• 中国の新戦略;国際化から「2種類のルール」へ

    by  • December 16, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年12月3日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/c7ehc

    11月29日、習近平は中央外事工作会議の席上、重要講話を発表しました。外国メディアは「中国は、中国の特色、風格、威勢を示す外交を絶対に行わなければならぬ」といった言葉の方に目を奪われ、つい見逃しがちなのがこの談話の本当のキモである「統括して考えなければならないのは国際・国内の二つの市場、二つの資源、二つの規則である」という内容のところです。つまり、20世紀の90年代前期には中国は「国際ルールと軌を一にする」を提起し、国際社会に仲間入りすることを熱望していましたが、今や中国には「二種類の異なった規則があるのだ」ということを主張しているのです。

    《「国際ルール」から「二つのルール」に変わった背景》

    2014年のAPEC北京サミットの後、人民日報は「この会議は中国が国際ルールを決めた最初の会議だった」という記事を掲載しました。この記事と習近平の今回の講話を考えれば中国の外交戦略が「国際ルールと軌を一つにしていく」から「内外二種類の規則」になったことは前者を拒絶し、国際ルールを主導しようという序曲が明らかになります。

    外交とは内政の延長に過ぎません。「国際ルールと連結していく」はかつて中国政治で重要な位置を占めていました。1989年の天安門事件の後、米欧は中国に経済制裁を科し、鄧小平の1992年の南巡のあとになってやっと次第に解禁されました。そのとき北京は西側の支持を取り付けようと「これからは国際ルールとの機をひとつにした連結していく」を対外改革開放のテーマ文句にしたのでした。

    普通に「国際ルールと軌を一つに」と聞けば、一つの国の経済、文化、芸術、体育、衛生などの分野で全ての規則を国際社会のルールとあわせて統一する、ということです。外国メディアと中国ウォッチャーも中国が「軌を一つに」の中に「政治」を含めていないのに気がつきましたが、みんな経済の市場化が進み中国経済が国際的に軌をひとつに、なればそしてWTOに2001年に加盟すれば国際ゲームのルールを尊重することを迫られるだろうし、きっと中国も民主化するだろう、とおもっていました。

    しかし、2005年の「平和的勃興」から始まって、国際社会は国際社会はすでに中国が国際的な約束を守らないことに往生して、米国はずっとに中国に対して「国際社会の中で責任ある一員として振舞うように」とうながしつづけてきました。

    米国がそうし始めると、中国側ははっきりと「中国はただ国際ルールを尊重するだけの受動的な役割はやってられない。中国は国際ルールの決定者の(すくなくとも一員に)なるべきだ」とはっきりといいかえし、その強い姿勢をギラつかせ始めました。それは2011年のAPECハワイトップ会談のことです。

    オバマ大統領は非常に中米両国の「戦略的パートナーシップ」を重視してきておりわずかに一度しか強い不満を表明したことはありません。その一度がハワイでの会談で中国に「国際関係を弄ぶのはやめよ」「大人の振る舞いをしろ」として中国の行為にはうんざりだ、と言ったときのことでした。これに対し中国の外交官の庞森は「ルールが中国が協議に参加したものであれば中国はルールを尊重せねばならないが、一国か数カ国が決めたものなら中国にはそんな義務はない」と答えました。中国のメディアはこの回答に大喝采を送りました。「中国外交部の強硬宣言;中国は他国が決めた準則を尊重する義務なし」という報道は国内の大サイトにあふれかえりました。

    当時、私は「中国は国際社会に後からやってきたもので、大多数の国際組織は国連もふくめて中国が加盟する前にすでにできていた。その規則が国連憲章であり、中国が未加盟時に制定されたからという庞森の言い方でいえば、中国はあらゆるルールを守らないで良いことになる、と指摘しました。庞森の階級はさほど高くありませんが、彼の話は個人的なものではありません。外交官に個人的意見など、特に中国ではありはしないのです。

    この後の事態の発展ぶりからみても証明されていますが、中国は一貫して国際ルール制定する側になろうと努力してきました。2014年APECサミットで「北京反腐敗宣言」が通過し、APECの反腐敗実行協力体制がうまれ、中国は地域での反腐敗の主導権を握りました。経済協力会議で非経済協力の成果を獲得したの自慢するのは外国人には理解しがたい『重大な成果』ですが、しかし北京から見るとこれは非常に重要な国際政治からの承認えられたということなのです。

    人民日報は11月8日に「中国はなぜAPECをかくも重視するか;受動的参加者から主導者へ」という記事を掲載して、2014年のAPEC会議は中国が国際ゲームのルールを変える始まりだ、としました。(これについては「APECウォッチング 中央規律委の反腐敗が国際的に承認された http://heqinglian.net/2014/11/18/anti-corruption-japanese-3/ を参照してください)。そのわずか20日後に習近平は講話の中ではっきりと「国際・国内の二つのルール」という意見をあきらかにして、おおっぴらに中国の外交戦略(実は政治戦略)の重大な変更調整を提起したのです。

    オバマ大統領の中国に対するそもそもの誤解は中国を西方文明へ遅れて到着したものとみなしたということです。ですから「子供っぽい真似」という比喩を使ったのでした。しかし事実は中国は政治の上では西側世界に参加しようなどという気は全くなかったのでした。そして東方世界においては中国はとっくのむかしから深謀遠慮に富み政治経験も極めて豊かな老獪な老人だったのです。それは百年前に「中学為体、西学為用」(「中国の伝統的な文化,制度,倫理道徳を根本にして,西洋の科学技術を利用すべし」)は今でも変わっていないのです。

    《外交政策上の習近平氏個人の特徴》

    習近平の「二つの市場、資源、ルール」という考え方は2009年2月11日のメキシコでの講話からその手がかりがよみとれます。習は政権につく前の公開談話は少ないのですが大変特徴があって、率直でいい加減なことは言わないのです。彼がメキシコで話した内容には彼の中国の国情と世界への判断が含まれています。例えば、「中国は13億の人間のメシの問題を基本的に解決できた。これだけでもすでに全人類への偉大な貢献である」「満腹した暇な外国人が我々に指図しようとするが、中国はまず革命も、そして飢餓貧困も輸出しない。それに君たちを困らせない。これで何が不満なのだ?」と言いました。この話が今日の習近平の外交思想の青写真なのです。

    それは1;中国は国民に飯を食わせることを目標にして、毛沢東当時のような「世界革命の領袖」への大望や東アジアへの革命輸出など考えない。
    つまり他国の内政に干渉しない、と言えるでしょう。

    2;中国にたとえ飢餓と貧困があったとしてもアフリカと違って自分で解決できる。難民を外国に生み出す面倒をかけない。ーこれは本当の話です。いま合法移民は金持ちか上層中産階級で渡航するのは貧乏人ではなく、すくなくとも渡航費を払える人たちなのです。1;と2;はできており、「困らせてはいない」です。

    3番目。中国は政治上、西側と軌を一つにしない。すなわち民主化の道は歩まない。中国人民の人権や言論の自由などはすべて内政であり、満腹で他にやることのない外国人があら探しなどするな、と。香港のオキュパイセントラル運動が始まってからその提唱者の「3人の一人」香港大学の陳健民教授は全米民主主義基金との関係を取りざたされ、「国外勢力」に打撃を与えることは中国当局の当面の主要な政治任務となっており、すべての外国資金をつかうプロジェクトは、中国国内で登記説明を求められ、Transition Institute(北京の研究所)の主要な研究員が次々い逮捕されるなど民間側はすべて重い打撃を被っています。

    考えてみればおもしろいことですが、世界各国の腐敗度を毎年公表しているNGO組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」が2014年の清潔印象指数を発表したばかりのときに、中国が「二種類のルール」堅持を打ち出したことに格好の理由付けになりました。

    習近平着任後の反腐敗への力の入れ方は空前のものなのに清廉指数は世界の80位から100位に下がってしまったのです。中国外交部が強烈に抗議したばかりでなく、中国内の世論もこれには不満です。こうなった原因はNGOのTIは政治の透明度も考慮にいれており(例えばメディアの腐敗撲滅への参加など)、責任をどう問う制度があるか、市民社会の要素なども加えます。しかし習近平は腐敗撲滅と同時にメディアやNGOに打撃を与え、社会活動家を逮捕し政治状況の上では大いに後退してしまっています。今後予想されることは中共は別に政治的透明度や市民社会、開放的なメディアの自由などを高めようなどとはおもっていないわけなのでこうした状況のもとで、もうはっきりと仮面をかぶるようなことはせずに「国際基準には合わせないで中国的特色をはっきり口に出し、「二種類のルール」を実行する、ということです。つまり、「二つの市場、二つの資源、二つのルール」は毛沢東式の鎖国ではなく、「中学為体、西学為用」の習近平バージョンなのです。

    つまりこういうことです。

    「中国は今後、政治的には高い障壁を築き西側の価値観の侵入を防ぎましょう。君たち西側は君たちの民主主義をやれば良い、わが中国は「中国的特色の社会主義」をやる。きみら西側は民主制度を実行するとか言って公益援助の名目でカラー革命を画策するのはもうよしなさい。経済上、中国は今のまま世界と仲良くやっていく。二つの市場、規則、の意味は「中国は外国に投資して、外国の規則に従ってやる。例えば中国から大金を盗んで逃げた役人の追求とかを。国際ルールにしたがってその押収した金は分配する。で、外国が中国に投資するには我々の規則にしたがってきてください」ということです。

    経済上、西側は中国にとっての重要なパートナーだ。しかし、政治上では米国などは「腹に一物を秘めた国外勢力」である」のです。(終)

    拙訳御免。
    原題は;中国新战略:从“与国际接轨”到“两类规则”
    http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-201401204/2545287.html
    何清漣氏の他の論考の拙訳は;http://heqinglian.net/japanese/

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