• 中国の腐敗高官が死刑になるのを免れる理由

    by  • July 27, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏ブログ

    2013.7.25

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/JpAdc

    2013.7.26

    最近、清華大学の法学博士・王進文の作り出した新語の「死刑二重基準制」が大流行。湖南の企業家・曾成杰が資金集めの罪で生け贄の羊とされ死刑判決を受け処刑されたのに、同じ頃、鉄道大臣の劉志軍は死刑判決に執行猶予がついた。その大きな違いに世間は「二重価格制度」から産まれたこの「死刑二重基準制」は役人と民間に対する司法の不平等の本質を見事なまでに言い当てている。

    《死刑廃止は高度な選択性》

    実際、中国の官民死刑格差は2007年に現実になっていた。ここで大事なのは表面的なこもごもの出来事ではなく、実際に死刑制度に対して確実に影響を与えている問題だ。国際人権組織が中国の死刑によせている主要な関心は死刑制度の存廃だが、中国人はあまりそれには関心を寄せておらず、死刑実施の階層性、すなわち、「死刑官民格差」に関心を寄せている。

    官民死刑格差制度が産まれた事情を考えるにあたっては、人々が中国の”法治国家”の実質をどう認識しているかが参考になる。「アムネスティ・インターナショナル」は毎年、世界の死刑状況を報告し、中国の死刑の数の多さはずっと批判されてきた。今年4月10日発表の「世界死刑状況」によれば、2012年中国で執行された死刑数は他の全国家の合計より多い。しかし、中国政府が死刑者数を機密扱いしているために、アムネスティも正確な数字を把握することは不可能だが、数千人が死刑執行されているとみられている。

    中国側は刑事訴訟法が改正されて以来死刑者は68人から55人に減少したと言い張っている。2011年にはじまり、中国では13件の経済性非暴力的犯罪の死刑判決を取り消しており、死刑罪名総数の19.1%を占める。規定では裁判時に満75歳なら通常死刑は適用されない。死刑制度に関連した国際会議で中国側は「死刑の完全廃止は民意の指示を得られていない」と述べている。

    中国政府は普段、民意等さっぱり重視しないわけだが、この死刑制度廃止における民意の状態については、半分は本当なのである。というのは中国は確かに死刑に対する民意調査を3度行っているのだ。1995年中国社会科学院法学部と国家統計局は死刑存廃問題で民間調査をおこない、その結果、95%以上が廃止反対。2003年、1.6万人を対象にした調査でも83%が反対。2008年のネット調査でも67.2%が反対。21.8%が適用範囲縮小は支持した。

    ”半分のウソ”の方は汚職役人の死刑取り消しのことで、政府は民意などかまっちゃいないのである。つまり死刑改革の最大受益者はおもに腐敗汚職事案に関わった高官であって、普通の庶民ではない。多くの方面で国際基準に達するのに中国ははなはだ遅いのだが、腐敗汚職の罪で死刑に処さない、という点では中国は国際基準と軌をイツにすることのはなはだ早きこと、であり喜んで国際人県組織の提案を受け入れている。

    2004年、「南風窓」(*広州の雑誌)はかって「反腐敗死刑は一種の制度的怠慢」(*爺注;死刑反腐败是种“制度性偷懒”)という記事を掲載、インタビューした相手はトランスペアレンシー・インターナショナル(爺注;ベルリンに本拠を置く腐敗・汚職に取り組む非政府組織 wiki)のDavid Nussbaumらでインタビューのキモは中国が強力で健全な反腐敗制度をうちたて、「透明性」を突破口としてあらたな反腐敗制度をつくるべきだ、など良い建議がたくさんあった。

    しかし、中国政府側は内容より、その表題に興味を示したらしく人権改善をまず汚職役人を死刑免除にすることから始めたわけで、とくに経済犯罪(多くが汚職関連)の死刑免除が当局のいう「人権の進歩」にあいなった。

    《受益者の中核は汚職役人》

    現在までに公開資料で探せる省部級以上の高級役人で最後に死刑になったのは国家薬監局局長の郑莜萸(2007年)。それ以後、汚職役人の死刑免除は慣例になっている。「財経雑誌」2012年5月17日号の「100人の省部級高官腐敗例;腐敗行為は時代の経済の特徴と合致」という文章によると、1987〜2010年の間の120人の省部級高官の腐敗事件を分析しており、そこにはチベット、内モンゴル、香港、マカオ以外の三十省級行政区、党、軍、政府、司法各系統の高官と国営企業、金融業界の高官が全て揃っている。そして死刑に処せられたのはたった6人にすぎず、その中には山西省人民代表主任の段義和のように情婦車爆殺事件や、河南省の副省長呂徳彬の妻殺しが含まれている。120人で6人が処刑、なら死刑比率はすでに5%である。

    監獄方面から明らかにされた情報でも、現在、中国で収監されているうち毎年、少なくとも20%から30%は減刑を得られて、そのなかの保釈や病院治療を受ける主体は腐敗汚職の罪で入獄している政府高官なのである。この記事は他にも興味深い。政治腐敗と時代の相関関係以外に、官民の司法不平等にも言及しており、役人の罪名は「汚職、収賄、不明巨額大金ゲット罪、爆殺罪、重婚罪などで、最高汚職金額は2億元(32億円)、単独金額では中国石油化工総裁だった陳同海の1.6億元(25億円)

    疑う余地なく、彼らの半数は情婦をもち、「絶対多数の出身は平民である。ほんの数人が政府高官の子弟」「刑務所も省部級以上は部屋にエアコンがあり、弁護士と部屋で話ができ、緑に囲まれた山紫水明の地にある」とある。この”監獄”の環境の良さはおそらく平民の小さな家の比ではあるまい。このような結構な監獄が中国には何カ所もあり、中国のネットで「汚職官吏たち用の豪華監獄」“专为判刑贪官们建造的奢华监狱”で検索すると写真がたくさんでてくる。

    中国司法の不平等はいくつもの国際人権組織の想像もつかないことがまだたくさんある。役人が腐敗汚職で懲罰を受けるかどうかは家柄に関係する。農家や都市平民子弟(普通の下っ端役人の子弟もふくむ)がコネがなければ法のお縄を頂戴してしまう。だが、”民”にしてみれば、平民出身の役人だって、自分達の仲間なわけで、その待遇はやはり”民”とは大違いなのだ。この役人への寛容さが、普通の平民に適用されることはまずない。

    瀋陽市の街頭販売商人夏俊峰が都市管理役人に虐待され怒りのあまり反撃し殺した事件は原因が役人側にあり、多くの法律家が情状酌量の余地を認めていたにもかかわらず、死刑になった。アムネスティインターナショナル等のNGOは中国が死刑を廃止する努力を重ねている。これは人権の進歩への要求だ。トランスペアレンシーインターナショナルは中国が反腐敗で「乱世には厳しい刑罰を用いる」ことを批判して、「西側国家では官僚腐敗事件には刑法以外に、民法をより重視して、罰金を課すとともに、個別の事件を責めるのではなく、体制を改革推進をおこなうことに重点をおいている」と指摘している。

    しかし多くの国際組織の全ての努力の成果は、中国では劇的に汚職官吏に死刑を免れさせる、という死刑廃止としてしか効果がないのだ。中国の汚職官吏が死刑をまぬがれる理由を考えて見ると、中国は依然として「人が統治する国家」であって、所謂法律は民衆を支配する道具であり、一旦、役人に対してとなると法律は自由に伸び縮みするゴムのようなもの。それが中共のいう法治国家の正体なのだ。(終)2013/7/25《中国人权双周刊》

    拙訳御免
    原文は;biweekly.hrichina.org/article/9219
    何清漣氏のこれまでの論評は;Webサイト 清漣居・日文文章 heqinglian.net/japanese/ に収録されています。

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