• 中国はなぜ”アジアの太陽”になれないか 

    by  • February 1, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年1月29日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/jc4hc

    1月27日、中国外務省のスポークスマン・華春莹は記者会見で「NYタイムズ」の中国がビルマの資源を略奪しているという報道が事実を歪曲しているとして「中国と隣邦の友好関係を悪意をもって挑発している」と文句をつけました。これで思い出したのが2015年Davos会議でアジアの国家の間に深刻な相互不信が存在し「信頼関係の再構築」が必要だと討論されたことです。で、ビルマの例をとって中国が「アジアの太陽」になりたい(つまり地域の覇権を握りたい)という願いはなぜ隣邦諸国に固く拒まれているのかを検討してみたいとおもいます。

    《中国と隣邦諸国の緊張は資源争奪がが原因》

    ビルマの例ですと、中国人が資源を略奪するのに対する衝突が絶えません。ビルマの玉(ぎょく)、ヒスイ、アヘン、森林、鉱物はすべて中国の略奪性の採取の目標です。NYタイムズはこうした情報を一貫して報道してきています。今回、中国外務省が反駁したのは1月25日の「中国はビルマの資源略奪をやめよ」という記事に対してですが、これ以前にも「ビルマの禁止区域で中国商人の違法活動目立つ」、「ビルマは再びアヘン栽培の泥沼に」、「ビルマ村民が中国の銅鉱山に抗議して射殺される」などの記事があります。「ビルマ翡翠の呪い」では記者が現地取材し、ビルマ翡翠業界の「中国の影」を描写しています。

    この「中国の影」は20世紀の80年代以後伸びてきたもので、産出される富は少数の者の制御下にあり、この少数にはビルマ軍のエリートも含まれ、自主権と軍と戦う反乱軍の頭目たちの双方が中国商人と結託し数十億米ドルの価値のある宝石を中国に密輸しており、中国側はビルマの玉石業界の深刻な混乱の中から安心して利益を上げています。このような腐敗がはびこることはビルマ政府がこの数十年の軍政からの再建に必要な何十億米ドルという税収を盗み去る行為であるばかりか、血なまぐさい部族間の争いに資金を提供し、採石にあたる少数民族のカチン族の中にヘロイン乱用やエイズ感染を流行させています。

    ウォッチャーの結論は、ビルマの内戦は林業、玉石、黄金、麻薬などの密輸中国人に対して安全地帯を作り出している、としビルマの希少動物も中国の虎や豹の体の一部に対する需要、熊の胆や、センザンコウが危機に瀕し中国国境に近いMong Laの町は動物密輸の町となり、売春と賭博で腐った中心となり、多くの統計によるとビルマの虎は70頭にまで減ったといわれています。

    英語の世界では中国のビルマの資源略奪に関する報道は多々あり、ファイナンシャルタイムズは「ビルマ、中国の”西海岸”化」(2013年1月2日)で人権と環境保護組織の批判はさらに先鋭です。近年、中国のビルマにおける投資プロジェクトが挫折したのは、ビルマ人の激烈な反対の結果です。こうした隣国に対する資源の略奪は他の東南アジア国家に対しても行われており、例えばベトナムの紅木に対する大量の討伐などがそれにあたります。

    《違法移民の圧力と領土争いの発端》

    中国が周辺諸国に深い不安を与えるているのはこのほかに普段に流出する”移民”と領土問題があります。世界人口は70億人でその42億人、6割がアジアにいます。中国は世界総人口の2割を占め、世界4位の移民輸出大国です。中国国務院僑弁研究テーマのデータでは海外の華人は約5000万人。7割以上がアジアに。アジア人口の6%。タイの華人は700万人、マレーシアは645万人、シンガポールは358.5万人。ビルマは250万人。この数字は違法移民を含まずです。違法移民の数は中国政府もおそらくわからないでしょう。

    20世紀の60年代以来、東南アジア国家では華人排斥運動が頻発しました。近年、中国の国際的地位が向上するにつれて、インドネシアやマレーシアでは極端な華人排斥事件は起きていません。しかし各国の華人移民反対の傾向は依然として存在し、華人が5割をしめるシンガポールでも近年反移民の集会は次第に増えており、報道では「中国人は公衆の敵のトップとみられている」といいます。

    資源略奪、移民圧力のほかに、中国と近隣諸国の領土問題におけるトラブルがあります。「瞭望」周刊ニュース(2009年4月15日)にかつて「中国海洋国土の半分は係争中」という記事があり、中国外務省も8つの国々との海域紛争があることを認めています。どちらにもいい分があるとすれば必ずしも中国に非があるとはいえないにしても、それなら他国の資源を略奪したり、違法移民の流入、乱掘乱伐、各種の違法行為については中国になんらかの言い分があるでしょうか?

    最初に引用した外交部のスポークスマンの発言は巧みで、彼女は中国政府は一貫して違法な乱伐、採掘、野生動植物の乱獲に反対してきており、ビルマをふくむ諸国と協力し共同でこの種の違法活動を取り締まり、自然資源の保護をおこなっており、海外で貿易合作を行う企業に対しても現地の法律を守り、環境保護と現地住民の福利に留意するように要求している、と言いました。この意味は「中国政府はそうした行動を阻止しようと責任を果たしているが、”違法行為”は中国移民の個人的行為だ」ということです。しかしながら、一人の中国人として、中国国内の資源枯渇した都市の悲惨な状況、地方政府と企業が結託して大地や湖、河川をいかに汚染しつくしたかをちょっとでも知っていれば、ビルマや周辺諸国と中国という峡谷のそばにいることの痛苦を想像するに難くはありませんでしょう。

    《地域の指導権ー長年追求も”水に映る月の影”》

    「ソフトパワー」のポイントとは国家が自国の文化の価値の力によって国際的な責任を果たす能力であり、自らその国の指導的地位を認めることを望む、ということです。米国は9.11事件ののち、世界戦略を変えて重点を反テロにおき、中東地区をその重点としました。中国は米国に変わってアジア・太平洋地区の覇権を握る機会とみて、「アジアの太陽」になろうとしました。この夢の実現のために、中国は「周辺外交」に力を入れる戦略で、周辺諸国との経済協力を強化し、経済援助を展開して、同時に文化的価値観を輸出しこの地域の指導権を勝ち取ろうとしました。2005年中国が宣言した「平和的勃興」、「中国モデル」はいったんはヒートアップして、中国は「アジア共通通貨」のタイムテーブルまで考えたのでした。

    しかし、そうはいきませんでした。周辺国家は中国の高姿勢に、とても中国と「平和的共存」などできないと感じ、大は領土問題から小は中国がダム建設によってひきそこした東南アジアの河川状況の悪化、魚類の絶滅、何百万人の漁民の失業などによって米国にアジアに戻ってくれるように呼びかけることになりました。

    2005年の中国の「平和的勃興」から2009年の米国務長官による「太平洋復帰」宣言までその間は約4年間でした。中国は米国の太平洋復帰を望まず、これを「米国の覇権主義」と罵倒し、機会あるごとに中国は国際規則の制定に参加すべきであり、世界の枠組みを作り変えると生命しました。それは2013年、習近平が軍部の粛正に成功の兆しが見えるまで続き、そこでやっと「広い太平洋は中米両国を容れるに足る広さがある」と宣言したのでした。

    最近開かれた2015年のDavos会議では李克强は「現在世界は平和とは程遠く地域衝突やテロが各地で起こっており」、「世界平和のために第二次大戦後の国家秩序と国家準則は必ず維持していかなければならない」と発言しました。いわゆる「第二次大戦後の国家秩序と準則」というのは米国主導で米国が金をだし国際社会に”公共サービス”を提供するということで、中国がこれを気に入らず米国をけなして「世界警察」と呼んでいたものです。このしばらく地域覇権を争わないというのが中国の一時しのぎの策略です。

    一方で中国のアジアの隣人たちはとっくに共通の願望としてはっきり「政治(領土)は米国に守ってもらい、経済利益は中国に頼る」という総括をおこなっております。米国はアジア国家と中国の間にたち、中国からは「干渉者」と言われながら実際には両者の間の調停役となっております。アジアの国家も、米国国内政治状況もともに米国が過剰に介入することを望んでいません。中国の隣国諸国はただ自分たちのバックに「大兄貴分」が控えてくれて 中国が憚ってくれたらそれでいいのです。

    こうした諸国は一方では中国を嫌いながら、他の一面では中国と友誼を結んでいます。ビルマを例にとると、政権担当者は東西の狭間でうまくたちまわることが利益の最大化につながることをよくしっていて、米国の友人たるアウンサンスーチー女史さえ、その戦略意義を深く理解しており、かつて「中国が隣国であり、米国が遠い国であることを忘れてはならない」と語たことがあります。

    以上、中国とアジアの隣国のあいだには資源獲得の生存競争があり、中国が周辺諸国への植民と資源略奪をやめない限り、中国は「アジアの太陽」などになろうという夢は諦めた方がよろしいのです。アジアの諸国の間に「信頼関係の再構築」するなどということは、鏡の中の花や水に映る月と同様、影は見えても得ることはできない幻です。(終)

    拙訳御免。

    何清漣氏の原文は;「中国为何当不了“亚洲的太阳”」 http://www.voachinese.com/content/he-qing-lian-20150128/2617847.html
    何清漣氏のこれまでの論考日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

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