• 「平和的興隆」の看板を下ろし、「国家安全」が登場

    by  • April 27, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年04月18日
    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/4rkfc
    4月15日、中共の習近平総書記は11種類の「国家安全」の具体化を表明しました。中国上層部は「中国の夢」の高みから地上におり、現段階における「当面の情勢と我等の任務」は何かを明白にしました。胡錦濤・温家宝の10年の政治主題が「平和的勃興」だとしたら、習近平の10年の政治テーマは「国家安全の構築」です。「平和的興隆」が進歩的だったのに比べて、大変保守的色彩の強いものです。

    この大きな戦略的調整は完全に安全感の無さ(或は危機感)のせいです。そしてこの危機感の生まれたわけは遂に国内の各種矛盾が日々尖鋭と成り、国家資源が枯渇し外依存が深まっている事にあります。

    《国家安全の確信は「政権の安全」》

    習総書記のいう11項目の安全の核心は「政治の安全」です。それはつまり中共の言語システムでは実際は中共政権の執政の安全ということで、その他の色々な安全はみなそのために尽くすというものです。国土の安全、軍事の安全、核の安全の3つは元々一体ですし、国土の安全は本来は二重の意味があって、ひとつには国境の安全、もうひとつは環境生態の安全です。しかし、「生態の安全」を別に挙げるならば、国土の安全とは領土の安全の事になります。

    軍事と核の安全は本来国土の安全を保障する手段で、わざわざ目標の中からひっぱりだして別記する必要はないものです。いま、わざわざここに単独で挙げているというのは「軍事の安全」というのが習近平が絶対信任できる人物に掌握させるという意味で、胡錦濤のような心配のないようにすることです。2012年「八一建軍節」で「解放軍報」が「永遠の軍魂、永久の忠誠」という記事をのせて、人々を訝しがらせたのですが、それには「わが軍の史上では情勢が如何に険悪でも、封建時代の軍隊の様に敵に身をうったりしたものはおらず。野心家がいかに狡くても、だれも軍隊を陰謀に利用しなかった」という一文があり、軍事クーデターに対してどれほど心配していたかがそこからうかがえます。

    文化の安全は中共イデオロギー教育と宣伝システムが中国人を教化するのに、西側思想に影響されたり、崩壊させられたりしないように、ということです。この点では中共は死にものぐるいの努力を傾け、始皇帝が長城を築くように世界最大の「インターネット防火壁」をつくりあげました。また一方では対外・対内宣伝をともに支配化におさめ、世論の”指導”や五毛(*政府お雇いネット発言者)の大群を動員して、人民の膏血を費やして多くの人類の道徳に害をなす就職の機会を与え、納税者のお金を浪費しています。ただ、今のインターネットの時代にはこの効果にも限界があり、始終、西側文化は浸透してきて、歴史の真相やイデオロギー的宣伝が崩れています。

    社会の安全というのは政治の安全と直接関係する社会の制御のことでしょう。まず刑事犯罪、つぎに各種の社会的反抗と異議申し立て活動の抑圧、つまり「治安維持」です。これには政府は多くのカネを注ぎ込み、「6つの網」を張ってここ数年、公共安全の支出は軍事費支出を越え、今年は恥ずかしくて、外部から中国の”内部の敵”は”外敵”同様に深刻だといわれ政府のイメージ悪化を避ける為に、その数字を外部に公開しませんでした。

    科学の安全と情報の安全については、北京は実はあまり心配する必要はありません。まず中国のハッカーは天下無敵ですし、次にその他の科学技術大国が中国から盗める情報は少ないですから。むしろ、米英などの国々はいつも中国のビジネススパイや、訪問する学者など色々な人々が他国の情報と技術を盗むのを発見している始末です。今年二月のNYタイムズはミズリー州カンザスで6人のトウモロコシのタネを盗んだ中国人を逮捕しました。

    《経済安全は困難、原因は金融の不安》

    ほんとうの国民生活と民族の未来に関係するのは主に経済と生態と資源の安全です。現在最も中国経済の安全に影響するのは実は中国金融システムの各種の病根です。これは政府と金融業界が自ら生み出したものです。例えば数年前に政府は経済を刺激するために数兆の投資を行いましたがこれによって厖大な地方政府の債務(ある計算では25兆源から30兆元)と厖大なシャドーバンクのシステムができました。この苦境は政府も承知しており2013年の中央経済工作会議は6大任務を決めそのひとつが「債務の危険を防止する」でした。しかし言うは易く行うは難しです。

    シャドー銀行システムの信用不安は頻繁に発生し、今年3月にも中国経済政策、特に貨幣政策は経済を緩和せよとの圧力に対応するために急旋回し、また貨幣発行緩和政策を行う準備をしています。その理由は企業の資金ショートのためです。新中央銀行研究局首席経済学者の馬駿は今年の地方政府の発行債券規模を5000億にあげました。財務部長の朱光耀も関連方案を現在準備中で、債務の累積した地方政府にさらに多くの予算の自由を与える準備をしていると公表しました。

    李克强総理の改革への決意がいかに大きかろうと、中国経済はまた政府の刺激という昔ながらの政策に戻ってしまいました。これに関しては別項で分析をします。

    《生態はもはや安全でなく、資源の対外依存は高い》

    生態の安全は国家の安全の最後の牆壁です。二面性があり、ひとつは環境生態の安全、ふたつには資源の状態です。一国の経済活動は生態環境と十分な資源が支えます。そしてこのふたつはまさしく中国が今、一番逃れ様の無い苦境です。過去30数年来、中国経済の高度な発展と過度の環境生態への負荷の代償として、胡温の第二期で中国はすでに対外資源に高度に依存する国家になっています。

    まず簡単に中国の生態危機を述べると、4月17日午後、中国環境保護部と国土資源部は「全国土壌汚染状況公報」を発表し、これまで秘密にされていた全国第一次土壌汚染状況調査を発表し、19.4%の耕地土壌が主として重金属汚染で指標超過し18億ムーの耕地面積で計算すると、中国の役3.49億ムーの耕地が汚染されています。その他の水や空気の汚染は真っ黒になった河川や悪性スモッグがその証拠といえましょう。

    資源の対外高度依存の主要なものは食料と鉱産資源です。簡単にデータをあげると2012年度末、中国の食料自給率は86%(政府設定目標値は95%)、米、小麦、トウモロコシなど三大穀物はすべて輸入頼りで中国の対外技術依存度は50%以上(米国や日本は5%)、石油、鉄鉱石の対外依存度は56%以上です。2015年には中国の石油輸入依存度は65%に達し、2011年、銅鉱石の輸入は世界の4割、石炭、ボーキサイト、マンガン、クロム鉄、ニッケル等鉱産物輸入は年々上昇。この厖大な需要量は国際市場価格に影響するばかりか、中国国内産業の生存や物価変動にも影響をあたえます。

    一番大事なことは、生態環境の意味で国土の安全はもうないということです。2010年の舟曲県の土石流災害後、中国の地質環境観測院が明らかにした公式数字は舟曲の事故は一連の地質学的災難の幕開けにすぎないということでした。全国で地質災害のおそれのある地点は20万カ所、そのうち舟曲に似た特別大型地質災害の起こりうる場所は1.6万カ所。おもに雲南、貴州、四川、重慶、甘粛、陕西、湖南、湖北などの山岳地域にあります。

    私は2010年に「生態の安全は一国の最後の政治の安全」という文を書きました。そこで国家にとっては生態環境が継続的に損傷を蒙れば、政治経済の最終的な安全はない、と指摘しました。世界的環境専門家のノーマン・マイヤーズは「最終的安全;政治安定と環境基礎」で繰り返し、国家の安全保障はもはや軍事力や武器ではなく、ますます水や耕地、森林、遺伝子資源、気候等の要素になっている、と指摘しました。

    生態環境が持続的破壊を蒙るなら政治経済の最終的な安全はありえないのです。環境の退化は生存環境の悪化をうみ、生存空間を縮め、不可避的に国家の経済基盤を衰退させ、その政治機構も安定しません。その結果国内の動乱を招くか、他の国との緊張と衝突を招きます。(中国と東南アジアの関係は水資源問題があります)。生態の安全と資源の安全は最高指導者が決断をくだしたらそれで解決するという問題ではありません。

    習近平が国家指導者の任務にある時代にもし地方政府にPX石油精製・石油化学コンプレックスの類いの高汚染プロジェクトをやめさせただけでもおおきな善政だといえるでしょう。汚染残量についてはただ今後、数世紀にわたってゆっくり「自然浄化」にまかせるしかないでしょう。当然、これはわたしの希望的な夢でしかありません。(終)

    拙訳御免。
    原文は「和平崛起”谢幕,“国家安全”登场」http://www.voachinese.com/content/heqinglian-20140417/1895897.html

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