• 信誉ー5大会計事務所は中国の「砂金掬い」の抵当 ⑵

    by  • August 8, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年7月30日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/lZVfc

    ▼5大会計事務所は「魂を売り渡した」のか?▼

    「五大」の中国系ホワイトカラー社員は必ずや中国企業の会計帳簿の問題点を発見したでしょう。しかしその選択は上司とともに「米国の関連法律規定をどうやって誤摩化すか」でした。その「包装」を提供することが五代会計事務所のビジネスの秘密で、かつ彼らがいままで絶対に守り続けて来た最後の防衛線だったのです。「五大」ははっきりと自分等の客は「外観は金でも中味はボロ」と知っていました。

    これはErnst & Yongが2006年に中国銀行の不良債権問題のデータ発表で曖昧に前言を翻した例があります。2006年5月25日は中国銀行が海外上場を予定していた日で、Ernst & Yongは5月4日に年度報告を出しました。それには、中国銀行の不良貸し付け残高が9119億米ドル以上とあり、中国政府の厳重な抗議を招きました。Ernst & Yongの主席運営官・ポール・オーストリングはこの抗議のあった報告についての内部調査を命じ、かつ中国の4大銀行の不良債権は「事実に欠け、データが間違っていた」としかつ発表には正規の手続きをふんでいなかった、といいました。このちょっと前にスイス銀行(UBS)の報告中にもやはり中国の不良債権が記述されておりそれはErnst & Yongの数字と大差のないものでした。

    スイス銀行の頭取でアジア主席経済学者のジョナサン・アンダーセンは公開で中国銀行は過去15年に8500億米ドルの不良貸し付けをおこない、それは前貸付額の4割に上ると明らかにしていたのです。

    北京はスイス銀行とはことを構えようとはせずErnst & Yongにはねじ込んだのですが、そのわけは簡単でした。Ernst & Yongは中国政府に”脛の傷の弱み”を知られていたからです。それはこの報告とErnst & Yongが中国工商銀行に対しておこなった検査結果との自己矛盾でした。2005年ごろのニュースを調べてみるとわかりますが、当時の中国の国有銀行はみなウォール街で上場する計画をたてていました。で、それぞれが米国の会計事務所を招いて国有銀行の財務審査をさせていたのです。

    Ernst & Yongはまさに中国工商銀行の会計監査を行っていたのでした。このプロジェクトをうけおっていたため苦境に陥りました。もし今回の不良債権報告を本当だというのなら、では中国工商銀行などいくつかの銀行に対しておこなった審査は噓だったのか?ということになり職業的名声と信用はガタ落ちになる危険がありました。もし前の会計監査が間違いないものだというと、それならこんどの不良債権の話の真実性は疑わしい、ということになります。相反する利害のどちらをとるかでErnst & Yongはしかたなく自分の損害が少ない方を選びました。つまり中国銀行の不良債権の報告を撤回したのです。

    これによる信用の損失はかなり巨大なものでした。これ以前にErnst & Yongは何千にものぼるレポートをだし、その内容への評価も高いものでした。しかし今回のレポートでだした結論、とくに中国の不良債権の独立諮問機関(同じ「五大」のPricewaterhouse Coopersも参加)が出した結論が違ってなかったのでした。英国のファイナンシャルタイムズは5月16日、「Ernst & Yongは独立性の重要さをわかっているのか?」という記事で「Microsoftやグーグルはすでに中国で『魂を売る契約』にサインした。もしコンサルタント企業が同様の契約をやむをえずするというのならきわめて遺憾である」と書きました。Ernst & Yongは2006年のピンチはきりぬけましたが、しかし2012年になって米国証券監査会からの告発をうける羽目になりました。(http://urx.nu/azL1

    ▼中米両国の法律の違いが問題か、中国企業が故意に詐欺を働いたのか?▼

    情報がもともと不透明な中国では様々な安全上の理由をつけて透明化を拒否していますが、今回の理由は中国の法律の規定で会計検査の元になる資料を出す事ができない、です。中国側には中国と五大側を弁護して「これは両国の法律の食い違いの問題だ」といいます。この理由はまったく無理矢理つけたもので、中国の企業が米国で上場しようというのですから当然、米国の法律を遵守するべきなのです。

    2004年、中国の国有銀行である建設、工商量銀行が夢の150億米ドル規模の上場を行おうとしました。しかし一年以上の広報活動と胡錦濤、温家宝自ら出馬しての米国銀行から好感を得ようとするなどのロビー活動で路線を整備しましたが、最終的には全米証券業協会の基準を満たせず上場を果たせませんでした。

    2005年8月11日の米国で開かれた中国企業の米国での資金集めに関する公聴会を私は覚えていますが、当時の証言者の発言からみると中国企業の会計業務監査に関わる弁護士たちは中国の国有銀行が米国証券業界の基準を満たしていない事ははっきり知っていました。メリルリンチ証券の前経済部長は「米国は市場の識別能力を信頼すべきで、中国の国有銀行の米国上場を特別に制限するな」と言いましたし米国サリバン&クロンウェル法律事務所の共同経営者ドラメーターは多くの中国企業の上場業務を担当した経験に基づき「自分は米国が中国に過度の要求をつきつけることは米国資本市場にとって吸引力を失うだろう」と述べました。

    「特別制限」にせよ「カドの要求」にせよ実はSarbanes-Oxley Actのことを指しているのです。エンロンやワールドコム等の財務詐欺事件の発生後、米国議会は2002年にこの方案を通貨させ当時は3年ぐらいたっていました。この2人の本当に言いたい事は実は米国企業の中国における利益のために基準を引き下げてほしい、Sarbanes-Oxley Act以外に中国企業のために特別の道を与えて欲しいというものでした。

    中国国有銀行がいまや地方債の泥沼に陥っていることをみれば、そのとき米国証券監査会が標準を引き下げず、中国建国銀行と商工銀行の上場を批准しなかったことは賢明な決定であったといえます。さもなくば米国の株式市場は中国国有銀行が不良債権を転嫁し、金融危機を招く一番結構な場所になっていたことでしょう。

    現在の問題は米国資本市場の安全のためには、「五大」が中国企業会計の財務詐欺に関わっている疑いという点で妥協すべきか否かということです。中国側はおそらく絶対に会計審査の元データを出さないでしょう。なぜなら元データをだしたところで、証明出来るのは中国と「五大」がグルになってインチキしていたという事であって、当事者達が誠実だった、という証明にはまったくならないからです。

    そしてそれは中国企業の不誠実が証明されると米国から中国企業が米国市場に上場できなくされて困るからという理由よりも、自分達(政府と中国企業)にフリーハンドの余地を残しておいて、中国企業の財務詐欺行為を証明できないようにしたほうが割に会うということでしょう。これに関して五大会計事務所の腹づもりはいわずもがなで、この一点で北京と利益が一致するのです。

    米国側の選択肢は実は多くありません。一時的な”中国利益”のために監督をゆるめるのならば五大の違法行為を追求することはできません。もし原則を堅持するなら、インチキした連中をもって今後の戒めにはなるでしょう。米国にとって利益と原則でどちらかを選ばざるを得ない時、国家の信用を大事にしたいという圧力がありますが、反対に、各種の中国投資をおこなっている方面からの圧力にも直面しています。

    もし五大会計事務所の財務詐欺容疑が懲罰を受けないならば、これはすべての外資仲介業者に対して「米国での詐欺は元手がすくなくていいよ、いらっしゃい、ここは”冒険家の楽園”だよ」というのと同然になります。(終)

    拙訳御免。
    何清漣氏の原題は「信誉—“五大”在中国淘金的质押品(二)」http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-credit-collateral/1755394.html

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