• 中米のG2構造は夢ー北京の”新大国関係”説分析(1)

    by  • June 11, 2013 • 日文文章 • 1 Comment

    何清漣氏 @HeQinglian

    2013/6/8

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/zexdc

    2013/6/10

    習近平・オバマのトップ会談は米側の急な要請に中国側が応じて行われた。中国側の説明は「オバマ政府が中米不信を減らすために主体的に友好を示した」とされるが中国側も「形式はリラックスしたものだが、中味はそうではない」と認めている。中国側が会談前に熱望していた中米で「新大国関係」を作り、中共が熱望していた「大国の地位」を獲得するという点から見れば、オバマの「中国の平和的台頭の持続を歓迎」という言葉を得ることができた。中国の「平和的台頭」の可能性をより深くみてみよう。

    《中国の『平和的台頭』論の盛衰》

    中国は世界の大国である。人口でもGDP総額による経済規模でも大国の立場にいる。しかし習近平の構想する「新大国の関係」とは米国と地位や権力が全く対等になることで、米国がその「世界の指導者」の地位を承認することだ。ただ問題は如何なる国家も「世界の指導者」の地位を得る為には、米国が裏書き保証するだけではなく、自身の「ハードパワー」と「ソフトパワー」によらなければならないということだ。

    まさに自身の実力に対するその評価から、胡錦濤はその任期中に「中国の平和的台頭」に一時熱中したけど途中で放棄するにいたったのだった。かって「中国熱」が高まったとき、中共の理論界の三朝元老(爺注;三王朝に使えた元老。「世渡りの上手」意味も)鄭必堅は「外交季刊」2005年9-10月号に「中国の平和的台頭」の一文を寄せた。「中国は正に今平和的台頭中だ」から始まり、「中国経済の実力はやがて米国を追い越し(2020年か2030年といわれる)、「北京コンセンサス」が「ワシントン」に代わり、21世紀は必ずや中国の世紀になる」と。 これは国際社会の中国通の間でも流行し、ホワイトハウスのシンクタンクの連中までがこれを本気にし始めたのだった。

    そのなかでシンガポール国立大のリークワンユー公共政策学院の马凯硕院長は「評論集」(Project Syndicate,2006年4月号)で “美国の盲点”(America’s Blinders)なるコラムを書き、その見方は中国研究圏を代表するもので、「米国が国際的諸問題にかんする仕事を主導する時代はまもなく終り、その時が近づくに従い最大の問題はいかに米国がそれに対して準備するかである」として 马凯硕(Kishore Mahbubani)は米国政治家達に諄諄と2040年には爆発的に発展する中国のGDPが米の3倍になるという事実に目覚めるように、と説いた。

    各種のこの類いの予言の中では马凯硕は比較的賢くも2040年と自分ではそれを見る事がなさそうな年代にしておいた。ところがそれでも彼は十分幸運とはいえず、中国経済は2009年以後、退潮をきたし内部的な問題に直面し世界第二のGDP総額を達成した後、謙虚になった。外交事務担当の戴秉国が中国外交部のネット上で「トップにならず、覇権を争わず、覇権を唱えず」「中国が米国にとってかわって世界の覇権を握るというのは『神話』である」と。政府の他の部門も「中国はまだ種々不足がありGDP2位は真の国力ではない」と言い出して、「中国の平和的台頭」という言葉は中国の役所用語から消え失せたのだった。習主席は「平和的台頭」という言葉は使わないが、富国強兵を中心とする「中国の夢」は「台頭」説の流れを汲むもので、オバマ大統領の祝辞はきっとかれの好みにぴったり合ったことだろう。

    《国力を計る”包括的財富成長”》

    中国経済の実力を語るとき誇るに足る主なものはGDP規模だ。伝統的なマクロ経済研究では一般に国民経済計算によって国の経済的進歩を計る。だが二十世紀70年代末から、経済学界はこの種のGDP計測は大きな限界があることを認識していた。なぜならGDPというのは本来「流量」の概念で、一定の機関の一国内の生産品とサービスの総価値を表すに過ぎず、社会全体の福利、社会分配の公平さ、生産活動による自然資源と環境の損耗等は計る事ができないからだ。

    こうした欠陥のため、GDPを一刻の社会経済の富の指標にするのは明確に限界がある。多くの経済学者はなんとかこれをもうちょっとマシな指標にしたいと願っていた。現在、受け入れられているのは「Inclusive Growth」(包括的成長)という考え方でアジア開発銀行が2007年に初めて提案した。包括的成長は「包括的財富」の上にたち、意味は一国の富は再生可能な資本、人的資本、自然資源、社会制度、人口等等を指す。以下、大意を述べるが、中国が優勢を保っていないのはわかるだろう。

    ❶ 再生可能資本;生産活動の中での工場、器械、社会生活での道路、交通手段等等。工場や器械はよくいっても世界の平均程度。道路鉄道、橋梁等の基礎施設ではデタラメな建設工事が少なくない。数年前、国家住宅建設部も中国の建築の寿命は僅かに30年と。世界のセメント・鋼材の4割を使っているのに大量のダメ建築。中国のみならず世界の環境への脅威である。

    ❷人的資本。労働者が従事する生産技術の水準、経験蓄積および、健康状況。中国の大学教育と職業教育の水準はずっと批判されてきたし、環境汚染は全国民の体質を下降させた。かって国内役所のデータを調べ「中国を病気蔓延国にするな」を書いたことがあるがその中で職業病の危険な要素をに接触している人は2億人を超す、と述べた。

    ❸ 自然資源。鉱物地下資源、例えば水、石油、各種金属、すべての生態システムと環境状態を含む。この方面で中国は劣っておりまったく優位さはない。環境汚染の深刻さは世界中が承知。ここでは資源の対外依存度が高いとだけ指摘しておく。
    「2011年中国国土資源公報」は石油、鉄鉱石は海外に56%依存すると。2011年、中国の熱エネルギー輸入は9000万トン。銅鉱石は世界の4割。ボーキサイト、クロム、ニッケル等も高度に輸入依存。世界第二の石油消費国として2015年には石油輸入依存度は65%になる。2020年には7割に。農業人口大国として食料の自給率はすでに90%以下。中国は十数億の人口を擁し、資源の対外依存度がこのように高いので資源の安全は隠れた弱みだ。

    一旦国際的に何かおきれば、あるいは協力関係にヒビが入ればすぐ国内経済に影響する。例えば中国石化が最近アフリカのガボンで開発した油田が政府に回収されるなどがそれ。現在すでにいくつかのアフリカ国家が中国に対して高飛車に石油投資者の経営のあり方に対し、子会社を通じた振替価格操作なども含めた全面的な調査を行う、と宣言している。その狙いは石油採掘権の回収にある。

    ❹ 社会制度。一刻の経済的財産の所有権と関連法律の設計。中国の公共資源所有はすべて国家独占、すべての社会組織と企業は政府の財産に高度に「資源依存」している。民営資本は政府の役人の庇護があって初めて発展できる。この種の政府の独占による不完全競争は経済の主体の創造力を深刻に圧殺している。中国の法治ときたらさらに悪名高い。党と政府は法律の上にあって好き勝手に法律をもてあそべる。こんな制度を中共は「人類史上最高の制度」だなどといい、さらに続けようとしている。この5年来、毎年の巨額の軍事費支出は「治安維持費」とともに、それ自体が中国の社会制度のマイナス状態を説明している。

    習総書記は皇太子時代、自分が引き継ぐ中国の身代をよく調べておくべきだった。このような実力で米国と「新大国関係」を打ち立て、G2体制をつくり、「米国と対等」に世界の指導的責任を担うのは、たとえ米国が裏書きしても世界各国、とりわけ中国の周辺諸国が受け入れることができるだろうか?

    拙訳御免;原文は www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-china-us-meeting-20130608/1678083.html

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    One Response to 中米のG2構造は夢ー北京の”新大国関係”説分析(1)

    1. August 29, 2013 at 10:01

      トリーバーチ amanda

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