• 表は金ぴか、内側ボロボロの “世界一”経済大国

    by  • October 20, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年10月14日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/DFDgc

    最近国際通貨基金(IMF)が発表した購買力ベースの計算では2014年に中国の経済規模は17.6兆米ドルになり已に米国の17.4兆㌦を越えました。この計算に対して中国の専門家は「信頼出来ない」といいメディアも「中国経済はまたしても『トップの座につかされた』とか『一位にされてしまった』と特集を組みました。まことにごもっともでその通りです。

    《中国が『トップの座』を拒否するのは「自らの分際を知っている」から》

    国外の論評と中国国内の反論を比較すれば、あらゆる事情が今年4月〜5月にかけて世界銀行が発表した同様の結果と同じ繰り返しです。世界銀行もIMFも各国政府の提供した同じデータを元にしているので結果は自然、一致します。今年4月30日に世銀が同じ事を予測し、中国側がこの「世界一の栄冠」を拒否しました。これはもう「中国はなぜ『GDP世界一』を拒絶するのか?」http://heqinglian.net/2014/05/11/china-no1-japanese/ で書いていることなので購買力ベースという計算方法の欠陥であり、また世銀もIMFも水増しが当たり前となっている中国の提供した統計数字に基づくことはすべて分析済みなのでもう繰り返しません。

    資料の真実性の疑わしさや外国研究者の間には中国が普通の国、や民主国家になってほしい、なるのではないか、といった根強い”期待”があるため、「中国研究」という領域ではみるべき成果が乏しいのですが、それでも中国研究者の間では数年おきに誰かがこの問題を論じております。ウォールストリートジャーナル9月27日号には『西側の中国誤読」という記事が掲載されました。遠東経済評論2007年4月号の「中国の学者は皆買収されたのか?」(Have China Scholars All Been Bought?)ほど深くはありませんが、しかし別の角度からこの研究領域の足りない点を検討しています。

    北京が「経済世界一」の”栄冠”受領を拒否したのはまず己の分を知った行為であるといえます。なぜなら自国の統計数字のインチキは病膏肓だと知っているということですから。実際、GDPの示す経済規模はイコール経済の実力ではありません。

    ⒈GDP総額は大きくても一人当たりGDPは高く無い。
    ⒉貧富の差が大きすぎ、過程消費のモデルが両極化している。
    ⒊一国の持続的発展の基礎は資源だが、中国の資源需要は高度に外国に依存している。

    《中国の貧乏人の数はあまりに厖大》

    2013年、全世界のGDP総額が一兆米ドルを越えた国家は16あって、米国が16.19兆で世界一。中国が9兆で二位。第三位の日本の5.99兆に比べるとかなり高いです。しかし一人当たりのGDPとなると、米国は51248米ドル、で11位。中国は6629㌦で第86位です。もしGDP総額が中国の富強度を証明できないというのなら、一人当たり平均GDPもまた大多数の中国人がそれにふさわしい収入水準に達してるという証明にはなりません。

    なぜなら中国の財富を過度に集中し過ぎているからです。今年7月、北京大学社会科学調査センターがだした「中国民生発展報告2014」は2012年中国の過程の財産ジニ係数は0.73で、トップ1%の家族が全国の3分の1以上の財産を持っていると指摘しました。底辺層の25%の家庭の財産総量はわずか1%前後です。別のデータでもこの現実は裏付けられます。Wealth-x&UBSの2014世界富豪調査レポートでは中国で純資産が10億㌦以上の富豪は152人で米国に次ぐ世界第二位です。しかし現実はさらに残酷でこの世界第二位の富豪群のいる一方で毎日の支出が1㌦に足りない貧乏人が2億人、一日の消費金額が2米ドル以下の人口が4.68億人いるのです。

    《消費の両極か、内需の牽引力の弱さ》

    人々は北大の報告したジニ係数に震え上がったのですが、経済権研究者は別の分析に関心をよせました。それは中国の家庭消費モデルの両極化です。レポートによると中国の家庭の消費モデルは、貧困病気型、アリ型、カタツムリ型、妥当型、享楽型に分かれ全国分布からみると家庭消費モデルは両極化しており、消費しないか抑制するアリ型や医療、教育、住宅の負担が過重なカタツムリ型、貧困病気型が大多数をしめる一面がある一方で、少数の家庭は「享楽型」になっていました。

    都市と農村の消費水準の差も大きく、農村は貧乏病気型が多く、妥当型、享楽型の家庭は比較的少数で、都市は貧病型は比較的少なく、享楽型、妥当型の家庭が農村より多かったのでした。

    長期にわたって中国経済成長を動かしてきたのは外国貿易と投資と内需の”3頭だての馬車”でした。現段階では中国はまさに世界の工場たる地位を失い、外国貿易は深刻な影響を受けており、ときおり「暖かい時期」があるものの下降の趨勢は長期的です。投資は政府投資(国営企業を含む)と、個人投資と外資の3種類ですが、政府投資は抑制の状態で、外国企業の投資も下降しています。カネモチはクレジットカードを使い、オフショア金融センターに外国投資の名目で資本を移しています。

    個人の外国通貨交換制限は名ばかりのものとなって資金源は続々と流出がとまりませんし、最後に中国政府は7月にマネーロンダリング対策制度を発動するハメになりました。

    ”3頭”の一つで残るのが「内需」です。中国の消費率の著しく低い事は長年の問題です。政府統計でも近年の消費は中国のGDPの僅か48%を占めるにすぎず、世界平均値の80%には遠く及びませんし、20年前の中国の60%にもおよびません。2013年に国内研究者が中国の消費率は居住消費を含んでおらないので、家賃や家屋修理費用、水道、ガス、電気代などの大きな項目が入っておらず、低く見積もられ過ぎていると指摘しました。これは根拠のある理屈です。しかし居住消費が消費率に含まれていないからといってそれで中国家庭消費モデルの両極かというこの現実が変わるわけではありませんし、内需促進には別に影響しません。いかなるマーケットでも官僚と富豪だけで支えられる筈もなく、中国人の本当の消費能力と需要がなければ最後はただ巨大なバブルになるだけです。

    ある国家の生産と分配は車の前輪と後輪のようなもので、生産が供給量を決定し、分配が需求量を決定します。供給が多すぎて需要が少なければあたかも前輪だけが正常に動いているクルマのようなもので正常に走る事はできません。このことからわかるように、社会分配の深刻に不公平な国家は各種の社会矛盾が異常に先鋭化し、激烈な衝突がおき、短期的に経済が繁栄しても長く維持するのは難しいのです。

    《中国は資源小国である》

    政治的には中国政府は「三つの自信」などと相変わらず唱えていますが、しかし資源の欠乏に対しては比較的はっきりと認識しています。⒈一人当たりエネルギーの量は低く、石炭、水力資源の一人平均は世界平均の半分、石油、天然ガスのそれは世界平均水準のたった十五分の一にすぎません。一人当たりの耕地面積は世界平均の3割です。当局も今では生態環境の危機が陸水空の立体的悪化情勢を認めており、例えば3.49億ムーの耕地、(19.4%)が深刻に汚染されています。水資源問題はさらに深刻で⒈水資源総量の深刻な不足、⒉汚染がひどい、です。空気に至っては「2010年全地球発病量研究」(Global  Burden  of  Disease  Study)によると中国では120万人が空気の汚染により早過ぎる死を迎えており、それはほとんど全世界の4割を占めています。

    中国政府は、以下のような事実をしっかり認識しています。

    中国の食料自給率が已に86%にまで下がっており、コメ、小麦、トウモロコシの三代食料はすべて輸入頼りでエネルギーおよび腫瘍鉱産物の大部分も輸入に頼っており、対外技術依存度も50%以上(米、日本は5%)この種の生産や生活の資材はすべて国際市場経済に依存しいる経済体制は非常に脆弱で、一旦、国際政治に大きな波が起きればすべて供給と市場価格に影響します。現代の経済の血液といわれる石油を例にとってみると
    中国の石油輸入依存度は65%に迫りますが、主に中東、ラテンアメリカ、アフリカ、ロシア等から輸入しています。中東とアフリカは政治的には高度に不安定な地域で、この意味で中国のエネルギーはその政治的影響を随時受ける可能性があります。

    この十数年中国は株に出資したり、自ら企業を経営したり買収したりして海外戦略投資の重点としてきましたが、現在までに少なからぬ投資が政治情勢の影響をうけて水泡に帰したりしてます。例えばリビアに投資した200億米ドルは2011年の「アラブの春」でムダになりました。中国のスーダン投資も現地の政治衝突が激しく、やむをえず700人の軍隊を派遣して海外資産の安全を図っています。過去半世紀の国際秩序は米国が提供してきた「公共安全品」で、中国初め全世界の大半の国家はすべてただ乗りの受益者でした。

    しかし、今後米国の対外政策の変化にともなって、おそらく中国は海外投資の安全に関しては自分の力でやることになるでしょう。まさに北京は自分がこの「世界第一の経済大国」というものが実は「表は金ピカでも中はボロボロ」と承知しているからこそ、自分が「世界一に無理矢理された」と文句を言うのです。しかし、そうなったのは世銀やIMFのせいなどではなく、自分達が大量の水ぶくれの統計データを中国国家統計局として提供してきたからです。世銀やIMFは中国だけのために特別な計算をしているわけではありません。(別稿;《数据造假惹出的中国“国际抗争”》2014年10月15日参照)中国政府は「世界一にされる」と文句をいってないで、自分達が統計水増しの悪習をやめればいいだけの話なのです。(終)

    拙訳御免。
    中国:败絮其中的世界第一经济大国
    原文は;http://www.voachinese.com/content/he-qinglian-20141014/2483804.html
    何清漣氏のこれまでの論考の日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

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