• 中国の未来は「強大と崩壊の中間ー膿んで爛れても崩れず」

    by  • April 5, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年3月12日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/thGkc

    最近、米国の一部の「中国通」達が色々、習近平に対する失望と批判をし始め、その強い調子は鄧小平の天安門虐殺直後を思いださせます。彼らの批評で重要なのは別に観点に新味があるからというわけではなく(一部の中国の学者はとっくにもっと深刻な論述を行っています)、重要なのは彼らの態度が変化したということです。こうした中国通の学者たちはこれまで「パンダ派(*親中国派)」と言われ、ずっと中国と米国の関係に影響を与え中国を民主化の方向へ進ませるべきだと主張してきた中米戦略同盟の主な支持者たちだからです。

    ★「パンダ派」の期待外れ

    面白いことですが、こうした中国通諸氏が今頃指摘している問題というのは中国ではとっくにわかっていて「そんなことの原因は今急に、一朝一夕に生まれたものではない」ということです。習近平が中国の玉座に着いた時中国はすでに乱脈の極みでしたが、そのころ彼らはそれらは大した問題ではないとしただけではなく、まだ「中国の平和的勃興」について結構な未来図を描く方に大忙しだったのです。

    ただ習近平は前任者とは違って、2012年に訪米する前、こうした米国の北京シンパたちが寄せた期待に応えなかっただけでなく、逆に西側民主政治に対して強烈な敵意をみせて、多くの”中国通”諸氏を深く落胆させたのです。

    こうした論調が浮上し始めたのは今年の1月からです。1月29日、ウォール街ジャーナルは米国企業研究所のアジア問題の専門家、マイケル・オースチンの「中共は黄昏に」を掲載しました。その記事の中にある外交官の私的な集まりで中国問題のある専門家が「いつとは言えないが中共はすでに黄昏の時代に入っている」といったとか。2月中旬には孔傑栄教授(*全台湾主席の馬英九氏の恩師)が米中関係正常化40年講演会の公演で「習近平の執政は柔軟性が欠乏しており、その政治下での人権状況は極めて不満で、中国が採取的に本当の法治を実現することを願う」とし、政府の権力の制限、残酷な刑罰、意のままの逮捕や裁判制度を減らすことを願っています。

    こうした評論の中ではジョージ・ワシントン大学の沈大偉(*訳注;有名な中国政治学者デイヴィッド・シャンボーの中国名)教授が3月6日に「ウォール街ジャーナル」に発表した「中国は崩壊へ」(The Coming Chinese Crackup)が代表的なものでしょう。彼は5つの要素をあげています。資本の外国逃避、富豪の移民、言論のコントロール、異なった意見を持つ者や少数民族反対派への弾圧、人心の離散、政府や軍隊に広がる腐敗、中国経済の出口なき深刻な問題、です。

    この5要素のうち前の4つは十年前にすでに出現していました。経済危機の兆しは2009年には水面に浮上していました。唯一の新要素は「党内のライバルへの打撃」、つまり沈教授は党内のハイレベル間の闘争が中共の崩壊を招く可能性があると認識している点です。彼と同様の見方をする人にはハーバード大学の馬若徳、すなわち中国人がよく知っているR. MacFarquharがおります。彼も習近平の反腐敗が政権の安定を危うくするとみています。

    ★「反腐敗」は官僚の居心地を悪くはする。が、それで中共の基盤が揺らいだりはしない

    上述の人々は反腐敗が習近平をハイレベルで孤立させてしまう、と見ているのですが、それはまったくあべこべです。習近平の強い反腐敗は胡錦濤時代の国家と一家が癒着して利益を吸うという構造を転覆させました。また今、世界的に海外に公金拐帯逃亡した官僚を追い詰めその抜け道を封じて、こうした連中が中共と存亡を共にするようにしています。
    こうした高姿勢は胡錦濤・温家宝時代の毎晩、酒を飲み女を抱け、金が儲かったといった日々に比べると、たしかに習皇帝のもとでは役人たちは前ほど居心地はよくないでしょうし、昔を懐かしむこともあるでしょう。しかしながら、役人たちの「反腐敗キャンペーンはまだまだ続くのかよ」という不満は、畢竟、中共が潰れるのを待ち望むという気持ちとは同じではありません。役人たちは中国の民衆が自分たちに恨み骨髄なのをはっきり知っています。そして自分たちの腐敗が暴かれる可能性も多くても5%以内だということ、そしてもし中共がひっくり返ったら、民衆に自分たちが清算される率のほうは100%だということも十分承知しています。ですから役人たちは早く「反腐敗キャンペーン」が終わって、みんながびくびくしないで役人が続けられることを願っているだけです。

    「中国通」たちがおもに接触しているのは官僚やインテリエリートなんですね。ですから官僚の反腐敗に対する不満は彼らに伝わります。でも「パンダ派」の習近平に対する不満は実は「反腐敗」のせいではなく、習の西側民主主義に対する強烈な排除姿勢にあります。習近平が政権を握った後、容赦なく言論を弾圧し、ネットを支配し、穏健な政治反対者を逮捕しました。最近では在中国の6000にのぼるNGOを取り締まると正式に宣言しました。こうした措置で習近平は世界にますますはっきりと、自分が作りたい国家とはこういうものだ、と宣言しているのです。それは強権政治プラス政府支配下の市場経済で、中国と外部の政治文化交流を断ち切り、ただ経済交流だけをおこなう、と。

    ハーバード大のユセフ・ナー教授は習近平が「ソフトパワー」のなんたるやを理解していない、と言います。西側の見方からするとこれは正しいのですが、教授が理解していないのは習近平は最初から西側のソフトパワーなぞまったくありがたいとはおもっておらず、自分の別の考え方を持っているということです。

    ★「膿んで潰れず」の状態が続く

    2004年に私は「強権政治下の中国の現状と未来」で指摘しましたが、ある社会が生存を続けていけるには4つの条件があり、それは
    ❶生態環境
    ❷社会構成員の間の道徳倫理
    ❸社会構成員の最低限の生存ライン、具体的には就職が指標になる。 ❹社会を正常に運営していく政治的整合性の力、法律制度による強い約束。

    ❹が制度と関連しており短期間で改変、調整できる以外、前の3つは長期的な生存条件の要素で、政権が交代したところで数十年以内に根本的に変えることはできないものです。中共はずっと政治改革を拒否して、中国の未来を犠牲にして一党専制を続けてきました。そして民衆の側も自らを組織する力がなく砂のような状態で、中共という巨大な岩石と戦う力をもちません。ですから中国社会はこれから長い間「膿んでつぶれそうでも、崩壊はしない」という状況が続きましょう。すなわち、生存環境は日1日と悪化して膿爛れていくでしょうが、崩壊はしない、ということです。

    毛沢東時代の専制政治はイデオロギーと計画経済、人民の完全支配に依拠していました。鄧小平の改革後、それはおもに利益に依拠する関係になりました。ですからいまの中共の社会基盤の強弱は主として政府が国家資源をどれほど支配し、それからどれぐらいの財政を絞り出す能力があるかにかかっており、いわゆる「4項目の基本原則」(訳注;4人組打倒後にできた「社会主義の道路を歩み、人民民主専制を堅持し、中国共産党の指導下で、マルクスレーニン毛沢東思想を行う」)の類の価値観によってではありません。

    こうした利益構造は変革のコストを変化させて、それを壊す代価は修理する代価より高いものにつくようになりました。政治や経済のエリートも知識階級もみなはっきりわかっていることは現在ある構造を補修して持たせるのが最小のコストであある、ということです。しかしいかに修理していくかについてはみなそれぞれ違った見方をしています。
    中央から地方までの各級別の政治利益集団と中共政権は当然ながら共栄共存の関係ですし、経済エリートは多くが二股をかけて、海外に投資を拡張(2014年の中国の海外投資は140億米ドル)しているのは、彼らの国内の政治情勢を見切った結果であり、彼らは中共の支持者ではありますが、死んでも中共を支持するというわけではありません。インテリ階級の中には少なからぬ人々が民衆が苦しむ国家のありように関心をもってはいますが、しかし大多数の人はすでに外国に移民する財力もなく政権が変わるなどというときに自分を守る力もありませんから、基本的には現政府を支持するしかありません。ただ彼らの要求する言論や出版の自由の緩和、より開明的な政治を求める声は当局と摩擦はおこします。

    マイケル・オースチンの「中共は黄昏に」ではある米国外交官が「中国変革の希望は底辺にある」といっています。この見方は一部しか現実に基づいていません。何億にもなる底辺層にはいつだって民主制度を理解してそのために頑張りたいという人はいます。しかし、その数たるや全国でも20万人といったところです。(数年前の調査で微簿上で政治に関心を持つという人からの推計)そうした人々が周囲に及ぼせる影響力動員能力を考えるとこうした「火種」がいつになったら「燎原の火」になるだろうかということを判断するのはとても難しいことです。

    事実は無情です。さらに多くの「底辺層」にとっては「ミルクを呉れる人が母」でして、こうした人々の多くが中共に頼らなくては生きていけないのです。例えば中央財政の支出でかろうじて生きていけるといった辺境地区(新疆、チベットを除いて)の貧困人口には、日常の生活用具と飲料水すらみな政府の供給に頼っている環境難民が1.5億人います。毎年不断に増加する失業大学生の少なからぬ部分が政府の提供する「ネット評議員」(五毛=訳注;ネット上で政府賛美し反対派をやっつけるお仕事)になって生きています。さらに人口の15%を占める60歳以上の老齢人口が最も心配しているのは退職後の年金が中共政権が倒れると一緒になくなってしまうことです。こうした人々にとっては民主は遥か彼方の話でその日のパンこそ現実です。

    アモイ大学の陸定定は沈大偉に反駁して「すまんがアメリカさん、中国は崩壊せんですわい」という文章を発表しました。中国の現状と将来については楽観的に過ぎるものですが、しかし一つの判断は当たっています。それは「中国政府が腐敗処理や環境汚染、不平等問題のうえでうまくやりさえすれば、中国人の自由と民主主義への憧れなんてすぐ消えてしまう」という指摘です。

    いささか皮肉っぽい言い方ですが、習近平が餌を引き続き探しだせれば、中国という人間動物園の羊たちはいつまでも「*4本足はいい、二本足は悪者メ〜」と鳴き続け、この「二本足」はすなわち民主や自由を求める人たちで、エイリアンの類だとみられるわけです。(*訳注;ジョージ・オーウェルの「動物農場」のスローガン。これに「すべての動物は平等である。しかしある動物はもっと平等である」と続く。)

    以前にも申し上げたのですが、ひとつの政権が崩壊するにあたっては統治内部の危機(政変、財政危機)、官民の間の激しい対立、殺傷暴力事件の頻発、外敵の侵入など4つの要素が一斉に起こります。現在「外部勢力」ー外敵というのはただのバーチャルな存在にすぎませんし、政変の起こる可能性は少なく、財政危機も地方政府レベルで起きているだけで制御可能な状態です。小規模な騒動は時々起きても 中共政権を震駭させるほどではありません。こういった要素は中共を強大にはしないでしょうが、一斉に臨界点に達するほどではありません。中国は中共の独裁統治の下で「腐れ爛れても崩壊はしない」状態のまま続いていくでしょう。(終)

    拙訳御免。
    何清漣氏の原文は;:中国未来:在“强大”与“崩溃”之间的“溃而不崩”voachinese.com/..12/2678502.html

     

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *