• 反貿易協定ー台湾人の自らを救う戦いー中国大陸の民主化への啓示

    by  • March 29, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣 @HeQinglian 氏 全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi

    2014年03月20日http://twishort.com/PZXec

    2014 3月29日http://twishort.com/LCbfc

    馬英九政府の執政以来、台湾政府のやることはますます香港政府に似てきました、つまり北京の政治的代理人です。台湾メディアは中国資本に驚く程浸透されていて、経済上では空洞化が日増しに深刻です。国民党の北京ベッタリは党の政治的資本となりました。これによって中共側は『統一』は日を経ずして成る、とおもっていました。北京が「両岸サービス業貿易協議」を推進したのは中台一体化の最後の仕上げをする布石でした。しかしおもいがけずにこれに水をさす動きが、まるで”茹でガエル”が熱さに跳ね上がる様に自らを救おうとお湯の中からとびだしたのでした。

    《台湾の学者による協定の利害分析》

    台湾の「反協定」はすぐに街頭運動が起きたわけではありません。ましてや中国の官製メディアがいうような「青年達が流行を追った」ものではありません。それは台湾学会や学生、市民の多重多層の利益の訴えであり中でもその隠れた目的はやはり台湾の民主制度の防衛にあります。

    長年にわたる共産勢力の浸透に対して、台湾学会や民間社会はまえから感じてはいましたが、国内の民進党と国民党のどうしようもない争いで台湾の民主政治は半ば麻痺状態にありました。今回の「貿易協定」が引火点になって、もし台湾人民が行動しないならば台湾は香港の後塵をなめ、民主制度を維持して行く事は難しいとなったのでした。

    大陸の政府系メディアは「貿易協定」は大陸も台湾も共に勝利する関係で台湾の反対者は分かっていないから盲目的に反対するのであって、台湾独立派に利用されているのだと宣伝しています。しかし、この度の実際の情況は彼らの宣伝とは全く違っています。台湾民衆は別に「一旦貿易協定が通れば台湾の産業は全部潰れる」といった言い方を信じているわけではありません。一番最初は台湾民衆の反対の理由は「役人の説明は技術用語が多過ぎて聞けば聞く程わからない」でした。

    専門的な見方をすれば「貿易協定」は北京側がしっかりと長い時間かけて準備したもので何十もの産業に及び、専門家が両岸の産業と制作を詳細に研究しなければその利害を論じようのないものでした。それこそが台湾の数名の学者の努力で台湾民衆はやっと「貿易協定」が台湾にもたらす実害に気がついたのでした。

    大衆に「協定」を理解させる為に台湾大学の鄭裕玲、張錦花教授等が手間ひまをかけて、一条ずつ何ヶ月も費やしようやく「協定の我が国への衝撃の分析」を発表し今回の反貿易協定の動きに専門的な分析を提供したのです。中国の政治的反対者(護権活動家を含む)には、一部の人に自分の学歴が高く無い為に反知識的な傾向があります。民主運動や民主制度がはっきりとわかってないのに、いつも大袈裟に街頭活動の意義ばかり強調し「千万の呼びかけも一度の街頭活動に及ばない」などと「知識人」を冷やかしたり侮辱したりするのを楽しみにしている向きもあります。今回の台湾の反協定運動は少なくともこうした人々に少しは現代社会と言うのはもう農民一揆の時代ではなく、刀や槍で敵の頭を叩き切れば革命ができあがるといった「劉備も項羽も本なんぞ読まなかったぜい」といった時代ではないということをすこしはわからせることができるかもしれません。

    《民主主義に育った青年は組織をつくれる》

    台湾の青年の政治に対する無関心は政党の争いにうんざりしていたからです。しかし彼らは民主社会の中で育ちました。そのなかではっきりとした権利意識を持っています。大陸の青年達が「民主主義じゃメシをくえない」といった「家畜的農奴意識」から洗脳を抜け出す必要があるのに対し、台湾の青年学生たちは権利を守るためには社会参加が必要だと知っていますから、反協定運動に身を投じる事ができました。

    一旦参加すると、彼らこの世代の若者達は十分ネットというプラットフォームを通じて各種の活動を大変効率的におこないました。「協定を読む気のあるナマケモノでないキミへ」の内容には協定全文と付帯事項が一覧表になっており、さらに6つの文章で中国の要素がはたしてどんな影響を産みかねないかを説明しています。よくわからない人向けにはその過程における間違い(5か所)、産業への影響(6か所)、世代の差異と衝突、「協定後に我等がなすべきこと」など指導参考になる意義あるものです。

    反協定は「反ブラックボックス的協定の民主教室」を開く「黒色島国青年戦線」という組織を誕生させました。これは協定の内容の理解普及活動をおこない、Facebookの上に「反黒箱貿易協議コミュニティー」(反黑箱服贸协议社区)をたて、常時各種の情報を公開しています。馬英九の政府側の説明に比べて、反対者は文章や図、漫画、ビデオなどで容易にその内容を理解出来ます。協定についての話と説明では優位にあります。ネット上に台湾全国の委員会の名前と電話、動員活動のやり方や義務、公民権行使の権利、電話で反対意見を、と呼びかけています。

    国民党は反協定の政党闘争の他に、一番困っているのは馬英九政府がなんでこんなにいそいで協定を通貨させないといけないか、ということの説明です。米国系ツイ友は「テレビで見た馬は『もし協定が否決されたら、人様が信じなくなる』というがいったい、その「ひとさま」って誰よ?みんな国共談判で大損こいて、なお「ひとさま」が馬を信用しなくなるのを怖れるって、自分の耳がしんじられないよ。テレビでみてなきゃこんなにあからさまな発言、信じなかったよ。なるほど這って歩く馬といわれるほど支持率低いわけだ」と書いています。

    《反協定の台湾・香港における意義》

    近年、馬英九政府が北京にペコペコ路線をとったために両岸の統一の勢いが次第に強くなりました。台湾の青年達は上の世代のガンバリで勝ち取った自由と民主を享受してきましたが、大陸との様々なつながりは知らず、民主主義を擁護することがいかに難しいかも知りませんでした。貿易協定がまさに茹でガエルだったかれらを覚醒させ、市民の権利と台湾を守る為の行動に駆り立てたのです。

    今回の反協定運動は香港に強烈な反響を引き起こしました。民主人士の李怡は「香港は昔、台湾人の羨む対象だったが、いまや台湾人の『ああなっちゃおしまい』と言われる様になった。中共がマジメに一国両制度を実行しなかった以外にそうなった理由の鍵は香港人自身が香港を愛する故郷だとは思わず、ただ金儲けのための場所で公の正義の為に経済利益を犠牲にしたくなかったからこうなってしまった」と語りました。

    またネットで広く伝えられた写真には、1人の香港の青年が前にプラカードをかかげ、そこには「自分は香港人。我々の死体を乗り越えて台湾の未来を考えよ」と期されていました。同時に香港人も「民主擁護、黒箱拒否、香港人は台湾の反協定活動を支持する」と。

    《反協定は大陸にも認識の分裂をもたらした》

    全ての反対運動と同じ様に台湾の反協定運動も中国のネットの上で深刻な分裂をみせました。中共の香港の宣伝メディアは文匯報ネットのように「反協定は台湾の青年の流行に過ぎない」と極力、運動参加者の覚悟と政治的意義を貶めようとしました。「人民日報」の海外版も協定は台湾に多くの利を与える者で反対者は「よく勉強してから言え」とし、さらに「学生運動の変質は政治的苦境の反映」という記事の中で、両岸の協定はもともと双方勝利の発展のチャンス。遅滞をきたし発効しないようなことがあれば、両郷経済の協力の枠組み協議の多くの相談にマイナスの影響を与える。時間は私たちを待ってくれない。台湾経済はポピュリズムで足をひっぱられたから経済的苦境にあるし、また台湾政治の悲哀であるまた台湾の大陸貿易は千億㌦以上、台湾に利を齎している、と書きました。

    この記事は、平時ならまだもののわかった部類に入りそうな中国大陸の知識人達の少なからぬ賛同を得ました。中国のネット友は台湾同胞に対して「恩義をわすれやがって」と怒りと不満をぶちまけました。つまり「俺たちはこんなによくしてやってるのに、まだたりねえのかよ、反対しやがって」ということです。こうした考え方の間違いの根源は、お金で人間の自由や尊厳、権利など一切が買えるとおもっていることです。中国政府は治安維持政策のなかで「人民内部の問題は人民元が解決する」という迷言をはきました。この種の考え方が主流の社会では「命は誠に尊し、愛情はさらに高し。されど自由のためなれば、ともに投げ打たん」(*ハンガリーの革命詩人ペテーフィ・シャーンドル)という言葉を理解するのは本当に難しいでしょう。

    中国国内のネット検閲削除体制は大変きびしいものですが、まだそれでも”雑音”はつたわるとみえ、私がこのあいだ書いたばかりの「中台一体化的最后铺路石」(拙訳★中国台湾サービス貿易協定ー中台一体化への最後の仕上げー★ 」twishort.com/wlbfc)は大陸のネット友の間で広く流布しました。あるネットのブログに転載されてから一日のうちに8万を越えました。すぐに削除されていますけれども。

    そのコメント欄をみると、台湾人がなぜ反対するかを知って多くの人々が支持の態度です。これらの人々は台湾にいったことはなくても、一種素朴な気持ちから、中共が大陸でやっている専制は人間味が乏しく、台湾の同胞がこのような目に遭うべきではないと思い、彼らの念頭には台湾民主制度ができることは台湾人民の勝利であるばかりでなく、その存在は「華人社会には民主制度は適さない」という誤った説を粉砕することになるにあるようです。

    ネット時代に情報を遮断する事はできません。私は台湾の貿易協定反対運動は中国大陸の反対者にもひとつの滅多にえられない学習の機会を与えたとおもいます。それは組織方法であろうと、伝達方法であろうと出来る限り広汎な社会の支持を得ることにしても、台湾の反貿易協定運動は、お手本となるものです。(終)

    拙訳御免。
    原文;反服贸:台湾人的自我拯救 ——兼论对中国大陆民主化的启示 biweekly.hrichina.org/article/15906 (《中国人权双周刊》第127期 2014年3月21日—4月3日)

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *