• 天国と地獄;中国政商結合の道の行方

    by  • January 6, 2014 • 日文文章 • 1 Comment

    何清漣氏

    2014年01月02日
    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/pE6ec
    最近の湖南私営企業家の曽成傑の死は多くの論議を引き起こしました。焦点となったのは曽成傑が一時は地方政府と組んで輝かしい金儲けをしたのに、命を空 しくしたことです。これらの論議で憤慨は多々あるのですが、しかし”曽成傑みたいな人々”が生存する制度や環境への分析はほとんどありません。弁護士もこ の点は意図的に避けていました。

    しかし、まさに中国の制度環境こそが政商結合の路線に潜む2種類の可能性ー天国と地獄ーを決定します。実権をにぎる役人達は「王製造人」であり、彼らの作った「王」を元の泥人形に買えてしまうことも、その財産を砂に変える事も、命を奪うことすらもでできるのです。

    《民営企業ー成も成らぬも政府次第》

    実際、曽成傑事件は改革開放以来のいくつもの民営企業家の命運の一種の縮図にすぎません。もしこの事件が同時に結審した巨悪の劉志軍(*元鉄道大臣)の 死刑が執行猶予されるという不公平と比較されたり、長沙中級裁判所が死刑執行前に家族に通知すると言う法的な手順を踏まなかったということがなければ、 ひょっとすると彼の死は他の同類事件同様、まったく知られないままになっていたかもしれません。

    中国の民営企業は起業時には誰も関心を持ちません。しかし市場の淘汰をくぐり抜け自力で立ち、かつ発展したいと願うなら必ず政府部門と各種の頼りになる コネをつけなければなりません。曽成傑が集めた資金は30余億元になりますがこのような巨額の資金の背後には政府がいなければ不可能です。ネットで捜して 見ると2012年5月の「湖南企業家資金募集で死刑、統治の政府は嘗ては民間融資を奨励」という記事があり、思っていた通りでした。この報道は詳しく、地 元の発展のために湘西苗族自治州州政府が民間融資を奨励して、2000年から2007年まで何度も政府工作報告や文書にはっきりと「積極的な起債を」「社 会資金の導入で重点建設を」といった政策の話をしていました。

    政府のプロジェクトに一枚かんで政府の支持を得たいと願っていたのは勿論曽成傑だけではないわけで、なぜ曽成傑が勝利したかと言えば、当然彼は長年にわ たって湘西の吉首市政府幹部に食い込む投資をおこなってきたからです。腾讯は7月16日のに特集報道で「曽成傑死刑犯ー栄光から極悪へー」という文章の第 一章のサブ見出しは「投機者曽成傑の辿った道;政府プロジェクトに近づく」で曽成傑が紆余曲折を経て毛虫から蝶に変身する過程を総括しています。

    曽成傑と地元官僚をほんとうに結びつける力は利益しかありません。上述の報道で曽の資金集めは2人のキーパーソンにたよっていました。1人は湘西自治州州 长杜崇烟の弟の杜崇旺、もう一人が吉首副市長の妻、范吉湘でした。吉首市は中央の皇帝様から遥かに離れた僻地ですから、州長と副市長が現地で第一級の頼り になる味方です。曽成傑に不運だったのは特にその杜崇旺の息子が北京大学の同級生の石瑶と一夜の浮気で権力の座から転げ落ちてしまったことでした。杜の転 落で曽成傑は頼る所がなくなってしまいました。湘西の資金集めが地方の安定に関わる大事件になったとき、曽成傑は湖南省の生け贄の羊とされて血祭りにあげ られたのでした。

    《”曽成傑達”に罪有りや?》

    曽成傑事件は民営企業家の犯罪のほんの一例に過ぎません。2013年1月下旬、北京師範大学中国企業か犯罪予防研究センターのだした「2012中国企業 か犯罪メディア事件分析報告」はこう指摘しています。報告によると企業家犯罪は増加傾向にあり、2009年中国で報道された転落企業家は95人だったのが 2010年には155人、2011年には200人、2012年には企業と明示された243件中、違法一般公衆から資金募集(31)、資金募集詐欺(11) が2割をしめています。この報告は、この他に大量融資犯罪は合同詐欺罪で処刑されたケース、例えば貸金詐取、ローン詐欺、証券詐欺、保険詐欺、金融手形詐 欺、使い込み等も企業融資問題と直接関係し、これらをいれると融資犯罪は2012年企業家犯罪の一位になると指摘しています。これでわかるのは中国金融は 深刻な問題をかかえており、民営企業家が銀行からちゃんとしたルートで融資を受けられ無い。少なくともそれはこうしたグループ融資犯罪の頻発する理由のひ とつになっているということです。

    曽成傑は確かに融資犯罪に関わっていました。公開資料からみても曽成傑は地方政府の「大樹」を背景に政府プロジェクトを担保に高利息で投資者を誘い込ん で融資規模を拡大していました。これは米国のポンジ・スキームに似ています。2005年6月曽の「三館」の利息は5%で、その後、追随者が増え6%から 10%になりました。こんな利息は、もし5万を投資したら毎月2500から5000の利息が得られるわけで、年の利潤率200%の企業でなければ払えませ ん。

    これはもう正常な経営の企業が得られる利潤ではありませんし、ましてや曽成傑の三館エンジニアリング社は経済利益を産む公共事業ではありません。ですか らより高い利率で新出資者をつのり、旧債権者に返して辛うじて企業を維持していたのです。この種の実際の利益がない詐欺的局面では破産しかありません。あ りそうな話で人を引きつけるポンジスキームと違うのは曽成傑は主として地方政府の信用を裏書きにしていた点です。2008年、湘西州政府の指導者が替わっ た時、新指導者は曽と何の関係もなかったので、曽成傑は資金ショートを起こしてからはもう牢屋しかなかったのでした。しかしながら、だからといって曽が死 刑になるかどうかというのは別の話で、そこには極めて伸縮自在の余地があったのです。

    《天国と地獄の間の綱渡り》

    曽成傑事件で重苦しい気分にさせられるのは中国民営企業家が逃れる術も無い「原罪」の暗い影があるからです。民営企業家にとっては生存し発展するには政 府に頼るしかありません。さもなければ生存の道はイバラの道です。一方、役人の手中にある権力を現金に変えるには必ずマーケットの代理人が必要です。これ が政商結合現象を生む社会の根源です。中国では政商系都合の道の行く先は二つしかありません。ひとつは金銭の「天国」、もう一つは「地獄」です。曽成傑は 政府の裏付けで34億元を集めました。彼の不運は頼のみの綱が切れた事と、湖南という(*経済的に遅れた)土地で高利息ゲームは続けられるはずもなく、必 ず終りをむかえてしまうことでした。

    融資犯罪で死刑になるのは例の無いことではありませんが、曽成傑の場合かって子供にあてた手紙では会社には6,2億源の借金がありましたが総資産は 23.8億あったのです。曽夫妻が逮捕されてから吉首市はその資産を処分しましたがその処置の前にも後にも本人にはなんの通知も無く、その過程も不透明で した。社会には金目当てに殺したという説がながれ、その最初のバージョンは弁護士の王少光が公開質問状で「曽の死刑は路上強盗にあって財産を奪われたよう なもので融資関係者双方の大切な元手が消えてしまい、湖南省政府単独出資企業だけが元手無しに大儲けをした」と指摘しました。これは根も葉もないことでは ありません。なぜならある種の地方政府はたしかに「土豪をやっつけてその財産を分ける」ことを好み、富豪をやっつけることに名を借りてその資産を奪うので した。 東北地方では以前に杨斌と袁宝璟という富豪がやられましたが、2人の巨額の資産はわけのわからないうちに消失したり、大幅に溶けて縮んでしまった のでした。

    中国地方政府が起債して経営する「行政上の成績アップエンジニアリング」は中国では普遍的現象です。地方政府(役人をふくむ)は直接顔出しはできません ので2009年以前は”曽成傑たち”が”白手袋”として必要でした。2009年以後は地方の融資プラットフォームができたので”曽成傑たち”はちょうどそ の時期に巡り会い、「虎穴に入って虎の子をゲットする」道理を深く承知してはいました。しかしこの「危険度」はバックの強さに関係しますしさらに国家経済 政策の変化ともっと関係し、さらに無数の予測できない変数に関係します。中国の民営企業家はみなはっきり「天国はいつまでもない」ことを知っています。 ちょっとでも自分が不注意だと”地獄”行きです。

    ですから、目先の効く人は別の道を模索します。自分で”外国人商人”になるのも保険をかけるわけです。国外で「自然はいいが寂しい境遇」にあってもお金 はやはり自分が熟知した中国で稼ぐわけです。なぜなら成功に必要な社会的ネットワークはすべて中国国内にあるわけですから。これがつまり多くの企業家が一 家をあげて移民し、本人は国内に留まる原因です。

    今年6月、マッキンゼー・アンド・カンパニー が中国19都市の八百人の資産家達を研究した結果、83%の調査対象者はオフショア投資をしていました。その総資産の4割から5割は海外にあり、国連貿易 開発会議(UNCTAD)の同月に出した「世界投資報告」も中国では確かに資金逃避現象が起きているとしています。曽成傑は民営企業家の逃れがたい原罪の 呪いの小さな例にすぎません。(終)

    原文の「中国政商结合的路径指向」はこちら。www.voachinese.com/content/heqinglian-china-20130718/1704860.html

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    *拙訳御免;この翻訳は中国語学習者の爺が勝手に趣味で翻訳しております。一応、その何清漣さんの翻訳オッケーは貰っておりますが、ま細部のゲンミツな正確さより大雑把な論点をなるべくはやく紹介できればと拙速承知でやっております。そんなわけで翻訳文のつたなさはすべて爺に責任がございます。間違いがあ れば喜んで訂正いたします。

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