• 人民日報の「10大外資来源地」の秘密

    by  • September 16, 2013 • 日文文章 • 4 Comments

    何清漣氏 @HeQinglian

    09.13.2013

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/6bRdc

    中国が誘致する外国資本は世界二位と称されています。しかし外資の来源について、中国政府が認めたく無い気まずい事実があります。それは外資には本当は大量の中国資本の”偽外資”があることです。「人民日報」の8月12日の「外資は大規模に中国から撤退していない」という記事の図表「中国大陸の10大外資来源地」はこのカラクリを暴露してしまいました。(*図はwww.voachinese.com/content/article/1749442.html 参照)

    《人民日報がうっかり”国家秘密を漏らした》

    今年8月9日、程暁農が「中国ホットマネー追跡;中国の偽外国商人」(日訳;heqinglian.net/2013/08/10/china-hot-money-2-japanese/)で、中国の外資のうち1997年から2008年までに、工業化国家(*先進諸国)からの外資は毎年210〜250億米ドルで安定しているが、しかし香港、マカオと9つの小さな島国、英領バージン諸島、ケイマン群島、サモア、モーリタニア、バルバドス、バミューダ、バハマ群島、ブルネイ、マーシャル群島の外資が急速に増加し、2002年の202億米ドルから2008年の673億米ドルへと上昇し中国の外資の比率で38%から73%に達したと指摘しました。

    程暁農がなぜ2008年までしか分析しなかったかというと、2010年から国家統計局と商務部はネットでデータを公開するのをやめたからです。8月12日の人民日報の記事と図は、まさに程の中国の偽外資の分析が正しかったことを証明しています。この図は今年1〜6月の中国の外資の来源が、香港、日本、台湾、シンガポール、米国、EU等10大国家と地区で、合計562.91億米ドルで、表の説明によるとこれら外資のは外資総額の92.39%を占めることになり、今年上半期の外資総額は609億前後になります。そのうち香港の投資が397.15億米ドルで65%です。

    程暁農の指摘のように現在の香港から大陸への投資の大部分は中国資本で、”偽外資”です。これにシンガポールからの32.52億ドル(5%)も加えなければならないでしょう。同国は富豪の移民先としてすでに長年の歴史を持っておりこの投資というのはその実、多くが中国資本のマネーロンダリング後の回流です。注目に値するのは7.61%が来源不明なことで、これはあとでその理由・原因を分析します。

    《中国資金洗濯の脱税天国》

    ワシントンにあるGlobal Financial Integrityの2012年12月発表の違法資金流出報告が示す2000年から2011年の中国の脱税、汚職腐敗、犯罪による違法な資金の流出は3.79億米ドル(23.6兆元=*なんと383兆円!)で、発展途上国の約5割をしめる最多流出国家です。こうした金はどこへ流れて行くのでしょうか?当然、世界的に有名な40余の税金天国へ、です。そのうち最も有名なのは上述の9か国にキプロス(今年3月金融危機が起こる前までの話です)。国際通貨基金(IMF)の今年の計算だと2012年迄の10年で脱税、汚職の発展途上国に齎した損失は6兆米ドルになります。これらの脱税天国は「金鉱4か国」の中国、ロシア、インド、ブラジルの”外資”の水源だ。香港以外の中国の外来直接投資(FDI)の最も重要な来元は英領バージン諸島です。人民日報の来元不明の7.61%はおそらくここらからでしょう。

    中印露ブラジルの企業主や汚職役人はそれぞれ自分の熟知した得意の「脱税・マネーロンダリング天国」を持っています。中国は英国バージン諸島、インドはモーリシャス、ブラジルはオランダ。ロシアはかってはキプロスを”マイ・スイス”にしていましたが今年になって大損して、いまでは他の国を選んでいるでしょう。業界筋によると中国本土の富豪や企業はバージン諸島に持ち株会社をつくり、そこからの資金を(通常、株を売り出したり他のルートから集めた資金を)FDI(海外直接投資)形式で大回りさせて中国大陸へもどします。これらの資金は中国ではFDIに数えられますが、実際は中国からの資金です。これがFDIを装う理由は複雑で、内地資本の所得税逃れもあるのですが、主要な理由はマネーロンダリングの必要からです。印露ブラジルと中国の情況は違っていますが、オフショア天国と偽FDIで脱税という点では同じです。

    オフショア金融センターの投資が急速に増加したのは、中国資本がマネーロンダリング後に再び中国に回流してからに突出した現象となりました。中国商務部の2004年の研究報告「オフショア金融センターが中国資本逃亡の中継点」では 中国のオフショア会社は香港、バージン諸島、バミューダ等9か所にある。その運営方法はシンプルで、500㌦〜千㌦を使って会社登記し、多くはその後、”外資”となって中国の経営活動に、というものでした。

    2004年の第一四半期にバージン諸島、ケイマン群島、サモアは中国外資の来源リストの2、7、9位を占めました。これらのオフショア会社の中国資本会社の経営者には普通ではない連中がゴロゴロいます。「ブルームバーグ・ニュース」の「Heirs of Mao’s Comrades Rise as New Capitalist Nobility 」(「毛沢東の戦友の子孫たちは新資本主義貴族になった」)には調査の結果、中共の最も古くからの「8大老」の子孫が少なくとも18人、オフショア会社に関連し、そのなかのいくつかはバージン諸島とケイマン群島に企業を登録していると指摘しています。

    最後の問題は「中国大陸に毎年流れ込む香港の資金はどのぐらいか?」です。

    国際マネーロンダリング研究の専門家達は香港を「内外混合型」あるいは「内外一体型」のオフショア金融センターだと呼んでいます。 政策が緩いことで香港はホットマネー、グレーマネー、ブラックマネーの集まる賑やかな地になりました。データによれば毎年内地から香港に流れるブラック、グレー資金は香港のGDPの1割で、大部分が中国大陸からです。第一経済日報の「うまくやって香港のマネロン6重の門をくぐる」(2/28/2013)は一読に値します。それによると国家統計局の初歩的な計算で中国の2012年の国内生産総値は51.93兆元。マネーロンダリング専門家の厳立新の控えめな計算でGDPの2%ー低い水準の数字ー中国のマネーロンダリング金額は毎年1兆元を越え、そのうちの大きな部分は香港か香港を経由して流れている、としています。

    この文は大陸人が香港で編み出した各種のマネーロンダリング方法を紹介しており、投資移民、株売買、不動産投資、から芸術品・骨董投資までほとんどないものはないほどです。これ以外にも多くの地位を背景にしたマネーロンダリングは中国が外資導入に積極的なことや国内の多国籍投資を奨励しているスキをついてやっています。中国の国際的マネーロンダリングには多くの国有企業が背景にあって、そのやり方は国内資本を利用して対外投資をやり、外資中国投資に引きつけ誘致するという双方向の通路でグレーやブラックマネーを隠したり上辺を繕ったりしています。

    このことはGlobal Financial Integrity(GFI)の報告が指摘していることと一致します。その報告では多くの合法資金がFDI形式で中国から香港やバージン諸島などオフショアセンターにに流入して、その後その実体を”洗濯”して再び香港やバージン諸島からFDI形式で中国国内に投資されていると指摘しています。同報告は「これは複雑なマネーロンダリングシステムで、FDIの緩い監視を利用して中国の純資産額の高い人々がこっそり財産を殖やすのに使われていると指摘しています。

    香港金融管理局はかって「ブラックマネーのロンダリング防止の手引き」を発行して、「マネーのロンダリング」の3つの段階と各種の取引の連環に言及しています。これは香港当局が事態を十分承知していたことを示しています。しかし近年、香港はもう中国大陸のマネーロンダリングの『裏庭』になってしまいました。資料によると香港でのマネーロンダリングはますます猖獗を極めていますが、その罪名で罰せられた人数は却って減少しているのです。2010年には360件あったのが2011年には246件、2012年には166件、2010年にくらべて罰せられた数は半分以下なのです。

    以上の分析でわかったことは中国が導入した巨額外資のうち7割以上がマネーロンダリング後の還流中国資本。これは政府、富豪、汚職腐敗官僚、アナリストには秘密でもなんでもない事です。しかし「中国の強大な外資吸引力」を宣伝する必要から、普通の中国人には「国家秘密」になっているのです。(終)

    拙訳御免。
    原文は;人民日报“十大外资来源地”背后的秘密 09.13.2013 www.voachinese.com/content/article/1749442.html 図もここに掲載してあります。
    何清漣氏のこれまでの論評の拙訳は;Webサイト 清漣居・日文文章 heqinglian.net/japanese/ に収録されています。

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    4 Responses to 人民日報の「10大外資来源地」の秘密

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    2. January 14, 2015 at 10:40

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