• 誰が「鉄腕+特権』統治を支持するのかー習近平執政の青写真(その2)

    by  • May 18, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣氏 @HeQinglian ブログ

    2013年05月18日

    日本語全文概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/gxrdc

    2013年05月19日

    前の文章(習近平執政の青写真(その1 heqinglian.net/2013/05/14/defend-red-capitalism-japanese/)で習を取り巻く主観的・客観的条件の限界を分析した。今回は中国社会各階層の中で誰がその”鉄腕+特権”統治を支持するかを見てみよう。

    《誰が『鉄腕+特権』統治を支持するのか》

    どんな権力者にも皆、かならず追随者がいる。ましてこの中国ともなれば権力にベッタリの人は更にワンサといる。膨大な公務員システムや各種国営企業は同じ利益集団で当然、習の追随者だ。ここでは文化的なタイコモチ連を分析する。

    この種の人物は理論的傾向が”左”だろうと”右”だろうとどうでもいい。実はお上の言うことを察して従うだけ。「9号文献」および「7つの語り禁止」が伝わってから、著名なネット幽霊の”洗岩”(後、看山と改名)はたちまち興奮し「習近平の面目、既に鮮明」と題して「絶対的権力は絶対的責任感に導く」、「政権に過ちをおかさせないようにし、更に国家の社稷を掌握し、一切の国家転覆破壊行為を積極的に粉砕しようとする」もので「鄧小平以降、初めて思想界、言論界に本気で立ち向かう国家指導者だ」と絶賛した。

    看山は他人の災難を見てざまみろとばかりに「こうしたやり方は国家にとっての幸いで、中国は現在、曲がることなく一本道を歩いているのであり、必ずや脇目もふらず自分の道を歩むべきで、まよったりきょろきょろするのが最悪である」と。習近平の”自信”に現実的な基礎があるかは考える問題ではなく、権力こそ世界最強最大の力で、権力さえあれば世界の如何なる人間も奇跡を起こせるかのようだ。

    この洗岩と同類なのが中国社会科学院副院長の李慎明である。李はたちまち「7つの語り禁止」の「党の歴史の誤りを語っては成らない」というのが絶好の機会と嗅ぎ付け「正確に改革開放前後の歴史時期を評価する」なる一文を発表し、「スターリンが三千万人を粛正したとか毛沢東が三千万人を餓死させたというのはみな意図的に捏造された数字で有る」と言い出した。

    毛沢東左派もまた当然中共総書記の一番積極的な擁護者である。毛左派の特徴は権力崇拝であり、権力に不可能はないと信じて忽ち権力のシッポに与するのだ。習近平が最高指導者になれば自然に自分達の救いの星であり、ボスとなる。(爺注:毛左派は去年までは比較的、薄熙来の支持で知られていた)理論整理には半月ぐらいかかるかもしれない。毛左派の特徴は「権力に反対せず資本主義に反対し、皇帝に反対せず貪官に反対する」で、社会の不公平や環境汚染はみな資本と貪官のせい」で、それはとりわけ「米帝国主義を中心とする西側反中華勢力の仕業」なのだ。この立場は政府当局から容認されるばかりか、一部の愚民の喝采をうける。今「9号文件」と「7つの禁止」がでて毛左派はこれで西側の普遍的価値、や言論の自由、司法の独立がなくなった、ことには大喜びしている。

    だが、もし習総書記が「鉄の箒」で自由主義知識人を全部一掃したとしても、「7つの禁止」は同時にたとえば張宏良(*爺注;左派。「中国ネット九大風雲人物」、学者、底辺層に人気。)に打撃を加え毛左派に警告をあたえたように 紅色貴族資本主義も批判してはならないと明確に指示している。その意味は「毛沢東が底辺人民を愛護したとか言ってはならない。紅色貴族など天朝には最初から存在しない」ということだ。だから毛左派は習近平の歓呼の隊列に参加を許されたとしても、以前の立場の調整が必要だろう。「7つの禁止」が「紅色貴族資本主義」という言葉は「二心ある者が共産党の改革を貶める為の言葉、だとしている以上、毛左派は西側資本主義と中国の民間資本がいかに人民を搾取しているか、しか批判することはできなくなったのだから。紅色貴族二代、三代の経済特権には毛左派は異議を唱えない。「親父が国を作ったのだから、子供がそれを引き継ぐ」のは「当然の事」なのである。

    《「7つの語り禁止」は一部の改革期待症を治癒させた》

    毛左派のような心情を持たない底辺民衆や中産階級層は習の「鉄腕+特権』に別の見方をする。

    まず社会底辺層。薄熙来の重慶での問題は経済発展ではなく「紅を歌い、黒を打つ」で底辺民衆に支持されたといわれる。だが、その支持は実は「カネで買われた」ものだった。複数の資料によれば、失業者は「革命歌」を歌えば銭が貰えた。また小学生は昼食が無料になった。薄熙来が重慶書記だった4年間、革命歌を歌いさまざな夜の勉強会が開かれ、各種の重慶モデル研究を賛美する本が出版されたが、そのカネはどこからきたのか?「打黒」で民間資産を没収したからという説も有るがそれではとても足りないはずだ。後になってやっと確実な情報として判明したのは、中国国家開発銀行のボス、陳元が薄熙来政権の樹立を支持して数百億元の資金を貸していたのだった。

    習総書記は当然、薄熙来のように銭をバラまく術は無い。なぜなら2人の立ち位置が違う。薄熙来は当時、皇帝の椅子を狙って投資する段階だった。勝てば一国の王になるから借金などいくらあっても平気。負けたら借用証など紙くず、だったのだから。これに対して、習総書記は今、すでに「皇帝の椅子」に座っている。天下は広く、至る所に銭は必要だ。中国中央銀行が紙幣印刷機をフル回転しても各地の政府は腹減りの赤ん坊のように待っている。民衆が革命歌を歌わせる為につかう銭などあるはずもない。

    習近平は勿論、ケチでカネをつかわないのではない。カネがないのだ。彼が受けついた店はボロボロで、鄧小平が社会の利益配分を再調整したのを真似るわけにはいかないし、胡・温のように環境資源を食いものにすることもできない。鄧小平時代は政府の規制緩和で、紅色貴族階級は大儲けし、民衆も落ちているパン屑を多少は拾えた。江沢民時代は国家資源を手放して、強硬にやれば土地、ソフトにやっても各種の経営特権がえられたが、民衆のパン屑は少なくなっていた。

    胡・温時代は江沢民のようにやろうとしたが、すでにポケットはスッカラカンで金・木・水・土資源は使い果されたか、でなければ全部汚染されていた。いま、習・李時代になったが、とても「経済発展の道」などみつかりはしないから、またしてもおなじみの不動産開発、高度汚染企業の道を辿ろうとしている。しかし、これは「民と利益を争う」のではなく、「民の命を奪う」行為だ。この十年、中国人も苦い経験のあと智慧がついてきている。政治制度の善し悪しは問わないとしても、言論の自由を求めようとしなくても、土地だけは農民の最後の生きる為の資本なのだ、とわかっている。環境保護は全てのひとが健康に生きられるかどうかの問題で、戦わない限り決して政府は関心をよせないだろうということも知った。だから土地を奪われた農民は命がけで戦い、高汚染のPX石油化学プロジェクトは各大都市で市民の集団抵抗に遭っている。

    権力も勢力もない中産階層と底辺階層は本来、住宅、医療、子供の教育、老後の問題など各種の問題を少なくともそのうちのふたつや三つは抱えており、日々の暮らしも大変だ。彼らは胡・温の紅色貴族のやり放題資本主義にとっくに深刻な不満を持っている。まして習近平が”鉄腕”で貴族階級資本主義を守り、自分達の喉を締め上げるなら、なにをかいわんやであろう。

    知識階級は習近平の「毛沢東式の鉄腕+特権」を支持するかしないかは、分類が必要だ。まずイデオロギーの専門家、つまりマルクス主義と毛・鄧3科目でメシを食っている専門家連中。彼らの盛衰栄辱は習近平の主張と関連するから表面的には基本的に支持する態度をとる。だが、所詮、共産党理論機関誌の「求是」雑誌や「党建」に執筆するのはそのうちの極少数で、大多数の人はただそれがメシのタネというだけの存在だ。そして脳味噌に右にも左にも回転自在のベアリングを仕込んだカシコイ連中は、習近平が何を言おうとすべて無条件に擁護に回り、一連の「理論セット」を作り出すのだ。

    この2種類の人間達以外は、私は知識階級は絶対に鉄腕で既得権を守ろうとする習近平のやりかたを擁護しようとは思わないだろう、と思う。これまでもずっと詰問を続けて来た知識人たちはこの「7つのダメ」には強烈な反応を示し、ネットの上で率先してこのニュース伝え、海外世論でも大規模な批判を引き起こした。

    中産階級と知識階級は中国の平和的転換を望み、暴力革命が起きない様に願う主体だ。彼らは中共に開明的な指導者があらわれ、世界の普遍的価値と、言論の自由、市民社会、市民の権利を受け入れて中国が司法の独立、民が権利を持つ様な方向に向かう条件をつくってほしいと待ち望んでいた。しかし、「9号文件」は彼らに深い絶望を感じさせた。

    習近平が毛式の統治を復活させるなら、それはかって袁世凱が帝政を復活させようとした状況を彷彿とさせる。中国は今、袁世凱を倒す為に立ち上がった若き軍人の蔡鍔とその護国軍はおらず、国はボロボロになり、人々の心は政権を離れた。民意の支持を失った政権がこのあぶなっかしい状況を、一体どれだけ続けられるのだろうか。(終)

    2013年05月19日日曜日

    拙訳御免
    原文はwww.voachinese.com/content/he-qinglian-blog-xi-jingping-2-20130518/1663790.html

    Share Button

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *