• 国営企業改革;官民双方が弾くソロバン 

    by  • September 10, 2014 • 日文文章 • 2 Comments

    何清漣

    2014年9月06日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/iwugc

    中国経済のメインテーマは最近「国営企業改革」に変わりました。内部文件はすでに下部の地方政府や大学に伝達されたといわれます。改革理由は中央企業を利益集団や官僚達の「うまい汁ATM」にさせないことです。現在すでに20の省で国営企業改革方案が実行段階ともいわれます。しかし改革への共通認識がまだ出来ておらず9月に予定されていた「国有企業改革の指導意見」と「公有性実現の形式に対する指導意見」は発表が来年に延期されました。

    《内容が曖昧模糊とした”混合所有制”》

    中国国営企業の私有化の原動力は、実は借金です。ファイナンシャルタイムズが8月12日に発表した「中国、第二次国営企業私有化を提起」には世界銀行前中国局長のデビッド・ドラーの言い方だと「地方政府の債務問題は私有化の重要な推進力」ということになります。実は地方政府ばかりか国営企業もどっちもどっちのような状態です。

    「高速鉄道」を例にとれば、鉄道部財務報によれば2006年から2012年度で純資産は8623億元から15378億元に1.8倍増加しましたが、負債額も6401億元から24298元、3.8倍に増加。とりわけ2008年から2011年に大々的に高速鉄道を建設した期間は総負債の毎年の負債増加率は41%にも及びました。国営紀要、とりわけ中央の寡占独占型はかって朱鎔基が「大産業は国営で、小さいのは民間に解放する」という方針の下で 国営企業を中共の「経済命脈」として改組して残し、「中華人民共和国の長男」と位置づけ資源を独占させ、政策で援助し、銀行の貸し付けも独占的に特権を与え惜しむ事無く政府が優遇しました。さらに高級幹部連の経営責任を強めるために「経営者特別持ち株」まで与えました。しかし国営企業はさっぱり頑張らず、最初にのべた腐敗問題のほかにも、GDPからも、就職口という点からも、投資も、税収も、利潤もすべて「庶子」の民営企業に大差をつけられました。

    2012年の「中国民営企業調査報告」によると中国の民営企業の生み出すGDP比は改革開放初期の1%から60%以上に発展しており、66%〜74.9%という人もいます。2011年、民間企業の提供した就職口は2.35億人で都市・農村の全就業人口の国営企業はわずかに8.8%です。民間企業の税収貢献も一定規模以上の企業の3分の1以上です。付加価値税では民営工業企業の税収に対する貢献度では約半分です。国有と国有持ち株会社、外国、香港マカオ投資企業の利潤は依然として下降しておりそれぞれ5.1%と4.1%です。ですからある論者は民営企業はすでに争う余地無く中国国民経済の最大の功労者であり民間企業の発展は国家の命運にかかわることだといいます。

    以上の理由で、一部には今回の国営企業改革の目標は「国営企業を減らし、民営企業を増やす」ものだと思っています。しかし中国政府の発表した方針と関連部門の政府官僚の談話からするとそうではなく、重点は「混合所有制」推進にあります。民間企業に国営企業の株をもたせるといってもいったいどこまで持たせるのか、民間企業に対して「発言権」を与えるのか否かについてもいまだにハッキリした説明はありません。

    《民間企業側は国営企業改革をどうみているか》

    政府側からみるとこのオイシイ部分を民間企業に分け与えてやる、という感じなんですがしかし民間企業からは余り感謝の念はないようです。「混合所有制」に対する中国内メディアの記事をみると民営企業側の反応は「ボタモチ派」と「落とし穴派」に分かれるようです。「ボタモチ派」は昔は参入出来なかった業界にやっと入れるチャンスだと。しかし私が調べたところではこうした反応を示す民営企業家はどうもみあたりませんでした。

    一方「落とし穴派」はうっかり進出しようものなら梁山泊の英雄達が最後に権力側に懐柔されていいように使われたと同様の羽目になるか、さらにわるければ「二階にあげられてハシゴを外されて」酷い目にあいかねないとみているようです。代表的な大企業トップの話をみてみると、杭州のワハハ集団の総帥の宗慶後はずっと中共支持者ですが、しかし今回の国営企業改革には独自の見方をしています。

    9月2日から3日行われた中国ベスト500企業フォーラムで宗は「国営紀要改革と全員持ち株」のテーマで講演し混合所有制については現在、実験ケースとして少量の株式を民営資本に譲るというのは「実際、民営資本もそんな馬鹿じゃない。高いカネでちょっとばかりの国営企業の株で進出したって発言権もない、決定権も無いじゃ国営企業を帰る事はできない」と。彼は中央企業と言う大皿には民営企業の資本は事実上進出しても何の力にもなりえないし、最後はまた外国資金が国営企業の株式を買い占め、国営企業が外国資本にコントロールされる可能性がある」といいました。

    新浪財経は中国富豪番付トップの万達グループの総帥・王健林にインタビューし、王は「もし混合というのなら民営資本が多数派か、少なくとも相対的に多数でなければ」「もし国営側が株を多く持つなら我々民営企業の銭で国営を助けるだけ。俺の頭が狂ってなきゃできるわけがない」といいました。

    20以上の国営企業改革に参与した復星集団の理事長・郭広昌は以上の2人よりは婉曲な言い方ですが実質的には同じ事を言います。今年4月25日、清華大学経済管理学院30周年記念講演で自分の経験が「小株主として進出してはならない」として「管理権がないならもともとの国有体制と何も変わらない。それじゃ最初からなんにもならない」「大変ハッキリしてる事は混合所有制は経営管理方式で民営企業や市場動向が方向を決められない、民間企業が決められないなら考慮の価値はない」と述べています。

    《勝手な思惑で”結婚”は無理》

    20世紀の90年代から今世紀はじめの国営企業改革は国営企業のトップや関係者が「改革」を口実に暴利を貪りました。その教訓によって今も多くの人々が国営企業改革でおきかねない心配をしており、それがおきるのは「3つの優良」部分だと懸念しています。それは「優良企業・優良資産・優良事業内容」です。そのうち国有資産の流失は4つのポイントがあり潜在利益・資産評価・同業との競争と内輪の取引、わざと価格を低く見積もって売買するというのは広く知られていますし、秘密取引も多種多様です。

    国営企業の重役達は「混合所有」に対して手前勝手な計算を弾いています。最も重要なのは自分達の権力がその後も傷つかないかどうか、です。中国建材はかつて2008年に南方セメントと合併し、民間企業の株主が結構入り込みましたが、それらは「みんな国営の”金のある農民工”になっちまった」といわれ「それが国営が退き、民営が進む」という意味といわれいまだにトラブルが絶えません。

    いま中国建材は混合所有制のモデルケースとして国有資産監督管理委員会の4つの改革テストケースの一つとなりその理事長である宗志平は自ら「改革の老雄」とし中国建材の歴史は「国民とおともに企業の構造調整をおこなった話」として、その言い方は大変、共産党中央の精神と一致しています。それは「混合所有制企業と国営、民営と三本の鼎の足にたとえて、何処が優越するとか、どちらがどちらから奪うとか、誰が誰に呑み込まれるとかはない。今後所有制が強調するのは異なった所有制が互いに株をもち相互に融和し、国有、民営ともに株主のために存在し、すべて司法の下に紀律正しく運営され各自の合法的利益は『神聖不可侵」であるというものです。国営企業は規範をもった管理や規模の長所があり、民間資本には機動性や高いモチベーション、企業家精神があり、二者が融合することで補い合い混合所有制企業の競争力を強大化する」というのです。

    たとえそうだとしても、この宗志平にも不満はあるようです。彼は中国建材の重役会議でもつねに何億という金をもった民営企業の社長と、市場化で招聘されたプロの経営者と伝統的国営企業の代表があつまると、みな重役ではあっても各自の収入の差がすごく激しくて民間企業の社長は株の権利、プロの経営者は市場化された高給取りで、伝統的国営企業の幹部は政府が決めた給料しかもらえず、長期的にみたらこの距離の差は企業の発展にとって不利である、としています。

    今回の国営企業改革では国有銀行や国営企業の高級管理職のサラリーの減額は既定目標ですが、宋志平の考え方はこれと真っ向からぶつかります。重役連のサラリーという改革の中では比較的簡単なはずの事でも共通認識到達が困難だということひとつで、ほかのことがどうなるかは想像がつくというものです。ところで民間の経営者の発言をさきほど書きましたがそれはすでに一部の人々の反発を招いています。

    人民ネットの「強国論スレッド」には「李克强が苦労してるのに民間企業の資本家どもはどん欲過ぎる」という一文があり、こうした反発を代表しています。作者はどうも民間企業が儲けたお金で国営企業の株をかって助けるのは当たり前の事だと信じているようで万達の王健林らはカゲキ派で、本来のカシコイやり方とは「舞台上では官資本と民資本を対立させずみな私有化で統一戦線を組み(ただし自分達官資本の主導で)、舞台裏では技術と管理の核心を混合し、体制外の民間資本を圧倒する(当然、自分達が指導し)というようなことを考えているようです。この種の民間資本と不和にならないようにしながら、t自分の戦略レールの上にひっぱりこんで自分達でもっと合理的な漸進式の民営化の道を探る、これぞオトナの智慧であるという考え方です。

    このような「オトナの智慧満載」で民間企業を国営企業改革にひっぱりこむ計算はおそらく、片方を無理矢理縛り付けて一緒にしないと「結婚」には至らないでしょう。もし権力が介入しなければ、民間企業が純粋に投資効果だけを考えて、自主性まかせるという原則でしたら、「ボタモチ派」のひとだってその大半は「自主的に」参加などしますまい。(終)

    拙訳御免。
    原文は;国企改革:官方民企各有盘算 http://urx.nu/bJNx

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