• ホワイトハウス上訴は国際的ジョークではない

    by  • May 15, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログ

    2013.05.11.

    日本語全文概訳/Minya_J Takeuchi Jun
    http://twishort.com/2Gpdc

    2013.05.14

    19年の時を経て「朱令タリウム毒害事件」が先頭を切ってホワイトハウスのサイト「we the people」の門を開き、中国ネット民の「ホワイトハウス上訴ブーム」が始まった。朱令事件の再捜査についてはまだ希望が見えないが、ホワイトハウスへの請願が通り、それによって世界ニュースになった意義は大きい。口にだせなかった朱令の両親の長年の鬱屈を吐き出させたばかりか、中国司法の暗黒をも世界に知らしめたのだ。(爺注;朱令事件についてはこちらをごらんください。 headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130511-00000068-jij-cn

    《米国のソフトパワーに対する中国人民意の信任投票》

    朱令がホワイトハウスのサイトの扉をこじ開けたことで、中国人はとうとう、このサイトで1か月以内に十万人の署名支持があれば、オバマ政府は審議し、回答までしてくれるということを知った。これによって、中国に関係する様々な問題の請願がサイトに殺到し、5月11日に私が見ただけでも、中国関連の書き込みでネット掲示板が埋め尽くされていた。

    そのうち深刻なものでは、「中国役人の家族の米国財産を公開するように」という請願や、冗談めかしてオバマに、「中国大陸と香港を解放するために出兵してほしい」とか、中国プリン(豆腐脳)の味を注目して、などというものまであった。極少数を除けば、本気でホワイトハウスが中国の内政に介入する等と思ってる中国人はまずいないだろう。大多数の中国ネット友はこの機会を利用して一種の希望や権利の要求を表しているのだ。しかしもしこの「ホワイトハウス上訴ブーム」をただの国際的なジョークだとおもうなら、その重要な意味を見落とすことになる。これには少なくとも二つの大きな意義がある。一つは中国政府が反対者に貼付ける「海外の敵対勢力と結託」なるレッテルを引きはがしたこと。もう一つは、米国政府に中国人が直接にナマの貴重な民間の声を届けたことだ。この二点はおろそかに見てはならない。

    《「海外の敵と結託」なる政治的レッテルの打破》

    「海外敵対勢力」というのはずっと中国政府が反対者に無理矢理被せる「禁箍呪」だった。前世紀の90年代後期から、「国家安全危害罪」、「国家機密漏洩罪」、「政府陰謀転覆罪」の罪名で中国政府は反対者や異議を唱える人士を弾圧し懲罰してきた。そして、「海外敵対勢力」との結託、というのがこの3つの罪名が成立させる主要な理由だった。「海外敵対勢力」というのはここ数年、ますます台湾と「海外反動組織」に集中して使われるが、中国政府や官製メディアがそう宣伝するときは、必ず米国がその大親分だと見なされた。当然のことながら、これは別段、外交用語上で「米国は中国の最大の、もっとも重要な戦略的パートナーである」というのと矛盾しないのである。

    この「禁箍呪」があったから、多くの異議人士や反対者が逮捕されたあと、その家族は警察や国家保安員から「海外メディアの取材をうけてはならない。海外組織と連絡してはならない。違反したら海外敵対勢力と結託したという罪で重罪だ」と警告されていた。多くの家族は親族の安全を心配し、怖れて重い沈黙を強いられることになった。多くの政府批判の態度をとる知識分子もこの一線を守ることを自覚し、海外の”敏感人士”とは関係を持たない様にしていた。最も海外の応援が必要な国内の行動する人々も、「天安門事件に触れない」「海外機関の援助を受けない」等の線を自己規制していた。

    しかし国内の自由な空間が増々狭苦しくなってきて、この状況はゆっくり変化していった。2012年、王立軍と陳光誠という政治色の全く異なる2人が(*爺注;前者は薄熙来の子分、後者は盲目の人権活動家)相次いで米国駐中国領事館に駆け込んで保護を求めた後、中国人は仰天した。なんと中共高層各派も国際メディアを利用して「噂を流し」、自分達に有利な”雰囲気”を作り出しているではないか。「海外敵対勢力」の政治的意味は劇的な変化を遂げ、この度の「ホワイトハウス詣で」で遂に、中共政府のむりやり貼付けていた「政治的呪符」はきれいに「お祓い」されてしまったといえよう。

    《ホワイトハウスは何ができる?》

    中国のネット友の間でRTされている「we the people」上の各種ニュースからみると、これは中国政府が躍起になって力をいれている反米宣伝にもかかわらず、米国のソフトパワーが中国民衆によって尋常成らざる方法で支持されているということだ。かって新浪微簿上で「訴え受付所・主任オバマ」の名前で登録され、微簿やツィッター上にはホワイトハウスが、中国の「訴え受付所」に変えられ、オバマ大統領が審査している画像が流布したこともあった。

    で、このどっと殺到した中国からの請願書だが、その大半は昆明の石油化学工場建設だの、朱令事件捜査など中国の内政に関わるもので、他の主権国家に対して米国政府は事実上関与する立場にない。ではこの「ホワイトハウス請願ブーム」は国際的な冗談なのか?私は、これらは完全に中国の内政事情であって、米国政府は確かに関与する立場に無いとおもう。しかし、オバマ政府はこれを中国からの全く”フィルターで濾過”されていないナマの声として、中国に対する見方をより広げるだろう、ともおもう。

    まして、その中のいくつかの請願、例えば「中国人民は強く米国政府が滞米中の中国の高官子女の財産状況を発表する様にお願いする」などというのは中国人民ばかりか国際社会の将来の密接な利益に関する事柄だ。スイス銀行に独裁者の資産保護の従来のやり方を変えることを促すにあたっては、米国政府の大きな力があった。それによってスイスは『独裁者資産法』(12年2月発効)を迫られ、アラブの春以後、中東北アフリカの独裁者が汚い手段で集めた財産は、社会再建のため国民に返還されたのだった。

    しかし中国の状況はこれらの国家といささか異なる。まず第一に中国の腐敗を通じて金持ちになったのは1人の独裁者ではなく、ほとんど全ての階層におよぶ多くの官僚・役人達である。暴露されただけでも何億元も汚職した村長クラスだって何人もいる。これらの中・低層の役人の不正な財産も、トップ層同様に移民する家族の手によって国外に運び出されて、彼らは今、米国やカナダに住んでいる。だがこの連中の財産を米国や欧州、カナダが把握することは不可能だ。最近、官僚の財産を公開するように要求した10数人の人達が逮捕された事件でも、中国政府が腐敗にたいして寛容、どころかこれを庇護する同類同罪、ひどければ共犯であることを十分に示している。

    第二に中国の実体財産(環境資産)はこの数年で極めて大きな破壊を蒙っている。中国人は既に清潔な水、食物、きれいな空気を失った。環境破壊で集められた財産の大部分は汚職官吏の財産になっている。だから将来中国の民主化されてもその後、国土を再建するには高層エリート家族の財産の返還ぐらいではとても足りない。ましてその高官連中は今や、アラブの春後のスイス銀行などが「財産金庫」としてはもう以前程信用できないと知っており、すでにあの手この手で自分達の巨額の財産を守る方法を新たに開拓中なのだ。

    グローバリズムの関係で中国で起きる大事件は様々な形で国際社会に多大な影響をあたえる。北京の毒霧がカリフォルニアまで飛んで行くのはそのほんの一例だ。中共がもし一党専政政治を継続していくなら、中国の社会矛盾はますます激化し、革命か暴動かが遅かれ早かれ起きるだろう。国際社会が将来、そんな中国の再建を援助するにあたっての負担軽減の立場からだけでも、米国は中国からの今回の請願書をちゃんと考慮して、中国汚職高官の子女による米国での財産をの内情調査を行い、当面は結果を発表せず、まずその財産状況をしっかり把握するといったことも、「雨が降る前に雨戸を修繕する」になるかもしれない。(終)

    拙訳御免。原文は www.voachinese.com/content/he-qinglian-blog-20130511/1659375.html

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