• 中国政府の”国産品愛用”策に、中国企業はガッツを見せられるか?

    by  • March 2, 2015 • Uncategorized, 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年2月27日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/mtIhc

    最近、中国政府は調達を外国から国内に切り替え、一部の国際的な知名度の高いハイテク産品を政府の購買先リストから外し、同時に1,000種類に上る自国商品を増やしました。シスコ(*世界最大の電脳ネット機器開発会社)などこれまで中国と良好な関係を築いていきた外国企業にとってはついに大口顧客を失う痛恨事です。中国の世論はこれは国家の安全を保障する重要な措置だと喜んでいます。しかし実は中国政府の本当の狙いはここにあるのではなく、内需振興なのです。Microsoftなど外資が続々と撤退し、数十の産業が生産能力過剰で内需はずっと疲弊しっぱなしで、政府が自国企業に仕事を与えないと自殺行為に等しいのです。

    中国政府の消費は国内と国外に大きくわかれ、国内分は2012年以前は国際政治上の必要性から、中国政府は常に「お買い物オーダー出してやるぞ外交」をやってきており、これは特にEU諸国に効果がありました。中国から大きな注文が欧州にあれば生産は増え、失業は減り、企業税の徴収も保証されますから、英・独・仏などの国は北京に対してより好意的な目を向けるようになります。北京政府が購入していた物品には国産では賄えないエアバスやボーイング航空機など、国内で生産できても質的に比べ物にならないものもあります。さらに主要なことは当時、中国の経済の”三つの馬車”への投資と出口はまだまだ元気で、内需の弱点は中国政府は気にしませんでした。

    国内状況からいうと政府消費は大変重要です。政府の資料では2000年から2011年の期間に消費需要対GDPの貢献率は65.1%から55.5%に下がりました。そして投資のGDP貢献率は22.4%から48.8%に上がりました。消費需要では国民消費は2000年の74.5%が2011年には72.2%に下降。同期に政府消費は25.5%から27.8%に上昇。「政府消費と国民消費への圧迫は明らか」と専門家の批判を浴びました。2012年には国内経済学界は政府消費を批判するとの声が高まりました。財新ネットの「内需の動力がねび曲げられ、政府消費が国民の消費を覆ってしまっている」が代表作です。これが発表されたあと、公開資料は出されなくなり、広く引用されている資料は「この数年、政府消費はずっと13%程度で推移している」というものですが、27.8%もあったものが一気に13%に下がるなどということはいくらなんでもどの機関も表立ってこれを説明しようとはしません。

    中国の国民消費の力を押し上げる力は弱いものです。国家統計局の2014年の講評調査結果では農村消費者で余裕が全くない比率は23.6%、都市では15.9%です。この状況のものとで政府が外国製品を国産品に切り替えるのは政府がなすべきことです。そして国内企業がはたして質の保証できる製品を安定供給できるかどうかは今後の企業の生死と従業員の就業という点できわめて大事なことです。

    《中国は世界第一の国際観光旅行消費国になった》

    中国経済は内需不足で困っていますが、しかし中国人は日韓米欧で最大の外国人消費集団になっています。統計では2011年、中国人海外旅行者は730億米ドルを使いました。2012年には1020億ドルになり、米、ドイツ、をぬいて世界一の国際旅行消費国になりました。2013年中国の旅客出国人数は9819万で旅行消費総額はすでに1287億ドルです。

    2014年、中国の出国旅行者は初めて1億を超え、消費総額は1648億ドルに達しました。そのうち日韓、香港が中国旅行者の三大買い物地点です。2014年度第3季度には、中国旅行客の消費は15.7億ドルで外国旅行者が日本で消費する3分の1を占めました。中国旅行客が韓国で消費する金額は日本よりさらに高く、2011年27.58億、2012年33.93億、2013年40.62億となっています。

    中国人が外国で一番使うのは銀聯カードです。データによると2014年の銀聯カードは2014年に世界で41.1億人民元使われています。2014年の中国のGDP総額予測は61.15万元ですから、取引額は当年GDPの三分の二になります。もし銀聯カードの全世界取引額が本当なら、この種の外需を内需に転化すれば中国は内需不足に苦しむことなどなくなります。ただ問題はその可能性は大変小さいことです。

    《海外の買い物の内需転化は困難》

    各国の旅行協会の統計によると、米国では中国旅行者は一人当たり一回、6000ドル使います。イギリスでは1600英ポンド、ドイツでは2500ユーロ。こうした人々は当然中国の3億人以上いる、毎日2ドル以下で暮らしている人々ではありません。豊かさピラミッドのトップ10%に属する人々です。

    2014年、西南財経大学中国家庭金融調査と研究センターが発表した報告によると、2013年資産トップ1割の中国家庭は60.6%の資産を占有しており、ジニ計数は0.717でした。中国のコアの家庭人口規模は大体3〜4人の間でつまり、約10%の家庭人口約1.3億人〜1.5億人がちょうど海外旅行消費の約一億人と大体対応しています。中国旅行研究院の統計では、香港、マカオが中国人旅行者の消費の7割を占めており、そのうちのミルク、衣料、靴、化粧品、薬品、バッグ類が選ばれる商品です。日本での買い物には電気釜や日本米、ウォッシュレットなどがあります。これらは生活必需品で、中国国内にも類似商品はあります。しかし、こうしたトップ層の消費者は外国に行くという手間を惜しまず買い物にでかけます。当然、理由は外国製品のほうが質が断然いいからです。特に粉ミルクに関しては三鹿メラミンミルク事件の教訓があり、外国製品の印があって中国の母親は安心するのです。

    トップの消費者が国外で買い物をするとなると、国内の生活必需品には中から下の消費者しか残されていません。ということは中国のCPI(消費者物価指数)構造を食物主導型から脱出させる方法はない、ということです。

    《食べ物主導型の中国CPI(消費者物価指数)》

    中国の消費を牽引する役割を中・低辺層に望むのははなはだ難しいことです。中国のCPIは米国とは違って、食品が主導型で3割以上(米国は15%)を占めているのです。近年の中国の物価上昇類別をみるとみな食料品の上昇が比較的急で、2015年1月分を例にとると、全国民の消費価格総平均にくらべて0.8%上がっています。その中で食品価格の値上がりは1.1%です。非食品は0.6%です。

    このような状況は中・低所得者層にとって大変です。なぜなら中国の低所得者の食費と住居費の重みはCPIの67.1%に達するからです。食品価格の持続的な値上がりは中・低所得者層にきわめて不利に働きます。あるいは、数年前にある報告で、中国の年家庭の平均資産は247万人民元で米国より21%高いぞ、だから中国人には消費能力がある、という人がいるかもしれません。その人たちがご存知ないのは、不動産価格の上昇があまりに急激で中、低所得の家庭資産中の不動産の比率が高くなりすぎていることです。この意味はこれらの人々は自らが住んでいる不動産以外の財産には限りがあり、消費能力にも限界があるということです。

    これと国家統計局が昨年発表した数字を合わせるとすなわち、農村と都市の少なからぬ消費者は余分のお金がない、ということです。こうした余分のお金のない人々は普通、ただ安い生活必需品を買うだけで、食品への支出比がおおきいのです。こうしたCPI構造は各種の商品への需要を厳しく抑えてしまいます。

    《中国企業にとって挑戦のチャンスではある》

    消費、投資、輸出は経済成長の核心をなす三つの馬車です。そのうち消費は最も重要な馬車でGDP増加の主要な要素です。国民の最終消費は主に二つの部分からなりすなわち国民消費と政府消費です。中国政府が調達リストを自国企業に重きを置いたのは自国企業の市場と就職率を保証するためで、政策としては正しいのです。なぜ中国は生産物の安全を理由に自国優先にしたのでしょう?

    ひとつには他国に対して中国に門戸開放するように要求しており、また逐次解放していくと約束もしているから国際社会に中国は保護主義だなどと思われたくないから。もうひとつは自国の消費者が政府に従って国産品を選んでほしいから、でしょう。国際的経験からいえば、絶対多数の国家は経済発展の初期にすべて保護貿易主義をとって、自国の国営企業を作り出すスペースを確保しています。韓国はかつてカラーテレビの輸入を制限して自国電子企業の発展を守りました。

    中国が現在、貿易保護措置をとるのは遅すぎたとはいえ、しかし「ニセモノ大国」の中で国内企業生産の品々の質量が外国企業と競争することが難しい時期にあたっては消費の質を落としても歯を食いしばって、ということだ、といえるでしょう。このような保護措置がはたして効果があるか否かは、自国産業の合格製品を作るやる気にかかっています。さもなければ、ザルで水を汲んでいるような無駄なことになってしまうでしょう。

    ツィッター上でこの話をしたとき、ツイ友諸氏は中国企業の生産能力が劣っている、採用されても必ずキックバックやリベートを要求される、開発能力が足りない、きっと外国の部品をかって海賊版に仕立てて政府に売る、などいろいろな話がでました。こうした手練手管はたしかに政府のこの度の試みを水の泡にしかねませんが。私も当然、こうした行為が骨絡みの「中国的特色」だとは承知しています。

    しかし、中国の失業人口が3億人にもなろうとしているときに、社会を安定させるためには中国政府が自国人民に「飯の種」を与えないで誰が与えると言うのでしょうか?もし企業がガッツが無く、合格製品を作り出すことすらできないというのなら、どうにも助けようのないアホ、となってしまってもしかたのないことなのです。(終)

    拙訳御免。

    何清漣氏の原文は;政府采购弃洋就土,中国企业能否争气? http://www.voachinese.com/content/heqinlian-20150227/2660869.html
    何清漣氏のこれまでの論考日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

     

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