• 1992年と2014年の官僚の「下海」の理由の違い

    by  • September 27, 2014 • 日文文章 • 8 Comments

    何清漣

    2014年9月11日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

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    中国の官僚が私企業に流れるというニュースがウォール街ジャーナルの2014年9月5日の 「中国役人が次々に私企業に」という記事になり、またしても世界の注目を集めています。私は1992年の鄧小平南巡後の官僚の民間進出を体験した1人として、今回の”下海ブーム”は完全に理由が違うと思っています。1992年のは「前向き」でしたが、2014年のキーワードは「避難」です。

    《1992年の”下海”は体制の外へ発展を求めた》

    1992年の鄧小平南巡後の官僚の”下海”は前向きにチャンスをつかむ動きでした。しかしそれは全国民的なブームの中のひとつの力にすぎませんでした。当時はまさに中共政権発足以来、最も重要な思想解放の時代で、社会の全てのメンバーが商品経済に向かって堂々とおおっぴらに財富を求める事がはじめて許された時代だったのです。

    深圳では当時、真っ先に証券取引所が作られ国営、民営企業は株式会社になろうとして、土地の確保などにも大忙しで、これら全てにおいて一部の官僚達の手を借りなければなりませんでした。例えば株を上場したければ国家体改委や人民銀行など多くの部門の同意がなくては上場基準を達成できませんでしたし、土地にしても国土部門のひとつひとつに許可を求め、ひとつでも足りなければダメでした。こうした事情から「下海」した政府内部の事情に詳しい元官僚はなにかにつけ企業にとっては便利だったわけです。

    当然そういった人々は優遇されました。あのころちょっとどこかの会議で見かけたひとをこのごろ見なくなったな、とおもっていたらいつのまにかクルマに乗って、当時「兄貴分の大兄貴」といわれた貴重なケータイをもってたりしました。私が道を歩いていると、クルマから顔を出して「どこいくの?乗せてってやるよ」と声をかけて来て、やっと彼らが「下海」して「有車階級」になったんだとわかったものでした。とはいえ、こうした下海官僚のなかで少数の経営がわかる人以外の大多数は企業にとって「使い捨て」の価値しかありませんでした。その後はみなが順調というわけではなく、こうして資本を貯めた自分で起業したひともいれば、もっぱら株で資産を殖やす道を選んだひともいました。

    1992年の統計では全国で少なくとも10万人の共産党幹部達が「下海」してビジネス界に進出し、失敗した人は消え去り、成功したごく少数はビジネスエリートになりました。万通グループ理事長の冯仑は国家体育改革委員会所長の地位を捨て下海し、陈东升は国務院発展センター副所長級の地位をすて嘉德オークションや泰康保険を創設して「92年組企業家」の代表的人物になりました。

    《「やむを得ず下海」組もいた》

    役人の中にはある種の事情に迫られてしかたなく「下海」組もいました。つまり「下海させられた」派です。国土、建設局や人民銀行金融処、体制改革委員会といった企業の株上場批准許可関係の部門といった政府部門はビジネス界からうまい汁を吸うオオモノがズラリといて、役人達はビジネス界と親しくお付き合いするのが大好きな場所です。役人達はつねに一杯やりながら、企業側にどの政府部門とお付き合いをして、誰と”仲良し”になればよいか、とかどんな賄賂の贈り方が一番効果が有るかなどを指導したものです。

    こうした役人達は自分の値打ちが役所にいるからこそ企業にとって大事な存在なのだ、ということを十二分に認識しておりました。役所を辞めたらたちまち自分等の値打ちはゼロだと。ですから、こうした人々が「下海」するというのはまったく「下海させられる」わけです。たとえば深圳市の体制改革委のある責任者は「あまりにもいろいろな風聞がありすぎた」ために、深圳市常委は期限を切って本人に離職を迫りその離職の理由は公開せず、醜聞がそれ以上広がらない様にして多くの他の連中の身の安全を図りました。

    また深圳市の国土局は1990年に法律局と事務局以外のすべての主任クラスを3ヶ月の期限を切って自分達で次の職場を探させて総入れ替えしました。その時の説明は「こうするのは上が君等を大事にしているからで、汚職がバレる前に自分で将来の可能性を捜す様に」というものでした。国土局のオオモノ小物の役人達は四方八方ツテをたどって再就職の道をさがしましたが、権力を失った役人など雇ってやろうという企業はほとんど無く、様々な理由で婉曲に断られてしまいました。私の良く知っているある社長は「国土局にあってこそこちらも低姿勢で彼らにいい思いをさせてきたんだが、もうそこに居ないとなったならそんな奴、何になるの?彼らだっていい思いをしたんだし」と言いましたっけ。

    もうひとつのパターンは腐敗で入獄した役人です。でもしっかり口を閉じて誰も事件に巻き込まなかったため出獄してからそのお陰で助かった連中から「創業資金」をもらったのもいます。著名な証券会社のボス・Z総裁はそういう経歴の人物です。なってこうした下海の原因は役所の記録にもなっておりませんし、本人の回顧録だって言及しやしません。でもこの種の現象は確かにある種の政府官僚達が公職をさって「下海」した原因です。

    民間企業の寿命はその生存環境の善し悪しを反映しています。公開資料でも1993年以前の民間企業の平均寿命は4年でしたが、2000年には7.02年にのびました。それが2010年には中国の中小企業は4000万を数えたのに平均寿命は2.9歳に縮まってしまっています。民間企業の寿命が長いときはつまり、民間企業の生存条件がゆとりのあるときで、官僚が「下海」したがる時節です。

    2002年の中共党第十六次全国代表大会で江沢民が唱えた先進社会へ発展する要求を一番に掲げた「3つの代表理論」は中共の指導思想となり、民営企業家が「先進生産力」の代表として各地の政治協商会議や、人民代表になりました。沿海地区や発展地区の省や市の工商連主席の多くに民営企業家が就任し、これによって民営企業は短い間でしたが黄金時代を迎えました。このときも一部の経営の才能のある役人達は官を辞して下海しましたが、しかし創業への敷居は高くなっており起業しても成功は容易ではなかったので多くは高給で迎えられる私企業のプロ経営者の椅子を選び、役人の「下海ブーム」というほどにはなりませんでした。

    2008年からは民営企業の環境が悪化しはじめ、大型国営企業が「中国の長男」として特別扱いされ2009年には「国進民退」(*国営企業ばかり栄えて、民営が青息吐息になった)の大論争が全国でホットなテーマとなりましたし、このころ多くの有名な企業家がさまざまな理由で入獄するハメになりました。このときはこれ以前に調子にのってビジネス界に登場した「下海官僚」たちは「塩辛い水に咽せて頭や顔を波にうたれてフラフラになって、また元の岸辺に逃げ帰った」とマスコミに書かれる始末で、福建省の情報産業長の游宪生や、浙江省の財政庁の党メンバーや省地税局の会計士・徐刚など多数おりました。

    法制時報社の雑誌「法人」は長年「中国企業家犯罪報告」を掲載していますが、過去数年の研究で、この5年間にメディアに暴露された企業家犯罪はますます民営企業経営者におきていることがわかりました。2009年、民営と国営の企業家犯罪暴露件数は49対35でしたが、2013年にはそれが270対87となりました。まさにこの生存環境の悪化が民営企業家の二代目達が跡を継ぎたがらないで政府のシゴトにつきたがる理由で、それによって公務員試験の人気が急激に沸騰した理由でもあります。

    《2014年の官僚下海は「避難」》

    しかし、2013年からは北京の腐敗撲滅の声が厳しさを増しました。政治感覚に最も敏いのは当然、官僚世界の住人です。「8つの禁止事項」(*2010年暮れにだされた公金での飲食、海外旅行、贈答などの禁止通達)が厳格に推進され各地の税収関係者の公用旅券での海外旅行が禁止され、役人の所有する不動産の内部登記措置も次々に実行され、多くの役人は今回の腐敗撲滅政策はどうやら江沢民や胡錦濤時代の「かけ声倒れ」ではないことを知っていますから、いかにして自分の身を守るかがまず一番先に考慮されます。だから一部の役人は「罪がバレる」前に「下海」するのも一つの選択なのです。

    これらの選択が「上に強いられて」行われたのか自主的なものなのかは外部の人間には知るすべがありません。家族は海外に逃がし、自分だけ中国に残る逆単身赴任の「裸官」が一番多いと言われる広東の不完全な統計では2013年後半に広州市だけでも四人の県長クラス以上の役人が職を辞し、民間企業や上場企業の重役に転身しています。

    「中国役人が次々に私企業に」という一番先に述べたあのウォール街ジャーナルの記事の言い方だと「もとは安定して待遇もきわめて良く、しかも強大な人脈を築けた」公職から私企業に移りたがるのは「宴会もビジネスクラスでの海外旅行も特殊待遇も、濃くなり予行も全部ダメで”灰色収入”も難しくなったから」というのですが、この結論は皮相な見方すぎるとおもいます。

    福利が減り、腐敗撲滅の危険が高まって、政治責任が重くなったことは、官界に入ってまもない低いレベルの青年公務員にとっては新たな職業選択に影響をあたえるかもしれません。しかし45歳以上の公務員にとっては主たる理由にはなりません。これらの役人は官僚世界とビジネス界の関係を知り過ぎており、「中国では官界とビジネス界は完全に違う業界であり、下海とは役人が恩恵を与える側から求める側になることであり、そのうえ役人がうまく企業を経営ができるとは限らない」という道理をわきまえています。ですから、役所になんとかして居残っていければ、自分達は中国の中小企業が次々に破産し、経営環境が深刻に悪化するところへ「下海」などしないでやっていける、とわかっているのです。

    それでも2014年の今、「下海」する役人というのはそうするしかないという苦境の中にいるわけなのです。その原因はもちろん腐敗撲滅で、下海する主たる目的は「禍を避ける為」です。官職を辞すれば出入国は自由ですし、進退も制限は受けません。つまり2014年の官僚の辞職というのは官僚の「自殺」が実は「自殺を強いられる」ことなのと同様、もとの「利益の連鎖」のなかから「鎖の一こま」を「下海」によって断ち切ることによってそれより上にいる連中を安全にさせるためのものなのです。(終)

    拙訳御免。
    原文は;「1992与2014:官员下海潮缘由比较」;http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-20140911/2447015.html

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    8 Responses to 1992年と2014年の官僚の「下海」の理由の違い

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