• 周永康はなんの”国家機密”を漏らしたのか?

    by  • December 16, 2014 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2014年12月5日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/Iughc

    周永康事件がとうとう終局を迎えています。司法機関の処理に任されました。500文字の新華社のニュースのうち、周の罪行は220文字を占めます。周の関わったとされる罪行の大部分はとっくに財新ネット系列で報道されたもので、新しいものはひとつだけ、すなわち周永康の犯した党の規律に重大な違反としてあげられている「国家機密漏洩」です。 薄熙来事件後今年の前半まで中共のトップ層の内部抗争によって、多くの党トップの家族の財産に関する「党と国家の機密」が漏洩しました。その中でどの「国家機密」が一体本当に周永康に関係したのでしょうか?

    《関連1;公安部副部長・李東生の秘密漏洩》

    周永康系のルートから漏れた国家機密の主なものは当然、周永康の政敵の家族に関係するものです。2012年6月からいくつかの重大なニュースが世界を仰天させました。ひとつはブルムバーグ社の6月29日報道で「習近平の家族の富は億を越すーパワーエリート一家の幾何学」で、習近平の姉の家族の所有する財産は3.76億元だというもの。二つ目はNYタイムズの10月26日報道の「総理の家人の隠匿財産の秘密」で11月27日までに「温家宝一家の平和的勃興」としてその家族が27億米ドルを所有しているというものでした。総理に比べてはるかに地位の劣る前中国人民銀行トップの戴相龍一家は温家宝一家のそれをはるかに上回る31億元(NYタイムズ2012年12月31日)でしたがその地位がさほど目立たないものだったため、一般には大して注目を集めませんでした。

    北京のこの二つの報道機関に対する報復は様々な形でおこなわれ、最も効果的だったのは中国当局がブルムバーグ社の北京、上海支局に対して2013年11月23日に行った強制捜査で、重要証拠を押収しました。香港の苹果日報2013年12月23日付『李東生落馬の”死因”の秘密;ブルムバーグに機密漏洩」によると、610号室主任の李公安部副部長は重大な規律違反容疑で取り調べを受けており、それはブ社が昨年発表した習近平家族の資産関連情報は610号室からブ社に流れたといわれている、というのです。李は習近平が抜擢した直系子分で、これはかって李の同僚だった中央テレビの人間も知っており、国内メディアも言及しています。

    中国・財新ネットが2014年7月から始めた一連の「周永康の光と闇」のデータによると、2013年12月、まさに中共中央が周永康一家を前後して逮捕した時、周永康も自由を拘束されました。

    《関連の2;中国オフショア金融報告の秘密のデータの源》

    2014年1月21日、ICIJ(International Consortium of Investigative Journalists)が発表した「中国オフショア金融報告の秘密」はその意義は極めて重大でしたが外部世界でははっきりと、これは完全に権力闘争で漏れ出たシロモノだと知っていました。この中で公表された上位100位の中共トップ層の家族のデータには習近平、鄧小平、李鵬、温家宝など5人の中共指導者家族のものがあり(他に胡錦濤の姪も)、ただ江沢民、曽慶紅、周永康、朱鎔基ら4人の政治局常務委員の家族の子女の資料はありませんでした。外の世界ではそれによってこの情報は周永康系の勢力が漏らしたものだとみなしました。

    私は今年1月15日に「世界に『盗賊型政権』を認識させた「中国オフショア金融報告」の意義 http://urx2.nu/eUJ9 でその可能性を指摘しましたが、いずれにせよそれはこのデータの信憑性と意義に影響のあるものではありません。

    「中国オフショア金融報告」の資料の元を簡単に述べますと;「すべての細かいデータは二つの比較的大きなデータバンクからきており、そこにはシンガポールのTrustNetと英領バージン諸島のCommonwealth Trust Limitedの二つのオフショア仲介企業の過去30年以上の内部資料がふくまれている。彼らは数千から万にのぼる個人と企業を設立し、匿名銀行口座を開いた。これらの資料はハードディスクに保存され国際記者連盟に提供された」。

    その提供者が誰かは報告では言及されていませんが、それはマスコミの情報源秘匿のメディアとしての倫理に完全に一致することです。資料に江沢民、曽慶紅、周永康が欠けていることについてはわたしは以下の可能性があるとおもいます。

    この二つの企業は中国の国家安全部に弱みを握られて脅迫されて資料を出さざるを得なかった。李東生がブルムバーグ社に漏洩したという”前科”からみると周永康系の誰かが外部に習近平関連のデータを渡したのではという仮定はアリでしょう。というのは国家安全部と公安部門がこうした情報をゲットするという可能性は他の部門の場合より可能性が高いからです。ですから周永康らは江沢民や曽慶紅の家族関係を削除してから資料を外部に流したとおもわれます。

    朱鎔基の家族についての資料がないのは、ひとつの可能性としてその家族が本当にオフショア企業と無関係だったか、あるいは故意に来源を糊塗するために削ったのか、でしょう。この見方にはさらに三つの証拠の数字があります。ひとつは時間的な符合です。「金融の秘密ー我々はどうして報道を進めたか」で2013年7月ごろに250万部のオフショア秘密文献のはいったハードディスクが提供されたとみられますが、これはまさに外国メディアがこうした高層家族のスキャンダルを集中的に報道していた時間であり、李東生がブルムバーグ社に資料を提供した時期にも大変近いのです。

    次にこの報告に関わった人間が正体不明の犯人に攻撃されて負傷しています。香港の「明報」の劉進図・前編集長が発表から間もない今年2月26日に正体不明の犯人に重傷を負わされました。当時香港メディアが報道の自由との関連を指摘しましたが、香港立法議員の葉劉淑儀女史は劉氏は恨みを受けるような人ではないし、そんなことは信じられないと語りました。台湾の壱週刊の調査による「劉は地雷を踏んで、中共の権力闘争に巻き込まれた」と、劉が「金融の秘密」発表に巻き込まれたと報じました。

    3番目に中共当局は周永康に情報を提供した国安部の役人を調査しました。北京市国家安全局の梁克局長は今年1月、中央規律委に連行されましたが、その理由は中国内では報道されていません。NYタイムズの2月22日の「中国反腐敗、調査国安系統に及ぶ」(記者・儲百亮、安思喬)の特ダネ報道だと二つのソースが梁克の容疑は安全局のスパイ網、電話盗聴と首都の密告者の情報を違法に周永康に手渡していた、というものだと。

    NYタイムズの温家宝、習近平関連のデータの出処が周永康からかどうかをうかがえる公開資料は目下のところありません。「金融の秘密」のレポートのデータからみるに関係者は37000余人以上で高層家族が上位100を占めます。 前にも申し上げましたがこれは十分に中共が盗賊型の政権であるという本質を示しています。中共は当然、さらにこの報告が党と国家に重大な損害を与えたことを認めています。新華社の12月6日朝のニュースでは「周永康の仕業は完全に党と性質と趣旨に反しており厳重な党規律違反であり、極めて大きく党のイメージを傷つけ、党と人民の事業に重大な損失を与え、その影響は極めて悪劣である」としています。

    少し前に中国が反スパイ法を発表しましたが、すべての兆候からみると周永康が極めて重い刑を受ける可能性はありえましょう。似たような事件ではこの10年以上の間、中共高官で外国への機密漏洩で死刑に処せられたのは劉連昆少将だけで台湾に情報を漏らしたかどで1999年に死刑にされたほか姫勝徳少将が廈門遠華密輸事件で軍事情報を売って2000万以上の暴利を得たという事件で、検察側は収賄、汚職、公費横領罪など
    多数の罪名で起訴しました。軍事法廷一審では死刑、執行猶予2年。数年後に無期に変更されました。姫勝徳の量刑は「貴族階級」という潜在ルールが考慮されたと思われ、中共最高当局はその父が元老の姫鵬飛であることを考慮し処置を軽減したものと思われます。周永康は政治局常務委員の高みにおり、刑がはたして「常務委員は罰せず」という貴賓貴族原則をはたして考慮するか否かによってその刑の重さが決まるでしょう。(終)

    拙訳御免。
    何清漣さんの原文は;http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-zhou-yongkang-20141205/2548210.html
    何清漣さんの他の論考は;http://heqinglian.net/japanese/

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