• 中国政治に於ける”国外勢力”今昔ーその2−政権転覆者?

    by  • July 5, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年7月1日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/EXIfc
    1989年の天安門事件弾圧後、中国は米国や西側国家の経済制裁に直面し孤立しました。鄧小平は賢くも1992年の南巡後、再度、改革を起動し対外的に開放度をアップして、西側国家との関係を緩和し外資を導入しようとしました。西側国家は振り上げた拳の下ろす”退路”を得て喜び、こうして外資は中国に先を争うように続々と中国に入ってきました。

    このときの中共の「外国勢力」に対する戦略は「外を緩めて、中を締め上げる」でした。当時は資金不足で「外国人の金を中国に使わせる」という意見のもとに外国のNGOと中国政府機構の教育や各種の政府の支配下にあるNGOの合作が進められ様々な形で各種のNGOが登録され、貧困、エイズ、婦人と子供達等の利益の為の公益性プロジェクトを行う事務所がつくられました。外国NGOはおしなべて大喜びで、こうして中国に常駐事務所が出来て中国側と比較的長期にプロジェクトを実施すれば「点滴岩をうがつ」ような、接触をつづけさえすればいい効果があがって次第に中国を国際的基準の仲間にできるだろうとおもったのでした。

    政府側の統計でも、20世紀の90年代から2010年の中期ごろまでに陸続と中国にやってきた外国のNGOは千を数えます。それが中国のプロジェクトにもちこんだ金額は1億から2億㌦の間で、おもに前述の3プロジェクトに使われました。 この時期、中国政府はこれらの外国NGOをどう見ていたでしょうか?1996年、中共中央の事務総局、国務院事務局では「社会団体と民間非企業単位の管理工作に関する通知」をだしており、中国当局の対NGO基本認識がわかります。

    それは「一部の西側的対勢力が操る社会団体と非営利団体は我が国の隙を突き侵入を企図し、彼らは西側、台湾香港の反中華勢力と密接な連携の元に政治目的を学術研究と偽装して国外敵対組織の寄付金を利用して、社会情勢調査を行い情報提供し、時には西側的対勢力我が国浸透を手助けし、転覆や諜報活動の道具となる。こうした数は多くは無いがエネルギーはきわめて大きく、民間に悪影響を及ぼし事実上すでに国外の敵勢力は事実上我が国に公開、”合法”闘争を挑む拠点となっている。思想の浸透、組織の画策、力を集中し、経費を徴収し、我が国の政治を破壊し社会の穏健な安定に重大な隠れた病因となっている。

    この一文で大都市と沿岸部の解放都市の外国人懇親会、留学生会、クラブ、華僑協会や国外組織の支部はすべて、「防衛の相手」となりましたが2000年になってはじめて取締を受けた法輪功などはこの文章ですでに組織は「反政府、反人類、反化学活動」の組織に認定されていたことは全くしりませんでした。これ以後、組織力の強い気功組織はみな危険すれすれだったのです。

    しかし「国外勢力」が再び公開宣伝上で「中共を転覆させようとする勢力」という意味を持ったのは2005年以後の話です。丁度ウクライナ、キルギスなど複合民族国家でカラー革命がおこり、プーチンがそれをきわめて重大視して、中共も積極的にそれに応えて以後「国外の敵対勢力」(又は国際反華勢力ともいう)は中国の政治舞台に返り咲き、少なからぬ政治犯は外国メディアの取材を受け、無実の罪をでっちあげられたり「国外勢力と結託した」との罪名を着せられたのでした。

    政府側の「外国人の銭を自分達の都合の良いように使う」という戦略は続いていますが、しかし資金は減少しつつあります。一方統治集団内部の疑問と攻撃は日増しに強まっています。

    《「外国人の銭を中国で使う」が「ソフトクーデター」と》

    中央紀律委の駐社会科学院紀律検査班長の張英傑は社会科学院のイデオロギーに「4つの問題」が存在し、そのなかに「国外勢力の浸透目標点」と指弾しています。これは別に張の発明ではなくて2005年5月下旬に胡錦濤が県団級対象の中共内部談話として伝えたところによれば「硝煙なき戦争」と題して、米国等中国周囲でカラー革命で中共転覆を企図する輩を粉砕するためにメディアを厳格にコントロールして、異議人士に打撃を強化し出版業を「キレイに」すべしという内容でした。

    2006年、中国は「外国NGOは中国を転覆させる道具」という”世論攻撃”を開始しました。中央等学校「学習時報』は8月「一部外国NGOは穏健安定を破壊する」とし在中国NGOは4つの作用を持つと結論付けました。それは「国家の安全を脅かし」「中国政治の穏健な安定を覆し」「腐敗を助長し、中国で外国式を広めようとする」というものです。江沢民がかって「改革開放を刑事にし海外経済文化交流を強化と同時に敵の浸透、転覆活動に十分警戒心を」と提起した事を尊守し、光栄機活動を通じて人権理念を実行するNGOはすべて中国当局から「米国の手先となってカラー革命を謀る」重要な手先とみなすということが露骨に示されています。

    こうした文章によると米国のNGOはカラー革命に三方面で活動しており

    1;各国内部のNGOへ資金援助。
    2;大衆メディアと社会研究機関への浸透により高い政策レベルに影響を与える。
    3;各種の人材の出国、旅行をさせ西側にシンパシーをもつエリートを養成。です。

    当時、中国の知恵者達はインターネットが脅威となることを「予見」しており、「ペンタゴンと米国情報機関はこのしゅの”ソフトクーデター”を鍛え上げている、とし若い人々にメールやネットでかれらを集中的に蜂起させ政権転覆をはかろうとしている、というものでした。今年の張英傑の談話は実は2006年の国外反中華勢力を強く批判したのと同じ流れのものですが、この度は中国社会科学院も「海外勢力の浸透拠点」とされたことで、この自国最大のシンクタンクももはや信用されていない、ということです。

    6月中旬、無名氏によってネットのニュースになった「海外帰国者注意事項;高校は現在、海外と協力関係プロジェクトの有無を調査中」と。これはこの度の「外国勢力」殲滅への動きが強い、ということです。

    《「海外勢力」は失政の便利な雑巾バケツ》

    中共の政治を回顧すると中共はいつも自分の失敗を洗い流すためのふたつの「雑巾バケツ」を持っていることがわかります。一つは党内の路線闘争で11回のおおきにわたってあります。特徴は党内のある段階で失敗があると誰か指導者のせいにしてしまい「共産党そのものは永遠に公明正大で偉大だ」ということにしてしまいます。とりわけ最初の10回の路線闘争は毛沢東と党内の左右日和見主義の生死を賭けた戦いでしたが中共の最初のころの指導者数人はみな「間違った路線の代表的人物」になりました。つまり「路線闘争」という雑巾バケツでもみ洗いしたら罪も罪悪さえもみなきれいになって、中共が「次々に毛沢東の政治指導と路線がタダしいと証明」されてしまったのです。

    もうひとつの雑巾バケツが「国外勢力」ということです。中共の歴史教科書はずっと中国が遅れた原因は「帝国主義の侵入と封建王朝の腐敗と没落、それに国民党反動派勢力の残虐な統治のせい」でした。文革終了後には中国の遅れた原因はすなわち「4人組反革命集団」の破壊と干渉によるものでした。そして改革開放十数年をへて、中国政府はまず国民党の”反動派”と手を結び、米欧の西側国家と密接な経済往来関係をつくり さらに米国とは「重要な戦略的仲間」の関係を結びましたが、しかし中国には依然として多くの問題がありますので、党内清掃のためには雑巾バケツはひとつだけではとても足りません。

    ではどうするか?そこで中共も時代とともに進歩して、「帝国主義」というかっての雑巾バケツの名称を「国際反華勢力」という名前に書き換えて、いくつかの変遷をへていまや「国外勢力」ということになったのです。この雑巾バケツがあれば、中共はひきつづき中共はかしこくも少数のブルジョア階級の没落する思想の影響と腐敗分子を取り除き、社会主義はやっぱり優越しているのであり、党の幹部の絶対多数は(もう以前のように”95%”と言わなくなりましたね)清廉潔白だ、とだから制度の自信、路線の自信、理論の自信はすべてオッケーなのである、ということになります。「国外勢力」という雑巾バケツがあれば、国内の経済が悪化しようと、不動産バブルが大きくなりすぎようが、環境汚染がすすもうが ぜんぶ、「外国勢力」に押し付けて、いかなる党や政府への批判もすべて「国外勢力が共産党政権を転覆させようという陰謀」ということにしてしまうことができます。

    ただ、グローバル化のすすむ今日『国外勢力」は実際、存在しない所などないので、防ごうとしても防げるものではありません。もっとも徹底しようというのなら毛沢東時代の鎖国状態に戻るしかありません。そうすれば中国の一般庶民は世界の3分の2の人民派みな塗炭の苦しみの中で暮らしており、まさに中国人民が彼らを解放し救う日をまっているのだ、と信じる事ができるようになるでしょう。(終)

    拙速御免。
    原文は「境外势力在中国政治中的前世今生(2):政权颠覆者」http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-20140629/1947430.html

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