• 中国はなぜ『GDP世界一』を拒絶するのか?  

    by  • May 11, 2014 • 日文文章 • 1 Comment

    何清漣

    2014年5月1日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/gjpfc
    4月30日、「世界銀行は中国が今年、世界一の経済大国になる」が重要ニュースになりました。もし本当ならこれは疑いなく世界経済史上の大事件です。なぜなら、1872年に米国が英国を抜いて世界最大の経済大国になってからこの記録を140年以上の間保持して来たのですから。さらに興味深いのはかって、「平和的興隆」を望んでいた中国のこの報告に対する態度です。

    2011年のIMF報告同様、中国はなんとこの報告を受け入れる事を拒絶しました。あのときのIMF報告は中国のGDP送料が5年で米国を追い抜き、2016年は「中国の世紀元年」になるという内容でした。

    《『中国GDP世界一』はどうして生まれた?》

    私はこのニュースをみて大きな疑問を感じました。はっきりおぼえていますが2013年の世界各国GDP番付の一位は米国で16兆㌦でした。中国は二位で9兆㌦。その差は7兆㌦以上で、このような巨大な差を一年でどうやったら越える事ができるでしょう?で、私は世界銀行のサイトで4月29日に発表された「2011国際比較事業」の「世界各国経済の真実の規模」を読んでやっと「中国GDP総額が米国を越えて世界一に」という結論がどこからでてきたかがわかりました。報告は「異なる国家の購買力平価(PPP)の新たな試算に基づく」ものでその方法は5年前のIMF報告等同様購買力平均の計算なのです。

    PPP(purchasing power parity)学説は頭がいたくなるようなものです。PPPは国際比較プログラム(ICP)とも呼ばれ、ある国の商品価格と基準国の同種商品の価格の比率の加重平均値を購買力平均として計算するもので為替レートの代わりに、一国のGDPを基準国の通貨または国際通貨(例えば米ドル)に代えてGDPを標示します。_(*このへんは http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40594 も参照よろしく)

    国際マクロ経済学の重要な基礎で、つくられた直後からずっと論争の的になっています。その論争はおもに為替レートと購買力平均の短期のズレに集中しており、発展途上国の購買力を高く評価しすぎる可能性と選ばれた商品の代表性が保障されない、価格資料の収集と処理が柔軟?すぎる、等等があります。支持者はしかし、本当の暮らしのコストを計るのには購買力平均は各国経済の比較に最良の方式で、始終変化し生活コストを反映しない為替レートよりすぐれている、としています。

    この報告は6年ごとに行われます。しかし上述のような明白な欠点があり、中国国家統計局はこの報告作りに参加してはいますが、これを裏書き保障はしていません。APが「中国が世界一経済大国を拒否」(China Rejects Sign It May Soon Be No. 1 Economy)で指摘したように、中国人ひとりあたり収入はまだ世界の百位以内にはいっていませんし、 Global InsightのBrian Jacksonの観点を引用して報告は実は外国に対して、中国の一人当たり平均可処分所得は米国の10分の1しかなく、世界の平均より低く、フィリピン、ボリビア、イラクなどと同様であると注意を促しています。

    《中国政府は『世界一』を何故喜ばない》

    中国政府はこの報告に冷淡なものです。新華社が5月1日にだした要約では「2011年中国経済の規模は米国の約9割」というレポートでもわかります。それは「異なった国家経済の規模を比較するとき、為替レートを購買力に代えて計算した場合、結果は違いがうまれる。たとえば市場為替の計算で2012年中国経済の規模は米国の半分だ」、とあります。また新華社の世界銀行上級統計分析担当のナダ・ハマドのインタビューを借りて、特に国際比較計画の結論は2011年向けであり、近未来数年のものではない、と断っています。

    これらはすべて2011年にあったことの再演をおもわせます。2010年中国のGDP総額は日本を追い越し世界第二になり、2011年4月下旬、IMFの報告でも中国のGDP順位予測が人々を驚かせたことがありました。その報告は「購買力の平均計算では中国のGDP総額は5年後に米国を追い越し、2016年には”中国の世紀元年”になり、”米国の時代”は終に近づいている、というものでした。

    そのころ、中国はすでに「平和的興隆」の対外宣伝策略は終わっており、このGDP世界二位のニュースにも冷淡なものであったばかりか、IMFのこのこの報告に直接反駁したものです。2011年3月17日、中国国家統計局馬建堂局長は人民日報で「我が国の世界経済における地位についての全面認識」で2009年の中国の第一、第二、第三次産業の就業人口の比重を引用し、中国の第一次、即農業人口の比率が依然として多すぎ、第二次産業の比重は米国工業化の初期1870−1910の水準であるとし 第三次産業も発達した国の半分である、と指摘。同年4月29日、中心社はさらに「中国DGP総額が5年で米国を越えるということで起きた論争は、計算方法が一致せず”無理矢理繰り上げられた”として、専門家にIMF報告を分析させ計算の係数があまりにも大雑把で、購買力平均の正確さを欠いており、市場の実際の為替レートと差が大きすぎる、と指摘を掲載しました。

    現在、中国が世界銀行の報告にある予測GDPに対する反応は、2011年のIMF報告に対する態度と同じで、それを認めない理由も同じです。つまり購買力平均という計算法だと中国経済規模を過大に評価するというものです。

    《GDP世界一は経済の困難を解決できない》

    国際社会には中国が親分や次席になりたがらないのは、経済大国に相応しい国際責任を負いたく無いからだという見方があります。それは中国が国益がからむときは前列に座り大国の地位を要求しますが、責任を負担する段になると後ろの席で身を縮めて、自分は発展途上国であって、各種の援助や優遇策を与えてくれろというからです。

    この中国の慣れっこのやり方はしかし、必ずしも北京にばかり罪があるとも言えません。中国政府がトップの地位に対して「謙譲の辞」を述べるのは別に原因があるのです。なぜなら現段階の中国は経済でも政治でも困難な時期です。政治上の心配事はトップレベルの内部のなかなか収まらない権力闘争の余波で、習近平の「反腐敗」が遅々として進まないことは周永康が囚われてはいても最終結論がだせないことでも垣間見えます。

    さらに数々の官民間の矛盾、民族間の矛盾が火薬樽のようにいつ爆発するかわかりません。習近平が新疆を刺殺して、ウィグル人が自爆方式で抗議したのをみてもその一端を窺い知ることができます。経済上の困難はさらに多いのです。

    元々世界銀行の主宰する研究の「中国経済改革路線図」を借り手、中国の金融改革を中心にした内容で経済改革をして、と地方政府の借金増加を政府による経済刺激策をやめて食い止めGDPを指標とした役人の考課体系も変えようとしたのですが、一ヶ月もしないうちに「適度な通貨緩和」を柱とした「微刺激政策」になってしまい地方債発行は続き、土地財政も元のままの道を辿る事になりシャドーバンクの危機も相次ぎ、生態環境はさらに風雲急を告げ、いつなんどき環境危機(水、空気)の爆発的危機がおきてもおかしくないと…いった状況です。

    民生は日々に苦しさを増し、就職さがしも困難な状況下で、世界銀行の報告のいう「中国のGDP世界一」は北京にとってなんの得にもならないばかりか、却って自国民に不満を思い起こさせるわけです。微簿上ではいたるところに世銀報告への懐疑と諷刺が満ち中には中国政府がこの勲章をカネをだして買ったのではないかと勘ぐる声さえあります。

    2004年、私はGDPを中心にするシステムは多くの欠陥があることを指摘しました。例えば、人民の暮らしの質についての関連指標を計ることができない、例えば収入の分配、社会福祉、環境の破壊もですし、技術の創造力などの新しい能力も、資本効率も測れません。社会の発展水準と経済実力と競争でいえば、人民の生活の質と技術的創造力が更に実際の意義があるわけで、中国がGDP崇拝から抜け出して欲しい、と書きました。

    中国政府は現在、「世界一の経済大国」というシャッポを受け入れないということは、政治のトップにある連中が自分達の実力に対してわかっているということです。畢竟、超級の不動産バブルがいつ破裂するか分からず、巨大債務の泥沼に沈むかもしれないというなかで、経済部門のお偉方たちは嘘っぱちをならべ、ネット水軍をつかってごまかせば”政治実績”をうみだす宣伝部の表具師ではないわけです。(終)

    拙訳御免。
    原文は 美国东部时间: 21:44 2014年05月01日星期四广播音频 VOA卫视热点专题 / 何清涟博客;中国为何拒绝接受“GDP世界第一”?http://www.voachinese.com/content/china-gdp-heqinglian-20140501/1905874.html

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