• 「宣伝の相次ぐ破綻は制度の失敗」

    by  • April 25, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログ

    2013年4月22日

    BBC中国網の「点评中国:宣传的“漏舟效应”彰显制度失败」

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログ

    日本語全文概訳/@Minya_J Takeuchi Jun     http://twishort.com/QLkdc

    今年になって中国の宣伝システムで相次いでボロがでてしまったのは胡・温体制の第二任期に出現した中共の世論操作方式がどうしようもないほど傷んで、この舟が今や沈没しそうになっていることを示している。

    ★世論誘導=巧妙な詐術☆

    2005年以来、中国政府は「制限+世論誘導+五毛水軍」の3つ同時並行の効果的なやりかたを完成の域まで仕上げた。しかし、2010年、微簿の出現以後、様相は一変してしまった。この4月に起きただけでも宣伝部門の醜態ボロボロである。

    雅安地震の翌日、IBTIMES中国網が「台湾赤十字が救助隊を組織して救助に向かおうとしたら、中国赤十字会がまず先に500万人民元払わなければ現地に入れないと要求したと」報道した。台湾紅十字の梁会長は500万元の用途細則を受け取っており、100万元が医療器械購入費であったが、その他の400万元は具体的用途が記されていなかった、と。

    これは中国のネット上で「中国赤十字が不法に”通行車両から通行料金を徴収する行為”をやったんだ」と罵声一色になった。中国の赤十字会はすでに郭美美事件(爺注;「郭美美Baby」と名乗る女性が「大別荘に住み、マセラッティを運転してると自慢し、自分は『赤十字商会の商業総経理』だと名乗って大騒ぎになった。)で評判はガタガタだったから「そのカネは確かに受け取ったが”不法通行料金”などではない」と言い訳して、つづいて台湾側の王清泉会長も「あれは5年前の汶川大地震の義援金と利息だ」と言ったが、微簿上で直ちにこのニュースは削除された。

    この出来事は最近おきたばかりの香港紙「大広報」の記事「習近平タクシーに乗る」報道をすぐさま人々に連想させた。3月1日、習近平が北京でお忍びでタクシーに乗った話で大々的に報道され興奮が最高潮に達した時、大広報が「実は虚報だった」と謝ったのだった(中国語版「査察官」ー習近平タクシーに乗るー参照 heqinglian.net/2013/04/22/xi-taxi-japanese/ )。が、どこが噓なのか、ニュースの出所はどこだったのか、などの説明は全くなかった。さらに中国政府公報の新華社通信の役割も疑念を抱かせた。大広報(香港)がニュースを流したとき新華社は一旦、確信を持って「真実だ」としながら、その後、大広報が謝罪した途端に「あれはニセ情報だった」と発表したのだった。また《Lens视觉》4月号が「馬三家脱出虐待された女囚日記」を伝えた時、遼寧省政府はこれを身内の甘い調査で「虚報だ」としたから、もともとロクに信用されてない中共宣伝システムの信用度は前代未聞の暴落を遂げた。更に大きな困惑は、人々はもはや中共の情報操作の下で、いったいどれが本当に本当なのかさっぱりわからなくなってしまったのだった。

    ★理論家の幻滅☆

    「習近平タクシーに乗る」の”虚報”のあと、ある論者はこれを中共文化宣伝システムの衝突と亀裂、と認識した。しかし、私は中共宣伝システムが行き詰りこれ以上やっていけない危険信号だとおもう。歴代の宣伝担当官僚に較べて中共の現在の宣伝官僚は粒よりの精鋭である。江沢民時代の丁関根はメデイアによって「盯関跟」(監視、消灯、尾行の意味)といわれたが、このような古くさい方法ではネット時代には通用しない。

    そこで伝統的文化の「勉学の成果を皇帝に売りつける」やり方で胡錦濤の後期には、あらたな優秀な宣伝担当者達が機運に応じて続々登場したのだった。理論では衣俊卿がマルクス主義理論に化粧を施し、すこぶる良好な結果をえて一度は落ち目だった中共編訳局が”復活”したほどだった。が、局内の常艶女史が内部の色情話(爺注;ボスの衣俊卿が大量の女性研究員と性的関係を持っていた、という話を”小説”の形でネットに発表した)を暴露してしまい、中共編訳局がマルクス主義哲学研究の国家部隊でありながら、誰もそんなものを本当は信じてはおらず、旨い汁のおこぼれを吸うのに夢中になっていることがバレてしまった。

    宣伝係は更に多士済々で、広東省の現省委員会宣伝部長の庹震、雲南省紅河宣伝部長の伍皓、陕西省委宣伝部常務副部長の任贤良らが正にこの時期輩出した。任贤良は2010年に『世論指導技術』を出版し、上から下まで政府指導幹部がメディアに対応する際の必読書となった。任はその本で、政府へ建言の道を広げることを呼びかけ、記者を優遇し、各方面で大好評となり、南方週末」のインタビューも受けて、このニュータイプの”宣伝の達人”は一躍大人気になった。

    この世代のマルクス主義”理論家””宣伝家”と前世代の先輩達との最大の違いは彼らがマルクス主義理論をまるきり信じてないことである。宗教的な意味で、マルクスレーニン主義は国家宗教に似ている。一種の世俗と神聖の混合物だ。この宗教ではリーダーの権威が大衆に染み込み、政党が予言者である。しかし、それらはすべて「信仰」によって支えられている。中共創設から今まで影響力あるマルクス主義理論家達は何代も輩出した。王亜南、艾思奇らが最初の使徒で、文書宣伝に精通した鄧拓らまで、すべてマルクス主義に本当の”信仰”を持っていた。しかしこのように本当の”信仰”は文革後期にもはや存在しなくなった。改革開放以後は中共が内部を固める主要な手段は”信仰”ではなく利益の配分となり、政治の存在理由の合法的基礎は”パンの契約”に変わったのだ。

    胡・温体制時期に現れた新しい世代のマルクス哲学理論家や宣伝家は、研究を就職の手段とした。この権力、リソース、世論を独占する執政集団の内部の人間は誰も理論をイデオロギーの基礎だ、などと信じておらず、だから”理論に対する真の自信”など誰もつくれようはずもない。反対にそのイデオロギーは懸命にでっちあげたたわごとの山であり、宣伝とは要するにいかに騙すか、という技術なのであった。

    ★宣伝は民衆との共謀によって効果を発揮する☆

    米国のコミュニケーション学者のR・ L・. Bytwerk はかって「専政政治の宣伝は権力者と民衆の共謀の産物」と指摘した。広東省委宣伝部長の庹震が頭角を現したときはまさに中国が高度成長発展で、大多数の中国人は政府の『代価論』を信じた。たとえば「汚染は経済発展に必要な代価で発達した国々の欧米や日本はみな汚染をあとで処理した」。「貧富の差や、汚職腐敗は世界中どの国でもあることで、米国では中国より深刻だ」。「中央の政策は間違っていないのに、地方政府が歪曲するのだ」などなど。一方、民衆は、執政集団が約束した”パンの契約”を履行すると信じ、経済が継続的に発展さえすれば、明日はより良く美しく変わるだろうと信じた。これが民衆が宣伝と”共謀”する基礎なのであった。

    中共の新しい世代の宣伝上手達の得意とするのはまさにこの類いのことだ。たとえば 広東省委宣伝部長の庹震は「経済日報」在職中に相次いで”コネによって出荷された肥料””公金飲食’”燃料泥棒追跡”など一連の世論監督報道をおこない、一連の本当はシステムの源に原因がある事件を、一部の不法管理や国営企業の問題にすぎないようにみせかけ、言いくるめた。中国経済が上向きに発展しているときだったから、当局はこの種の事件が制度批判に触れさせようとせず、民衆もこれを誉め称え、これぞ責任ある批判的報道だと持ち上げたのだった。

    しかしこの種の宣伝粉飾テクニックは平時には役立つが、危機に対応するとボロが次々にでる。胡温後期には中国はすでに危機が明白な段階にはいっており、持続的な通貨膨張は中国人の財布を急速にカラカラにしてしまった。卒業すれば即、失業の現実は底辺青年の上昇の希望パイプを断ち切り、人々はエライさん達専用に配給になる特別提供食品の存在を知っても我慢し、水の安全に貧富の差があることに耐え、最後にはすべてに平等な毒の霧を迎えるに至った。

    2010年後、急速に発展した微簿はついに権力権勢と無縁の人々にブツブツ文句を言える舞台装置を与えた。そして民衆を説得するのにたけた中共の新世代専門家は、自分達が局面をコントロールできなくなっていることを発見した。新世代宣伝家の代表的人物である任贤良がついに痺れを切らして、「二つの世論の場を統一し、社会の正しいエネルギーを凝縮せよ」(紅旗文稿2013/4/10)を発表した。彼は現在の中国に「伝達の基調と訴えの表明に長い間対立する『二つの世論』があり」、インターネットを基礎とする新興メディア世論は「直接党のメディアの原則制限に挑戦するばかりか、社会階層を分裂に導き、政府の信用を深刻に削ぎ、党政の基礎を腐食する」から、「強さをますメディアと批判的言動のリーダーに警告を発し、禁じるべきを禁じ、閉鎖すべきを閉鎖させよ」と主張した。だが、本当は中国の宣伝システムがいたるところで破綻、水漏れを来たしている原因は体制の危機にあり、コントロールできないのは中国の政治体制制度が失敗しているから、というだけの話なのだ。

    中国人の権利意識は日を追って目覚め、人々は”パンの契約”はこのままうまくいかなくなると知り、もはや”共謀者”になってはいられないと感じている。今後、「世論誘導」という共産党専制政治のお化粧技術の先行きが真っ暗になるのは避け難いのである。(終)

    拙訳御免。
    原文はwww.bbc.co.uk/zhongwen/simp/focus_on_china/2013/04/130422_cr_china_media.shtml

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