• 中国政府はなぜ米国国債がお好き?

    by  • November 27, 2013 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣氏

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun
    2013/11/25

    http://twishort.com/mBsec
    中国は巨額の米国国債を購入しており米国の最大の債権者です。中国人はこれで大損をしていると感じており、いつもネット上では「カネを返せ」と米国に要求しています。しかし中国政府はずっと米国国債に惚れ込んで8月には112億㌦減らして中国人を喜ばせたものの、9月には又、257億㌦増やして総額は1兆2938億㌦になります。

    多くの米国人もこれは返せないから中国に世話になっていると思っています。少し前に起きた「ジミー・キンメル・ライブ!」事件では「米国が抱える中国に対する約1兆3000億ドルの借金問題を解決するにはどうすれば良いか」という質問が原因でした。(*爺注;子供が「中国人を皆殺しにせよ」と回答し「それはいい考えだ」とキャスターが応じて問題となった)

    こうしたことはすべて一つの誤解から産まれています。それは各国政府が米国国債を買うというのは一種の投資行為だということをわかってないからです。

    《中国人はなぜ米国国債を買って損だとおもうのか?》

    中国には広く知られた「中国は米国国債のベッドから下りられない」なるミニブログがあって鶏卵に換算して8年前の米国への債券3億元で48兆個買えたがそれが現在では卵が5毛から1元に値上がりしているから、3億元で買える卵は24兆しかない、として「それでも損だとおもわないなら、お前は馬鹿か馬鹿のフリをしているのだ」などといっています。

    この種のお粗末な論法は少なくとも幾つかの問題をごちゃまぜにしています。

    ①まず国債購入を投資ではなく恩恵授与と勘違い
    ②中国が購入するのは主に短期国債で、買い替えが主。8年間で換算は最初から問題あり。
    ③自国のインフレ問題を外部化している。

    中国政府はもとよりバカではなく、近年は外交でも中国式の智慧でよく米国や他の国々をギャフンといわせています。投資法麺ではエキスパートとは言えないまでも、絶対にむざむざタダで銭をくれてやる田舎者ではありません。ではなぜ中国は米国国債を買わないではいられないのか?この問題に「中国が米国国債を投げ売りしたら、米国はぶっつぶれる」というのが長年メディアでよく取材される問題ですが、ここでなるべく一般読者にもわかるように整理しましょう。

    多くの中国人が理解できないのは、米国は常々、中国の人権問題を批判し、中国とアジア他国とのトラブルでは明確に、或は密かに中国に反対する国々を支持する。そんな国になんでカネを貸すんだ?別の国の国債を買ってアメリカを苦しめてやればいいのに、ということです。

    実は米国国債を買うのは投資行為であって、中国政府がその最大の購入者である理由は以下の通りです。

    中国は外為管制をおこなっています。現行の制度は、銀行の窓口に外貨をもってきたら、銀行は人民元でそれを購入します。これは中国政府が限りなく受動的な立場で人民元を印刷して米ドル等の外貨を買う事を強いるわけで、それによって人民元の高官率を安定させているわけです。こうして購入した米ドルが中国の外貨準備を構成しています。

    ただ、この外貨準備高は厖大な金額ですが、中国政府の自分の資産というわけではありません。これを投資運用してはじめて価値が増え、その利益部分が中国政府の資産になるわけです。その道理を解説しましょう。

    一般に誤解されているのは、巨額の外貨準備は中国政府の富裕と国力を代表するものだ、という話です。中国人は更に、外貨準備は人民の資産だと思っていて、数年前はそれを中国人民に分けろという主張までありました。実は、中国の数兆元の外貨準備の大部分は中国人自身の財産ではありません。そのなかには外国の商人達の対中投資のお金がはいっています。中国が借りている外債、それに世界を回っている「ホットマネー」、貿易輸出超過、個人預金のドル等等です。

    貿易輸出の超過といってもこれも全部が中国人のものではなく、その大きな部分は多国籍企業の資産です。この点に関しては2010年周其仁(*著名経済学者)が「中国の2.5兆㌦の外貨準備は中央銀行の負債に対応」と述べていますが残念ながら大多数の人々がこの意味をわかっていません。

    政府の保有する大家準備が負債の形をとった一時的な仮の資産だとしても、規模が過大であればやはり圧力になります。中国政府はこの圧力の緩和をかんがえなければなりません。どれほど放出すればいいのか?多くの専門家は、中国が必要な準備額はせいぜい7800億米ドルあれば、3ヶ月の輸入と所有する短期外債の支払いに間に合うとみています。この基準は通常、ひとつの国家が金融危機を防ぐに必要な標準尺度です。

    しかし中国が所持する外貨準備額はこれを遥かに越えています。もっとも賢明な方法はこれを投資に使う事です。言葉を換えれば現在の世界にどこの国も数兆の外貨準備を持ちながら自分の国の金庫に空しく貯蔵したままにしておくことはありません。

    投資の基本原則は危険の分散です。俗に「卵を一つの籠にいれない」といいますが、中国の外貨投資も当然、この原則を守っています。つまり外貨準備の多元化、です。小部分を金、石油、鉱山や各種農産物の先物に、その中部分・大きな部分は各種国際通貨、例えば米ドル、英ポンド、ユーロ、日本円や債券にしています。

    各種の貨幣と債券でなぜ、中国は米国国債が大好きなんでしょうか?

    これにはもう一つの堅持する投資原則があります。つまり危険少なく、収益の良好な安全で頼りになる投資先、ということです。今世紀の始め、中国政府はかって意識的に米ドル所持を減らし、ユーロや日本円を増やしました。

    問題は、経験が証明したのはユーロや日本円の各種の投資は米国国債の利回、安全さに及ばなかったのでした。国債金融市場で米国国債の収益カーブはほとんど全ての金融商品の価格の参考基準です。これが中国や各国政府が収支米国国債を主要なお気に入りの理由です。

    外国の購買者はすべて9月から米国国債の所持を増やしています。前月比で571億米ドル増で、総額565兆㌦。日本が中国に次ぎ1.18兆㌦所有しています。これは米国政府が依然として各国投資者の信任を得ている事をあらわしています。

    《「米国債所有を減らすのは主導権は中国にある”》

    以上の分析で説明した様に、各国が米国債を買うのはただの投資行為にすず、恩恵授与ではありません。中国政府が大量に米国国債を買うのは他の国々と同様、理性的選択なのです。なぜ「中国人は米国政府にカネを貸して米国人を食わせている」という誤解が産まれたのでしょか?それは中国当局が長期にわたって宣伝戦略で誤った考えに導いた結果といわねばなりません。

    中国が強大だという宣伝の必要から、世界第一の強国アメリカの大債権者だというのはまさに強大さの固い証拠になったのです。大多数の中国人の投資知識は乏しいものです。彼らのなかには銀行が貸す相手は、貸した金が水の泡にならないよう信用のある優良な顧客でなければならないという銀行の持つ融資の原理さえわからない人達がいます。

    銀行の融資と同じで、各国政府が他国の債券を買うのは、債権者としてやはり起債できる債務者を必要とし、米国はまさに各国政府の眼鏡に叶った優秀な顧客なのです。中国人は大部分がこの投資の常識をわきまえないので、当局の宣伝が中国人に「なんでも自国に貧乏人がほっとかれて、大金を米国に?」とか「なぜこんな多くのお金を国内の生産に使わないのか?」となり微簿での「こんなに損して、お前はアホか」発言になるのです。

    長年の米国国債にまつわるばか騒ぎのおかげで中国でもいくらかやっと中国の外資準備高と米国国債の基本的知識がわかってきたようです。例えば「我等は堂々と強気で米国にカネを返せと言えるか?」にあっては専門家が「できない。それはとんでもない恥知らず」として、米国にカネを返せということが違約行為になる理由を挙げた上で、「中国は暫く米国の新発行国債を買うのを停止し、所有する米国債を売ることはいつでもできる」「しかし、もし中国の所有する大量の米国国債がそんなに腹立たしいなら、それは人民政府に問いただすべき性質の事だ」とのべています。

    外貨準備の多元化の考慮から中国政府は当然、卵を別々の籠にいれることができます。ワシントンポストで十月にでた記事では「米国債は最も安全ではない、投資者はニュジーランドやオーストラリア、ノルウエーなどの債券が更に投資価値があり、利率も高い事を考えよう」とあり、この記事は中国でも広く転載されました。

    中国でもある学者が国家の経営としては外貨準備総額を減らすべきだという意見を発表しています。しかしこれは別の問題があります。これについては拙稿2011年4月の「中国が外貨準備の圧力を開放するのはなぜ」に分析ずみです。(終)

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