• レスター・R. ブラウンのでくわした”中国芝居”

    by  • March 2, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年03月01日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/1UQec

    最近、米国の生態経済学者レスーター・ブラウンの発表したレポートで再び「誰が中国を養うのか」の問題が提起されました。丁度、悪性スモッグに疲れ果て た中国は朝野ともほとんどこの報告に注目しなかったようです。ブラウンは「誰が中国を養うのか?」によってうけた待遇には感慨深いものがあります。この 20年間、ブラウンは中国脅威論の主要な主張者であり、一度は中国科学院の貴賓でしたが、いまや”透明人間”のようです。その理由はただひとつ、つまりブ ラウンがかって予測した危機は中国でもうすべて起きてしまったからです。

    《誰が中国を養う?=中国脅威論》

    米国地球政策研究所(Earth Policy Institute)の最近の研究報告では中国は現在すでに世界最大規模の食料輸入国です。2013年から2014年貿易年度に中国の食料輸入学は 2200万トンでこれは、ほとんどオーストラリアの一年の小麦生産量です。報告では中国の食料需要の増加は飲食習慣と関係し、「中国人の消費方式は増々食 物連鎖の高い端に、人々は増々多くの肉や牛乳、卵を食べる。これは食料需給の大幅な増加を意味する」とあります。この報告は再び、世界が中国を養えるの か、という疑問を引き起こしました。

    しかしその対象となる中国では政府も民間もこれに対してなんの反応もありません。地球政策研究所は中国ではほとんど知られていませんが、その所長のレス ター・ブラウンの名前は中国では轟いています。しかしそれは所謂「中国人民の老朋友」としてではありません。1994年に彼は「だれが中国を養うのか?― 迫りくる食糧危機の時代」を著し中国の水資源欠乏が増々深刻化し、高速工業化が大量の田畑の破壊浸食を引き起こし、これにくわえて、人口の増加で21世紀 初めには中国は10億を越える人口の為に外国から大量の食料を輸入せねばならず、それは世界の食料価格の高騰を招き、世界の食料供給に巨大な影響をあたえ ると指摘しました。

    この本のおかげでブラウンは中国と「切っても切れない縁」ができましたが、ただこの”縁”はなんともひとくちにはいいがたいようなものでした。報告が出 た直後には中国の高官はこの本を中国に対する敵意に満ちた書だとみなされて、ブラウンは「国際反中国勢力」の代表的人物とされました。人民日報や新華社な ど政府メディアは政府系学者の大物を登場させ批判を加え、その中で最有力だったのは1994年に胡鞍钢が「中国日報」に掲載した文章でした。胡は中国は巨 大な食料増産の潜在能力があり、ブラウンはそれを低く見過ぎているとし、新中国ができた初期に当時の米国の国務長官は中国が5億人を養えない、と予言した が事実はその破産を示しており、ブラウンの予言も同様に破産するだろうといいました。

    1996年10月24日、中国国務院新聞弁公室の発表した中国食問題白書のテーマは中国は完全に自らを養う能力があると、ブラウンの「誤った論」を退け ました。冷静に考えるとそのときの中国政府の言い分は確かに自信(制度の自信か、路線の自信かは神のみぞ知る)に基づいていました。というのはまさに中国 が元気に”勃興”している前夜だったのです。国際社会の中国研究サークルでもブラウンは一時孤立し、「中国衰亡論」の代表的人物とみられました。世紀の変 わり目のころ、「中国衰亡」はひどく間違ったことに政治的に属したのでした。

    《2005年、「反中国勢力」が貴賓席の上座に》

    中国政府がブラウンの説に反論攻撃していたとき、中国の学者でブラウンの説を受け入れる姿勢をみせたのはごく少数でした。たとえば長年中国の「三農(農業、農村、農民)問題」研究の杜润生はブラウンと親交を結び中国農業部経済研究センターの劉志仁は流れにさからっても1995年の経済日報の巻頭で「ブラ ウンは中国の具体的情況を知らないし予測に欠点もあるが、しかし提起した問題は我々には警鐘である」と自己の観点を述べました。

    しかし時はブラウンの味方でした。1999年から中国の食料生産は4年連続減少し、中国ではブラウンの預言のいくつかの結論がまさに一歩一歩近づいていると感じました。2001年、ブラウンが「Building an Economy for the Earth」で中国の経済発展も出るに疑問を呈しました。時間の経つにつれて、ブラウンのレポートにある人口増加、耕地減少、土壌の悪化、水資源枯渇、食 料増産率の逓減などが中国の現実となってきました。ブラウンの名声は日一日と上がり、「世界で最も影響力のある22人の経済学者」の1人となりました。

    彼が早くから唱えていた「持続可能な発展」の観念は胡錦濤の「科学的発展観」に取り入れられ、ブラウンはついに中国政府に受け入れられ、何度も中国に招 かれるようになりました。2005年には中国科学大学院はブラウンを名誉教授にして、3月22日午後その儀式が行われこれは国際メディアにブラウンの「名 誉回復」と受け取られました。ブラウンは自分の観点を変えたわけではなく依然として「誰が中国を養うか」は問題だと考えていましたから、新華ネットは巧み に「米国学者は中国の平均一人当たり収入は26年後米国を越えると」というタイトルをつけてブラウンを持ち上げました。

    他ならぬ私だってこのタイトルに数分の間、騙されてブラウンが見方を変えて「パンダ万歳派」に鞍替えしたのかと一瞬おもったほどで、よく内容をみてみてはじめてブラウンの見解は昔からちっともかわってないとわかったぐらいでした。

    ブラウンの最新レポートで提出している問題は20年前とそっくりです。しかし中国政府はもはや「中国脅威論」に反駁する気はありません。なぜなら中国政 府もこの十年、食料は”増産”続きにもかかわらず自給率は下がっている事を承知しており2012年末、中国の食料自給率は86%(政府の設定自給率は 95%)に落ち、米、小麦、トウモロコシ等三大食料は全て輸入となり、水資源不足も深刻だからです。反駁するなら関連数字を変えなければ成らず、毒スモッ グで四苦八苦している学者達も往年の反駁の元気はありません。

    《脆弱な国際市場の食料供給チェーン》

    食料自給率が86%しかないということは、つまり中国は14%(7分の1)の食料を輸入に頼らなければならないということで、もし災害があれば中国の食 料自給率は更に一歩減少し、国際市場に依存する率は高まります。国際事情は中国の食料の安全保障足りうるのでしょうか?正常な情況下では全地球的な大自然 災害でもなければ、中国のオファー価格が低すぎなければなんとか安心していられるでしょう。

    しかしもしある国、ある州が大規模な災害に襲われ全地球規模でバランスが崩れたときは中国の食料自給の安全指数は下がります。最近米国カリフォルニア州 の牧草供給が現地住民で「中国に水を供給する」という争いになり、中国人に国際食料供給のチェーンの脆弱さを予感させました。

    カリフォルニアは米国最大の農業州で全米の果物や蔬菜の半分を生産しています。しかし水の欠乏が深刻で米国の他の地区の大量の水に依拠しています。 2005年頃から同州の農民は大量のウマゴヤシを中国向けの家畜飼料用に植え始めました。中国の乳牛を養う為です。中国の日増しに厖大になる牧草価格の上 昇で牧草を植える農場が増え、水の使用が増大しました。ここ数年、同州は毎年干ばつで、「中国に水を供給しているからだ」という論争がおきかねないので す。今年、同州が干ばつだとまた論争が起きるでしょう。反対派のソロバンでは「毎年、同州が輸出するのは1000億トンの水に相当し、100万家庭が一年 間に使う水に相当する」ということです。

    私がこの問題に気がついたのは2012年でした。この年の10月5日にワシントンポストに「米国西部全域が干ばつなのに、まだ中国に牧草で水を送るの か」という記事でした。当時私の注目していたのは中国のミルクの特別提供問題でした。しかしカリフォルニアが近年、毎年干ばつにみまわれ牧場主は中国に水 を形を変えて供給しているという批判がされるようになり、それが一年ごとに強まってきました。ですから、私は中国の食料外国依存の脆弱性を考えないわけに はいかなくなりました。

    ブラウンが中国ででどんな扱いを受けたかを考えると、中国人は素朴な真理を思い浮かべるでしょう。つまり、中国の昔からの言い方でいえば「良薬は口に苦 し」です。西洋の言喭で言えば「悪い知らせの使者を殺してはならない」ですね。かって中国の政府メディアと学者が痛烈にブラウンを批判したときは、文章も 躍動し痛快きわまりなかったわけですが、いまブラウンの予言が中国で実現しているとき、誰か、かっての批判の間違いを真剣に検討したでしょうか?(終)

    拙訳御免。何清漣さんの原文は;经济学家布朗遭遇的“中国戏剧”;www.voachinese.com/content/heqinglian-lester-brown-20140228/1861876.html

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