• 世界銀行の中国改革青写真の命運予測

    by  • August 7, 2013 • 日文文章 • 1 Comment

    何清漣 @HeQinglian 氏

    2013年08月04日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/HhDdc

    2013.8.6

    8月2日付ワシントンポスト紙によると、中国国務院の李克强総理の要請で世界銀行は国務院発展研究センターと現在連携して検討課題をきめているという。同報道によれば世銀は中国に対し大形銀行の一つの私有化と農民の土地販売権許可など広汎な提案を行っているといい、もしこの改革が実施されれば中共の数十年来のイデオロギーが転覆するだろう、という。

    実際は、本当にこのような改革が実行されたら、転覆するのはイデオロギーではなく、中国の現在の利益構造だ。所謂イデオロギーというのは現存利益構造の合法的外観にすぎない。

    李克强は中国経済の病巣を内心で理解しているから、こうして世銀と国務院が協力して改革提言した、というのはつまり破局を予想しているからだと言わなければならない。なぜなら、金融体制が今のままなら、銀行は各級政府が自由勝手にカネを引き出す現金自動支払い機になってしまい、インフレが中国経済を飲み込む。土地が私有化されなければ農民はずっと略奪され続け、不動産バブルと利益集団が中国経済を拉致してしまっている状況が継続するからだ。

    しかし、この計画は二つの大きな危険がある。

    《金融私有化は紅色貴族が中国経済を略奪する》

    金融私有化の門が一旦開かれたら、誰が最大の銀行株主になるだろう?当然、共産党貴族の家族たちである。既に彼らの中には少なからぬものが各種の金融新貴族に成っている。英国のファイナンシャルタイムズの「カネに生きる中国太子党」(2010/3/19)で、私的ファンドでは李瑞环の子李振智、李振福、朱镕基の子朱雲来、李長春の娘李彤、前副総理の曾培炎の子Jeffrey Zeng、劉雲山の子、劉楽飛等。すでにその業界を離れた温家宝の子、温雲松もその1人。 ウォール・ストリート・ジャーナルの7月4日の「豊穣な投資;中国太子党下の私的ファンド」では江沢民の孫、江志成も業界へ。中共元老の陳雲の子、陳元は国家の重職である国家開発銀行の理事長。

    つまり、実力、経験、株主へなる道のどれをとっても、共産貴族家庭出身者は一番優先的に株を購入できる立場にいる。政府が株主の最大持ち株を2割に制限したところで、彼らは熟練した手管でトンネル会社をつかって様々な方法で目的を達するだろう。一旦、紅色家庭金融新貴族達が株を支配して大銀行や金融業界の主導権を握ったならば、党が支配していた中国経済が、新貴族集団によって支配されるようになるだけだ。

    この種の私有化が国民に与える影響をさておいても、それは地方政府にどのような影響を与えるかもはっきり予想出来る。各地方政府は「地方融資プラットフォーム」を通じて起債し、必ずしも返さないでも良いという途が断たれてしまう。どこの紅色金融新貴族が自分のお金が泡と消えるなんてことを願うだろう?だから、各地方勢力はおそらくこんな金融改革を喜ぶまい。当然、中央は大形銀行の地方支店を現地で私有化するのを認めて各省区の行政首長一家が銀行株を購入するのを許して、皆がおこぼれに預かれる様にして彼らの支持をとりつけようとするだろうが、これは技術的に大変困難だ。なぜなら過去十数年、各地の銀行の不良債権は山の様で、”諸候”達だってそんなものを背負い込みたく無いからだ。

    朱鎔基がかって国営企業改革に乗り出した時、「大を掴み、小を放つ」政策で、市場競争力の強い企業を私有化して、民生部門に関する国営企業を独占状態のままにしておいた。石油化学工業、鉄道、食用油などである。これらの独占企業は胡・温体制の10年の経済発展において税収の基礎、物質の保障となった。これらの企業は大きく、国有銀行の金融に依存している。もし銀行が私有化されたら、これらの企業は従来の様な優遇政策を得られないから、反対に回るだろう。現在、習近平がいて党が一手に一切を掌管している構造下で、紅色家族に政治的圧力をかけるのは大変困難で、薄熙来一人に手を焼いて苦労したのに、さらに多くの勢力を誇り、財政的にもスゴい力のある紅色財団を相手にするのは更に困難だろう。この結果は予想できない。

    《地方政府による邪魔立て》

    土地私有かの内容は中国の数億農民に自分の土地を売らせて、農民収入を増やし、農村人口の都市移転と農業用地の整理を行う狙いという。ここでは農民の就職先の問題は論じないが、この問題は中国社会の長年の悩みのタネだが政府の目にはこれは優先して考慮すべき問題ではなくなっている。李克强は多分、私有化を通じて、地歩政府の土地頼み財政に終止符を打ち、同時に不動産が中国経済を拉致しているも同然の危機的局面を終わらせたいのだろう。しかし、土地頼み財政を終わらせるには、地方政府に経済的なモデルチェンジの途を探し与えてやらなければならない。

    しかし、中国経済は現在、あまり結構な状態ではない。津禹という人が各方面の色々なニュースを集めて「中国のまさに破産する9大業界」なる一文を表し、そのなかで列挙したのは過剰生産、巨大企業の過当競争による再編の危機の太陽光発電、造船、鉄鋼、LED照明、家庭用量販店はコスト膨張で、中小の不動産業は退場を命じられ、航空業界も経営惨憺、信託会社もポンジ・スキームで破産に瀕死、第三者理財業も600社が倒産、と。

    別の一文の「中国十大資源枯渇滅亡必至型都市」には炭都の内モンゴル・オルドス、陕西の神木、油の尽きた甘粛の玉門、鉱脈の尽きた湖北の黄石、雲南の銅都・東川があげられ、一番驚くのは広州と温州というかっての大金持ち都市が名簿にはいってることだ。広東は珠江デルタの政治経済の中心で改革開放以来、まず香港に近いという地の利で世界の工場とまでになった生産基地で広州も全国で最も豊かな都市になった。近年では珠江デルタの工業不振でモデルチェンジを図り、自動車産業を戦略性主導産業とした。これによって日本の自動車メーカーが広州を生産基地にしたが、去年の尖閣諸島問題の爆発以来、広州の自動車産業は大きく影響を受けて、前広東省省長の朱小丹は財政部に支持を求めて泣きついた。温州は長年にわたって、靴製造、アパレル、皮革、眼鏡、文具、ライターなど労働集約型産業に努力を傾けて来たが、これらのモデルは発展が行き詰まってしまっている。

    新しい産業がまだ育ってこないとき、地方政府は依然として土地依存の財政(すでに一部の省では「*新市街化十年計画」をスタートさせている)に望みを託している。(*爺;p.tl/JsOP p.tl/nW5I p.tl/sHaD)農民の土地私有化は、これまでのように地方政府が安く土地を購入してた高く売り差額を稼ぐ途を断ち切ってしまう。どんなに反対が強いか想像できるだろう。

    地方政府からの反対圧力は最終的に習近平総書記のところに集まる。今なんとかしないと将来はどうにもならないわけで 現在までのところ習近平は李克强の経済改革に全力で支持すると述べているといえよう。しかし、圧力は極めて高いもので、ある地方では給料すら支払えず、民生はとっくに顧みられなくなっている。次善の策を求めようにも、公務員全体の仕事への熱意を維持するにも治安維持にもすべて金が必要で、金が無ければ即ち、安定はえられない。

    世界銀行の改革の青写真は市場化改革の道で理論上は正しい。しかしこの改革案は中国の制度環境を意図的に無視している。つまり市場改革で働くのは市場経済の論理ではなく、利益分配の政治取引の潜在原則なのである。このルールが働く以上、どれほど改革目標とぶれてしまうかということは、真っ先に考慮しておかねばならない要素である。(終)

    拙訳御免。
    原文は voachineseblog.com/heqinglian/2013/08/chinablueprint/
    何清漣氏のこれまでの論評は;Webサイト 清漣居・日文文章 heqinglian.net/japanese/ に収録されています。

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    One Response to 世界銀行の中国改革青写真の命運予測

    1. August 29, 2013 at 10:01

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