• 成都の「ドカンが来た!」騒ぎに思う

    by  • March 16, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏;  全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi

    http://twishort.com/1rWec

    パニックは予想もしなかったことが起きて、広範囲に恐怖と焦慮が広がることを言います。社会の恐怖感が強烈な場所では極めて容易にこのような集団性の事件が発生します。四川省成都の春熙路(*チュンシールー、成都の銀座通りみたいな繁華街)で3月14日午後に発生した集団パニックで人々が逃げ惑う事件がおきた事は中国の高圧的な治安維持体制の下での極度に不安定な状態を大変よく説明しているものでした。

    《成都春熙路3.14のデマと現実の奇態な交錯》

    成都・春熙路3.14のパニック事件はほとんど中国の幼児用寓話「ドカンが来た」の現実版でした。中国の50年代以後に産まれた人はたいていこれを読んでいます。数匹のウサギが湖畔であそんでいて、突然「ドッカーン!」という音がして仰天して「ドカンが来た!逃げろ!」と。それをみたタヌキや小熊や猿もみな「ドカンがきたぞ〜!」「逃げろ〜」とパニックを起こします。最後に虎にあって虎と一緒に湖に戻ってよくよくみたら、岸辺のパパイヤの実が水面に落下して音を出していたのでした。(*“咕咚来了”で検索すると童話の動画あります)

    以下は微簿に掲載されたこの中華元禄時代の実録です。

    @記者劉向南;2014年3月14日午後、四川の成都の春煕路で事件が発生した。少数民族のグループが街を歩いていると自分達の成都人がパニクって走っているのをみて何が起きたか分からないまま、自分達も走りだして、それをみた成都人が少数民族が走っているのを見て仰天してさらに走り出し、街にでていた全ての人々が駆け出した…これが「春煕路パニック事件」となった。

    後で検討してみるとある人は「デマに踊らされたのだった」といいます。しかしこれは変です。中国にはかってニンニク事件や塩事件などデマ事件はあったが、すべて伝播するには時間がかかったのに、春煕路の事件は瞬時に発生し、全過程で「ドカンが来た」が「人殺しだ」に変わっただけで事件の混乱狼藉の現場はとても動画のような美しい画面ではありませんでした。

    《成都はなぜ『ドカンが来た』、になってしまったか?》

    まずこれは昆明3.1事件への当局の過剰反応への続きの反応が媒介となって社会恐慌を誘発したのです。中国当局の3.1昆明事件での過度の反応というのは、全力であれが「暴力テロ事件」として宣伝した事ではなく(このような位置づけは問題ではない)、国際テロ勢力(例えば世界ウイグル会議のような)が画策した一連の連続テロ活動の一環だとして全国各地でウィグル人を出身地に送還する行動を展開した事です。この種の宣伝と行動の効果は必然的に中国人にちょっとしたことでも「ウィルグ人(や他の少数民族、たとえばチベット族)とテロ分子はイコールであるとちょっとしたことにも怖じけずいて怖れるようになりました。

    さもなくば、「少数民族の同胞が街を通り過ぎるのを見て、それをみた成都人がみなキモを潰して駆け出した」などということになるわけがありません。米国のウォルターリップマンはかって、mimicry environmentという概念を提案し個人の活動範囲とエネルギー、注意力は限界があるので自分の関係するすべての外部環境や諸事実に経験を有するというわけにはいかない。だから自分が感知できること以外の物事に対しては自分達はただ各種の媒介を通じて知るしかない。だから、媒介物は公衆が現実社会を知る重要なパイプでかつ、長期に媒介と接触する過程でその媒介に対し高度の依頼心を持つ」、としています。

    3.1昆明の事件以後、全国の媒体は政府のウィグル人郷里相関行動を集中して報道したために、すでに成都人は(当然、他の地方人も)「ウィグル人はテロ分子」との印象を持つにいたっていたのでした。

    次に、中国人の生存上の安全感が大幅に下降しており、簡単に媒介による恐慌をおこしやすい状態にあります。安全感の指標のうち、社会への信任は重要です。2013年発表された「都市住民社会信頼情況報告」によると中国の7つの都市で約2000人の調査をした結果中国の2011年の社会総体への信頼は59.7ですでに「信頼せず」に近い水準で社会の警戒ラインに接近しています。このような情況のもとで突発性の公共事件は生命の危険、財産や利益えの脅威を感じるだけでパニック真理が急速に広がります。

    第三に成都は他の都市にない特殊な要素があります。2008年の汶川地震(四川大地震)は巨大な傷跡をのこしましたし、5年後の2013年には雅安地震が置きました。天災が集中した所へ、四川の政府は前の省委書記の周永康の件で大量の高級官僚が失脚しました。この種の天災頻発と政治不安が広がり人々を不安に陥れ、容易に恐慌を誘発する社会的ムードをかもしだしていました。

    第四には成都3/14パニック事件は数年前(2012)の世界的なメディアパニックと性質がことなります。ハリウッドのパニック映画「2012」の上映後、マヤの予言が地球と他の星が衝突するとか、米国高空宇宙局が故意に未知の惑星と地球の衝突を隠蔽しているとか噂がたち、NASAは仕方なく会見してデマを否定しました。中国でもこの件では熱をあげ、亀の背中の図や易経が世界最後の日を予言していたとか、あるカシコイ商人は「ノアの方舟」を設計して20隻販売する事に成功しました。

    《各種の恐慌感のまじった社会の恐慌ムード》

    「2012」が世界にパニックを引き起こしたのは大衆がメディアの作品と情報の属性と娯楽属性を混同し、パニック映画のなかの娯楽目的の”バーチャル環境”を起きるかもしれない現実だとおもいこんだからでした。なら、春煕路の3.14逃散事件が置きたのも、つまりは中国人が前日に生存している環境が深刻に悪化し、安全感が下降しているから社会パニックになったのです。

    正常な社会では媒介による恐慌ムードは簡単に、公衆のリテラシーを高めることによって達成されそれによって社会集団の行為の無目的性を引き下げることが可能です。しかし中国ではそれはそう簡単ではありません。なぜならメディアの恐慌は多くの社会の恐慌を誘発する媒介にすぎず、恐慌そのものではないからです。

    中国に存在する恐慌の中で、生態環境、天災(地震、土石流)恐慌、公衆衛生恐慌(流行病、SAASや鳥インフル)、政治恐慌、経済恐慌、これらは中国人に極めて大きなプレッシャーとなっています。もしある日、各種の恐慌が混じり合っておこす効果とその劇的な結果は予想が難しいのです。それは絶対といえるほど、現在の「机上の空論」で政府の「対策案」などでふせげるものではないでしょう。(終)

    拙訳御免。
    原文;从成都“咕咚来了”看社会恐慌 は p.tl/UyRO

    なお、Kinbrics news さんの;「通り魔が出たぞ!」ウイグル人におびえる中国、デマがきっかけでパニック発生   kinbricksnow.com/archives/51890897.html もどうぞ御参考に。

    Share Button

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *