• 左も右も曲解している習近平の8.19談話

    by  • September 16, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣@ HeQinglian 氏

    2013/09/08

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/89Pdc

    最近立憲政治をめぐる争いがホットになっています。毛左将(*爺注;毛沢東の孫、毛新宇、アホで有名)は習近平の今年に成ってからの毛沢東崇拝的な言葉を全面的な左転回信号だと思い、憲政擁護派(普遍価値派)はこの秋の3中国共産党中央委員会第三回全体会議で中共が政治改革を日程に上げるのではと期待し、そこでそれぞれ好きな勝手に習近平の最近の「イデオロギー工作は極めて重要な工作で有る」(国内では8.19談話と呼ばれています)の強烈な政治的信号を見て見ぬ振りをして相変わらず自分達の願っている方向に都合よく解釈しています。

    《8.19談話は中共が鄧小平改革に回帰するという宣言》

    「8.19談話」の政治信号は明確なのですが、この談話が発表されたのが丁度、薄熙来裁判の前日だったため、全世界の注意力が裁判に集中していたため誰もこの講話内容を細かく読まなかったようです。本当かウソか容易に判別し難いこの種の「内部談話」を重視する習慣のある人々も却ってこの”8.19談話”をよく注意して読まなかったようです。

    私は党内のすこしでも明るい点を無理矢理でも探し出そうという専門家たちとはちがって、そのなかのこの言葉に注意を引かれました。それは「国内外の大勢に根本的変化が無い限り、経済建設を中心とする事を変えるべきではない。この党の基本路線は百年不動の現代中国の一切の問題を解決する根本要求である。同時に物質文明の建設と精神文明の建設をうまくやれば国家の物質力と精神力はどちらも強化され、全国人民のそれも改善され、中国的特色の社会主義は順調に前進できる」というくだりです。

    80年〜90年台の政治言語に通じた人なら当然分かる事ですが、この言葉の中には多くの鄧小平の「経典語録」が含まれています。もうひとつの段落はさらにはっきりしていて「リーダーたち、特に高級リーダーは、しっかりとマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、特に鄧小平理論、”三つの代表”の重要思想、科学発展観をまじめにしっかり一部始終学習せねばならない…」とあります。この「特に」は飾り文句ではなくて、鄧小平改革路線、江沢民・胡錦濤”思想”併せて肯定されているということです。

    憲政擁護派は「8.19談話」を重大な打撃と受け取ってるようですが、それは間違いです。当局は憲法擁護派に対する締め付けを緩めた事はなく、別にその方面で新たに談話などを必要としていません。この談話のテーマは実は毛沢東左旋回路線の熱い願望に対して打撃を与える事なのです。この点に関しては党内の専門家はハッキリわかっていて、8月20日の人民日報は紅旗出版社の元服編集長・黄苇町が「執政党は依然として’ソ連の特色を捨て去る’ことが必要だ、として特に習近平が執権してからまず最初にやったこと、つまり深圳を訪問し鄧と同じ南巡路を歩いて国外に中国の改革開放は逆転せぬことを示したことを取り上げました、つまり毛式路線はダメということなのです。

    《左派が右派より優遇されるのはなぜ?》

    長々20年の左右の争いで左派(新左派も含む)は明らかに当局のお目こぼしと庇護を受けている。だから「烏有之郷」(*左派webサイト) がいつまでも潰れないのです。右派、即ち、自由主義知識分子はこのような幸運は決してありません。それぞれの時期に代表的な人物が打撃を受けただけでなく今に至るまでネット上にはまともな論壇すらない状態です。

    その原因は当然のことながら中共トップ層が毛路線が好きだから、などではなく、戦略的方面の判断からでているのです。かれらは左派を右派(自由主義派)に対抗させておく必要があるのです。毛沢東が権力を握っていた時代、中共のハイレベル層(毛にずっとついてきた元老達も含めて)みなつらい日々を送っていました。毛は個人独裁でみずから「無法で恐れを知らない.暴れん坊」を自認。しかし猜疑心は極めて強かった上、生憎、毛の長所は乱世に強く、天下を取るとダメでした。「社会主義建設」に意有って力足らずで失敗の連続でした。

    だから毛はいつも手下が自分の失敗を利用して権力を奪うのではないかと怖れ、常に各種の党内闘争を発動し、最もひどかったのが大衆を発動し走資派を打倒し洗牌した「文革」でした。党の高層幹部にしてみれば、文革は毛を核心とする政治集団が底辺の民衆とやらかした食肉の祭り、カーニバルであって、他の幹部にしてみればとんだことだった。薄熙来が「革命歌を歌って悪を倒す」運動をやったときも、その『革命歌」には文革を称える歌はありませんでした。

    中共利益集団の黄金時代というのは、やはり鄧小平の改革開放以来の三十数年を意味します。この時期、「2人の陳と1人の薄」(*薄熙来と陳希同、陳良宇)が権力闘争や”不敬罪”を犯して牢屋入りした以外は誰が腐敗や家族の巨額財産で入獄した?誰もしていないのです。多くのちっぽけな村の役人もみな覇権を握って結構な日々を送っているわけです。このような情況で中共の貴族集団の脳味噌が狂ってしまわないかぎり、「文革」に回帰してどうするの?という話になります。

    しかし、毛左派を存在させておくことは、中共当局がなかなかいい政治的な智慧だと当局は自任しています。毛左派は事実も道理もへったくれもない、完全に自分達の必要に応じて「歴史」「理論」をでっちあげますから、今の時代の労働者階級がかっての主人公の地位を失い利益の損害を蒙っている不満を利用して勝手に毛沢東時代の神話を捏造しているます。腐敗は全然なかったとか、特権もなかったとか医療費はタダだったとか、中国は崇高な国際的地位にあるとか、反米反修反覇権、すべての中国に仇なす精力に反対するとか。最近では3年連続大災害の死者数三千万人が左派教授によって「250万人の栄養不良死」になってしまいました。毛沢東左派達がこうして暗黒の中国歴史を出鱈目で覆い隠すのは中共にとっても必要なことなのです。

    こうしておけば、一つには政治的合法性が毛沢東の「国開き」の偉業から自分達が引き継いできたのが今の政権ということになります。二つ目は中国の左派はホネの髄まで権力ベッタリなのです。これは西側の左派とは全然違う点です。中国の労働者・農民階級は自ら中国共産革命の”主力軍”としたのに始まって以来ずっと中共の話だけを聞いて、党の指導部があれをやっつけろといえばそれに従い、地主退治の農地分けではみな勇敢に先陣を切り、反右派闘争でも悲憤慷慨し、文革のときもお召しに従って造反行動し「毛主席を守れ!」と叫びまくったのでした。

    改革以来、左派たちが一番反対したのは自国資本、外国資本、米国勢力で、腐敗も貧富の差も全部一切合切これらの資本勢力のせいにして、自国の執政集団の責任を問うたことは一度もなかったのです。

    右派はこれとは違います。いまだに中共当局に時勢を知って、大局的観点から政治制度改革を期待して民主憲政を実行してほしいと期待を寄せていますが、民主憲政など実行したら現在の利益構造、権力のバランス機構を揺るがし、中共の一党専政を終焉させてしまいます。もし本当にそんな日が来たら、いまの権力集団が開放改革以来おおいに楽しんで来た素敵な日々は終わってしまうわけで、これこそ中共執政集団がなにより目の敵にしていることです。江沢民後期から胡錦濤執政の10年の間、左派を放置し、右派を掃討したのはまさに中共当局の確信利益を守る賢明な一手だったわけです。

    勿論、左派も薄熙来問題のようにときおり騒ぎを起こす事はありました。これには当局が一発、彼らの頭を叩いて鳥有之郷を閉鎖させ警告をあたえました。しかし総じて言えば左派には非常に寛容であって、毛左派をずっと騒がせておけば右派を抑えてその勢力を消耗させられれます。その出鱈目な言い分の働きは右派とどうこうではなく、右派と大衆を取り合いさせるというところにある。毛左派が騒げばまた底辺層による暴力革命に脅えるエリート層もビクビクして文革がまたおきるんじゃないかと心配して、文革に較べたらまだ今のほうがマシだと現政権を支持するというわけです。

    これが左派の存在価値です。みなさん当局は頭がおかしくなって底辺大衆に文革をやらせ、自分をその標的にするだろう、などとおもうなら、それは当局の知能指数をひどく過小評価していることになります。(終)

    拙訳御免
    原文は 「被左右两方曲解的习近平“8.19讲话”」www.voachinese.com/content/he-qinglian-blog-constitutionalism-20130908/1745718.html
    何清漣氏のこれまでの論評の拙訳は;Webサイト 清漣居・日文文章 heqinglian.net/japanese/ に収録されています。

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *