• 香港占中ー北京の”退路”は何処に? 

    by  • October 6, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年9月30日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/sj6gc

    現在の「オキュパイ・セントラル」(*占中;中心金融街占拠;「オキュパイ・ウォールストリート」運動の香港版でスタート)運動、その9月28日は「香港史上、最も暗い日」といわれています。警官隊が大量の催涙弾を発射し、3人の学生運動指導者が逮捕され、怒った香港市民が街中に「街の中心に行って、繰り返し粘り強く戦おう」ということになり、香港当局はその対応にクタクタになりました。

    29日、香港のボス・梁振英・行政長官の姿勢にも変化があらわれました。香港の民衆に「人民解放軍の出動は要請していない。法に則って問題を処理する」と述べたのです。これは28日に「オキュパイ・セントラルは公共の場所を違法に占拠して…香港の中核地区を麻痺させようとし中央と特区政府を脅迫するものだ」と述べた強硬姿勢が明らかに軟化しています。

    梁がその前に暴動鎮圧警官隊を退かせ、ナンバー2の政務司長(Chief Secretary for Administration、)の林鄭月娥(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor)が表にでてきて「政治改革」の第二回目の諮問を延期すると述べたことは、今回の香港を「1989年の天安門」事件にはしないということです。しかし30日になって、梁振英は「街の主要道路を塞いでいる民主派デモ隊に「直ちに」帰宅せよと要求した事はデモ隊の要求に妥協する気持ちがないということもあらわしtえいます。

    香港はイギリス統治時期から事実上、表と裏のふたつの権力の中心がありました。「返還」以前には「表」は香港英政庁で、「裏」は「新華社通信香港支社」(中共内部では「香港.マカオ工作委員会」)、返還後は特区政府は以前より更に北京の鼻息をうかがっていますから、梁と香港政府の態度の変化は北京の態度の変化なのです。この事件を如何に平和的におさめるかのカギは北京の高層レベルの損得計算で香港人が受け入れられるどんな決定を出すかです。

    言って見れば、香港人は北京中央政府が1997年に約束した「基本法」どおり、普通選挙の「行政長官と立法議会を実際の状況と手順に従って漸進的におこなう原則」」を履行してほしいと求めているだけなのです。香港返還17年たったいま、約束した期限の20年が迫っています。でも如何に理にかなって、合法的であったとしても、中共の主張にあわないものは「理にかなわない非合法なもの」にされてしまいます。

    《北京が武力鎮圧しなかった理由》

    北京の社会反抗に対する考え方からいえば当然、武力解決がサイコー!です。権威をハッキリみせつけ、自分でやれますから。ですからオキュパイ・セントラルがおきた初日にはツィッター上で多くの人々が香港で1989年の天安門虐殺がまた起きるのではないかと心配していました。(*この爺もそうじゃったですわい)しかし、私は今回、香港では絶対にそうはならないと思っていました。中共は軍隊を出せません。その理由は4つあります。

    其の一;庶民に対しては今の武装警察で十分に対応できる。天安門事件のときは軍隊を出して虐殺をおこない悪名を轟かせました。これによって、その後中共は90年代に急速に武装警察部隊を拡充し、その訓練は軍隊とちがって重点を殺傷せず威嚇することに重点をおきました。

    その二;香港は畢竟、内地とは違います。そんなことをやれば「一国二制度」に反した事になります。

    その三;中国は現在”状況”が芳しくありません。ここで香港での武力使用は事態を悪くするだけです。その事態とは新疆の「反テロ」でありチベットの情勢不安です。台湾でも中国はまずい一手を指したばかりです。9月27日習近平が北京で台湾統一派とあった時にうちあげた観測気球は「一国二制度」で「平和統一」して台湾問題を解決するというものでした。思ってみなかったことは「一国二制度」ときいた台湾人達はあたかも「オオカミが来た!」と、香港の教訓を理由に朝野に一斉に反対の声があがり、台湾海峡(*両国)は「統一せず、独立せず、戦争せず」の現状維持を主張したことでした。

    そして、一番重要なことはやはり天安門事件の轍を踏んではならないということです。つまり武力鎮圧は「双方が負け」なのです。中共はかつてあの市民・学生達を屠殺したことで国際社会で孤立し、欧米との関係を修復するのに何年もかかりましたがそれでも傷跡は癒えていません。鄧小平は改革開放の「巨大な功績」もあの虐殺で台無しになり、いまや中国人はほとんどかつての文革の混乱を終結させた鄧小平に対する感謝の日々を忘れて、ただ「天安門虐殺を命じた男」と「先富論」を唱えて「少数の紅色貴族と官僚を金持ちにした男」としか覚えていません。習近平の政治的声望は鄧小平のそれにははるかにおよびませんから、この香港の処理を間違えれば、政敵に弱みをにぎられやっとこさのおもいで勝ち取った政治的優位が消えてしまいます。

    以上が習近平が香港のデモ隊に武力で制圧するのを許さない理由です。まさにこの今の中国の政治情勢が習近平をして利害得失を測らざるを得ず、「十本の指では十匹のノミを抑えきれない」で、同時に全部の問題に対処出来ない状態なのです。

    しかし、武力で鎮圧しないからといって、それは習近平が香港の運動の広がりを黙ってみているということでは決してありません。香港人の要求する真の普通選挙に対して、中共は人民代表大会案という詐術を弄したやり方は通じませんでしたが、新たな一手を打って来るでしょう。

    《北京の一番、今後やりそうな事は》

    北京がこの「オキュパイ・セントラル運動」が求める真の普通選挙を許すということはいまのところ可能性は多くありません。中共の目には全国をひとつの勝負の場ととらえていますから、香港の事情は全国に影響します。現段階では、中共の専制統治はスターリン、毛沢東モデルで山賊の親分のような野蛮な政治で3つの基本的特徴があります。

    その1;暴力と鎮圧が主要な統治手段。
    その2;国民の政治的権利を徹底的に剥奪。
    その3;統治者は好きに民衆を監督できるが決して民衆が統治者の合法性に疑義を差し挟む事を許さない、です。

    もし香港の普通選挙を許そうもんなら、それは「話し合う政治」になり民衆が政府を選挙し政府を監督する権利を有することになり、これは中共の堅持する統治理念に完全に対立します。さらに重要なことは香港の民主が模範と成って中国の専制政治制度を崩す『アリの一穴』となり「パンドラの箱」を開きかねないということです。ですから香港で本当の普通選挙を行うと言う事は中共の根本的な政治への考えを変える一大事で一朝一夕にはできることではありません。

    この運動が長く維持し続けるのは難しいということも中共の計算に入っています。BBCは9月30日に「インタビュー;各種の要素が運動を長持ちさせまい」(http://www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/china/2014/09/140930_hongkong_protests_economy_impact)という番組で、香港社会を十分理解している国際貿易会社のガービン・ペリーを取材し彼は「各種の社会事情が影響をあたえるが、重要な要素は経済の影響で、中国大陸は香港のフトコロに影響力を持っていて、例えば贅沢品の削減や禁止、重税で香港に大きな影響を与えられる。次に学校を通じて単位を与えない事で学生に影響を与えられる。第三に、この国慶節の一週間の休みで大もうけしようと願っていた商売人達は早い終結を願っている。この点ではBBCの別の番組「香港証人がオキュパイ・セントラルで損害賠償検討」でも香港の商業連合会が事前に研究評価をだしており運動によってもたらされた客の不安や、交通麻痺をもたらしただけでなく、オフィスビルや販売業にすくなくとも四百億香港ドルの経済損失をもたらした、しています。

    香港中華歴商会会長・施栄懐はBBCネットで「すでに弁護士と相談して会員に無料でオキュパイ・セントラル期間中の法律相談に応じており、そのサービスには企業が蒙った損害の賠償を求めることまでふくまれている、と語っています。

    香港には中共の地下組織が網の用に張り巡らせれており、こうした要素を中共が利用しないと考えるのは困難です。

    ですから北京が一番やろうとするのはまず政治改革を延期してこの今の事態をまずおわらせ、あらためて普通選挙の候補者を何人にするか、誰が決めるかとかいった枝葉末節の泥仕合に持ち込むことでしょう。2017年という普通選挙実現のタイムリミットはあるとはいえ、当局が考えだせる「枝葉末節」はいくらでもありますし、香港のボスである特別行政区行政長官を引き続き北京が任命させられます。この手の「延期策」はいささか弱腰の嫌いがありますが、「武力鎮圧」の悪影響は避けられます。

    梁振英の硬軟両様の談話、林鄭月娥の政治改革延期の宣言、それに中共の香港マカオ局の「梁振英を十分に信頼している」と言う表明は北京が引き続き梁振英を特別行政長官の地位にとどめ表面上の責任者にしておき、今回の問題で「騒ぎの罪滅ぼしに手柄を立てさせ」処理させようというものです。梁振英がずっと毎回北京の指示で動いている事はもう世界中の誰もが承知の「国家機密」です。この種の処理方式は北京にとっては、自分を進退自由な有利な立場に置いて進むには梁を責任者に仕立てておき、退くときにも北京の面子を失わないでやれる、という利点があります。(終)

    拙訳御免。
    原文は;香港占中: 北京的“台阶”在哪里? http://urx.nu/ctKk
    何清漣氏のこれまでの論考の日本語訳は;heqinglian.net/japanese/

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