• 中越衝突ー小騒ぎは憂さ晴らし、大きくなれば大けがの元 

    by  • May 27, 2014 • 日文文章 • 1 Comment

    何清漣

    2014年05月20日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/ZEwfc

    最近、中越衝突が世界のホットニュースになって、多くの人が戦争を心配しています。私はそうならないという見方です。北京もベトナム当局も事を大きくせず終わらせるだろうと思います。5月18日、ベトナム政府は大量の軍隊警察官を動員して反中国デモを解散させ、中国大使館を厳重警備したのはつまり「平和」姿勢です。北京の高層にとっても自分達内部の矛盾状態、軍内部の状況、そして政府と民衆の関係などを考えても、実は軽々しく事をおこすのは都合がよくないのです。

    《家の中のごたごたがまだおさまらない》

    注意深いチャイナ・ウォッチャーならみな習近平の反腐敗が強大な抵抗にであっており、中央紀律委のきめた監査目標からも、中共高層の争いが終るどころではないのがわかるでしょう。ただこの”闘争”は今季の政治局常務委員の間での闘争ではなく、すでに退職したかってのトップ連中と紅色貴族階級と太子党の間の闘争なのです。

    人民代表大会の時期に政府側から周永康事件は決着がすぐにもつき、李鵬の家族が反腐敗の目標となるだろうという噂が流されました。しかし4月上旬、李小琳(*李鵬の娘、電力女王。「長江に詫びるべきは誰か?ー三峡計画の3つの出鱈目のツケ」等 http://heqinglian.net/japanese/ 参照)が香港の文汇报のインタビューに高飛車に、自分がオフショア会社を経営してるとか、海南の土地問題に関わっているとかいうのは全部嘘っぱちだとし、周永康の親戚家族も周一家にまつわる腐敗の話はみな習近平の権力闘争のせいだ、といい張りました。

    そして、新華社が財経国家新聞の「三峡集団の指導者交代の背景」の記事を転載しました。この文章は外部に対して、双方が「危険な平衡」を達成したとしらせるためのものでした。これが「危険」だという意味は双方のパワーバランスの基点が大変脆弱だということで、一方がしばし妥協したとしてもそれは長期に渡る妥協ではなく、それどころか妥協しながら、相手をやっつける次の一手をどう下そうかと考えているようなものだからです。

    李鵬一家と三峡集団の「腐敗」追求が暫く棚上げされ、中央紀律委は5月6日、香港の中央国有企業の汚職と売国行為が厳しく調査されるだろうと発表しました。これは3月に中央企業の香港マカオを監督範囲とするという宣言からさらに多くの内容をふくんでいます。つまり国家機密を漏らしたものを調査するというのです。

    中国を知っている人ならだれでも、香港・マカオ地区はかって曽慶紅(*習近平の前任の副主席 http://goo.gl/wIbvue)の長年の地盤です。「国家機密漏洩」は元々中央紀律委の受け持ちではありません。この一手が誰を狙ったか、それは曽であるというのは海外の一致した見方。その後香港国営企業が調査され、華潤グループの宋林が失脚しました。そしてつぎに起きたことは大変、みものでした。

    5月14日、曽慶紅は中央政治局員兼上海市委書記長の韩正と江沢民の息子の江錦恒に付き添われて上海の韩天衡美術館を訪れたのです。これは当然、毛沢東がかつてやってみせた「長江を泳ぐ」荷倣ったもので外部に対し「おれは元気で無事だ。いろんなことが言われてるがみな噓だ」と自分の”軍勢”の動揺を鎮めるためです。

    しかし、微妙なのは5月16日に紀律監察部のサイトに香港中旅副社長の王師廷が華潤での違法の容疑で調べられたということが掲載されたのは、曽慶紅が上海視察でおくった「安全信号」に対する極めて強い否定のサインです。同時に香港の二つの北京メディアは中共の18節4中全会が繰り上げ快哉され、この会期前に周永康事件が正式に通知されると。報道しました。これが習近平反対派が優勢であるという判断もありますが、私はこれは習近平がすでに大局を掴んでいるとおもっています。

    畢竟、習近平は十分に地位的な有利さを持っているわけで曽慶紅の後ろ立ての江沢民といえども、その権勢はかっての毛沢東ではありませんし、鄧小平でもありませんから、リモコンで中央全会で習近平を廃帝にしたくとも、まったく不可能です。ですから18節4中全会繰り上げの理由は、習近平が組織人事で急に必要ないくつかの人事をしたいからだとしかおもえません。

    《周は軍隊のコントロール強化の余地が有る》

    独裁国家の国家指導者はもし軍と警察をしっかり抑えることができなければ皇帝の座にあっても色々な困難にであいます。習近平も当然、若い頃から中共の闘争文化によって鍛えられ”真理”を知っています。ですから、就任以来、少なくとも半分近いエネルギーを軍のコントロール強化にそそいできました。7大軍区の指令を異動させ、自ら6人の上将を任命し、国家安全委員指導小組の組長に自ら就任したのも全て自分が名実共に三軍の総帥になるためです。米国の前国防部長のゲーツは、習近平が軍隊の支配能力は前任の胡錦濤より強い、と公開で論評しています。中国の軍隊にいる太子党勢力は複雑な根っこがからみあっているようです。

    彼らは習近平を実力で引き摺り下ろして自分がナンバーワンになる実力はありませんが、しかし胡錦濤の時代のやり方を続ける事、つまり気に入らなければ海域で「流動国土」(*石油海上掘削船)上に衝突を起こして対外摩擦を引き起こすことはできます。この種の「小さな騒ぎ」を起こすのは彼らには「気晴らし」です。しかし大きくなればこれは軍事首席の厄介事になります。これらの軍の太子党連は大隊年齢的にも退職間近です。習近平は時間がこの問題を解決するのを願っています。

    軍が勝手に暴走しないように、隣国国境の摩擦の日が大火にならないように、習近平は労をいとわず「釣魚島対応小組」をつくり自ら組長になり、軍隊情報、外交、海上監視執行部門を統括するようにしました。今度の中越国境衝突は双方がブイの引っこ抜き合いから始まって、高圧水の掛け合いになり、それが最後にベトナムでの中国排斥運動に高まりました。これは習近平の計算外だったというべきでしょう。

    というのは中越国境衝突はかって12年(1979から1990年)にも長引き、中国は何度も勝ったり負けたりのこの戦争でなんとも複雑な味をなめされられており、以来、ベトナムとの国境問題にはずっと用心深かったのでした。毛沢東でさえベトナムに手渡してしまった白龍島(バクロンヴィー島)のことはいわずとも、実際この「やるといったら断固戦う」社会主義国の弟分にはいささか中国も憚る所があったのです。

    以上の様な様々な要素で、北京はこのベトナムの反中国事件には冷静化の方向で挑みました。国内ではこの事件を報じさせず、解放軍の宋参謀長房峰輝はこれが米国のアジア復帰政策が南海で起こした挑発ゲームが発端で有るとしベトナム国境の舞台に三級アラート態勢を取らせ、解放軍報は即座に偽情報を流し、黄海波のスキャンダルがちょうど良いタイミングなので大衆の注意をそちらに引きつける材料につかいました。

    《中越衝突ー小騒ぎは気晴らし、大きくなれば大けがの元》

    人類の歴史を鑑みるに、政権の崩壊の要素は主に三つあります。一つは統治集団内部の激烈な権力闘争。ふたつは政権から民心の離反。このふたつが明白な時に外敵が侵入したり、統治者が軽率な戦争を起こすと、政権(または元首)の滅亡は現実になります。前述のように中国のトップレベルでの権力闘争はまだ続いてますし、人民との矛盾も厳しく”治安維持”が各級政府の日常業務化しています。

    このような情勢のもとで軽率に戦を始めることは中共政権、とくに今その任にある習近平にとっては極めて不利です。ベトナムは中国から見れば小国ですし、勝っても当たり前、負けたら政治責任を問われるわけで、どこから考えても中共一家の主の習は軽挙妄動できません。

    米国や周辺国家はいつもこの種の小さな摩擦がアジアの戦争に発展することを心中おそれていますが、こうした考え方は中国への理解不足です。中国が周辺国家と”平和共存”できない理由は、内部矛盾が増々激化して、人口と資源が空前の緊張をはらんでいることです。前者は中共政権が敵をつくって民族主義的気分を高揚させ、民衆の目をそらせる理由です。

    ですから歴史上、中国を侵略した日本は中国民族主義のはけ口になります。後者は中国が不断に周辺国家に資本と人口を輸出しつづける理由ですが、周辺国家はもともと人口密度が高く、就職も困難でその国の人々が中国が自分達の市場とチャンスを奪い取ろうとしていると思っていますから、一度、何かが起こるときわめて簡単に中華排斥運動に火がつきます。こうしたことが中国と近隣諸国との不断のちいさな摩擦を生むのです。

    この種の小さな摩擦は軍事利益集団にとっては大変必要なことで、連中はこれを理由に軍事力を拡大して、更におおくの軍事費を要求します。専制国家の軍隊は一旦、相対的に独立した利益集団になると、その行き先は二通りしかありません。ひとつは中国モデルで、不断に軍事費を増やして満足させる。もうひとつはエジプト型で、軍隊が企業を経営して国民経済部門の一部を独占してしまうことです。

    軍事利益集団のこの種の必要とされる小摩擦をわたしは「小さな騒ぎは結構な気晴らし」と呼んでいます。そこでえられる気晴らしとは主に軍事冷気集団と関連利益連鎖でして、北京にとっては当然、隣国の我慢から一種の「中国の強大さ」を気持ちよく味わえるわけです。

    しかし北京のトップレベルからみると、この種の「小さな騒ぎ」には「臨界点」をみつけなければなりません。もし今回の様な中越衝突がベトナムでの中華排斥に激化すれば「大騒ぎ」になって習近平ら主人達にろくなことになりませんし、民衆にとってもいいことは必ずしもありません。ネット上には以前、「釣魚島を攻撃して勝ては島を奪え、負けたら新しい中国に成る」という「釣魚島攻撃を支持する」という一文が流行りましたが、これは口先だけのおしゃべりで老子のいう「兵は凶器なり。聖人はやむをえぬときしかこれを用いない」というのはまっとうな理の極みなのです。(終)

    拙訳御免。
    原文は;中越冲突:“小闹”怡情,“大闹”伤身http://www.voachinese.com/content/sino-vietnam-conflicts-injuries/1917332.html

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