• 中国のダーティマネーは何処へ?

    by  • July 23, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年7月14日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/rsOfc

    去年の腐敗撲滅運動以来、億元単位を追徴されたダーティマネーは巨額になります。政府はそれが何処へ行くのか説明しないので、「和珅(清代の大汚職官僚)がころぶと、嘉慶帝がオイシイ思い」(「腐敗大官僚が倒れると皇帝がその財産を没収する」)という話が近頃よく人口に膾炙しています。「法制時報」7月14日の「最近の腐敗官僚の失脚でその財産は何処へ行く」はこの疑問の一部に回答したものですが、ただ、きわめて不十分です。

    《「追徴金」と「腐敗ブラック指数」の関係》

    高等検察庁の報告によると、2013年に摘発された横領、賄賂、使い込みされた100万元(1600万円)以上の事件は2581件で追徴された金額は101.4億元(1622億円)です。それ以前の5年間の合計は553億元(8848億円)追徴・没収されたダーティマネーの行く先についてこの記者のえた回答は「ふたつあってひとつは被害者に返却か国庫に。横領事件は被害をうけた団体・企業があるので返却、賄賂は国庫におさめ再分配する」とのことです。

    2009年2月、高等検察事務局統計局の芦慶輝は検察機関によるダーティマネーの処分を4種にわけ、押収・凍結、返還、移送、国庫納入としました。2010年5月に「検察押収・凍結事件の資金の取り扱い規定」ができてからはそれに基づき処理されるとのことです。しかし中国の政治は透明化公開化されておらず、国民はこのふたつの報告からいくつかの大雑把な数字を知ることができるだけで、詳細はまったくわからないままです。

    前述の553億元にしたところで、5年内に追跡回収された一部のダーティマネーだけで、この種の腐敗事件のかかわりはこの値よりはるかに大きいでしょうし、多くのダーティマネーは追跡回収は困難です。でもたったひとつの数字でもこの5年が中国の億元(16億円)級の巨大な汚職が頻出するようになった5年だということはわかります。

    一部の連中は5年もかからず巨額の冨を荒稼ぎしています。例えば2009年8月からフフホトの鉄道局長になった馬俊飛は職務権限を使って22か月以内に合計1.3億元の賄賂を受け取りました。ほとんど毎日賄賂を受け取っていた計算です。国家エネルギー局の石炭担当副司長の魏鹏遠は家の中から億を超す賄賂が発見されましたが2009年以来の稼ぎでした。

    どこの国でも見つかった賄賂というのはほんの氷山の一角です。残りを推定するのに「ブラック係数」というのがあって、中国の研究者は約80~95%と見積もっています。つまりバレて見つかる確率は5~20%に過ぎません。この計算だと腐敗の送料は2600億元から一兆元の間(*4兆1600億円から16兆円)になります。実際の腐敗の数を計算すれば数字はさらに巨大なものになるでしょう。

    《中国の金銭は何処へ流れる?》

    汚職官僚達は様々な手口で財産を築きます。国内では多くが不動産にします。この例は数多く何十戸も百にのぼるマンションを所有する「マンション一家」のは既に沢山報道されています。役人はふつう数戸のマンションをもち周永康(第17期中国共産党中央政治局常務委員、中国共産党中央政法委員会書記、中国共産党中央治安綜合治理委員会主任。党内序列は第9位で失脚といわれる。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%B0%B8%E5%BA%B7 )や劉志軍(前鉄道部部長、汚職で党籍剥奪処分 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%89%E5%BF%97%E8%BB%8D)はふたりとも300戸以上の(多くが豪華な)マンションを持っていました。お金が多すぎて多くの汚職官僚にとってはどう隠すかが悩みのタネで、その隠匿方法は連中の”創造性”の豊かさをみせつけます。しかしこうして国内にダーティマネーを溜め込んでいるのは「鍋のなかで肉を腐らせる」ようなもんで、いったんコトが露見するとその幾分か、あるいは大部分が追徴されますが、国境を越えて持ち出せればそう簡単にはつかまりません。

    汚職役人の国外の資産の全貌を明らかにするのは当然不可能ですが、大体の数字を御参考まで。

    ▲1;「中国オフショア金融の秘密」報告(2014)は「中国の法律は公務員の個人財産を公開する規定が無い。 権力貴族達はparallel economyを利用して税金逃れや秘密取引を行っている。統計によれば2000年以来、海外に流出した資金は少なくとも1兆元(16兆円)からおそらくは4兆元(64兆円)にのぼるとみられるが具体的経路は追跡は困難。

    ▲2;Global Financial Integrity が2012年12月に発表した「違法資金外国流出レポート」によれば2000-2011年の間に中国の脱税、汚職、犯罪などの違法海外流失資金は3.79兆米ドル(23.6兆元/377兆円)にものぼります。これは発展途上国の違法海外流出資金の全額の半分を占め、流出ナンバーワン国家です。その流れは主に香港や、バージン諸島、ケイマン諸島、サモア、モーリシャス、バルバドス、バミューダ、バハマ群島、ブルネイ、マーシャル群島などの脱税天国へむかい、クリーニングされた後、中国に回流しています。(筆者の「人民日報の『10大外資来源地』の秘密」 http://heqinglian.net/2013/09/16/fake-fdi-japanese/ 参照)

    ▲3;香港は中国のマネーロンダリングの”裏庭”で毎年、少なくとも1兆元(16兆円)が”洗濯”されます。専門家は香港を「内外混合型」または「内外一体型」のオフショアセンターだとしています。それは政策がゆるく、香港がホットマネー、グレーマネー、ブラックマネーの集中ポイントだからです。データによると中国本土から毎年香港にながれこむその種の金は香港のGDP総額の1割以上になります。その大部分は大陸からです。「第一財経日報」の「香港のマネーロンダリングの6つの門」に引用されているマネロン研究専門家の厳立新の試算ではGDPの2%ー低めの見積もりーでも中国の”洗濯金額”は毎年1兆元を下らず、その相当部分が香港か香港から中国に戻ります。

    ▲4;米国での不動産買い;米国の全国不動産経営者協会は数日前に、去年外国人が米国で購入した住宅は35%にもなり、契約成立金額は922億米ドル(9兆2200億円)になるが、その購入者のトップは中国人だと。データに依れば今年3月末までの12か月で中国人の買い主の契約総額は220億米ドル(2兆2000億円)にものぼり、外国人購買者の25%を占め、去年の同期より128億㌦、19%も増えた、とのことです。

    ▲5;国内銀行も移民を通じてマネーロンダリング;最近の中央テレビで暴露された中国銀行がブラックマネーをクリーニングしているというニュースがながれました。(*参考;http://urx.nu/aagY)これは中国人の外貨持ち出しが年間5万米ドルに制限されているため、時には数十万から数百万㌦の投資移民をするには中国銀行にいくしかなかったわけです。同銀は優待費用として手数料を1000分の3〜4をとっていました。銀行のセールスマンは客に「金がブラックであろうと心配はいりません。銀行には真っ白にして安全に国外に持ち出せます」と説明していたといわれます。中国科学院のある報告によるとこの3年、中国から海外への移民は20万人ちかく特に海外投資移民の数が急速に増えています。欧米に移民する場合、投資移民は時には数十万から数百万㌦が必要です。この数字を元に計算すればこの項目で海外に流出する資金額も少なく無いことがわかります。

    貴顕人士達のマネーロンダリングの腕前はそれぞれに御見事ですが、ただ地域や部門によって差があります。香港の明報が今年2月20日に報道した徐才厚(*党籍剥奪された中央軍事委員会の前副主席)の親戚の趙丹娜は香港で8つの口座で100億香港ドル(*7億7000万円)をマネーロンダリングしましたが香港当局にみつかり拘束され(半年後に保釈金を積んで釈放されたあと逃亡)ましたがこうしたケースは大変珍しく、これは軍隊の腐敗人士はマネーロンダリングの方面でははるかに財経外国貿易等の経済関係の官僚や沿海地区の役人に及ばないということをあらわしています。沿海発達地域なら村長クラスでもとっくに妻や子女を香港に住まわせています。

    これらの海外に流出したお金のおおくは環境生態の悪化と土地価格の高騰の引き換えによって齎されたもので(この十年間の地価値上がりは他国の60〜100年より早いのです)す。また中国の腐敗構造はピラミッド型ではなく長方形です。地方の省や本省の上野連中は億もかせげるか、数千万なら少ない方。小さな村の村長でも書記でも全部ではなくても億を越すものも結構います。これほど多くの腐敗役人がいて、その多くが職階は別に高いわけではないとなると海外に名前を変えて居住するのは比較的容易です。将来中国が民主化されたとしても政治局常務委員クラス以上は別として、大部分の腐敗役人はみな深い穴蔵の闇の中に姿を消してしまうことでしょう。(終)

    拙速御免。
    原文は;中国腐败赃款的流向 http://www.voachinese.com/content/heqinglian-20140714/1957483.html

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