• 「人は天に勝つ」の傲慢ー三峡計画の3つの出鱈目のツケ⑵

    by  • April 17, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年4月9日
    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/E6gfc
    元総理の李鵬は三峡計画を評価して(何、実は自画自賛して)、「手柄は一代、その恩恵は末代」と言っていますが、ダム付近の「天」は彼の己惚れ評価に警告を発し続けています。民衆は肌身でそれを感じていますし、一部の専門家は長江の生態系は崩壊すると予言し、人々の暮らしを環境恐慌が覆っています。

    《長江流域の生態の急激な悪化》

    近年、三峡計画の長江流域の生態の影響は中国国内メディアの何度も論議のタネになっています。その原因は完成後の中国の気候悪化で、例えば2006年夏の四川盆地の大干ばつ、2008年冬の南方の大雪害、2010年3月の西南の干ばつなどが頻発し、人々は三峡計画との関連を疑っています。2011年、長江の中・下流の多くの省でも干ばつが続き、ネットの天涯コミュニティーに「図解;三峡完成以後の広範囲な気候の影響」というのが掲載され、ネット上で大きな論議と心配をまきおこし、多くの人々が「大干ばつと三峡は関係があるのか?」と問い始めました。

    関係あると感じている人々は自分の感じを列挙しています。長江下流への影響は水面だけではなく、陸も空も、つまり三峡計画はダム周辺から中下流域の気候まで及んでいる、と。彼らの理論は似ています。三峡ダムが気流の正常な流れを妨げ、またはダムが低気圧を生じ正常な大気の流れに影響を与え、継続して気候を変えたというものです。

    これに対して疑問の声もあり、中国気象局は「デマ」だと否定しそうした異常気象は全地球的な変化が引き起こした極端な天気災害であって、三峡とは無関係だと。中国気象局の鄭国光局長は、以前から三峡の機構的影響は誇張されるべきではないと表明しています。専門家の分析に対しては当然、シロウト達は敵いませんから、聞いている人々も半信半疑です。

    しかし、中国科学院、世界自然基金と中国国家開発銀行は2006年から連合して「長江保護と発展」を研究課題としています。ということははっきりと長江流域の生態系の危機を示しています。この研究結果は「長江保護と発展報告」として二年ごとに発行されて今までに、2007、2009、2011の三部が「長江の健康診断」としてでています。

    長江の生態悪化の原因は多いのですが、中でも重大なのは過度のダム建設に関連します。数年前の統計でも流域には4万5700のダムがあり、建設済みか建設中のダムは2001年末で既に2441もありました。後には、「環境おかまいなしに電力開発」で小型のダムは至る所に作られ、国内メディアはかって「長江流域の無許可発電ダムを建てたため川床は干上がり汚染が深刻」という特集記事を掲載し、小規模ダムは統計では数えきれないと。

    この密集したダムと発電所と汚染が長江の流れの生態環境を急激に悪化させました。2004年、三峡ダムと支流のダムによる「水華」と呼ばれる藻の大量発生は6度おき、河の一部では逆流により汚染物がダムに溜まり2007年、湖北と重慶政府の責任者はともに、三峡計画の貯水後、支流の水質が悪化し、一部に水華現象がおき、範囲も期間も、頻度も明らかに増加していると発表しました。

    「長江保護と発展報告2007」は長江水質の全体の悪化の勢いと洪水・災害防止の状態は深刻だと明示しています。同報告の2011年版では、三峡計画の長江流域への影響は特に深刻だと指摘しています。「長江の三峡計画の貯水の進行は一層注目され、ダムの運営や富栄養化の進行は支流やダム湖の藻の大量発生を頻発し、放流は長江主流の河道浸食を激化させ、下流の河道の水循環情勢の変化は中流の通江湖や湿地の生態に影響を与え、長江独特の魚類の4大魚類の産卵場や希少水生動物の生存に深刻な影響を与えている」と記しています。

    報告は三峡計画はダム地区の主流や下流の水の循環に影響を与えダム付近から中下流の沿岸地域にもいちじるしい影響を海、洞庭湖や鄱陽湖は長江の中流の二つの自然の遊水湖となっていたのですが、三峡ダム計画のために生態は急速に悪化しています。

    《地質災害の明白な増加》

    2008年四川大地震の後、専門家が否定したにもかかわらず三峡ダムの完成との関連を指摘する多くの文章が発表されました。ダム建設後の地質災害は明らかに増加しています。長江保護発展報告の2007年版には三峡ダムの完成後、非構造性の地震を誘発した可能性があると指摘しています。三峡ダムについていえば最大の危険は構造型地震で、第二ダムの仙女山、九畹溪の断層、建始断層の北の延長先とシ帰県盆地(湖北省)の西縁の小さな断層の交差部がダム地震を誘発する可能性がある、としています。三峡ダムの貯水以来数年で、ダム地区の各種の崩落は4719カ所で863か所は移民の引っ越し先にあたります。

    東方早報(2011年5月31日)の「三峡ダムのある場所で地質災害が増加」の記事でシ帰県の三峡ダムの建設前と後の情況を対比させ、指摘している事は同県は歴史的に地震の少ない地区で1556年以来46回あったがその多くは極めて小さなものだった。しかし三峡計画の開始から完成した2000年から頻繁に起きる様になり、2000年に5度、2001年に2度、2002年に2度、2003年の三峡貯水の年にはなんと急に18回になったと。この後数年の地震発生率は急増し、毎年何度もおきるようになり、2008年には十二回も発生し、最大のものは震度4.1級だった、と書いています。21世紀報道(2011年5月28日)は「三峡貯水後の周辺地震多発。災害防止観点の欠如」として、シ帰県の隣の巴東県は三峡貯水後に地震が急増したことを指摘。

    千余年にわたる巴東県の各種災害、火災や崖崩れなどの記録を詳しく掲載。1985年までの千余年の記録で地震は一回しか記録が無いと。ところが巴県の国土局提供の資料が明らかにしたところによると、2003年の三峡ダム貯水135m時点で、巴東ダム区では頻繁に微震がおこるようになり、2003年6月から2011年5月までに巴東で発生した3級以下の地震は1400回以上と。

    これらの報道は地震が民衆に与えた具体的な被害がどれほどかについては言及していませんが、中国の現在の耐震能力と建築水準からして、これらの数字の背後に隠された民衆の痛みと財産の損失、そして彼らのなすすべのない環境への恐怖は想像できます。

    《三峡計画は『人が天に勝つ』という自然観の馬鹿げたことを体現》

    全体主義ファシズム統治と単なる独裁統治の最大の区別は(*原文の「极权统治与威权统治」、どちらも「独裁政治」なのだが、区別されているようです。日本語ではピッタリくる言葉をおもいつかないのでとりあえずこう翻訳。識者のご指摘を待ちたし)、前者の支配者は自分が人間や自然界を支配し、宗教上の全能者を越える凌駕し(上は天を、下は地を、中間は空気を)支配する全能者とかんがえます。ただの独裁の場合は主として人類社会だけを対象にしています。文革を経験した人はみな「人間は天に打ち勝つ」「天地と戦って勝利しよう」という類いのスローガンが中国中に書かれたり張り出された事を覚えているでしょう。「天と奮闘せよ」のムゲンの楽しみを味わおうという方々にとっては科学は政治の侍女にすぎません。

    三峡大ダムの総設計者の潘家铮氏がこの実例です。科学と政治の間で、彼は最終的に政治を選びました。しかし科学的良心は彼を深刻な不安を感じさせ、同氏はかって「ダムの20の大罪」を列挙したこともあり、作るべきではないと述べていたのでした。しかし、後になってダム有害論は、西側の「彼らの脅威となる我が国の発展を押しと留めようとする」という考えにたって「中国は彼らの罠にはまってはならない」と言いました。

    しかしかれは元はこんなことを言っていたのです。三峡ダムを建設することは核兵器の災害なみの結果を齎す。景観は埋没し、遺跡は破壊され、希少動物は絶滅し、環境派悪化し、地震、地滑り、ダムの土砂堆積、航路の詰まりを招き、気が気で無い、と。そして一度は三峡計画に反対しました。しかし、「思想転向」後は、ふたたび三峡計画の船長役となって、計画への批判に一切耳をかしませんでした。問題はひとりのプロの水利専門家が、ずっと政治に頭を垂れ続け、畢竟、潘氏が精神的なプレッシャーを逃れる事ができなかったということです。彼は「三峡の夢」のあなkで自分がかって国際生態環境法廷で被告としてさばかれ、人類の一員であることをやめさせられ、永久に魔道に堕ち、地獄に堕ちて苦しみを味わう悪夢をみたことを書いています。

    中共が現段階で三峡計画の危険を真剣に受け止め反省することなどほとんどあり得ません。ですから三峡計画の長江流域の生態に対してできることは筆の上で誤摩化すことだけです。しかし人はごまかせても自然は誤摩化す事はできません。結局、自然はさまざまな方法で人類に報復するでしょう。三峡大ダムのその存在はこのむちゃくちゃな時代の「人類は天に勝つ」という自然観の証しとして、これから長い年月にわたって、中国人の「我等の山河を返せ!」という悲痛な声となって響き渡る事でしょう。(終)

    拙訳御免;
    原文は;何清涟: 三峡工程:“人定胜天”的狂妄 — 三峡工程的三本糊涂帐(2)
    http://www.voachinese.com/content/he-qinglian-20140409/1889313.html

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