• 「低出生率が労働力危機を招く」説ー反産児制限派の悪い冗談ー

    by  • February 1, 2015 • 日文文章 • 1 Comment

    何清漣

    2015年1月25日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/XA2hc

    最近、中国政府が中国の労働人口は連続3年で減少というデータを発表するや、たちまち少なからぬ反産児制限派が大声で「人口危機だ」「早急に産児制限政策を調整しなおさないと、生育率の低さが続けば、将来ドミノのように大変なことが起きるぞ」と大騒ぎを始めました。このようなことをいう人々は専門知識がないか、専門知識のない人たちを 騙そうとするために「悪いご冗談」のような偽りの命題を作り出しているのです。

    《中国の失業率は政府発表よりはるかに深刻》

    中国政府が発表した2014年の失業率はふたつあります。ひとつは都市で登記されている失業率で4.09%。調査失業率は5.1%。過去5年来、中国政府の発表する都市登記失業率はずっと4.1%で不変で当てにならないことでは天下に名高いものですから、実際の状況は政府発表よりはるかに深刻です。前総理の温家宝が2010年3月に出席した中国発展高層フォーラムで公開したのは、中国の失業人口は2億人でした。

    ここで指摘しておかなければならないのは、この2億のほかにまだ多くの十分には職があるとはいえない就業人口が存在することです。それは政治的に無理やり「就業人口」にいれられている人々です。鉄鋼業を例にとると中国には800社の鉄鋼会社があり就業人口は350万人を超えます。彼らはGDP増加の主要な原動力であるだけでなくさらに地方財政の税収と重要な就職口でもあります。この数年、鉄鋼業は深刻な生産過剰に直面していますが(2012年で21%)、それでも各地では鉄鋼産業をやめようとはせず損をしながら生産を続けています。というのは、各地の地方政府の目はなんとしてもGDPと税収の指標と地元の就職率という指標に釘付けされており、もし生産が止まったらたちまち銀行は閉店して政府だって店じまい、労働者だって承知しません。(人民日報2013/10/10「中国”失速”の真相2;損しても過剰生産続ける」)。

    中国の生産能力過剰業界は何十もあって、その多くが損をしても生産を続けなけらばいけない状態です。企業が無理をして雇用し続けている労働者というのは実際は半失業状態です。このほかにマーケットがずっと供給過剰状態のため、すでに就職している人々のなかにも少なからず最低の生活をしていくのがやっと、という人々がおります。これは廉思の「中国底辺層青年の生存苦境と出口」で集中分析されています。

    もうひとつの現実的なプレッシャーは中国というこの「世界の工場」はいままさに落ち目の時期で、将来的には億の桁での仕事が失われるだろうということです。1月22日、元世界銀行の副行長の林毅夫は冬季ダボス会議で賃金の値上がりによって中国は1.24億人の職を作り出していた製造業が他の発展途上国に転移すると述べました。現在中国の労働年齢人口は9.4億人で一旦失業人口が3億人に達したら、真実の失業率は32%になります。このように高い失業率に加えて、50歳以上の人々に定年繰り上げ退職を強制しているという状況のもとで誇大に中国の労働力年齢人口の減少の危機をいうことは、まったくもって反産児制限派の「悪い冗談」が生んだインチキなテーマなのです。

    《移民の潮が各国の反発を招いて》

    中国は数年前からすでに世界の4大移民輸出国となっており、各種のルートを通じて本国人口の圧力を緩和していますが、その中では非合法移民が合法移民を超えています。5000万人で改革開放後の新移民が4000万人だと。21世紀以来、東南アジアに移住した人口の中での占拠率は73%程度に下がり、北米、欧州、大洋州、日本、韓国などの華僑、華人の増加は比較的早くなっています。

    中国の海外移住者はどのぐらいいるのか?中国政府もこの不明な現状をはっきりさせたいとおもっており、国務院海外移住事務局はこのために「華僑華人分布状況と発展の趨勢」というテーマで、全世界の華僑華人の総数は4千万人というのは中国政府の公表している人口総数14億人の3%程度ですから中国にとっては人口の圧力が減ったとは大して感じられませんが、世界各国からすればこの移民と中東、アフリカの難民の流入はどちらも頭の痛い問題です。2014年の上半期だけでも6万人の違法移民がイタリーに上陸し、最後にはフランスやその他の欧州国家に流れ込み、EUでは強烈な反応がおきました。人道的な立場と自国の現実の狭間で、少なからぬ国が移民の敷居を高くしました。そして、違法移民を雇用している雇用主には高額の罰金を課し、違法移民を続々と本国送還し始めています。

    「中国新聞周刊」は以前「国際的な労働者の送還の流れ、本国強制送還された夢」という記事で引用していたデータに、2006年中国が国外に派遣した労働者は382万人で、以後増え続けています。しかし「違法」のほうはその数をはるかに上回る可能性があります。全世界の失業の高まりを背景に、違法労働者はネズミのように追われ最後には本国強制送還されます。2008年11月から北京が受け取った外国派遣労働者の数は増えており、2008年だけで5024人が戻されましたがこれは前年比10%増です。この数字には自分で戻ったものや移民局に未通知の場合は含まれません。

    説明を要するのは、欧米各国で「違法労働者」で捕まるののは違法入境ということで出入国管理機関のデータバンクに指紋は残されず、こうした人々は再び適当な名前と出生地を偽れますので中国側では調べられません。ですから強制送還された人数は違法移民のごく少数にすぎないのです。ロシアの中国違法移民は100万といわれ、2008年カナダでは合計2472人の中国人を送還しましたが、そのうち206人が逃亡中の犯罪容疑者でした。

    《中国のアフリカ移民は”新植民地主義”の謗りを免れない》

    現在世界の人口は70億人を突破し、その82%の人口、すなわち57億人が発展登場国・地域に住み、より良い生活の道を探し求めており、移民が一番早道となっています2013年国連の「国際移民と発展」のハイレベル対話で発表されたデータでは2013年世界移民の人口は2.32億人に達し人口総数の約4.2%を占め、2000年から2013年の間、移民人口は年平均2.2%増となっています。

    2010年までに、発展途上国から先進国に移民したのは7429万人、発展途上国から発展途上国に移民したのは7315万人で数はほぼ接近しています。アフリカの人口増加率は世界のトップで、戦乱や自然災害の頻発、宗教と政治の衝突の多さ、エイズ禍で少なからぬアフリカ国家は難民問題に長期的に悩まされています。国連難民高騰弁務官事務所の資料では目下1700万人の難民と国内で居所をなくした人々がおり、一部の難民は様々なルートを通じて欧米など先進国に密航しています。しかしこのような危険がいっぱいのアフリカでさえ中国人にとっては移民の金城湯池なのです。

    「揺れるアフリカ、中国移民の新天地」(広州日報2013年11月13日)によると2012年末、アフリカの華人総数は100万を超え、中国の冒険家たちの「新楽園」です。しかしこの冒険はまったく輝かしいものではなく、たとえば広西省林県(国家級の貧困地域)は1.2万人がアフリカガーナで違法に砂金攫いを行い深刻な環境破壊を招き衝突事件がおき、千人以上が帰国させられました。中国石油や中国石化といった巨頭もこうした国々で現地政府と民衆と環境や労働者の権利、利益を巡って少なからぬ問題を起こし、その度に一部の移民は送還されています。

    アフリカの国家は自分たちの人口ですら負担が重いのですから、当然、大量の外来移民を受け入れることは不可能です。国際労働組織ニュースがこの1月に発表したデータによると2015年、南アの失業率は世界8位です。しかし中国移民はこの国に20万人もいて、その半分は非合法移民で、南ア警察は現在逮捕、強制送還の方法を考えていると伝えられています。(ピーター・ガストロウ「南アの中国ギャングと犯罪組織」)。中国のアフリカ投資が増えるにつれ、移民も流入し、先進国からは中国が資源を略奪すると非難されるばかりか、アフリカ人からも中国人が資源を略奪する新植民地主義だと指弾されています。アフリカの移民返還のやり方は欧米のような国家の恩恵ではありませんから、中国移民はこれによってかなりひどい目にあいかねません。

    《中国の失業者数と全世界の総数は接近》

    ジュネーブの国際労働組織新聞は毎年全世界の就業人口のレポートをだしていますが、数字は各地域で明らかにされた数字で、たとえば中国の属するアジアは東アジア、南アジアとなっており国別ではありません。その「2014年世界就職情勢」によると、2013年の世界の失業者の数はすでに2.02億人で失業率は6%です。この数字は中国の実際の失業人口は含んでいません。(せいぜい登記失業人口です。)そのうち7450万人が15歳から24歳の失業者で青年の失業率は13.1%です。今年1月20日、同機構は2015年の世界就職情勢予測レポートを出しましたが、今年はさらに300万人の失業人口が増えるとし、今後4年に800万人増加するとしています。

    以上を総合すると結論として、

    1;世界の失業人口は普遍的に高くなっており青年の就業危機は当たり前になっている状況のもとで、中国労働力年齢人口の減少は特に”危機”ではない。

    2;人口増加が合理的か否かは自国の失業率と資源が耐えうるかどうかを総合的に考慮しなければならない。

    3;中国の移民の流れと移民逆送還の現実をみると、世界は無制限に中国人口を受け入れられない。中国の現在の失業人口は2億に達し、さらに1.24億人の中国人の仕事が失われかねない情況下で、中国労働力年齢人口の減少が一連の危機をひきおこすという産児制限反対・撤廃派の主張は「悪い冗談」の虚偽命題なのです。(終)

    拙訳御免。
    何清漣氏の原文は;反节育派逗你玩:低生育率造成中国劳动力危机 http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-20150124/2612469.html
    何清漣氏のこれまでの論考日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

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