• スコットランド住民投票の啓示;お金で買うより投票による安定が吉

    by  • October 15, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年10月12日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/zdCgc

    スコットランドの住民投票は中国人には大いに啓発に富むものでした。彼らが英国に残留を選んだのは英国が彼らの自決権を尊重したからです。とある微簿には「君子の争いとは何か見て分かった。恫喝も鎮圧もなく、街頭でものを壊す人も居ない。民主主義の力量って凄い。全ての政治的な意見の相違は人々が投票で決める。利益や情の紐帯がスコットランドを英国に引き止めたというより、民主制度への共通の信頼が…」と書き込みがありました。

    中国政府」も「お金で安定を買う」より権利を人民にわたすことを考えたほうがいいことをかんがえるべきです。国民の力を集めるという点では権利を尊重したほうが「パンをやるから黙っていろ」という契約より更に重要なのです。

    《財政支出で給付;お金で安定を維持するという制度設計》

    スコットランド独立運動を呼びかけた側の理由には当然、徴税の自主権、スコットランドの石油の利益による地元民のより豊かな暮らしなど利益にかかわることがありました。ただ投票参加者の大多数はエコノミストでも財政の専門家でもありません。彼らは英国の3大政党が連署した約束の中に利益をみたというより、尊重と引き止めの誠意をみたというべきでしょう。

    今にいたるも中国政府は人民との関係を処理するにあたって、お金で安定を購うという思考パターンから抜け出せません。地方の総督級の大役人の経験の総括は「お金で解決できる矛盾こそ人民内部の矛盾」というものです。が、もしこの考え方がこの最近の十数年で発明されたとおものなら、中国の財政制度の財政転移支出の政治的論理をわかっていないということになります。それはこういうことなのです。

    政治家は通常、自分の支持者に対して報償としてお金を払ったり”買収”で簡単に誘惑出来る人々を支持者にとりこみます。中国の辺境地区で中共政府は政権につくやほとんど同時にこの制度をスタートしました。とくに分離勢力が勢いを得そうなところで国家統一が脅威をうけたとき、その該当する地域に対して中央政府は財政支出を有力な分離抑制手段としてきました。

    お金のあるところから集めた税金を無い所に転位させるという財政支出はなにも中国独特のものではありませんで、民主国家も専制国家もみなやっていることです。ただ一種の制度をささえるコストとして、中央集権国家の使用率と範囲は民主国家にくらべて広汎で多いのです。2006年の中国共産党第十六回全国代表大会5中全会の重要な成果といわれるもののかつなかに「財政転移支出の道」あり、それから8年の間、ずっと不断にその転位し支出は増え続けてきました。つまりお金で安定を購うのですが、結局安定は得られなかったのでした。

    《残酷な現実;金では安定は買えない》

    カネで支持を買うということで財政転移支給政治の論理は以下に帰結します;ますます不安定になればなるほど払うお金も増える。

    地方政府もこれを理由にして支給額の増額を要求します。同じく少数民族地区で内部が安定している広西、雲南の財政支出は大変少ない者です。豊かな新疆は中央政府から支給される金額は高いのです。今年8月29日、南方周末は「新疆この5年ー公共安全で新疆はいくらかかったか」との記事を掲載し新疆は3000余億の年財政支出中、中央からの支出が6割以上だと指摘しました。しかし西北5省の中で例外ではなく、2008年までに中央からチベットへの財政支出中の比重は9割以上で、青海は7〜8割の間でした。

    この文章はさらに不安な事実を指摘しています。すなわち新疆とチベットの公共安全支出に関する支出が(維穏経費)増えるほど、新疆カシュガルを冷に東トルキスタン勢力が比較的優勢なカシュガルでは100元毎に13元が「公共安全」に使われるよになってています。これは金銭で安定が買えないということを十分に説明するものです。

    このやり方は最初はうまく行ったのかもしれませんが、ある臨界点を越えた時に限界点を越えて下降し効果ゼロにちかくなり、最後には「背負った稲に雨が降る(増々重くなる)」状態になります。ですから中国政府は実際、お金で安定を買う策略の転換を研究すべき必要があります。

    《中央と地方;責任を分担する政治を》

    中国政府の政治思考は「全国をひとつの将棋盤」として見ます。そして三種の統治方式をとります。
    内地は、中央ー省ー市(県)ー郷の4級にわけた垂直直接統治。香港マカオは別に「一国両制度」、新疆、チベットは「自治」の反中に。それぞれ一連の少数民族政策を持ちます。香港マカオの経済と財政は完全に独立で政治上香港は普通選挙を求めてオキュパイ・セントラル運動などがありますが、しかし独立の要求はありません。コレに対してチベット・新疆の中央離れはすでに中央政府の最大の難問になっています。

    中央財政転移支出というこの制度のコストは増々高くつくものになっていますが、いかに高くつこうが中央政府はツケを払い続けるしか無いのです。原因は外でもない、国家の統一は中国製自分かの中で疑いなく至高の重要性をもつからです。

    二十四史(*中国の王朝の正史24書)が中国の歴史上の有名な君主を評価するにあたっては創建者や中国の統一を維持したというのが相当重要な判断基準になっています。まさにこの強大な政治的意念の支配下にあって、歴史上さまざまに分裂したり合したり数知れぬ離合集散をくりかえしつつも最後には統一に向かったのでした。この政治文化上の慣性によって中国の指導者で国家分裂の許しがたい汚名をあえて受けようという中国の指導者は誰一人いませんでしょう。

    新疆とチベットの”分裂活動”(両少数民族と国際NGOからみれば”民族独立”であり”民族自治”) は北京に対して許しがたい挑戦なのです。彼らを発展の為には分裂などしないほうがいい、ということを確信させる為に中央政府はますますおおくの財政支出をあたえて、その羈絆によって民族・宗教独立の気持ちを押さえつけたいと願っているのです。しかし結果はニンジンが大きくなればなるほど、ムチも太くなればなるほど、最後にはニンジンの慰撫効果は完全になくなり、少数民族はただムチの痛みだけを感じる様になり、怨みだけが日一日と積もりに積もっていくのです。

    財政効果が効き目をすっかり失った状況下ではべつの統治方式を考えねばなりません。或は趙紫陽の時期の「竃を分けてメシを食う」という財政上中央と地方をわける方式が比較的良いかもしれません。中央政府はもう全能の政府となるのをやめて、外交と軍事等の権力以外の統治を各省区に下げ渡し、地方住民に自分達の市や県の一級行政区長や人民代表を選ばせる。各省区の戦略性鉱物資源は中央が国家買収方式で買い取ることでコントロールと採掘権を持ち、他の普通資源は地方政府の自主開発に任せる。中央政府にしてみれば地区間の発展の不均衡を容認し、全国をひとつの将棋盤の統一を、それぞれの違いを包容するものに変え、それぞれの省区の発展にまかせ自分達で責任を負ってそのバランスをとらせるわけです。

    短期的には困難を伴っても遅れた地域の中央財政に対する高度な依存を減らせるでしょうし、地区政府に相応の責任体制をつくらせることができます。遅れた省は完全な自治を通じて次第にゆっくりと管理能力はそれ自体がひとつの生産力であると悟り、自分達の自治能力を高めるでしょう。

    そうすれば民族同士で責任のなすりあいをすることもなくなります。こうすれば、それは遅れた省や少数民族地区への一種の解放であり、かつ中央政府にとっては一種の重荷をおろせる”解脱”となります。

    上述の地区のなかでチベットと新疆地区と中央政府の矛盾には民族の矛盾がくっついているので解決は相当難しいものになりましょう。チベットはダライラマが談判の対象になりますし、また”中間路線”が談判の基礎になりえますが新疆はこれらの条件を欠いているばかりか、さらに数百万の漢民族居住民が如何にしてウィグル族と平和共存出来るかという問題があります。この問題の最終的な解決には中央政府の弾圧策やウィグル族の過激派の暴力攻撃ではできません。

    互いに許容力をもってゆっくりと解決して行くしかないのです。この過程ではイリハム((*中央民族大学教授。先頃、国家分裂罪で無期懲役、財産没収 http://urx.nu/cUHh参照))というウィグル族のインテリの参与が必要なばかりか、さらにイリハムを中国政府が許容する必要があります。

    スコットランドの独立運動と英国政府の双方のウィンウィン(前者は訴えを表明し、後者はスコットランド住民の自決権を尊重)は中国的特色のカネで安定を買うという政策に対してまるで諷刺でありますが、これはまた啓発でもあります。

    一党専政を放棄し、民主政治に邁進することが疑いもなく中国が今後努力すべき方向です。中共は執政権を放棄するという準備ができないまでも、すくなくとも単純なニンジンとムチという統治方法を変える事を考慮し一歩一歩、民に権利を戻していくことによってはじめて中国社会の動揺をできるだけすくなくしてモデルチェンジできるのです。(終)

    拙訳御免。
    原文は「苏格兰公投的中国启示:花钱买安定不如还权于民」;http://urx.nu/cUE7
    何清漣氏の他の日本語訳論考は;http://heqinglian.net/japanese/

     

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