• 中国は近いうちに金融危機を生じるか?

    by  • July 3, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣氏 @HeQinglian

    2013年7月2日

    日本語全文概訳\ Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/Z23dc
    2013.7.03

    最近の「ATM停止現金不足」騒ぎで中国は金融危機に直面しているかどうかがホットな話題になっている。問題は2つに集約されてプロの討論は「どこまで深刻な事態か」と「中国経済に与える影響はどれぐらいか、爆発的か否か」だ。プロ以外の関心は「金融危機は政治危機の引き金になるか」である。本文は中国に近く金融危機がおこるかどうかについて論考する。

    《中国金融危機の集中は根拠なしではないが》

    金融危機は通貨危機と債務危機、金融危機等の類型がある。米国2008年の金融危機は銀行の危機だった。中国で金融危機が起きるかどうか心配する理由は08年米国危機と較べて確かに似ている部分が多いことだ。例えば貸付け金と不動産価格の高騰、各種金融の派生商品の増加(中国のはおもにシャドーバンクがこの種の金融派生商品を扱う)、特に6月2日、中国銀行の短期資金金利が25%になった。この資金ショートは08年の米国の危機に大変類似している。

    6月24日、中国工商銀行が「操作システムのアップグレード」と称して、そのATMシステムを停止したあと、私は電話取材を受けたが質問は「中国では金融危機爆発するかどうか?」だった。

    それに対し私はこう答えた。

    「米国の08年金融危機の要素は中国に全て存在する。例えば大半の経済指標(短期利率、通貨資産、証券、不動産、土地価格)は全部悪い。数年前から中小企業の破産現象は続いているし、失業率も増えている。その他に、中国は米にはない2大要因があって、ひとつには人民元が国内で不断に下落していること、ただ米ドルに対してだけは変化が小さいので普通の人は安定していると錯覚してる。二つ目は地方政府の債務が膨大な事だ世界の例からみると、いかなる国家も債務危機と通貨危機の一方でも大変対策が難しい。中国は現在、その両方に直面している。ひとつは地方政府と企業の債務危機で、総債務の規模は120兆〜128兆、2012年中国の金融部門の債務はGDPの2.21倍近くある。つぎに通貨の超過発行は深刻。中央銀行の発表したデータだと最近3年半で、中国の貨幣供給量は60兆から100兆に67%増加しており、中国は目下、地球最大の「貨幣印刷機」である」と。

    しかし、これほど多くの危機要素が累積しても中国では近いうちに金融危機は爆発しない。なぜなら中国の金融システムは米国と違って、金融は商業的な信用に依拠するのではなく、国家そのものの信用に依拠しているからである。

    《国家の信用が金融の大船のバラスト》

    中国が債務と通貨膨張の二重圧力に直面しているが、依然として対応できる原因は実は大変簡単な理由である。中国の金融は完全に政府によって掌握されていて、その商業的信用は国家の信用とシャム双生児で西側国家がどんな金融危機でも採用出来ない手段でも、中国では政府が必要だと思えば何でも使えるからだ。中国の金融システムで不良債権処理を例にみれば、その手法は世界で唯一無二のやり方である。

    中国金融業界は15年間に二度の不良債権危機に遭遇したがどちらも悠々と乗り切った。第一回は1998年に発生し、総額14000億以上だった。で中国政府はうまい手を考えだし、1999年に4つの資産管理会社(中国華融、中国長城、中国東方、中国信達)を作って、別々に工商銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行から剥がした不良資産を接収させたのだ。度重なる政府による”相殺””分離””資本注入”で1999年には分離された不良資産は13939億元となり、そのうち4つの国有商業銀行の分離不良貸し付けは1兆元だった。2006年、中国銀行系列の不良貸し付けは3兆元にのぼったが、中国は同様の方法で処理した後、シティバンクやスイス銀行等十余の大外国銀行を「戦略投資者」として出資を得て、再び外見を化粧直しして上場し、巨額の不良債権は跡形も無く消え失せた。

    日本の銀行はこの中国の不良資産消滅能力に遠く及ばず、十余年もかけてやっと1、2%減らしただけ。2008年米国金融危機の勃発で、米国銀行は不良債権になす術無しだったが、多くの人が中国金融システムの巨額不良債権を雲散霧消させた事を思い出し 「中国共産党支部がウォール街にありさえすれば、必ずや米国金融は助かるのに」、と冗談を言ったものだ。

    私は中国銀行のシステムがいままたすくなからぬ不良債権をだしたが、それを帳消しにすることはちっとも難しく無いと思っている。*以前同様の方法をちょっ と変えて、適時にちょっと新しいやり方を作り出せばよい。ただ前の二回とちょっと違う。一度目は外資が銀行の不良債権も含めて一括購入、解析を通じて中国 金融システムの経営状況を理解しようとした。第二次には儲けるため契約時期がきたら大部分はしっかり儲けて引いた。今後はそのような戦略的投資者を新たに みつけるのは難しいだろうから、新たな方法を必要とするだろう。

    《中国はなぜ近いうちに金融危機にならないか》

    この数年、ある歴史学者が明王朝は金融危機で滅亡した、という説を唱えた。だからある人は中国の一般庶民が銀行に取り付けに押し寄せたら金融システムが破綻し、政治危機がおきると考えたが、こうした考え方は中国が如何に金融を管理しているかを理解していないからうまれる。まず、中国の通貨超過発行量が深刻で民衆のインフレ予想も高い。だが現在の中国では国民党が金券を発行した後おきたような銀行の取り付けは起きそうに無い。なぜなら中共の現行制度は国民党の時期とは違う。あの時は私人と外資が銀行を経営できた。今日の中国では銀行はすべて国家の信用で支えられているのだ。

    ❶ 中央銀行は30兆元を越える準備金を用意しており、取り付けをおそれない。

    ❷ この準備金が誇張されたものだったとしても(そういう事は中国ではしょっちゅうある)が、取り付けは民衆が「銀行は政府のものでつぶれるはずがない」と信じているという理由以外に、各地の政府が絶対に取り付け騒ぎを許さない、という事が更に重要である。かって海南発展銀行が1998年6月に破産したとき、海南省政府の体験の総括は、倒産の直接の原因は預金者が恐慌をきたして取り付けに奔ったから、というものだった。これ以後、地方金融機構が破産の危機にあうや、取り付け騒ぎ防止に地方政府と他の銀行があたることになっており、この二つの共同管理で基本的には取り付けの波が起きない様になっている。最近発生した「中央工商銀行ATM停止」も中央銀行の周小川頭取によると「市場は基本的に正確に中央銀行を理解した」と言っている。だから、「ATM資金ショート」も中央銀行の市中銀行にたいする信用と通貨上の”実弾演習”と理解される。更に重要なことは人々がこの解釈を信用すれば、国家への信用はまだしっかりとしたもので、「狼が来た」的な恐慌への懸念をなくせるわけだ。

    つぎに、地方債務の危険は地方融資プラットフォーム(爺注;迂回融資の為の地方政府による機関)の危機だが、実際には最後には中央政府が引き受ける。この「プラットフォーム」(平台)は中国の独創的なもので簡単に言えば、地方融資プラットフォームと地方政府の利益は三重になっており

    ❶ 迂回融資機関は市と所属の国有企業よりなり法律で直接融資できない状況での重要融資の代理機関であり

    ❷ 地方政府とプラットフォームの資金は完全に共通で、地方政府はプラットフォーム側に土地を抵当として提供するだけでなく、土地を売った収入をプラットフォームの営業収入として提供する。地方政府は様々な方法でその資金を提供し例えば予算収入を注ぎ込み、土地使用権や現有資産(道路や橋梁)を譲渡し、中央政府が地方政府に変わって起債した収入等もそこに注ぎ込む。

    ❸ 地方政府がプラットフォーム側に提供した具体的な担保は、この種の支持の合法性を説明するために地方政府は地方予算に助成金として組み入れ、地元の人民代表大会の批准を得る。プラットフォームの存在は地方財政の赤字圧力を減らし、地方政府の債務の目に見える増加を隠す。だから、プラットフォームは深く地方政府の好む所となっており(爺注;この数字は上から評価されて、地方政府の役人の成績・出世に繋がる)

    しかしこのプラットフォームは土地を抵当にして借金を申請する方式で、地方政府の財布と土地と不動産をますます密接に縛り付けるので、いつ土地バブルがはじけてもおかしくない状況の下では地方政府の幸せな状態は最後には中央政府の憂いとなる、つまり金融危機である。だが中国に地方政府の破産があるかといえば、中央政府はけっしてどの地方政府も破産して麻痺状態にはさせないで地方政府の不良債権をいかに解消するかを考える。これは中央政府にとってはお茶の子サイサイである。

    中国の銀行はほとんど国が出資した銀行であり、株式会社の銀行といっても国家資本の銀行と大型国営企業が株主でその信用は国家の信用だ。これは銀行と地方政府ともともと同じ父母の兄弟であるわけで、中央政府(父母)地方債務の破産を処理する裁判官は、債権者(銀行)をストップさせ、危機を各種の方式で上手く処理し経済発展を持続させることができる。

    これがつまり中国で近い将来に大規模な金融危機が起こりえない原因である。だから私の結論は中国の金融システムは中国の政治状態と同様、決して崩れる事無く、政権と苦楽をともにしていく、なのである。(終)

    別の文で、中国金融の危機、通貨膨張が政治危機を招くかどうかを論じよう。

    拙訳御免。原文は;www.voachinese.com/content/heqinglian-20130702/1693945.html

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