• 三峡計画の腐敗の背後にある巨大な影ー3つのツケ③

    by  • April 20, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年04月18日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/4Mifc

    4月14日、新華社ネットは財経国家新聞ネットの「三峡集団のトップ交代の背景;指導層の不和は公然の秘密」なるニュースを転載しました。三峡計画は2月27日の「時代週報」でも「私人の金儲けの道具に成り下がった」と報道され、ここが転機となって「内部闘争」になりました。まさに周永康家族メンバーが公開で糾弾された道筋とそっくりです。

    三峡プロジェクトは中国の公共プロジェクトの中で正真正銘の「トップの座」にあり、いかに腐敗の温床に成り下がったかを認識することは改革開放30余年の中国紅色共産党貴族による私物化の典型的なケースとして意義があります。

    《三峡住民移転が地方役人の雌伏を肥やす機会となった》

    政府側のデータでは三峡の最終的に移転した民は二つの省と市、県区20で計120万人で、長江が塞き止められた1998年から2009年の12年連続で毎年10万人以上が移住しました。三峡の1、2期工事とともに大規模な移住が始まるとともに、移民保証金も塞き止められ、私され汚職の的となったというニュースは一世を風靡しました。

    政府側調査でもその手口は多様で、土地改良、家屋移転、移民先安住費などすべてが役人が勝手気ままに私腹を肥やす重要な一環となりました。この種の例は多く、重慶市の場合、同市検察庁第二分院があげた1996年以来移民資金や移転計画中の職務犯罪事件は343件、数億元で回収できたのは3727.5万元に過ぎません。

    移転させられた民衆は家も土地も失い、政府のだしたわずかばかりの保証金は強欲腐敗役人に吸い取られ、生活の道がなく、多くの移住民が執拗に訴えるほか道は無く、雲陽ダムの約千人におよぶ移住民は北京に上訴すること十年、当局もついに2008年、200人近い汚職者を検挙しました。移転保証金は三峡プロジェクトにうちの各支出項目のなかでは少ない方です。その痩せカモの毛も容赦なく毟られたわけで、そのたの脂身たっぷりのところの毟られぶりは推して知るべしです。

    《三峡計画は私欲のままの現金支払い機に》

    三峡計画は「世紀の偉業」といわれ、政治的には大きな栄誉を与えられ、長年にわたり工事の質が劣悪だという報道が頻出しましたが、毎回、いつも件意有る専門家が「大衆の疑惑を解いて」います。関係したメディアも当然、圧力に晒され深く追求はしませんでした。

    しかし去年から中共内部の人事刷新で反腐敗がその重要な手段と成った事から、中央紀律委員会は今年2月はっきりと、継続して石油系の大物をやっつけたあとは電力系の大物を重要な査問対象にすると宣言しました。これによって人々は「電力の大物」は誰かと推量しはじめて、2月27日、広州の「時代周報」は「三峡集団の入札は腐敗の温床/2014年前は全て最初から決まっていた」として三峡集団の巨大な腐敗の一角を暴きだしました。記事の論調は鋭く、「三峡集団の利益連鎖を暴く特ダネ」「三峡は私欲にとっての現金自動引き出し機」とし、その要点は3つあります。

    ひとつは、調査班の報告によると三峡集団内部の連中は各種のやり方で長年にわたり国家の資産を浸食し、公共資源を独占し浪費を重ね、輸送の利益はほとんど無制御状態だった。二つ目は、三峡内部では指導者と関連の親族が工事の入札に関わり、輸送の利益は別としても指導部門は派閥に淡かれ、退職した老指導者も引き続きクビをつっこんで利益を貪っていた。

    三峡は名目こそ「人民の三峡」といわれたが、1992年から今まで全国人民は三峡計画に5000億元を支払いながら実際には20年経っても、三峡発電量が増えるにつれて、三峡集団の利益はうなぎ上りだが、一般庶民の電気代ははるかに当時の予定より高くなっている。この報道は疑いなく三峡集団の粛正への前奏曲です。3月24日、「三峡の両雄」といわれた曹广晶(理事長、党委書記)、陳飛(社長)が免職され、事実関係を調査して処分をきめる、とされました。

    《李小琳(李鵬の娘)の是々非々が暴露した香港メディアの生態》

    三峡集団という「現金自動支払機」の所有者が変わったことはもう争えない事実です。しかしこれはもっと政治的な力比べて興味深いことにかかわりを生みました。

    それは「退職した老指導者」(*李鵬)の娘である李小琳と三峡集団の関係です。「時代周報」2月27日の文は「一部の退職した指導者」といいましたが、中国の政治を知っている人ならだれでもわかることですがメディアの記者が誰の後ろ盾もなく、絶対こんな話を書く度胸があるはずがないのです。

    この一文の起こした波紋が広がるさなか、香港の「亜州周刊」の3月9日号はベテラン記者・纪硕鸣の「李小琳王国のオフショア会社の秘密」を掲載し「李鵬の娘海南島での土地売買で百億以上ぼろ儲けの内情」と李小琳の名前でバージン諸島に正体不明のオフショア会社を持ち、拘束なしに資産を移せると指摘、さらに重要なのは自分のために「保護膜」をかぶせ李の名前で「香港力色健康発展有限会社」が、元海南省の副省長・冀文林(元周永康の秘書)の協力の下で、2013年11月に海南国家発展改革委員会が博鳌乐城(*国際医療特区があるらしい)の百億人民元の価値のある土地を贈ったと。この記事の詳しい内容と、このあと各種の李お姫様に関する噂は大変多く、中には自分の愛人の黎亮の為に、李鵬に三峡集団から黎亮の幽霊会社の香港電力新エネルギー公司に二十億元出資させた等等です。

    分析するに値するとおもわれるのは、最近香港のメディアでこの李小琳の事件が引き起こしたメディア同士の喧嘩です。上述の二つの記事は李一家にとっては大きな打撃でした。それは今年、李小琳が質素な服装で人民代表大会に現れたのをみても明らかです。(*毎回超豪華な服装で有名。今年はエコバッグを持って登場、話題になった)しかし、周永康の家族メンバーが事件は権力闘争の冤罪だと訴えた時、李小琳もまた高飛車に反撃にでました。4月7日の香港・文汇报に自分の独占インタビューを掲載して「亜州周刊」の報道はまったくの嘘っぱちだとし、自分は不動産業をやる気はまったくなく、電力業の発展に専心し、エコエネルギー事業をおおいに広めるのだと強調しました。鳳凰財経も調子をあわせて、伝奇31号(2014年4月9日)で特集記事を組み「天之驕女・李小琳」で「再び輝きを」とやりました。

    一方、「亜州周刊」の纪硕鸣も一歩も退かず個人ブログでそんな出鱈目で潔白にはならない、とやりかえし李小琳のいう「でたらめ」は如何なる実質的な内容のある解凍はなかったし、香港・文汇报は誰の名前もあげず、いかなる証拠もださず、金持ち権力の道具になりさがった、と。

    香港の今の中国語メディアは概ねすべてそれぞれに違った中国本土資本が入っています。少数の北京の金持ちの投資もありますが総じて言えばすべて北京(*政府側の)メディアです。しかし個々数年来、北京のご主人の間で王位をめぐる争いがあったため、メディアもそれぞれがそのご主人のための「宣伝戦」をやらざるをえなくなっています。

    香港の「文汇报」は中共が政権を取って以来香港に根をおろした中国資本メディアの四天王の一つで香港マカオ工作委員会のコントロール下にあります。1996年にできた鳳凰テレビの創設者の劉長楽は軍事情報系統の出身である事は公然の秘密です。「亜州周刊」は李嘉诚(*香港最大の企業集団・長江実業グループ創設者兼会長、東アジア1の金持ち)の所有でバックグラウンドは「明報」と似ています。

    「明報」の前編集長・劉進図はオフショア金融の中国要人の秘密に参加し、今年襲われて怪我をしたことは香港のホットニュースでした。「壱週刊」は「劉は間違って中共の内紛の地雷原に踏み込んだ」としました。香港メディアにとっても他山の石は自らの戒め、ですからそんなことを承知であえて上記の記事をかいた「亜州周刊」の李小琳についての記事はその内容からみて、北京の奥深いところからの支持があってのことで、さもなければ記者がこの件に介入するのは危険すぎる事なのです。特別な命令を受けていない限り、メディアの記者が社会的良心からこのような危険を冒すとは考えにくい事です。

    4月14日の新華ネットが財経国家新聞ネットの文章を転載したのも、香港メディアの李小琳を「再び輝かせる為の」一種の呼応した行動でしょう。

    《習近平の反腐敗は容易ではない》

    3月18日の新華社の出した「中央紀律委委員会は中郷の中央香港マカオ事務所を監督の範囲にする」というニュースは多くの他のニュースにまぎれてめだたないものでしたがしかし、これは重要な合図です。このニュースは中央紀律委はこの理由として多くの大型国営企業が香港とマカオに支店をもっており、反腐敗の避難港になっているからだ、としています。

    しかし、私がみるところでは、この原因は確かに重要ですが、もうひとつ大きな原因を忘れてはなりません。2007年に習近平が中央香港真マオ工作協調小組の長になるまえ、この職を報じていたのは太子党の「大兄貴」だった曽慶紅です。香港マカオは曽慶紅が長年力をいれて作り上げた地盤です。習近平がこの職務を自分のものにして香港マカオ工作委を握ったのは並みの出来事ではありません。今このときに中央紀律委が中央駐香港マカオを監督範囲に入れたのは格好の突破口なのです。香港の中国本土資本の機構的腐敗は、叩けばそこからホコリが必ず立つ、というほどのものなのです。

    30余年の共産貴族の私有化ののち、腐敗はいまや赤色家族共同の蓄財道ですから、習近平の反腐敗運動は赤色家族間の利益グループの生死を賭けた戦いです。石油系の周永康は比較的やっつけやすかったですが、電力計の李鵬と言う大虎はそれほど簡単にやっつけられません。なぜなら周永康は所詮、脇役一味のようなもので、中共の純粋な赤色家族からみれば「従僕」のようなもの。しかし李鵬は周恩来の恩恵を蒙った赤色貴族の、一家の正式メンバーです。

    さらに一歩想像するならば、李鵬はそうした貴族の中では、そうはいっても根を深く張った最強の一族というわけではありません。もし、この李鵬一家をなんとかすることができなければ、習近平と王岐山による”反腐敗”の難しさは想像がつくというものです。(終)

    拙訳御免。
    原文は ;「何清涟: 三峡工程腐败及其背后巨大身影 – 三峡工程的三本糊涂帐(3)」http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-sanxia-3-20140414/1892785.html

     

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