• 中国中央テレビ( 中国中央電視台=China Central Television)にみるメディア腐敗の根源

    by  • August 24, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年8月9日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/t9dgc

    北京の腐敗撲滅に力が入るにつれて中国官製メディアの重鎮CCTVでは前中央テレビの腐敗が生まれる根源を分析して中国メディア業の現状を理解する一助にしたいとおもいます。

    《CCTVはどうして職権利用金儲けの雄になったか?》

    中国のメディアの職権を利用して金儲けができるのは結局のところ中国の今の政治制度から生まれてくるものです。人類社会には4種類の権力があります。政治、経済、軍事、文化(宗教)ですが、その地位は政治体制によって違います。軍事が政治に属する以外、経済、文化権力はそれぞれ独立性をもっています。しかし中国ではすべてが政治権力からひとしくコントロールされており、政権が”皮”だとするならその上に生えた”毛”のようなものです。

    《中央テレビの特殊性はどこからきたか》

    CCTVは官側メディアのピラミッドの頂上に位置します。中国のメディアは一種独特の等級別構造です。つまり共産党の人事管理部門が行政的にランク付けするのです。商業メディアが登場する以前は中国メディアの権威は大衆からの信頼によってではなく、行政権力によるクラス分けで決まりました。商業メディアが登場してから大衆の信頼も大衆が選ぶ際の評価の一つの指標にはなりましたがそれは政府側の指標ではありません。

    CCTVは中央の第一級メディアですから中央の第一級の権力のコントロール下にあります。これがかつて看板番組だった「焦点訪談」が地方のブラックな部分を暴く事ができた理由です。クラスが上で全国放送でその伝達力も地方のテレビ局に比べて大きいのでその番組は貴重な”資源”だったのです。

    次に中国メディアの管理体制は政府の強い管理下にありながら半商業化しています。政府の強い管理はメディアの立場を「政府の喉声」にするわけで、いかなるメディアもいささかも自主的な政治発言する余地などありません。しかし一方で半商業化することによって政治以外の経済・社会番組は相対的な自主性を持つことができます。それがCCTVに職権を利用して荒稼ぎをする余地を与えたのです。「人民日報」などの紙メディアと違って可視性と娯楽性があるためにより人々に受け入れられやすいわけです。かくてCCTVは官製メディアとしての職権利用金儲けの大立て者となりました。

    自分の職務権限を利用して自分のために儲ける、というのは中国政治・官僚世界に普遍的にみられるいわば”潜在ルール”ですから、絶対多数の官僚はみな実権を利用して家族子弟の経営する企業に儲けさせるのです。芮成钢(rui・cheng gang、勾留された人気アナウンサー)事件は中国のメディア業と権力の来現、その講師の方法と中国政府機構が高度の同一構造を持っている事がわかります。

    中央政府のトップ権力から以外、CCTVはいかなる制約も受けません。地方の大役人でもおべっかをつかいます。もしある地方に不利な報道を行えば、通常その地方の幹部が頭を下げて「ご理解を」とやったきます。「ご理解」はもちろんタダではありません。

    西側メディアには職業道徳の枠ぐみがあって、法律的なきまり以外にきわめて強い業界の自律があり、中国メディアの政治的自律とはまったく違うもので、職業的節操による自律で完全に記者の職業に対する誇りとニュース協会のきまりに由来します。西側のニュース業界の協会は政府組織ではありませんし、業界内部の道徳と社会との紛糾を処理する責任を負い、その根本の主旨は業界の自律を通じてニュース業従事者の社会的責任、道徳的責任を喚起し業界の尊厳と名誉良好な社会的印象を守ろうとするものです。

    そのうちの米国ニュース業界の「社会責任論」は称賛に値します。その理論の主張はニュース業界はニュースの自由と権利と同時に必ずやそれに相応しい社会的責任と道徳を持つべきでニュースの伝達は社会の政治制度、経済制度及び市民の個人的な法で定められた自由の権利に対して責任を負うべきであるというものです。

    中国のニュース業協会は名こそ違いますが政府の組織であり、基本的に社会と道徳の責任には注目せずただ政府の命令のままに従い、政府が発言するには都合が悪い時にだけ非政府組織のような顔をして登場します。ですから中国メディアに対しての拘束力はメディアを管轄する権力部門以外、業界内の職業団体の誇りとか名誉とか自律する制約はほとんどありません。これが中国メディアが至る所で報道の権利を用いてお金儲けをするにいたる原因です。

    《中央テレビはなぜ高官のハーレムになったのか?》

    中央テレビが公衆の関心をあつめるもう一つの特殊な理由は近年多くの女子アナと高官の醜聞が頻繁に伝えられるからです。これには権力をほしいままにする中国官僚が権力を利用して一切のすぐれた”リソース”を独占するという要素のほかに、人類社会のならい性となった理由が背後にあります。犯罪経済学者のベックは婚姻経済学の法則をこう位置づけました。

    まず第一に婚姻マーケットでは男のリソースは地位と財産で年齢とともにどんどん増えるが、女の方は年齢が増えるに従って減少する。だから中年以後、男は「成功率の高い求める側」になる。
    第二に結婚の対象を選ぶ上で男は主に女の外貌を重視するため、自分より若い対象を選ぼうとする傾向がある。女は男の地位、財産、才能を重視するので自分より年上の対象を求める傾向が有る。この法則は中国のハイエンド・マーケットでも同じです。

    つまり相対的に安定している役人や金持ちは婚姻以外の浮気の対象を捜す”マーケット”においてもおなじ事なのです。中国のテレビ業界の従業員の外貌と年齢に対する要求は西側国家よりはるかに厳しいものです。その結果、中央テレビの女性アナはおおくが若い美人で、婚姻やハイエンドの”マーケット”ではきわめて優位性を持ち、大勢の視聴者に知られる様になった後は簡単に大勢の男性がとりまいてちやほやされる対象になりえます。そして実権を握る高官側は地位をかさにきて弱いものイジメをして言う事をきかせようとします。中国のメディア業界は本来的に「皮にくっついた毛」のようなものですから。こうした権力をもって”優良な資源”を獲得する上での有利な立場によって多くの中央テレビの女子アナはハイエンド・マーケットの供給側になることを強いられます。

    海外の中文ネット文学に元中央テレビ女性記者だった女性が「方到佳境」の筆名で登場し、「同僚の王ちゃんが語った中央テレビの女」(2014年3月26日)を書きました。中央テレビで普通の女性が高級娼婦になることを迫られる経験を描いたものです。多くの理想に燃えて職業への情熱もあった誇り高い女性達が各種の圧力の下で「官娼」になることを強いられるかを描いています。作者も入社当時はニュースキャスターへの理想をもっていたのですが、色々なメディア界の黒幕や、周囲の女性の同僚が各種の権力や金力と取引のなかで一歩一歩堕落して、さいごに「お金と物欲しか無い存在」になっていくのをまのあたりにしたのでした。

    作者はこのブラックな職場環境を嘆いて「女性には二つしか選択がない。自分の最低線を放棄するか、さもなくば退職するか。自分はスタイル、顔、気持ち、度胸の揃った”花瓶の花”にもなれないし、かといって無節操の臆面もない女にもなれなかった」と述べています。その結果、四年間努めて中央テレビ職を辞すことを選びました。作者は「みんなが女性の賢、徳、忠、貞を評価するように、この畸形社会と、そのルールをきめる男たちをも評価するようにならないものか?」と書いています。女性が懸命に努力して有名になると「それなら自分のものにして、自分の地位をみせつける飾りにしてやろう」とおもう男たちがいるのです。この元女性記者が書いているのはつまりは周永康が中央テレビに何人も情婦をもてたことの原因についてです。

    地位を利用して中央テレビで色欲を満足させている政府高官は当然、周永康だけではありませんし、他の高官連中は依然としてその地位にいますから、その愛人達もみせしめに衆目にさらされることはありません。

    民主化は報道の自由から始まります。しかし中国のニュース業界が今の様に様々な取引材料にされ、有償で掲載されるニュースが腐敗の頻発する地のいたるところにあり、無原則に私利を漁る人々に満ち満ちているようでは社会がモデルチェンジしようとするときの監督役はつとまりません。

    もし今後、中国が幸いにして民主化するようなことがあったとしてもメディアは自ら職業道徳を打ちたて浄化するという過程を必要とするでしょう。社会的責任感が深刻に欠如しているニュース業界はメディア業を社会監督責任を果たすものにする力は無く、社会の危険をみつめる”第四勢力”になる術はありません。(終)

    拙訳御免。
    何清漣さんの原文は;从央视看中国媒体腐败根源何在 http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-20140808/2407727.html

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