• 中国不動産市場の3つの”生命維持装置”

    by  • May 11, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/UErfc

    長年来、中国の不動産バブル破裂は「狼が来た!」状態でしたが、今季の市場動向は本当にオオカミが来ることを兆候をみせています。なぜなら中国の不動産市場を支える三つの柱を維持する事がアヤシくなってきたからです。この3つの”生命維持装置”は地方政府の土地財政制度への高い依存。不動産会社の市場利益、そしてすでに購入した人々の値下げ反対運動、です。

    《中国不動産市場の飽和供給》

    中国不動産業はとっくに供給過剰であることは二つのデータから伺えます。ひとつは2012年の中国不動産研究会が提供するもので中国の毎年の新増建築面積は世界の半分をしめており約二十億平米。その7割以上が住宅面積で14億平米。そのうち4割以上の新増住宅が1、2級都市(*爺注;一級は北京、大連、深圳など省都クラス18、二級は長春、石家庄、長沙など副省級都市25)に集中しています。

    中国国内の不動産のこうした分析から不動産の量は、2013年8月30日、新浪ネットが発表した「わずか四年で住宅は全国人口の半分をカバー」という分では1人平均36平米で計算して、中国が毎年提供する住宅面積は3800万人の需要に応じられるもので、ある経済学者の分析では8600万人からなんと2億人の需要をまかなえるというのです。

    以上の数字は2013年の住宅を含んでいません。同年の竣工面積は極めておおきな差があるデータが三つあって国家統計局では10.67億平米、メリルリンチの見積もりだと11億平米、またひとつは26億平米というのもあります。国家統計局の数字ですら十分多いわけです。こんなに多くの住宅を本当に買う人がいるのでしょうか?

    中国の不動産価格は、絶対多数の中底辺層は購買する力がありません。ですから主要な消費需要は役人か金持ちで、その購入目的は財産保全です。この点は過去数年に暴露された「不動産大所有家族」のお話が証明しています。「不動産オヤジ」「不動産おばちゃん」「不動産ねえちゃん」達(*役人の家族名義)で1人で十数戸から数十戸の不動産を所有しているといったニュースはやまほどあって珍しくもありません。

    前鉄道大臣の劉志軍、政治局常務委員の周永康など高官は300戸以上の豪邸(別荘)をもっているなどはこの不動産族のトップといえるでしょう。しかし、2013年6月に人民ネット、鳳凰ネットなど主流メディア上に書き込みがあって、ひろく庶民の間に流れたのですが、このタイトルはなんと「北京には6000の劉志軍がいる」でした。文中には「北京にはすくなくとも六千人の300戸以上の家マンションを持っている奴がいる」というものでした。私はこの話、結構いいセンいってるとおもいます。だって中国は中央集権国家でそれほどエラくない役人だっていろいろな権限であやしい金儲けをできるチャンスは本当に多いのですから。

    この種のムゲンといっていいぐらいの住宅欲しい熱の出所は財産を殖やし保持したいという願いからです。過去二十数年の、とくにこの十年の高インフレのさなかにも住宅だけがインフレより高値で値上がりしていますからね。中産階級の貧富がわかれた原因は家を買っていたかいなかったかにあると言われています。

    ただ、現在、役人と富豪の二代グループが不動産でもって財産の保全保障にしたいという要求は大幅に減っていますが、その原因は二つあって、反腐敗と不動産税の実施が間近なことです。

    《不動産市場の3つの”生命維持装置”》

    中国の不動産バブルがいまもって破裂しないのは3つの”生命維持装置”のおかげです。

    その1;地方政府が不動産バブルを継続させたい事/

    2013年、地方政府の土地高度依存財政は変わらず、税制部の発表した全国収支情況では、2013年の政府性基金のうち国有土地使用権の収入4.1億元、44.6%増で2011年の3.15億元の記録を更新しました。土地譲渡金は継続して上昇する状況のもとでその他の公共財政収入は下降気味で、2013年全国公共財政収入12.91億元で増加率10.1%と増加速度はこの7年で最低でした。今年の最初の四半期も依然としてこの状態です。

    地方政府は何によって不動産市場の価格下落を止めようとしているのでしょうか。馬鹿馬鹿しいのですが、住宅産業の大企業に値下げさせないことで買い手の信用を維持しようとしているのです。

    その2;不動産会社が、あえて値下げしない事。

    理屈からすれば、不動産市場も株式市場と同様に、見通しが暗ければさっさと値段をさげて逃げるのがカシコイ選択です。しかし中国の住宅価格は極めて”堅調”です。なぜこうなるのでしょうか?

    複数の大型不動産企業の社長がおおっぴらに言うのには、地方政府が値下げさせてくれないから、なのです。万科集団の王石社長はかって公開で「2008年には値下げしたため、南京市政府から4000万元の罰金をくらった」といいました。さらに他の重点都市でも万科が値下げした為に調査を受け、課税されたと。同年の地方政府が不動産企業を集めておこなった会議での主要なテーマは「値下げ禁止。万科のようなことをするな」だったと。

    王石の話は業界人が裏書きしています。ある報道では長沙、杭州、寧波等の地方政府がひらいた商業座談会でもすべて、市場を弱気にさせないためにも安易に値下げをするな、という話となりました。とくに万科、保利といったところは不動産のトップ企業ですから一つの市で沢山のプロジェクトをすすめており、もし値下げしたら市場に対する影響はたいへん大きいのです。浙江の不動産関係者は、最近寧波のある区で値下げをしたいと企業側が思ったのですが、地区の指導者が「マイナスの影響が大きい」として企業に「挨拶」したので値下げにはならなかったとのことです。

    しかし、単純に地方政府が値下げさせない、というだけでは一面的な見方でしょう。不動産業界が本当に心配しているのは、値下げの影響が市場の「信用」に及んで、商いの量がさがってしまう事です。中国の不動産市場は株式市場と同様、過度に投機的なため、最後はみなすべて「(*値下がりしないという)信念だけがたより」となるのです。

    この種の信念の市場の特色は「値が上がればおいかけ、さがれば売り急ぐ」でして、たとえ価格をさげて販売促進をはかっても、ただ買い手側に「きっともっと安くなるだろう」とおもわせるだけです。

    マーケット情報では今年第一四半期に杭州市の商業地区の店舗販売は10112戸で、同月比でマイナス37.8%一件あたりの契約は15388元/平米当たり、で同比11.3%でした。この現象をアナリストは「低価格戦略は早期に契約を増やす決め手には成らない。却ってドミノ倒しに不動産価格が下がる最初の一撃になる」といいました。これにともなって、寧波、連雲港、営口、秦皇島などの不動産が値下がりする現象がおきました。

    3番目は、不動産を購入した所有者達が懸命に値を支える事。

    上述のふたつの延命装置のほかに、不動産価格を懸命に支えるのが不動産所有者達です。2011年以来、上海からはじまって多くの都市の不動産物件の値下がりで、借り主が出て行く現象がおき、不動産所有者達は値下げを「価格詐欺だ」とし、不動産会社が値下げをしようとすると、所有者達は団結して不動産会社を取り囲み値下げを許しません。この現象は2011年から今に至るまで続いており、報道でもたくさんみられます。最近では成都でおきています。中国の住宅市場はかくてとてもムズカシイ立場に陥っています。不動産の値段を下げなければ民衆は不満です。しかし値段をさげると一部のすでに購入した不動産所有者たちが集団で反対します。これは中国ならではの現象で、世界ではみられません。

    《この世にはじけないバブルなど存在しない》

    過去4年来、中国の不動産市場は上述の3つの延命装置で息をついてきましたが、当然、一番重要なのは地方政府が絶え間無しに気を送りつづける呼吸装置です。しかし、バブルというものはいつかは破裂するものです。今年四月になって中国の主流メディアはバブル崩壊の問題を論議しはじめました。

    新華ネットは4月27日に「不動産市場は明らかに下降しているが、動揺をささえきれるのか?」と疑問の自問自答をしています。これから述べるデータは国内メディアでさえも目をつぶるわけにはいかないのです。あきらかに価格低下の状況でも、商談成立は増えず下がっています。今年2月、70の大中市の新建築住宅商品か各区は2011年2月以来はじめて同月比、前月比ともに反落しました。

    国家統計局の4月18日の最新データは3月、七十都市のうち、あらたな住宅商品価格は停滞、あるいは値下がりしたのが14あります。最重要のサインはミニ・ゴールデンウィークに売買成立件数がこれまでの最低となり北京の中古住宅市場の量も価格もともに下がったことです。不動産バブルの破裂は中国ではただ時間の問題にすぎません。そしてどれぐらい暴落するか、どのぐらいそれが続くか、です。

    もし中国政府のこれまで通りの考え方なら、一番良いのはコントロール可能な状況で一定期間中にすこしづつ下げて、一度にドボンと下落しないことです。そうなると大変ですからね。

    本当にやっかいなのは市場は需給におのずから存在するルールに強制的に手をくわえることによって効果をあげても、それは一時的なものにすぎないのだということです。 所詮、政府が介入できる経済政策というのはアダムスミスのいう「神の手」などではないのですから。(終)

    拙訳御免。
    原文は为中国房市续命的“三口气”http://goo.gl/Vi4iZP

     

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