• 資源の誤った配置と経済構造の畸形化ー経済改革の焦点(1)

    by  • May 29, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣氏@HeQinglian

    2013年05月28日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/6cudc

    2013年05月29日

    本来3月の全国人民代表大会と中国人民政治協商会議の後登場する経済改革案の形がどうやらみえてきた。現在つくられている改革案は金融、財政、土地、収入分配、戸籍制度など7大領域を包括するもので、江沢民、胡錦濤時期の慣例とは違って、習近平総書記が『自ら旗を掲げる』ものになるといわれている。

    《克强指数の陰の内憂》

    2010年12月、ウィキリークスが公開した資料によれば、李克强が遼寧省党委書記だった時、在中国アメリカ大使クラーク・ラントに「中国のGDP数字を信じていない」と語り、自分は電力量と鉄道輸送量、貸付金の支払いの数字を見るのだ、と言った。

    当時、李は多くの重工業が有る東北を担当しており、真実の経済状況を判断する事は当然必要だった。英国のエコノミスト誌はこの「李克强の3指標」を元に「克強の指数」(Keqiang index)を作った。

    この「克強の指数」でみると、2013年第一期の中国GDP成長率は7.7%。電力使用量はわずかに4.3%増、鉄道輸送量は1.1%減。人民元の貸金の残高は14.9%増えた。これは中国の製造業、特に重工業が不振で、経済構造は改善されていないことを表している。

    新たに増えた貸付金の実際の流れは銀行による政府への報告とはくい違っており、多くの地方では増えた新貸付金の6割は不動産業に流れているという。

    税収面で見ると、今年になって地方税は増えているが増え方の速度は急速に落ちている。よくみると製造業からの税収は主流ではなく、税の追加納税や前倒し徴収、新市街化計画の熱に浮かされた土地販売など地方政府のあの手この手によって税収増が達成されている。この意味するところは税収増は持続できないということだ。

    これは中国政府にとって深刻な問題である。なぜなら政府の支出、役人の給料、治安維持の経費、軍の費用はすべて税収の持続的増加に頼っているから。これによって政府は今年の経済改革の重点を上述のどれにするかを当面する現実から考えなければならない。

    金融、財政、土地の3者はみな政府の「財布」の問題だから。中央銀行はここ数年、紙幣発行能力を存分に発揮し、中央政府のフトコロを一杯にし、且つ各級政府の巨額投資を維持してきた。土地は地方政府のフトコロであり、戸籍は農民におとなしく土地を差し出させる慰謝料である。だからこの7大改革(行政、財税制、金融、投融資、資源性産品、民生保証、都市化)のうちの4項目のキモというのは政府の財政収入を保証することなのだ。

    新たに増えた貸付金の行方から見ると、依然として2009年以来の古い道を辿っている。中央政府の主観的願望がどうあろうと、中国の現在の新都市化計画は2009年以後の政府投資と同様、あらたにゾンビ企業、ゾンビ開発区、ゾンビプロジェクトを作り出す以外に中国の経済構造を改善する助けには成らない。

    《2009年後陥った債務の泥沼》

    2008年におきたリーマンショック世界金融危機は世界各国が自国経済構造を調整する重要な機会となった。しかし中国はこの機会を不動産バブルを抑える調整に利用しなかっただけでなく、逆に通貨政策を緩め、政府投資を拡大し逆向きの調整を行い、不動産バブルを拡大させる方向にもっていった。

    この行動は短期的には「中国が世界経済を救う」という美名を獲得したが、その結果の一つは中国を巨大な債務の泥沼に陥れることになった。広州の「21世紀経済報道」は今年1月30日に「2009年以来、中国中央銀行の通貨供給量は日本、米国、欧州ユーロ圏を超え、地球最大の”貨幣印刷機”になった」と報道した。2012年の全世界の貨幣供給量増加分26兆人民元のうち、中国が半分を占めた、と。

    中国の債務は項目が多過ぎて、数字も不透明だが、それでも多くの研究者は地方債務はすでにコントロール不能状態で地方政府の財政の危険度は極大になっているという点で一致している。しかしいったいどの程度の危険か、というとさっぱりわからない。

    私が集めた資料では国内の「財経」誌の「中国負債の底をさぐる」(2013.4.7)が詳しく、あてになりそうで、金融部門、政府部門、民生部門の各債務と非金融部門債務の合計など部門別の計算の結果、総負債額は120億〜128兆元に達する。

    2012年の中国の非金融部門の債務だけでもGDPの2.21倍である。この筆者は中国社会科学員金融重点実験室の劉煜辉主任で、結論は「一人当たり平均収入6400米ドルの状況では、如何なる国家もこのような債務水準を維持できない」。リヨン証券が5月に発表した報告でも中国の総債務規模は約107兆元である。つまり大量の起債で経済成長を推進させているのが中国の常態だといえる。

    中国のGDP増加は債務によって支えられている。”紙幣印刷機”の積極効果は政府のフトコロがいっぱいになり、財政圧力はない。マイナス効果は通貨膨張で、その負担は社会全体が負担する。はっきり言えば、通貨膨張は政府が自己の財政圧力を軽減する為に、貨幣発行権を利用して全社会に負担を転嫁して、またしても再度の富の分配をさせようというものである。

    《2009年後の逆向き経済調整》

    2009年後の逆向き経済調整は債務の泥沼より深刻な経済機構の畸形化を促進してしまった。09年の政府投資に支えられた経済発展は、コストが高すぎたばかりか、さらに深刻な大量の資源を誤った方向に分配してしまうという結果を産んだ。

    コスト高というのはまず、制度の支出コストが高すぎ、中央政府の握る金融と財政という「二つの財布」に直結状態に等しいということ。政府は貨幣発行権を利用して銀行にお札を刷らせ、そのお札は政府の投資や銀行の融資等の形でザブザブと中央、地方の両方の財政のフトコロに入るというわけだ。

    次に、金融のコストが高すぎる。お金が本来行くべき所ではない方に流れ、それが各種の形となって高利貸しの資金になっている。中国の債務の総規模において、「陰の銀行」は大変憂慮される問題である。リヨン証券は「陰の銀行」の規模は13兆から17兆元の規模と推定。中でも主要なのは銀行の財テク産品と信託産品。銀行の財テク商品のうち59%は無担保状態。(爺注;理财产品、信託産品;この辺、シロウトで金融用語がようわからんです。)

    第三にファクターコストが高すぎる。エネルギー以外の、労働力、交通運輸のコストも急上昇し、各種の物価が値上がりしている。すべてのコストが上昇する状況下では中国の国家競争力は下降し、外資は大量に流出する。

    資源の誤配分は二点。まず大量の政府投資が生産部門ではなく、不動産産業に流入している。(35〜45%といわれる)。これは5年内の中国不動産価格の上昇を招く。2012年、英国の高級不動産会社顧問のナイト・フランクは各国のこの5年間の不動産上昇平均を公表した。中国の不動産値上がりは110%で世界でもトップ。その中でも政府が独占している地価が最も値上がりし、広東省統計局と不動産業協会の調査報告では2009年-2012年の3年で、同省不動産価格は平米あたり825元から3264元に約300%上がった。

    中国の金融はまだ対外開放されていないので、外国為替管理制度は客観的には中国金融を防衛している。これによって不動産バブルの続く間は中国の債務危機は崩壊しなかった。地方の製造業もまだ生き延びることができるし、輸出も継続中だ。中国政府が他の経済を支える要素を見いだせない状況では、依然として不動産業界という主要な柱を手放すことはできないので、発展する不動産産業を核心とする「新市街地計画」を新たな政策の装いをかぶせて実施しようというのだ。

    新市街地化は巨額の資金の推進力を必要とし、2012年下半期から今年度の第一期だけでも、貨幣供給量は11兆元増加した。その結果予想通り全国各地では土地の奪い合いが始まり、地方では新たに増えた貸付金のうち不動産業界に6割が流れ込んだ。

    2009年以後、中国政府の投資は資源の誤った配分の挙げ句、深刻な結果を産んだ。多くの企業が利息を払うだけの生産ができず、総資産利益率を得られなかった。また、不動産価格の急騰と全国に数百もの幽霊無人都市が一斉に出現してしまった。

    また、地方政府の競争で、貸付金の多くの部分を占めながら、さっぱり利益は産まないというゾンビ企業が大量にうまれた。「21世紀経済報道」2013年5月25日号が報道した「放置された唐山曹妃甸工業区」という記事では詳細にこのゾンビ企業が大量の貸付金をもってゾンビ工業区をつくるゾンビプロジェクトを実施し、その結果、工業区には3000億元が、国際生態区域(?なんだろ)には280億元が投じられたが建設半ばで放棄されており、唐山市はこのために払う利息は毎日千万を越えている。これはほんの一例。こうした企業は何の利益も産まず、日々借金の山を築いている。(*爺注;「唐山曹妃甸工业区烂」で写真をググると素晴らしい「完成図」が沢山みられますな p.tl/hSS0

    中国国家発展改革委員会 は今後数年に40兆元を投資するといいながら、そのカネはどこから工面するかは説明がない。以前の状況からするにただ紙幣を印刷し続けるだけなのだろうが、これは以前の紙幣発行量に劣らない額で、その結果は想像すればおのずとわかるだろう。(終)

    拙訳御免
    原文は voachineseblog.com/heqinglian/2013/05/chinese-economic-reform-1/

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