• 国家と自由の意味について

    by  • April 27, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/Jomfc

    言語(単語)と思考は外殻と中味の関係でキーワードに対する意味の理解の仕方からその文化共同体の思考状態を知ることができます。この一文では中国ではすぐ思考的混乱を引き起こすキーワー、「国家」と「自由」という言葉について分析します これを書こうとおもったのは五柳村サイトの「何清漣・疑似血縁関係は社会の凝集力を生まない」という一文(*http://xinqimeng.over-blog.com/article-85417939.html)が引き起こした論議で、ツィッター上で何人かのネット友と自由と理性の関係を議論したことからでした。

    《現代中国語の「国家」への誤解》

    まず簡単に私が2011年9月にVOAサイトにのせた「疑似血縁関係は社会の凝集力を生まない」のテーマを紹介しますと中国の教育と宣伝では、国家と政府(政権)が常にごちゃまぜで使っているために、多くの中国人は中国政府イコール中国で、中華民族と中国人の天然自然の代表だとおもっています。

    誰かが政府を批判すると、とくに海外からの批判に対してはいつも「子牛は母牛を嫌わず、飼い犬は家が貧しいのをいやがらない」とか言い出して罵る人がでてきます。こうした現象にこの一文を書いて、共産文化の特徴を指摘しました。それは父母と子の関係に国家と人民をなぞらえるのが大好きだということです。中国では「英雄・雷峰」が「党の為に唱う山の歌」で「党は母親」と歌い、80年代にも「党は大好きなママ」という歌までありました。どれも国家と人民の関係を虚構の家族関係になぞらえるもので、その真の意味は「子供は母親に対して一方通行で言う事を聞くべし」ということで、どんなに母親が悪いことをしても、間違いを犯しても、子供は批判する権利はない、ということです。

    そこから逃げ出す事も反抗する事も「道徳」に反するということです。かつてスターリンが「ソ連人民の父」を任じ、金日成、金正日父子が「朝鮮人民の父」と名乗りましたが、他の独裁者にもカダフィが「リビア人民の父」だったように類似の愛好癖があります。五柳村での討論では多くの人が私の視点に賛成でしたが、反対もありました。「母が残酷だからといって我々はそれを殺して外国人母にかえるのか?」とか「真の愛国者は自分の祖国をけっして嫌悪しない」とかです。

    これらの人々の問題は「政府」と「国家」を混同していることです。英語ですとこの問題は比較的簡単ではっきりしています。英語の国家というのはstateとcountryで、前者は国家(政権レベルの)、後者は地域領土的な意味で、中国人の「自分を養ってくれた大地」みたいな感じですね。英語の世界では I love my country とは言っても、 I love my state(私はこの国家の政権を愛する)とは絶対に言いません。もし誰かがそういったら聞いてる方は意味がわかりません。私が以前、国家安全局に終日監視されていたときに深圳の勤め人の人が米国のDVDおくってくれたんだけど、私の当時の境遇そのもののタイトルで「Enemy of state」、中国語にすると「国家の敵」、でもこれは政権の敵という意味で「カントリーの敵」じゃないわけです。

    私はツィッターでははっきりこの両者の区別を明らかにして、中共は長期に渡ってわざとこの国家と政権の二者の関係を混同させて、中共が国家のあたかも天然自然の代表のようにして、愛国主義は政府を愛する事だと提唱してきたと指摘したのです。 これは多くのネット友の賛同を得ました。@WilderMohnさんは中国人が「国家」という言葉に持つ誤解をのタネを取り除くために二つの点について見解を述べてくれました。「台湾の『国家』解釈は『国家』は土地、人民、政府、だが大陸では「国家」は「マルクス主義のによって階級統治道具でその中には、軍隊、警察、法廷、監獄…等がある」が 「国家は学校だけやる、でいいのに。大陸では軍隊、警察、裁判所、監獄等の暴力装置がその中にはいっちゃう。」

    「国家」という言葉は常套句だが、だれかが「愛国」とかいったとき、まず愛するのはどの国家かを考えるべきだ」と。で、私は台湾の国家概念は中国古代の「国の三つの宝。土地、政治、人民」からきたもので中国の現在使っている国家とは暴力装置のことで。元はレーニンの国家は一つの階級が別の階級を圧迫する暴力装置で有る、からきている。そんなものよりずっといい、と答えました。なぜならもし中共政府のいうとおりなら、中国人が国を愛するとなればまさにこの人民の圧政暴力装置を愛せ、ということになって馬鹿馬鹿しい限りですもの。

    《中国の『自由』の解釈と英語のfreedom, liberty》

    これは大多数の中国人が誤解している概念です。4月15日とその後の討論は多くの中国人の民主と自由についての誤解に関係していました。滑翔戟 @gliderhookは私の自由と理性の分析に対してカントを例にだして、カントの自由の定義は自由とは「自分が決めたルールで行動すること」。ここから民主制度が理論的にうまれてきて、人は自分でルールを決める権利があり、自分が参加出来ない規則に受動的にならないということになります。

    これが違いなのですが、中国人は”自由”の定義だけをみて、カントは「狭すぎる」といいます。あるネット友は中国人は”自由”をよく理解できるといいますが、わたしは中国人の自由の定義にはひとつの前提があることをわすれているとおもいます。それは「社会」と「個人」、群れと己、の限界と範囲、つまり法律の基礎の上、自律の下の自由ということです。総じて自由と言うのは自分のしたいことはなんでもやっていい、他人を罵倒するのも言論の自由だ、と中国人はおもっています。

    この点で、前に「鳳姐女史が「米国移民局に火をつけてやる」と発言したことについての感想を書いた事があります。(2013年8月 http://p.tl/hwxz)そこで言った事は言論の自由派好き勝手になんでもできるのではなく法律規定があり他人を威嚇するような言葉や悪意の誹謗はゆるされないということです。野罂粟 @WilderMohnはすぐこんな資料をさがしてくれました。「辞源」の「自由」の項に「自分の気持ちで行動して制限を受けない事」(商务,4卷本,第3卷,第2583页,1992年,北京)

    これは中国人が自由をどうみているかが良くわかる情報です。教育だけでなく、知識の元になる辞書というツールですらこうなのです。ついでにいえば文革や文革前の中国人の自由主義への見方は、毛沢東の「自由主義に反対する」からきており「自分に関係のないことはほっておき、間違っても発言せず、保身のために間違いのないことだけを心がける」「命令には服従せず、個人の意見を一番にする」などが自由主義だとおもっていました。

    英語の例で説明してみましょう。英語の自由にはふたつあって、Freedom とlibertyですが、使い道は違っていて対応関係にあります。フリーダムは個人がみな有する自由を追求する権利です。「辞源」の解釈に誓いですね。

    ワシントンにある朝鮮戦争の記念碑にある有名な「フリーダム・イズ・ノット・フリー」というのはこのレベルの話です。しかしもし人々がみな自由を追求し権利を制限される事を拒否するならばこの世界は無茶苦茶になります。

    なぜなら人は経済的動物であり、本性から最大の利益を追求しようとするからです。ですから法律の基礎の上、自律のもとの自由、これがリバティです。有名な経済学者のハイエクが「自由の秩序と原理」で自由と理性の関係を論じて、二者は互いに条件と成り促進し合う補完関係にある双子の兄弟なのです。ハイエクは自由は人類に2つの意味があり、ひとつは自由の能力、ふたつめは自由の権利だとしています。

    前者は哲学的な意味の自由で、フリーダムに近い、人は自由を追求する権利があるということです。「自由の権利」とは政治的意義の自由であり、個人が暮らしの中でどのぐらい自由にものがいえるかという権利、つまりリバティです。リバティは(法律と自律の両方の制限のもとで限界のある自由)はですから、所謂自由の剥奪というのは人のために、人に対しての政治的権利の剥奪であり、自然力の人に対する選択的自由の制約だと解釈すべきではありません。

    この意味ははっきりしていて、政治レベルの”自由”というのは個人の権利の大小や程度の問題であって、自然力が与える制限にたいして、人間が反抗したり超越したりする能力のことではありませんこの種の討論は今の中国人にはおおいに意味があります。すくなくとも討論に参加しようとする人は「辞源」の解釈しているのは、「自由」などではなく「やり放題」「勝手」であって自由とは違うものであるということ、「自分が好き放題になんでもやっていい」などという理解はサルの理解する「自由」だとわかって参加してほしいものです。(終)

    拙訳御免
    原文は;推事记趣:国家之义与自由之意 http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-20140422/1899058.html

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