• 海外逃走汚職官僚(貪官)と海外資産隠し富豪連への追求ぶり、北京の熱意に天地の差があるのはなぜ? 

    by  • November 18, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年11月6日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/CCOgc
    海外に税金逃れする行為に対して世界の51国家が10月29日にベルリンで「Signatories of the Multilateral Competent Authority Agreement」(銀行情報相互自動交換協定)というのを締結しましたが、米中両国はこれに加わりませんでした。中国は現在「世界規模で外国に金を持ち逃げした貪官追捕」の「狐狩り2014作戦」を行っています。ですからこの協定に参加しなかったことは変に思えます。

    《キツネ狩りと虎狩り》

    米国が参加しなかった理由は米国国会では「FACTA法案」(*参照;http://urx.nu/dR8B)があり米国が脱税退治の先頭を切ってOECDのこの協定の協議でも指導的な役割を発揮できるから、という政府の説明です。グリア事務総長は 「我々のすべての措置は米国の極めて強い支持を得ている」と話しています。中国がこの協定に態度を明らかにしないことには、OECDも何も言っていません。北京が国際的な税金逃れ追求に冷たい対応を示すのは、まさに今年、逃亡貪官に対しての強い態度と鮮明な対比を見せています。

    脱税は米国の連邦法の対象になる重罪です。しかし中国人の目には「追逃」と「追税」の二者の違いははっきりした違いがあります。「追逃」というのは不法な資金を持ち逃げした貪官を捕まえること。「追税」というのは「資産を海外に移転した中国の大金持ち」についていう言葉なのです。

    こうした富豪たちの中には紅色貴族の家族メンバー以外に、民間企業の富豪の資産海外逃避もあり必ずしも全部が不法資産ではありません。しかし、この二つの「追逃」と「追税」の中身の資産の数量の多寡は天地の差があります。

    新華社によると20世紀の90年代以来、外国に逃亡した党政の幹部、国営企業や国家機構の高官は1万6000人から1万8000人で、その金額は8000億元(*約15兆円)今年1月21日、ICIJ(International Consortium of Investigative Journalists )の出した「中国オフショア金融報告の秘密」(*http://urx.nu/dR9i)によると21000人を超える中国と香港の投資家がオフショア諸島の金融センターに会社を登記しており、なかには紅色貴族層の子女や親族の富豪がずらりとならび、2000年以後、流出した資金はすくなくとも1兆米ドル(約115兆円)、多ければ4兆米ドル(約460兆円)にも達します。

    貪官の15兆円と、紅色貴族や富豪らの115~460兆円の税逃れ額を比べれば後者のほうがはるかに大きく、かつ後者の大半は表に出せないアングラマネーです。北京は「キツネ狩り」はしても「虎狩り」はしたくないというのは、つまりこの両者ではターゲットになる層がまるで違うからです。

    《「追逃」の重点は貪官逮捕》

    「追逃」は地球規模で各種の資金を持ち逃げした役人や国営企業の役職者らを捉えるものです。中国は今年7月から「キツネ狩り2014」と称して大々的に世界各地の逃走官僚たちを追捕しようとしました。10月下旬、人民ネットの「焦点;外国に逃げた貪官に集中打撃」いう一連の記事は8回あり全面的に世界の各地の様子が報告されています。最近では中国は国際慣例に同意して、所在国と協力して「盗品を取り戻す」行動を取っています。

    中国と米国、カナダや豪州には「引渡し協定」はありませんが、すでに各種の形式で司法執行の協力が行われており、こうした盗財物奪還追跡などで協力しています。これらの貪官は中国では多くが金融業や国営独占企業、交通、土地管理、建設業、税収、貿易、投資部門などの要職にありました。以前は逮捕者の数は不明でしたが、現在は政府が初めて具体的データを発表しており、2008年から2013年の5年間に外国と協力して汚職収賄などの容疑者6694人を、引渡しや本国送還、国外退去、現地起訴したとのことです。

    米、カナダ、豪州は伝統的移民国家で、生活条件も良く、教育の質も高く貪官の逃亡先の筆頭で、すでに現地には「中国的特色」のある「貪官ストリート」や「腐子女村」があるといわれています。

    これら貪官はどれぐらいの地位にいたのでしょうか?人民ネットの「焦点」第7集「15年で取り返した逃走貪官からの100億以上」には「2000年から2014年、連れ戻された貪官一覧」があり、貴州省交通庁の元庁長の廬万里、浙江省建設庁の副庁長・楊秀珠がその中の官位の最高者です。(*爺注;小物ばかり)

    この数年来、中国政府は「万難を排して、すでに63か国と司法協定を結び(第一裁判権を含む)、国際慣例に照らして没収資産を分配し(4割から8割)といわれます。固い決心で「腐敗分子は世界の果てまで追いかける」ということは世界に向けて表明しています。

    《「追税」は「金鉱」だがやれないお家の事情がある》

    「追税」の方はといえば難しいのは国外に大規模な資産移転をした中国の金持ちの多くが紅色権力貴族の子弟だという理由です。ここでまず簡単に紅色貴顕と官僚の区別を説明しておきましょう。現代社会になる前の中国で「貴顕」というと皇室に近くて爵位や功臣(大功労者)のことで「役職は能力で、爵位は功績で」と言われ、官職は世襲できませんが爵位は世襲ができました。中共は「旧世界を打破」といい、制度上は自分が倒した「封建制度」を真似るわけにはいきませんでしたが、しかし毛沢東が「天下をとる」に追随した紅色貴族の特権を否定もしませんでした。この種の特権は貴顕人士の家族が官界や軍隊で役職につく場合の有利さばかりでなく、親の七光りで商売の特別な許可を得たりすることができ、一部のそうした子弟は「紅二代目」といわれます。

    一部の紅二代の人は大多数の紅二代メンバーは現在では平民の暮らしをしており別に特権はない、と自己弁護しますが、それもまた事実です。ですがそれでも特権階級だというのは、ひとつには最近では紅二代のメンバーにもある種の隠れた規則によって貴賎の別があること。つまり中共政権が成立した時に少将だったか、または1950年代前期に中央で各部の部長級の高官(*大臣級)で「紅色貴顕」ということ。彼らは法に反しても追求されないということです。「紅二代」といってもこの「紅色貴族」でない多くはその特権といっても限りがあります。
    またふたつには、すべての紅二代が商売にたけているというわけではありません。

    中国の富豪には少なからずこうした貴顕貴族出身がいるということは内外に公開されている資料で証明されています。中国の「人民論壇」(人民日報系列の刊行物)2010年第四期に発表された「中国新富豪家族」ははじめておおっぴらに「紅色家族」が新富豪層の主体をなすことを認め、かつ「紅色家族」が事業において手厚い政治的な地位と資本をもち、スタート台から有利なこと、容易に社会的リソースを手にすることを指摘し、こうしたビジネス一家は多くが許可の必要な貿易に従事し、基礎産業、エネルギー関連産業、不動産業などが紅色家族のお気に入りだとのべています。

    こうして巨富を得た紅色家族はその富を国内においておくのは安全ではないと心配で、各種のパイプを通じてその資産を海外に運び出しました。ICIJの「秘密」によると、百人にのぼる研究者が「37000人以上のオフショア企業の所有者の中から、中国の公的人物の詳細な、例えば政治局委員、部隊の軍官、各大都市の市長、いわゆる「太子党」といわれる中共指導者の家族やフォーブス級の富豪たちの名前に関連する詳細な名簿があった」と言われました。最後に、少なくとも5人の現任・前任の中共中央政治局常務委員の家族が英領バージン諸島とクック諸島で企業を設立し、その中には鄧小平の女婿・呉建常、李鵬前総理の娘の李小琳、温家宝の息子の雲松とその妻の劉春航、習近平の姉の夫の鄧家貴、胡錦濤の父方の姪の胡翼時らがいました。この報告は世界に中共政治利益集団の盗賊的な正体をみせつけ、中共の政治的合法性をおおきく傷つけました。ですから今日にいたるまで中共当局はこの国際的に有名レポートに対してはあたかもまるきり存在しないかのような知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいます。

    貪官が持ち出した8000億人民元を15年間追跡して100億ちょっとを回収しました。しかしたとえ全額を回収したところで、その総額は1兆から4兆米ドルにおよぶといわれる海外資産には遠くおよびません。こんなことは小学生でも計算できます。しかし中国政府は、貪官追跡には熱心ですが最初に述べた「銀行情報相互自動交換協定」に対しては興味をしめしません。

    その違いというのはそれをやったら追跡するターゲットになるグループが貪官とはまるで違うものになるからです。これは私がずっと言っている、「習近平の推進する腐敗撲滅」のなかにある「身分差別」と同じ理屈による現象です。(終)

    拙訳御免。
    原文は;美国际追税与追逃,北京态度如冰炭:
    http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-20141105/2510159.html
    何清漣さんの他の論考、日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

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