• 経済改革ー目標あれど道険し

    by  • October 15, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣氏 @HeQinglian

    2013年10月14日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/uCdec
    2013年10月15日
    期待された政治改革は「ゴドーを待ちながら」になってしまって、多くの人々の視線は十八期第三回中央委員会全体会議(十八期・三中全)に登場する経済改革に集まっています。

    《2つの内容の似た経済改革青写真》

    2012年世界銀行は中国政府の要請に応えて国務院発展研究センターと共同で「長期改革路線図」を作りました。この青写真の改革プランとこれから登場する経済改革政策の中にどれほど反映されているでしょう?

    中国の新しい世代の指導部は「ワシントンポスト」や「ウォール街ジャーナル」(WSJ)等外国メディアを通じて発言するのが好きですから、これはもうすぐ蓋をあける改革の中味のヒントになります。全ての改革というのは目標に達する手段なのですからまず経済改革の目標をみましょう。

    WSJは10月7日に「習近平らの指導者の目標は『中国経済をさらに米国型の消費文化を推進し、中国人がもっと車や服や家電、電子製品等の中国が現在輸出している製品を購入し、新しい民営企業を発展させ、江・胡時代の輸出型、政府の大量投資インフラ建設主導型経済発展モデルを変える』事と報道しました。つまり新しいこの期の政府の目標は輸出先導型から内需先導型へのモデルチェンジです。この目標をめぐって世界銀行は大量の中国人専門家の意見を基礎として青写真を描きました。それは「銀行の私有化を薦め、外資銀行を中国市場でも競争参加させ、同時に政府の銀行へのコントロールを減らし、歳を私有化して農民に自由に土地を売買させ、国営企業を改革して、民営企業発展を促進する、というものです。

    世界銀行のこの報告が中国政府に手渡された時、この報告がどう扱われるかは不明でした。伝えられる所によれば現任の中央財政主任の隆鶴の指導する7つの研究グループが「十八期・三中全」に対して金融自由化、財政政策、規制緩和、市街化計画と地権を含む内容の経済改革の青写真に責任を負うといわれています。

    両者を比べると、世界銀行の「中国政府の要請に応える」で作られた報告内容の大部分が中国政府に採用されているといえます。これは必然的な結果でなぜならどちらの報告もそれを書いた専門家は大幅に重複しているのです。世界銀行は昨年、隆鶴を世銀報告のレポート責任者だと認めています。なぜこのように国内の専門家が世界銀行の「裏書き」を必要としたのかといえばおそらく改革を阻止する勢力が強く、「外国の坊主の読むお経は有難く聞こえる」から中国役人の外国崇拝の迷信を利用して改革措置を推進したかったのでしょう。

    《可能性のある経済改革の輪郭》

    9月29日に正式に発足した上海自由貿易区の情況をみてみると、所謂『金融自由化』は利率の市場化と人民元資本の兌換、民間外資の合同銀行設立許可という周辺的な部分の改革にすぎませんでした。上海自由貿易区の第一歩がこのようなチビチビしたものだとしますと「十八期・三中全」の金融自由化と開放の度合いに対しては疑わしいといえましょう。これ以外では金融方面では既に資本の規制緩和がはじまっていますが、それは外貨管理体制変革への準備運動といえます。(これは別稿予定しています)

    しかし、国営企業と地方政府が理金管理制度を利用して廉価に、時には無利子で資金を調達できる限り、いかなる金融体制の周辺的な部分の改革であろうと徒労に終わるでしょう。WSJは内部消息筋の話として、世銀が「試金石的建議」としていた国有企業が独立した監督者から監督されるべきだという提案は容れられなかったとしています。この提案は国営企業が商業目的に専心して、政治的な権力で競争相手を倒すことなどないようにという目的だったのですが、国務院の国資委と国有企業の反対にあって取消されてしまいました。

    市街化計画と地権問題は経済改革の主要な項目になりうる内容をもっています。これが将来、戸籍問題の改革につながり、農民工とその家庭がその故郷以外で医療と教育を受けられる政策につながるからです。しかし地方政府はサービスと経費支出増加を嫌って反対しています。ただ習近平はこの政策支持を暗示しています。しかし大多数の地方政府があたらしい経済成長の手段を見いだせぬまま、多くが(*爺注;金のあてがないのに巨額の費用がかかる)十年新市街化計画を制定して開始しはじめているのをみると、以下に中央が何を決めようとも、地方政府はどのみち自分達に有利な方法をみつけるでしょう。

    財政政策はどう改革されるでしょう?ワシントンポストは大量の内部人士を取材した2つの記事には言及がありません。今から将来に向けての最重要の改革は各地の政府の不動産税です。中共中央は現在省のトップ人事権以外、経済的には通貨政策と財政政策しか権限がありません。そしてこのどちらも「上に政策あれば下に対策あり」を常とする地方政府のやり方で、所期の作用を達成する前に、却って巧みに利用されてしまいますから、おそらく権限を下に委譲する方向には行かないでしょう。そうしないと中央の権限は更に弱まってしまうからです。

    《うららかな晴天?》

    習近平が一切の政治体制改革を拒否する理由は経済改革に比較的大きな希望を抱いているからです。今年2月、中央紀律委員会総会では「中国はソ連と多くの類似点がある。うまくやればうららかな晴天、失敗すればソ連共産党の運命は我々を待っている」と言いました。しかしこの「うららかな晴れ」に至る道筋には3重の障害があります。

    第一の障害は政府がどうやって役割を変えられるか?です。世銀の報告の仮説前提は中国政府が役割を変え市場原理に任せることです。しかしこれは現段階の中国では「木に依って魚を求める」類いです。

    中共政治の今の「左路線」はつまり専政強化、治安維持です。この情況の下で中央政府に役割を変えて、経済分野から撤退することを要求するのは不可能に近い事です。中央政府が地方政府に役割転換をもとめても、中国政府自体がとっくに利益追求集団となり社会責任を果たして居ないのですから。各地方政府がどうして損だけを自分達が背負い込む様なことをするでしょう。自分達もまた独立した利益追求集団になっており、この30年間の改革でうまれた地方の利益集団が短期間にどうやってその役割を変えられるというのでしょうか?ましてや、中央の改革青写真というのは地方が実行しなければなりません。地方政府はどうやって市場原理によって中央の行政命令を実行すればいいのでしょうか?

    第二の障害はかく利益集団の阻止力です。江胡時代の発展モデルはとっくに多くの特殊利益集団を生み出しました。朱鎔基の任期中の国営企業改革は「大を捉え、小を放す」で国営企業を競争分野から退出させ国民の民生分野、交通、エネルギー、食料などで独占させました。今やこれらの企業はとっくに中国経済の独占体制となっており、中央政府の経済政策をも左右する力を持っています。現在、国営企業トップに対して反腐敗が展開されていますが、せいぜいトップのクビをすげ替えるだけで、このような利益集団が国家を虜にするという構造を変える事は至難です。

    《米国のように?》

    最も根本的な障害は中国の体制自身です。中国と米国の経済体制の間には大きな違い、「深くて暗い河がある」です。政府と市場の関係では米国は完全に競争社会で政府は秩序維持の”夜警”にすぎません。これに対して中国は半ば行政が市場に干渉する半市場経済で、政府が市場規則を決め、裁判官と、競技者としての3つの役割を一身に演じています。これは経済の角度からみる重要な違いで、米国市場は内需に支えられ消費がGNPの7割ですが、中国は世界でも特別低い36%(2011年)でインドより14%も低いのです。

    この2種類の体制の歴史の淵源と現実は完全に異なります。政治制度が決定する社会分配に至っては更に違います。米国は政府は貧しいけれど国民が豊です。収入分配の差も合理的な範囲内(ジニ係数0.4以下)、国民の購買力は比較的高いのです。一方、中国はといえば政府が富み、国民は貧しく、収入の分配差異は極めて大きい(2010年ジニ係数0.4)、国民の購買力は7割以上が弱いのです。加えて不動産価格高騰で教育、医療負担が重く、老齢年金の見通しも暗いわけです。これらはすべて中国人の購買力を締め上げ弱らせ、貯蓄傾向を強めます。金持ちの消費はおもに贅沢品や外国旅行、あるいは子女の海外留学でこのような状態で中国国内の需要が喚起される術はありません。以上の様に習近平の望む中国が米国の様な経済体になるという目標は美しい話なのですが その目標に到達する現実の道筋はありません。

    米中両国の経済の巨大建造物はその基盤がまるで違います。建築家がいかにすばらしい青写真を描いても砂上に楼閣はたたないのです。(終)

    拙訳御免
    原文は「点评中国:「经济改革——目标虽有路难行」 ow.ly/pOYC4 3
    何清漣さんのこれまでの評論日本語訳は heqinglian.net/japanese/

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