能性は一部の五毛は調査には回答したが、誰も自分達を監督する人間がいないので大多数のネット民と同様に本音の方を選択した。彼らの心中の中国の政治への本音と、普段公開のネット空間でネット名で話していることは実は反対だった。つまり、利益のために噓の公開演技する場合以外、彼らも心の中では”中国的特色の道”にはもううんざりしている、ということだ。(終)

    拙訳御免。原文は;heqinglian.net/2013/04/17/liestruth/

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