• 中国経済の迫り来る崖っぷち

    by  • February 24, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年2月14日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/weChc
    2014年、中国の通貨発行の大放水で貨幣供給量は122.84兆元に達し、2013年の110.7兆元に比べて11%伸び、明らかに経済の成長より多くなりました。2014年の新たに増えた12.14兆元の通貨のうち8割が借款となり、全年の新増借款は9.78兆元になり、2013年に増加した8900億元のみならず、最高記録の2009年の9.59兆元より1900億元も増えています。こんなに増刷されたお札は一体どこにいったのでしょう?はっきり公認されている事実があります。それは、大部分の借款が実体経済に向かわず、非生産分野、すなわち金融市場に流れ込んだということです。

    《大量に刷られた紙幣が2014年の株価を支えた》

    今年の1月24日、中国の上場企業市価管理研究センターの発表した「2014A株市場価格年度報告」は中国人民にふたつの”吉報”をつたえました。ひとつは去年のA株市場の総価値規模が37.11兆円になり日本を抜いて米国に次ぐ世界第二の証券市場になったことです。二つ目は中国の証券化率が58.3%になって(A株が37.11兆元、GDP総量が63.65兆元)となり、2013年の40.1%をはるかに超えて米国にまた一歩近づいたのです。

    しかし、私はふたつの面からこれに冷水を浴びせます。中国証券界の人々は証券化率が低いのはまだまだ大きくなる余地があるのだとよく言い、目標は米国のそれを超えることだといいます。この種の比較はふたつの要素をおろそかにしています。

    1;米国の株式市場は全世界的な市場で、株価は全世界の資本の付託を受けたものです。中国のA株の資金来源は主に国内と、偽外資、すなわち各種のパイプから還流した中国の流出資金の回流です。

    2;米国の株式市場は健全な信用制度の上にたっており、中国の信用制度は相当に欠陥が多く、各種の詐欺的な行為が絶えず、それを矯正し罰する力も乏しいこと。「2014年A株市場価格管理行為年度報告」の中でも2014年の株式市場操作行為の出現は三種類に分かれ、新たな特徴のひとつは「市場価格管理」の名で内外結託し、上場企業の出した選択情報に合わせるなど新型の株価操作の手口の事件があるとしています。国内の株市場は運営閉鎖、詐欺行為が普遍的に存在する状況下で、証券化率が高いということは往々にしてバブルが大きく、投機性が強い、ということ。これが第一の冷水です。

    第二の冷水は、個人投資家がまた大きなカモにされるということです。「市場価格年度報告」では2014年の上海・深圳両市の1284社の主要な株主と高級管理職は持ち株を2218億元減らしました。そのうち後者は641億元で、始まって以来の額です。この大急ぎの株現金化は完全に中央規律委の国営企業の反腐敗に対して「蝉の抜け殻の計」で逃げようとするものです。10数年前の国営企業改革で多くの国営企業高級管理層は(李鵬の娘の李小琳のような紅二代目が多い)MBO方式で持ち株を取得していますが、「反腐敗」政策によってそれがみな無くなってしまったりしないように、株式市場で大急ぎで現金化したわけです。

    《借金の自転車操業に入った大量の通貨》

    2009年の4兆経済刺激の後、何十兆の新増貨幣がパラパラと輪転機から刷り出され、地方政府は大盤振る舞いし、役人は受けにいって、使い道に困るほどでした。唯一の問題は地方債務がまといついて離れないことではありましたが、しかし地方政府は賢くもしっかり天が崩れることがあっても中央政府が自分たちを見捨てたりしないという確信をもっておりました。果たして地方政府の思惑は当たりました。

    中央政府はついに社会主義特有の「親心」を発揮して、地方政府の債務を吹っ飛ばす準備をしてくれておりました。2014年9月21日の「国務院の地方政府の債務管理の強化についての意見」の命令が下され(43号文件という)この規定では2014年末までのすべての債務残高を2015年1月5日までに上級に報告せよ。それは分類して予算として狩りする。財政資金を優先的に債務返還にあてるように一本化する、と。分かりやすく言えば「親愛なる地方政府よ、中央は諸君がこの数年、借金に苦しめられておることを承知している。現在、急ぎ数字をよこしなさい。そしたら方法を考えてあげるから。子の借金を親が払う、我々中央政府は地方政府の”父”だからしかたがない」ということです。

    地方政府の役人はもともと成績をよく見せたいわけですから、債務に関してはできるだけ少なく報告しています。発展改革委員会の李鉄は地方債務の18兆というのは実際の半分どころか、その3、4割にすぎないとしています。今、中央政府のこうした温情をみた役人たちは大喜びで”誠実”に上に報告したわけですが、その結果途端に債務は瞬間的にビッグバンのように膨れ上がり、災難の予感に怯えていた財務長官は、あまりの巨額に「いくら我が子でもこんなに親父にたかるとは何事だ、と怒り出し、財務部は2015年1月29日「地方政府の債務残高の書と的生産の鑑定別結果と事故調査に関する通知」を出しました。内容は大雑把にいえば「上げてきた報告は不合格であって、差戻すからもう一度、ちょっとは少なくしてあげてきてあまり北京に面倒をかけるな!」ということです。

    その実、中央政府が地方政府のために借金の返済を心配するなどは無駄なことなのです。地方政府はとっくに新しい借金でふるい借金を返す方法を使っていて、地方銀行さえ動いていければ地方政府の元にはちゃんとお金があるのです。なんで地方銀行が地方政府のいいままなのか?それは銀行業務の競争が激烈で二つの分野で地方政府に依拠しないとやっていけないのです。そのひとつは政府財政の預金など大口や政府のプロジェクトなどをどの銀行に預けるか決める力があること。二つ目はある地区の銀行の営業許可権。これは希少資源で激烈な競争の的です。ですから地方政府は旧債権を新債権で返すというこのカラクリ芝居にただ一緒にくっついていくしかないのです。こうして銀行と地方政府は二人三脚のようになって、その結果銀行の不良債権は大量に積み上がり、破産の危険も増えていきます。

    《「資本輸出国」の栄光の冠は気まずい「資本の外国逃避」を隠せない》

    2013年以来、中国の対外投資は猛烈に増えています。中国商務部はまっさきに中国が資本の純輸出国になったのを喜んで祝っています。中国資本はあまねく世界にいきわたり、これは中国の国際的な地位が高まった証拠である、ということですね。しかし全世界は中国の資本の外国逃避が日々盛んになっているのを心配してるのです。

    さきに言った「資本純輸出国」という栄光の冠、2012年にはじまって中国は世界三位の対外投資国になって、2013年に海外直接投資が1078.4億米ドル、増加率で22.2%の記録を達成しました。2014年の対外投資規模は1400億米ドルで利用している外資の200億ドルをはるかに超えています。ですから中国商務部は誇らかに中国は純資本輸出国で米国は中国資本の第一の受け入れ国だ、と宣称しているわけです。これはちっとも嘘ではありません。2015年1月22日のウォール街ジャーナルの「中国の廉価資本が全世界に湧き出すかもしれない」という記事で現在中国の投資は全世界の資本の中で26%に達し、1995年にはわずか4%だった。これに比べて米国投資は1985年には35%と最高だったのが今では20%以下だとしています。

    商務部は「資本の純輸出国」になったというので大喜びなのですが、しかし中央銀行は資金源が外国に流れるのはまずいと感じています。で、2015年2月5日に預金準備率を引き下げ、流動性(約6000億元規模)を増そうとしました。この心配には根拠があります。様々な現象が中国国内から国際資本がまさに流出を加速していることがうかがえます。ゴールドマン・サックスのアナリストのTang及Maggie Weiは1月13日のレポートで2010年から現在まで、中国の累計で2兆元(*3000億余米ドル)の”収支誤差”は資本のひそかな外国流出を反映している可能性がある、としています。

    国家外国為替管理局は2月3日に去年の第4季年度資本と金融プロジェクトの輸入超過は912億米ドルで、1998年以来の最大の赤字だと発表しました。余豊慧(*著名財政評論家)は「中国は最大規模の外資逃避による金融危機防止に努めよ」という一文で人民元が最近、大幅に値下がりしており外国資本の海外逃避は一層深刻になりかねないとして、「まず、人民元の為替レートが値下がりしているのは変えようのない勢いのもので、ならば将来国際資本が雪崩を打って流出するか、長期的に流出する。こうなったら、外貨準備だががたとえいまよりもっとあったところで空っぽになり、全体的な金融危機が必然的に爆発する。次に、国際資本の外国逃避は中国経済のバブルを破裂させる針になりかねない」として特に心配しているのが国際資本がパニックになって逃げ出した時に中国の不動産、株、地方債、および生産力過剰の業界の金融危機が引火爆発する危険です。

    一国が頻繁に通貨発行政策によって経済を刺激するときの目的は企業が生産を増強し、就業者を増やし、最後にはインフレと引き換えに経済を反映させようとするわけです。しかし中国のこの二年間の貨幣発行高は2009年の政府が投入した4兆元のような多額ではなく、お金もまったく生産領域に入っていきませんで、株式市場、債務の悪循環、そして国外流出と分かれてしまいました。

    このような状況で、中国がさらに紙幣印刷機を大稼働させてもどうにもならないでしょう。というのはこの通貨の向かった三つの方向はどれも繁栄へは通じておらず、逆に崖っぷちに通じているからです。(終)

    拙訳御免。
    何清漣氏の原文は;中国经济逼近悬崖 http://www.voachinese.com/content/he-qinglian-20150214/2643966.html

    何清漣氏のこれまでの論考日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

    Share Button

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *