• 東莞の売春取締が映し出す中国社会の袋小路

    by  • February 23, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年2月20日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/htOec

    2014年2月22日

    東莞市の売春取締りの一斉手入れが社会に引き起こした反応は奇妙なものでした。この事件が民衆と政権の間の対立を反映したこともそうですが「東莞モデ ル」のおぞましい実質とこれが中国で普遍性を持つことを考えると、この社会反響は実は中国社会の出口の無い絶望的情況を映し出したものなのです。

    《東莞頑張れ!ー肥溜めに追い込まれた草泥馬(*ファッキン政府、みたいな感じ)的反抗》

    中央テレビが東莞のニュースを報じると微簿上ではすぐさま「頑張れ東莞」「泣くな東莞」「天よ東莞を助けたまえ」と東莞を応援する声でぎっじり書き込み 欄が埋まりました。ネットでは「魂を売り渡したやつらが肉体を売るやつより清潔だとでもいうのか?」「民衆の家を強制的に壊しても、汚職してもいいが、自 分の身体を売るのは罪だというのか?」との声が高まりました。

    様々な感想の中で孫立平精華大教授の総括が最も深く、「東莞事件を論ずー改革プロセスと転換の論理の衝突ー」の中で東莞事件は事実上、ふたつの隠喩的象 徴の遭遇だと指摘し、ひとつは中央テレビが代表する権力と体制で、他の一つは賎業に堕ちた少女、つまり底辺層や社会だと。前者は体制から与えられた道徳的 な高みに立ち、後者は主流の道徳観念ではずっと道徳的堕落の象徴でした。ですから「人々は弱者へ同情したというより、むしろ公権力への反感であり、道徳的 な堕落というよりは糞壷のような状態へ追い込まれた事に対しての『コン畜生』といった反抗である、と述べています。

    しかし東莞の取締への民意の反抗以外に、人々はさらに深くこの問題を考える続けるでしょうか?おそらくそうななりません。というのも東莞モデルは血なま ぐさいジャングルの生存モデルケースであり、工場は血と汗の絶望工場で、娯楽産業は女性の肉体の商売だからです。権力、やりたい放題の欲望、腐敗、弱肉強 食の上に、そこには如何なる希望もないのです。もし映画「大鸿米店」の描いた人間の悪は深い絶望感を抱かせるとするならば東莞の現実は零落の果てとどこに も出口の無いことを感じさせます。ですから「東莞頑張れ」のスローガンは実は中国社会の出口のない状態のコダマなのです。

    当局の手入れ後、注意すべきはセックス産業はかならずや捲土重来し復活を果たすでしょう。なぜなら全国600万から700万にものぼるセックス産業労働 者は他に就くべき職業がなく、彼女等、家族ら二千万人を経済的にささえる来源がないのですから。ネット上の「頑張れ東莞」がもし彼女らの基本的権利を主張 するなら反抗に意味があります。もし東莞というこのひどい生き方をよしとするようなものならそれはまったく感心するに値しません。東莞は決して東莞だけで はありません。「東莞」は如何に作られて、中国はどうしたらこの出口の無い状態から抜け出せるかを私達は更に一歩考えをすすめていかねばなりません。

    《東莞モデル;ジャングルの中の生存》

    私はかって深圳で十数年暮らしました。そのころ東莞は「靴の都」といわれ中国の「世界の工場」の象徴でした。またセックス産業の発達ぶりでも全国にしられており「性の都」とも呼ばれていました。

    私は広州市の暨南大学の経済学部で1年教えていたのですが、毎回深圳と広州を往復するとき、お金を20元余計に払って半時間待っても途中の東莞で客が 乗って来る列車には乗りたくありませんせした。東莞の混乱は社会各層、政界から商業界、役人地元住民から社会周辺の人々までジャングルの掟で生きていたの です。

    1;東莞は中国の血と汗の絶望工場の縮図です。台湾資本が主体ですが、工場に対しては軍隊管理で労働時間は長く、工場の環境は劣悪で、労働規律は苛酷でし た。そのうちの二つの工場と行き来がありましたが(ひとつは最大規模の台湾系靴工場)一度は昼飯時の整列で白線からはみだした労働者が15kgもある木製 の看板を首から下げさせられて食堂前の空き地に立たされ、炎天下で3時間後に倒れると言う苛酷な体罰にあった件で掛け合いに生きました。この罰を受けた人 は年間、30人にもなるといわれました。

    もう一度は知り合いの姪が安徽省から東莞に働に来たのですが、悪劣な労働条件と超過勤務で辞めたいと言ったのですが囲まれて殴られ蹴られして、身分証を 取り上げられ工場から出してもらえませんでした。隙を見て叔父に電話をかけその叔父が私に助けを求めてきました。私は友人経由で地元の政府部門に連絡して 工場側に無理矢理私との面会を同意させました。この二度の「工場訪問」で私は地方権力と工場経営者の結託ぶりを知り、工場は一種の相対的な無法地帯と化し ていることを知ったのです。この二度の工場の門をくぐって以降、現地の警察の斡旋がなければ私達救助側でも身の安全は深刻に脅かされました。ですから東莞 は虎狼の地で、軽い気持ちでいけるところではないのです。

    東莞の”女工さん”の中で、少なからぬ部分が労働者としてやって来て、身体を売る商売で終わりを告げます。この二つの業界の「投資と見返り」の差があまりに大きく、最後には「女工さん」達は後者の”職業”を選択させられてしまうのです。

    実はさらに「半分身を売る」ケースもあります。私が「グレーゾーン女性とその他」を発表した後、友人からあんたの広東の女性の生き方への理解はまだまだ だね、と言われました。それで東莞や竜岡の「女工さん」の話を知ったのです。大体90年中後期からはじまり、性病を怖れる男が二号を囲えるほどではなく、 そこで、女工を「囲う」のです。仲介者をへて自分にあった女工を選んで、「愛人関係」を結び、休日にホテルを予約して事が済むと2、300元貰います。時 には安モノのプレゼントも貰えます。”女工さん”たちは仲間にホワイトカラーの恋人がいる、と自慢出来てカッコいい事だとおもってるといいます。

    なぜ安上がりの情婦がカッコいいのかというと男女の比率が工場では大きく偏っているからで、美人とはいえないような女工さんは他の女工と男の労働者の 「愛情を分け合って」いたりしており、もし無職の彼氏だと彼女等が貢ぐというのです。これはあまり報道されたことがないのですが最近の手入れでやっと東莞 女工の一夫多妻が紹介されました。

    3;東莞の刑事事件発生は多く、かつ残酷で恐怖させる。女の子達はお金を持っていて自衛力がないから簡単に殺人や強奪の被害に遭います。これも彼女等が” ボーイフレンド”を持ちたがる原因です。一般に彼女等の姿が消えても誰も気にしませんし、家族だってお金目当てで、そのお金を稼いだ方法は嫌っていますか ら預金通帳だけ問題にします。消えても家族の多くは捜すお金もありません。私の記憶にある数件の摘発された凶悪殺人事件では深圳から広州の列車の中で行李 詰めのバラバラ女性死体が見つかり重大刑事事件として公安が操作し数ヶ月後、被害者は東莞の売春婦で同じ部屋を借りていた仲間の女性とその男が金目当てに 殺して死体遺棄したケースがあります。

    東莞社会はひどいジャングル状態です。自著「現代化の落とし穴」で予測しましたが中国最悪で今後はイタリア南部のマフィアのように、つまり黒社会と警察 の共同管理社会になるでしょう、といいました。それは今やとっくに完成しており、飲食店は警察と黒社会にみかじめ料を払い合法、非合法の白黒両方から庇護 をうけます。

    この度の手入れが大袈裟でかつ東莞公安局長が免職になりましたが、しかしそれは現地の警察がセックス業界からはいる利益のツルを切り捨てたということで はありません。卢桦(*広東の報道関係者)が「東莞、労働者と女と乞食」の一文で言及しましたが、東莞のプロの間では「虎門、新世界酒店が手入れされたの はバックの力が十分に強力でなかったから」。ある客のエライさんは「とっくに知ってたよ。連中は去年営業をはじめたばかりで旧にのし上がってきたから、他 の業者に狙われて警察をつかって弾圧しよったのだ。だから新世界酒店がまっさきにやられたのも不思議じゃない」といってます。

    東莞の黒社会勢力はみな地元の人間で、その関係は竹林の根っこのように複雑に入り組んでいます。ネット上の「東莞4大黒社会のトップの秘密」には簡単に その勢力分布がでていますが、そのうちの東坑鎮の廬灼華ーあだ名白鶏ーのバックは香港の義父でその保護関係は上は中央、中は省クラス、下は市クラスに及び ます。この地方の黒社会勢力の力は中共政府が派遣した1人の市委員会書記がどうこうできるようなものではありません。これが東莞市委書記の劉志庚が 2006年に任について「性都」の汚名を無くしたいと願っても結局、何の実績も残せず「草木とともに腐った」理由です。

    《東莞セックス産業手入れに関する私見》

    東莞の手入れが社会に引き起こした反響というのは実は中国社会の閉塞情況を繁栄したものです。いま、世界各国には4つの大きなセックス産業の管理モデル があります。スイスは罰則、オーストリアは合法ではないが違法でもないということで罪にはしない。米国は廃止(ネバダ洲だけok)、オランダ、ドイツは娼 妓を合法化しました。どのやり方もその国の市民が長い間の論争を経てやっと決めたものです。公衆は一般にセックス業に関する法は道徳に関係し、禁止はすな わちそれを不道徳だとし、合法化はそれを受け入れられるということだとおもっています。

    しかし実は問題の本当のキーポイントは「どうすれば性産業が産む各種の犯罪行為ー搾取や、強制、人身売買性病の蔓延を防止できるか」なのです。「大きく て潰せない。性産業の中国のGDP寄与と、就業先の関係」で論じましたが、中国には今600万のセックス産業労働者がおり、2、3000万人が生計を立て ています。就職の機会がない現在、性産業の非犯罪化は現実的な方法として警察と黒社会がセックス労働者に対して2重の搾取をすることを減らし、セックス労 働者に必要な生存の安全ー定期検査、性病の蔓延防止ーの保証を得られる様にすることです。

    底辺人民はどうしようもない環境の中で迫られて絶望的な反抗をおこなうのは、そこでの暮らしがまともだということを証明するためなどではなく、社会、政 府にそのような絶望的な汚濁にまみれた最低辺の人々、すなわち売春婦に人として対応し、つぎに政府は経済を発展させ政治をよくして、底辺人民に正常な仕事 の機会をあたえ、次第に「最低辺の糞穴」の規模を減らして行くことを求めているのです。(終)(《中国人权双周刊》第124期    2014年2月7日—2月20日)

    拙訳御免。何清漣さんの原文;东莞扫黄映射中国社会无出路 biweekly.hrichina.org/article/14775

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